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スルガ銀行グループは、スルガ銀行及び連結子会社 9社、持分法適用関連会社 1 社で 構成され、銀行業務を中心に、貸金業務、保証業務、リース業務などの金融サービスに 係る事業のほか、事務処理代行業務等を行なっている。

スルガ銀行グループの系統図は下記の通りである。

スルガ銀行本体の資本金は2018年3月末時点で30,043百万円であり、業績については

上記1(3)記載の通りである。

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(2) 組織図

スルガ銀行の2018年4月1日時点での組織図は下記の通りである。

なお、上記の組織図では各支店が記載されていないが、各支店は組織図における営業 本部に所属する形になっており、その内訳は下記の通りである。

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なおスルガ銀行においては、営業組織を含む各種組織の改定が頻繁に行われている。2013 年4月以降に行われた改定で主要なものを掲げると、次の通りである。

改定日 概要

2013 41

・「パーソナル・サポート部」を新設

・「ローン実行センター」を審査第二から独立させ「融資オペレーションセンター」を新 設し、事業性融資ならびに消費性ローン等融資関連のオペレーションを集中させる 20144

1

・静岡ならびに神奈川コミュニティ・バンクを廃止

・審査部の組織改定(与信査定と企画管理を統合)

201410 1

カスタマーサポート本部の組織改定(①パーソナル・サポート部の廃止、②資産運用サポ ート業務の見直し)

2015 41

カスタマーサポート本部の組織改定

・パーソナル・バンク内の都心営業部を首都圏営業部に変更

・パーソナル・バンク内の特別推進チームを格上げして「首都圏営業」とする

・大宮出張所、千葉出張所を広域営業部より首都圏営業部に変更

2017 41

(1)カスタマーサポート本部の組織改定

①「カスタマーサポート本部」を「営業本部」に名称変更

②「カスタマーサポート本部」から「品質サポート部」を独立させ「業務部」とする。

③「神奈川コミュニティ・バンク」を横浜・横須賀、県央、湘南、小田原の4ブロック、

「静岡コミュニティ・バンク」を沼津、三島・伊豆、静岡、浜松の4ブロックとする。

(2)「審査部」の組織改定

①「審査第一」に事業性評価業務を追加し、融資管理「事業サポート」を移管する。

②「審査第二」「審査第三」を「審査第二」とし、パーソナルローンの審査を有担保・

無担保一体で所管

③「融資管理」は融資先の3ヶ月以上の延滞管理、督促および法的措置対応等を行なう

④「審査業務センター」の業務を業務部「オペレーションセンター」に移管する。

(3)「経営管理部」の改定

(4)「監査部」を経営会議の所管とする。

(5)各種委員会の改定 201710

1

・営業本部の「ハウジングローンセンター(HLC)」「ドリームプラザ(DP)」を営業店組 織に統合22

20184 1

・「営業本部」に「営業推進部」・「マーケティング室」を新設

22 スルガ銀行では、ハウジングローンセンターを「HLC」と表記し、ドリームプラザを「DP」と表記する ことがあり、本報告書でも当該表記を用いることがある。

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上記のように、特に 2013 年から 2017 年にかけて、各支店の所属バンクについては様々 な改定が行われた。例えばシェアハウスローンの中心であった横浜東口支店(及び統合前 の旧ドリームプラザ(DP)横浜)を例に取ると、下記のように組織上の位置づけが小刻み に変わっていた。

年月日 店名 所属バンク 所属コミュニティ本部 所属ブロック

2013/4/1 横浜東口支店 コミュニティ・バンク 神奈川コミュニティ本部

横浜コミュニティブ ロック

2013/4/1 DP横浜 コミュニティ・バンク 神奈川コミュニティ本部 横浜コミュニティブ

ロック

2014/4/1 横浜東口支店 コミュニティ・バンク 横浜コミュニティエリア

2014/4/1 DP横浜 パーソナル・バンク 都心営業部

2015/4/1 横浜東口支店 コミュニティ・バンク 横浜コミュニティエリア

2015/4/1 DP横浜 パーソナル・バンク 首都圏営業部

2016/4/1 横浜東口支店 コミュニティ・バンク 横浜コミュニティエリア 変更なし

2016/4/1 DP横浜 パーソナル・バンク 首都圏営業部 変更なし

2017/4/1 横浜東口支店 パーソナル・バンク 首都圏営業部

2017/4/1 DP横浜 パーソナル・バンク 首都圏営業部

2017/10/1 横浜東口支店 神奈川コミュニティ・

バンク

横浜・横須賀ブロック

2017/10/1 DP横浜) DP横浜を廃止し、横浜東口支店に統合)

