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その後も嚥下障害は徐々に悪化していた.投与開始 177 日後胃瘻造設術後食事 再開した際,顕性誤嚥があり,その後に生じた誤嚥性肺炎であるため,原病の 進行に伴う事象で治験薬との因果関係はないと考えられる.なお,本事象(肺 炎)発現においては治験継続しているが,その後に測定した %FVC , PCO

2

の値 により治験中止となった.

上肢機能の廃絶

8

:上肢機能の低下は,原疾患( ALS )進行による悪化が原因であることは 明らかであり,治験薬との因果関係を疑うべき根拠はないと考える.

※8:複数の重篤な有害事象が発現した被験者については,有害事象名特定のため,本稿作成時に追記した.

%FVC(% forced vital capacity) :努力性肺活量

BiPAP(Bilevel positive airway pressure) :人工呼吸器(非侵襲的間歇陽圧式呼吸療法)

PCO

2

(Partial pressure of carbon dioxide) :二酸化炭素分圧

PEG(Percutaneous endoscopic gastrostomy) :経皮内視鏡的胃瘻造設術

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(22) 症例番号 M191610(P 群→M 群) :細菌感染,呼吸障害(実薬期に発現した重篤な有害事

象あり)

症例番号

薬剤番号

(二重盲 検期/実薬 期)

投与群※1

(二重盲 検期/実薬 期)

M1916 10 39番/

566番

P群/

M群 性別

年齢

身長

体重 女

6 歳 152 cm 51 kg

観察期間※2

最終投与日

投与率(二重 盲検期/実薬 期)

投与開始1日目

~337日後

投与開始317日後 100%/100%

合併症

疾患名(PT)

[MedDRA/J ver.17.0]

治療の 有無

脂質異常症 高血圧 緑内障

あり あり あり

併用薬※3

リルゾール(投与開始84日前~継続2),プレミネント配合錠(継続1~投与開始325日後),リバロ錠2 mg

(継続1~投与開始266日後),ギャバロン錠5 mg(継続1~投与開始142日後),アムロジン錠5 mg(投与

開始37日前~331日後),ミケランLA点眼液2%(継続1~投与開始252日後),ロキソニン錠60 mg(投与

開始120~121日後),クラビット錠250 mg(投与開始120~121日後),セルベックスカプセル50 mg(投与

開始121~126日後),エンテロノン‐R散(投与開始121~126日後),ナウゼリンOD錠10(投与開始121

~122日後),ラクテックG輸液(投与開始121~124日後),ゾシン静注用4.5(投与開始121~125日後), ビーフリード輸液(投与開始122日後),イオパミロン注300(投与開始124日後),ミケラン点眼液2%(投 与開始252日後~継続2),クラリス錠200(投与開始216~220日後),ムコダイン錠500 mg(投与開始216

~220日後),トラマゾリン点鼻液0.118%「AFP」(投与開始254日後),キシロカインゼリー2%(投与開始 254日後),キシロカイン液「4%」(投与開始254日後),ガスコンドロップ内用液2%(投与開始254日後), プロナーゼMS(投与開始254日後),キシロカイン注ポリアンプ1%(投与開始254日後),イソジン液10%

(投与開始254日後),ヴィーンF輸液(投与開始254~257日後),アクチット輸液(投与開始254~256日 後),ビカーボン輸液(投与開始254~257日後),セファゾリンNa点滴静注用1 gバッグ(投与開始254~

256日後),ソルデム3A輸液(投与開始254~257日後),オピスタン注射液35 mg(投与開始254日後),ボ ルタレンサポ25 mg(投与開始254~259日後),ボルタレンサポ50 mg(投与開始255日後),プルゼニド錠 12 mg(投与開始259~325日後),リバロOD錠2 mg(投与開始267日後~継続2),イソジン液10%(投与

開始281~287日後),アムロジン錠2.5 mg (投与開始332日後~継続2),コーラック(投与開始326~337

日後),ラキソベロン内用液0.75%(投与開始337日後~継続2),イオパミロン注300(投与開始203日後), イオパミロン注300(投与開始231日後),イオパミロン注300(投与開始260日後)

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有害事象名 (PT) 症例報告書 記載名

SOC

原疾患の悪化

程度

重篤度 判断 基準※4

発現日

発現時期※5

最初に重 篤化した 日

発現時期※5

転帰 転帰日

持続 期間※6

追跡未 実施理 由

治験薬の処置

治験薬以 外の処置※7

治 験 薬 と の 因

関 係

因果関係 判定理由

細菌感染

細菌感染症

感染症および 寄生虫症

いいえ 中等度

重篤 (3)

投与開始 120日後

(二重盲 検期)

(1)120日目 (2)9日目

投与開始 120日後

(二重盲 検期)

(1)120日目 (2)9日目

回復 投与開始 126日後 7日間

投与継続 あり

クーリ ング

合理的な可能性なし

治験薬はこれ までに5クー ル投与してい るが,4クー ルまでの投与 期間中,同様 の有害事象は 出現しておら ず,抗生剤投 与による解

熱,WBC・好

中球の改善か ら偶発的な細 菌感染が要因 と考えられ,

治験薬との因 果関係は否定 できると考え る.

