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今後の展望

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第 5 章 結論

5.3 今後の展望

本研究の中で最も大きな課題として残されたのは、課題解決学習に対して消極的な 学習者への対応である。こうした学習者に対しては、知識吸収型の学習スタイルの有 効性と限界を自覚する機会を与えることが必要であろう。例えば、上級生や卒業生と 直接接触する機会を設ける、職業生活について知るための資料を提供する、などの手 段によって、上級学年で取り組んでいくことになる専門教育や職業生活の中で求めら れる技能や知識の質について具体的なイメージを形成できるように支援することが有 効であろう。その一方で、新たな取り組みに伴う不安、特に、低い成績を取ってしま うことへの不安を軽減することが留学生にとっては重要であると考えられる。本研究 で行った授業実践における成績認定では、完成度・到達度そのものよりも新たな挑戦 を行う積極性を重視したのであるが、このような評価を行うことがすべての学習者に 十分に理解されるだけの説明を行えたかどうか、やや疑わしい。コース当初はもちろ ん、コース途中にも、適宜、コースの目標と成績認定の方針を学習者に提示し、不安 の軽減と動機の向上に努めることが必要だろう。

もう一つ、今後への課題と考えられるのは、初年次の活動によって開発された自律 的学習技能が他の学習活動へ波及し将来の職業人としての活動にもつながっていくよ

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うにするための方策である。一つの示唆を与えてくれるのは、本研究の一環として行 ったコース終了半年後の面接調査への協力者が、この面接を受けたことが自己の学習 管理技能を見直す機会となったと報告していることである。これは、学習の現状につ いて内省する機会を提供することが学習者のさらなる成長と発展の契機となる可能性 を示唆していると考えられる。学期を超え、科目を超えた活動を現行の教育体制の中 に組み込むには解決すべき技術的問題が多々あると予測されるが、何らかの方法で、

中長期の内省の機会を設けることは、極めて有効な教育支援となり得ると考えられる。

「日本語」や「日本事情」といった単一の科目の範囲を超えて「留学生教育全般」ない しは「基幹教育全体」を運営する視点から取り組むことが必要になるだろうが、試し てみる価値は十分という以上にあると考えられる。

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