2018/4/1 横浜東口支店

神奈川コミュニティ・

バンク 横浜・横須賀ブロック

(3) 諸会議の組織・権限等 ア 経営陣の出席する会議体

スルガ銀行には各種の会議体が存在するが、経営陣の出席する会議体のうち主要なも のは下記の通りである。ただし、法令上メンバーが決まっている取締役会を除いて、メ

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ンバーについては、組織規程において「指名された者」といったフレキシブルな記載に なっていることが多く、実際には毎年稟議(最終承認は CEO)によって構成メンバーが 個別に決定されていた。

名称 メンバー 開催頻度 目的、主要議題等

取締役会 取締役、監査役 月1回 法令または定款に定める事項、経営方針に 関する事項、株主総会に関する事項 他

経営会議

常勤取締役、常勤監査 役、専務執行役員、執 行役員

月1回 当社の基本方針に基づき取締役会より委任 された事項

執行会議 執行役員他 月2回 当社の基本方針に基づき取締役会により委 任された事項の業務執行に関する事項 信用リス

ク委員会

審査部長、常務執行役

員、執行役員 他 月1回 信用リスク管理に大きく影響を及ぼす重要 事項(金融円滑化含む)等

なお、上記経営会議の下部組織として、①統合リスク管理委員会、②ALM委員会、③ 信用リスク委員会、④事務リスク委員会(2018 年4月以降は業務リスク委員会に改称)、

⑤システムリスク委員会、⑥コンプライアンス・情報セキュリティリスク委員会及び⑦ 革新ブレスト委員会が設けられている。

イ その他の会議体

上記で述べた経営全般に関する会議のほかに、営業部門に関連する会議としては下記の ような会議が存在する。ただし、これらの会議は規程上の位置づけが不明確であり、会議 体の権限は必ずしも明確ではない。

CPC会議 営業本部幹部、審査部

幹部 他 不定期 業務規程や業務マニュアルが存在しない事 項について運用のすり合わせを行う

センター 長会議

営業本部幹部、パーソ ナル・バンク首都圏営 業部の各所属長

週1回又 は隔週1

各所属店に対する営業本部からの営業施策 の共有や所属店からの営業報告等

センター 長会議

(全体)

営業本部幹部、パーソ ナル・バンクの全各所 属長

月1回 同上

SSP会議 営業本部幹部、審査部

幹部 他 週1回 個別の融資案件についての相談等

(4) 執行側の体制

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スルガ銀行においては執行役員制が採用され、取締役会は基本的にモニタリングを行 うことが想定されており、執行と監督の分離が図られていた。そして、取締役の「管掌」・

「所管業務」が取締役会にて決定されていた(取締役会規程により管掌及び所管業務の 決定が取締役会決議事項とされている)。

ただし、一方で取締役は本部長、バンク長、部長、ブロック長、本店長、支店長ほか を兼務することができるとされており(組織に関する規程 28 条)、執行と監督が完全に 分離されているわけではなかった23

例えば営業部門でいえば、岡崎氏は 2015 年 6 月に営業本部管掌に選任されているが、

2017年4月以降は再び営業本部長を兼務しており、監督に特化していたとも言い切れな い。

一方、取締役会は、選任した執行役員に対して会社の業務の執行を委任するものとさ れており(執行役員規程 6 条。また、取締役会規程により執行役員の所管業務の決定が 取締役会決議事項とされている。)、これを根拠に、取締役会によって一定の業務が執行 役員に委任されていた。

例えば営業部門でいえば、麻生氏は取締役会から、営業本部の所管業務のうちパーソ ナル・バンクの業務執行の委任を受けており、営業本部管掌の取締役である岡崎氏の監 督を受ける立場にあった。

なお、執行側の体制としては執行会議が重要な業務執行事項を審議するための場とし て重要な位置づけを与えられていた。執行会議は、岡野副社長(COO)が長年議長を務 めていたが、岡崎氏がCo-COOに就任した2011年4月以降は岡崎氏が、次いで麻生氏が

Co-COOに就任した2015年4月1日以降は麻生氏が議長を務めるようになった。

(5) 各コミュニティ・バンクとパーソナル・バンク等の業績

スルガ銀行の営業本部は、パーソナル・バンク、神奈川・静岡のコミュニティ・バン ク、インターネット支店及びゆうちょ銀行における販売に分かれているが、スルガ銀行 が認識しているそれぞれの年度別の融資の実行額推移(ゆうちょ銀行における販売を除 く。)は下記の通りである。

パーソナル・バンク(及びその中でも収益不動産ローン)がスルガ銀行の実行額全体 に占める割合は、2008年の50%程度から2014~2016年度には80%超まで増加していたこ とが分かる。

23 なお、本文で述べている体制は2017年秋以前のものである。スルガ銀行では2017年秋以降、取締役が 執行役員を兼務することとなったため、執行と監督が従前よりも分離されていない状況にある。