呼吸障害

呼吸機能低下

呼吸器、胸郭 および縦隔障 害

はい 中等度

重篤 (3)

投与開始 254日後

(実薬期)

(1)254日目 (2)3日目

投与開始 254日後

(実薬期)

(1)254日目 (2)3日目

未回復

投与開始 366日後 113日間

投与継続 なし 合理的な可能性なし

通常範囲内で の原疾患の進 行に伴い呼吸 機能低下が進 行したため,

事前に胃瘻設 置を実施した ものであり,

治験薬との因 果関係は否定 できる.

※1:M群:MCI-186群,P群:プラセボ群

※2:第1クール投与開始日~第12クール投与終了2週後/中止時のALSFRS-R評価日(欠測又は許容範囲外の場合,第 12クールの最終投与日又は中止日)

※3:処置時の皮膚の消毒薬,胃瘻へ注入する経腸栄養剤及び併用薬の希釈に用いる生理食塩液以外を記載.投与開始日

継続1:仮登録前のALSFRS-R評価日前日以前から継続,継続2:第7クール投与開始日前日以前から継続,投与終

了日 継続1:第7クール投与開始後又は中止日以降も継続,継続2:第12クール投与終了2週間後又は中止日以 降も継続

※4:1.死亡 2.死亡につながるおそれのあるもの 3.治療のために病院又は診療所への入院又は入院期間の延長が必要と なるもの 4障害 5障害につながるおそれのあるもの 6.上記1.~5.に掲げる症例に準じて重篤であるもの 7.後 世代における先天性の疾病又は異常を来すもの

※5:1.第1クール投与開始日からの経過日数(第1クール投与開始日を1日目とした場合),2.発現クール投与開始日か らの経過日数(発現クール投与開始日を1日目とした場合),3.発現クール投与終了日からの経過日数(発現クール 投与終了日を1日目とした場合)発現クール投与終了日以降に発現しているもののみ記載

※6:発現日からの持続期間(発現日を1日目とした場合)

※7:第12クール投与終了2週後/中止時までに使用した薬剤が該当する場合,詳細は空欄

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<上表※ 7 の処置に該当する併用薬

3

併用薬(リルゾールを除く)

薬剤名 投与

経路

投与期間

併用理由 併用理由の詳細 開始 終了

ロキソニン錠60 mg 経口 投与開始120日後 ~ 投与開始121日後 有害事象 細菌感染症 クラビット錠250 mg 経口 投与開始120日後 ~ 投与開始121日後 有害事象 細菌感染症 セルベックスカプセル50

mg

経口 投与開始121日後 ~ 投与開始126日後 有害事象 細菌感染症 エンテロノン‐R散 経口 投与開始121日後 ~ 投与開始126日後 有害事象 細菌感染症 ナウゼリンOD錠10 経口 投与開始121日後 ~ 投与開始122日後 有害事象 細菌感染症 ラクテックG輸液 注射 投与開始121日後 ~ 投与開始124日後 有害事象 細菌感染症 ゾシン静注用4.5 注射 投与開始121日後 ~ 投与開始125日後 有害事象 細菌感染症 ビーフリード輸液 注射 投与開始122日後 ~ 投与開始122日後 有害事象 細菌感染症

<経過>

投与開始 84 日前 投与開始 1 日前 投与開始 1 日目 投与開始 112 日後 投与開始 120 日後

投与開始 121 日後

投与開始 122 日後 投与開始 124 日後 投与開始 125 日後 投与開始 126 日後 投与開始 168 日後

投与開始 196 日後

MCI-186 治験参加に同意,仮登録.この時点で%FVC 115.4%.

MCI-186 治験本登録.%FVC 106.0%.

治験薬投与開始.

治験薬第 5 クール投与目的にて入院,同日投与開始.

治験薬第 5 クール 9 日目投与終了.

昼前より突然発熱,39°C 後半まで上昇.解熱剤内服,クーリングにて 38°C まで低下.WBC,CRP の上昇なし,好中球分画上昇あり.LVFX 内服開始.

朝食後,胃部不快感あり,嘔吐.胸部~骨盤 CT 及び胸部レントゲン上,

肺炎像や腎盂腎炎像など見られず. 37.0 ~ 38.3°C で経過.インフルエン ザ A/B (-) , WBC 上昇, CRP 上昇あり.抗生剤 TAZ ・ PIPG 点滴へ変 更.退院延期となる.

37°C まで解熱するも嘔吐あり.

胃部不快感改善傾向, WBC 改善, CRP 改善傾向.

抗生剤点滴終了.

WBC 5870 , CRP 0.37 と回復.嘔吐なし.

第 6 クール投与終了 2 週間後評価.夜間息切れ出現するなど呼吸機能低 下認められ,間欠的な BiPAP 導入開始.

第 7 クール投与終了 2 週間後評価.%FVC 96.1%.ALSFRS-R 呼吸困

難 3 点,起座呼吸 2 点,呼吸不全 3 点,嚥下機能は正常.

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