第 4 章 ジョブスケジューラに関するトラブルシューティング
対処 19 確認ポイント
4.2.12 ジョブネットが「実行拒否(refused)」となり起動されない
原因
ジョブネットの起動条件の変更時(カレンダの変更を含む)には、スケジュールが再作成されます。このとき、起動時刻を過ぎていた未 起動のジョブネットは、次回(未来)の起動予定でスケジュールされます。
対処方法
ジョブネットの起動条件を変更する場合は、ジョブネットの運用に影響を与えないタイミングで変更してください。
対処
2確認ポイント
ポリシー配付を実施していませんか
原因
・ [カレンダ]のポリシー配付後にSystemwalker Operation Managerの再起動を実施した場合、変更したカレンダを使用しているジョ
ブネットに対して、起動日の再作成を行います。そのため、起動日ウィンドウや運用予定ウィンドウで個別に設定した起動日はクリ アされます。
・ [スケジュール・起動日雛形]のみポリシーの配付を実施した場合、起動日の再作成は行われず、起動日はポリシー抽出時点の情
報となります。
対処方法
まず、[起動日]ウィンドウで該当日が起動日となっているか確認してください。その後、必要に応じて以下の対処を実施してください。
・ [カレンダ]のポリシー配付後に、再度起動日ウィンドウまたは運用予定ウィンドウで個別に起動日を設定してください。
・ V5.0L30/5.2以降の場合で、[カレンダ]ポリシー配付でジョブネットの起動日再作成を抑止したい場合は、[Systemwalker Operation
Manager環境設定]ウィンドウで、[起動パラメタ]をクリックすると表示される[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利
用機能2]シートで、[起動日再作成の抑止]のチェックボックスをチェックしてください(注1)。その後、ジョブスケジューラの再起動 が必要です。
・ [スケジュール/起動日雛形]のみポリシー配付を実施した場合、以下のいずれかの方法で起動日を設定しなおしてください。
- [起動日]ウィンドウまたは、[運用予定]ウィンドウで起動日を個別に設定する。
- [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウで起動日を変更する
- ジョブネットが使用している起動日雛形、カレンダを変更する(注2) 注1)
[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能2]シートで、[起動日再作成の抑止]のチェックボックスをチェックしてい る場合、起動日の再作成は実施されません。
注2)
起動日雛形、カレンダを使用しているジョブネットすべてに影響します。
対処 確認ポイント
ジョブネットが「実行拒否(refused)」となるような状態で起動条件が満たされていませんか
原因
ジョブネットが以下の状態のときに起動条件が満たされると、実行拒否となり、ジョブネットは起動されません。
・ ジョブネットが“実行中”または“警告”状態の時に、起動条件が満たされた。
・ ジョブスケジューラ起動パラメタの定義で[ジョブネットの確認操作を有効とする]がチェックされている環境で、ジョブネットが“異常 終了”状態の時に起動条件が満たされた。
・ ジョブスケジューラ起動パラメタの定義で[強制終了も確認操作の対象とする]がチェックされている環境で、ジョブネットが“強制終 了”状態の時に起動条件が満たされた。(V10.0L20/10.1以降のみ)
・ ジョブネットが“停止中”状態の時に、2回以上の起動条件が満たされた。
・ “持ち越し”状態のジョブネットが本日の起動予定時刻を迎えた(V11.0L10/11.0以降)。
対処方法
必要であれば、ジョブネットが“実行拒否(refused)”にならないように運用を見直してください。
4.2.13 登録した起動予定の時刻とずれてジョブネットが起動される
対象バージョンレベル
・ Windows版:V5.0L10以降
・ Solaris版:5.0以降
・ Linux版:5.2、V10.0L10以降
・ Linux for Itanium版:V12.0L10以降
・ HP版:5.1以降
・ AIX版:5.1以降
・ DS版:V20L10
対処
確認ポイント
タイムゾーンが日本時間になっていますか。サマータイムを採用している地域を指定していませんか
