第 5 章 結論
A.6 実測計測用評価基板の制作
-100 -80 -60 -40 -20 0
0 200000 400000 600000 800000 1e+06 1.2e+06
’shusw11.dat’
図 A.12: 評価1つ目(スペクトルアナライザー)
-100 -80 -60 -40 -20 0
0 200000 400000 600000 800000 1e+06 1.2e+06
’shusw12.dat’
図 A.13: 評価2つ目(スペクトルアナライザー)
この結果から分かるようにスペクトラムパワーが基本波(200kHz)のように時間的に連続である点に関しては同 じように再現性があるデータが取れるが,電波暗室のような外的要因をシャットアウトできる測定環境でないため,測 定毎に結果が異なる結果となっている.
このような理由により図3.11に示したスイッチング電源回路の一般的回路構成における定性的特徴をC言語により プログラム化し特性評価を行った.なお,結果を2つ同時示すがその違いは次のようになっている.
1. フィードバックループの違い
オープンループ(非安定化)とクローズドループ(安定化).制御方式はPWM.
2. 評価データ
MOSFETゲート端のドライブクロックとスイッチング電源回路出力双方のパワースペクトラム
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ] No PWM Drive CLOCK Spectrum
図A.14: 非電圧安定化時のDriveクロックのパワー スペクトラム
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ] with PWM Drive CLOCK Spectrum
図A.15: 電圧安定化(PWM制御方式)を行った時
のDriveクロックのパワースペクトラム
この結果により,ジッタなどの他の不安定要因を含まない理想状態の非安定化構成の場合,一般的なフーリエ級数 で示される基本波に対して奇数時の高調波が発生する点が確認できる. しかし,ベースとなるそれぞれの信号・回路 にジッタなどの他の不安定要因を含まない理想状態であってもフィードバックループを構成し電圧の安定化を図った 安定化ブロックを構成することで,図A.14にある各高調波のピークに対してサイドローブが発生している点が確認
できる. これはある高調波に対して集中するべきピークパワーが電圧安定化のために構成されたフィードバックルー プにより,追従性の不安定要因を持つことを意味する.またスイッチング電源回路の出力電圧は電源電圧×Duty となる.この事を利用したPWM制御であるが,安定化制御は制御安定点(収束点)において細かな揺らぎ(ジッタ)
を持つ事が予想される.このジッタを直接測る手段に欠いていたが,過去の研究資料によりこの揺らぎがある点に関し ては予想に難くない[17, 18, 19].このジッタにおける影響を追加資料で確認してみる. まず,ジッタが存在した場合 の影響を簡単に予測すると次のように予想される.
1. サイドローブの発生 2. ピークパワーの減少
特に2.)の定性的特徴(実測上における)は影響は無視できない.なぜならば図A.14の一般的回路構成と提案する ノイズスペクトラム拡散手法を同時に使用した場合,ノイズスペクトラム拡散の変調回路の低減効果と回路構成上の 低減効果(不安定要因)の切り分けが出来ないからである.特に回路構成上の低減効果(不安定要因)は実装上(計 器他も含む)で正確なレベルに維持することが出来ない.加えて詳細は省くがハードクロックが持つパワースペクト ラムはデューティーが50%からズレると突然大きな偶数次高調波が発生するという特徴がある.
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ] No PWM Vout Spectrum
図A.16: 非電圧安定化時のスイッチング電源出力の
パワースペクトラム
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ] with PWM Vout Spectrum
図A.17: 電圧安定化(PWM制御方式)を行った時
のスイッチング電源出力のパワースペクトラム
非安定時にはピークが順当にそろってしまい,多少奇妙なパワースペクトラムであるが,ここでの解説のため敢えて 載せている.また,図A.17にあるように安定化のために不安定要因が生まれ,パワースペクトラムが暴れている点が 確認できる.
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ]
with PWM Drive CLOCK Spectrum No PWM Drive CLOCK Spectrum
図A.18: ゲートドライブ端におけるパワースペクト
ラム比較
-100 -80 -60 -40 -20 0
5 M 10 M 15 M 20 M 25 M 30 M
Noise Power [ dB ]
Frequency [ Hz ]
with PWM Vout Spectrum No PWM Vout Spectrum
図 A.19: 電源出力端におけるパワースペクトラム
比較
上の図A.18と図A.19が最終的に両者を比較してみた結果である.やはりジッタの影響によりサイドローブが発生 し,ピークパワーが減少している点が確認できる. スイッチング電源回路出力の図A.19ではサイドローブが発生がノ イズフロアの上昇に寄与している点が確認できる. 以上の理由により本研究の評価基板の制作ではやや一般的ではな いが,オープンループ構成で構成することとした.