対処方法
ジョブスケジューラ停止後、タイムゾーンを日本時間に設定し、ジョブスケジューラを再起動してください。
システム時刻を変更する場合の注意事項については、以下に示すマニュアルを参照してください。
・ V10.0L10/10.0以降の場合
“使用手引書”の“時刻の変更に関する注意事項”
・ V5.0L10/5.0~V5.0L30/5.2の場合
“解説書”の“システムの時刻補正を行う場合”
4.2.14 登録した起動日に対して、一日遅れてジョブネットが起動される
対象バージョンレベル
・ Windows版:V5.0L10以降
・ Solaris版:5.0以降
・ Linux版:5.2、V10.0L10以降
・ Linux for Itanium版:V12.0L10以降
・ HP版:5.1以降
・ AIX版:5.1以降
・ DS版:V20L10
対処
確認ポイント
起動予定時刻が日変わり時刻よりも前になっていませんか
原因
日変わり時刻は「その運用日が始まる時刻」です。日変わり時刻より前の時間は前日となります。
対処方法
起動日を実際の日より一日前に設定してください。
4.2.15 起動日でないはずのジョブネットがスケジュールされた、または起動した
対象バージョンレベル
・ Windows版:V5.0L10以降
・ Solaris版:5.0以降
・ Linux版:5.2、V10.0L10以降
・ Linux for Itanium版:V12.0L10以降
・ HP版:5.1以降
・ AIX版:5.1以降
・ DS版:V20L10
対処
1確認ポイント
ポリシー配付を実施していませんか
原因
・ [カレンダ]のポリシー配付後にSystemwalker Operation Managerの再起動を実施した場合、変更したカレンダを使用しているジョ
ブネットに対して、起動日の再作成を行います。そのため、該当日が起動日となる場合があります。
・ [スケジュール・起動日雛形]のみポリシーの配付を実施した場合、起動日の再作成は行われず、起動日はポリシー抽出時点の情
報となります。
対処方法
まず、[起動日]ウィンドウで該当日が起動日となっているか確認してください。その後、必要に応じて以下の対処を実施してください。
・ 起動日でないにもかかわらず、起動日となっている場合は、[起動日]ウィンドウまたは[運用予定]ウィンドウで非起動日としてくださ い。
・ V5.0L30/5.2以降の場合、[カレンダ]ポリシー配付でジョブネットの起動日再作成を抑止したい場合、[Systemwalker Operation
Manager環境設定]ウィンドウで、[起動パラメタ]をクリックすると表示される[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利
用機能2]シートで、[起動日再作成の抑止]のチェックボックスをチェックしてください(注1)。その後、ジョブスケジューラの再起動 が必要です。
・ [スケジュール/起動日雛形]のみポリシー配付を実施した場合、以下のいずれかの方法で起動日を設定しなおしてください。
- [起動日]ウィンドウまたは、[運用予定]ウィンドウで起動日を個別に設定する。
- [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウで起動日を変更する
- ジョブネットが使用している起動日雛形、カレンダを変更する(注2) 注1)
[ジョブスケジューラ起動パラメタの定義]ウィンドウ-[利用機能2]シートで、[起動日再作成の抑止]のチェックボックスをチェックして いる場合、起動日の再作成は実施されません。
注2)
起動日雛形、カレンダを使用しているジョブネットすべてに影響します。
対処
2確認ポイント
[年間休日の設定]ウィンドウを使わずに、非起動日を設定していませんか
原因
[年間休日の設定]ウィンドウを使わずに、カレンダの3年分のみに起動日/非起動日を設定した場合、4年目以降の起動日/非起動日 が設定されません。
対処方法
[年間休日の設定]ウィンドウを利用して設定してください。
4.2.16 クラスタ運用のサーバでフェールオーバした場合に、意図しないジョブネット
が起動してしまった
対象バージョンレベル
・ Windows版:V5.0L10以降
・ Solaris版:5.0以降
・ Linux版:V10.0L10以降
・ Linux for Itanium版:V12.0L10以降
・ HP版:10.0以降
・ AIX版:10.0以降
対処
確認ポイント
V11.0L10/11.0以降の場合
カレンダ情報の自動反映の設定は行っていますか V10.0L21/10.1以前の場合
運用系と待機系の両ノードで、以下の点が異なっていませんか
・ 日変わり時刻
・ SYSTEM_CALENDARのスケジュール情報
・ SYSTEM_CALENDAR以外の休日情報
原因
運用系と待機系の両ノードで、カレンダ情報(日変わり時刻、SYSTEM_CALENDARのスケジュール情報、SYSTEM_CALENDAR 以外の休日情報)が異なっている場合、ジョブネットの起動スケジュールも異なってしまうため、意図していない日時にジョブネットが起 動する可能性があります。
対処方法
V11.0L10/11.0以降の場合
カレンダ情報の自動反映の設定を行ってください。
自動反映の設定については、以下に示すマニュアルを参照してください。
・ 各クラスタの“クラスタ適用ガイド”
V10.0L21/10.1以前の場合
運用系と待機系の両ノードの日変わり時刻やSYSTEM_CALENDARのスケジュール情報、SYSTEM_CALENDAR以外の休日情 報を統一してください。
両ノードの日変わり時刻やSYSTEM_CALENDARのスケジュール情報、SYSTEM_CALENDAR以外の休日情報は、変更したノー ドと同様の操作を他のノードに対して行うことで統一できます。
また、以下の方法で各ノードの日変わり時刻、SYSTEM_CALENDARのスケジュール情報、SYSTEM_CALENDAR以外の休日情 報をまとめて統一することもできます。
【Windows版】
ポリシー情報の抽出/配付で行います。以下に、運用系でポリシー情報を抽出し待機系へ配付する手順を示します。
1. 運用中のノードに接続
[スタート]メニューの[プログラム]から[Systemwalker Operation Manager]を選択し、表示されるサブメニューから[環境設定]をク リックします。[接続先ホストの指定]ウィンドウが表示されるので、ポリシーを抽出したいノード(運用系)を指定し、[OK]ボタンをク リックします。
2. ポリシーの抽出
表示された[Systemwalker Operation Manager 環境設定]ウィンドウで[ポリシーの抽出]ボタンをクリックします。[ポリシーの抽出]
ウィンドウが表示されるので、[登録情報]シートを選択し、[カレンダ]をチェックします。
3. 配付先の指定
[Systemwalker Operation Manager環境設定]ウィンドウで[ポリシー配付]ボタンをクリックします。[配付先の指定]ウィンドウが表
示されるので、配付先として配付先のノード(待機系)を指定し、[OK]ボタンをクリックします。
4. 適用契機の選択
[ポリシーの適用]ウィンドウが表示されるので、ポリシーの適用契機を選択します。クラスタ運用をしている場合(サービス“Operation Manager”が動作している場合)は、[次回のサービス起動時に適用する]を選択します。
なお、クラスタ運用の場合、[すぐ適用する(サービスを再起動する)]は指定できません。指定した場合、エラーメッセージが出力 されます。そのため、すぐにポリシーを配付したい場合は、手動でサービスを再起動してください。
【UNIX版】
rcpコマンドによるファイルの複写で行います。以下に、手順を示します。
1. 以下のファイルを、rcpなどのコマンドを利用して他方のノードに複写します。
/var/opt/FJSVjmcal/caldb/*.*
2. カレンダ情報を統一した後、Systemwalker Operation Managerを再起動してください。
なお、上記のポリシー抽出/配付、およびrcpコマンドによるファイルの複写を実施した場合、以下の情報も両ノードで統一されます。
・ SYSTEM_CALENDARの電源スケジュール情報
・ SYSTEM_CALENDARの終了監視情報
以下に示すマニュアルを併せて参照してください。
・ V5.0L10/V5.0L20の場合
“導入手引書”の“クラスタシステムへの導入と環境設定”
・ V5.0L30の場合
・ V10.0L10/10.0以降の場合
“クラスタ適用ガイド”の“Systemwalker Operation Managerの環境定義の統一”
4.2.17 昨日ジョブネットが異常終了したが、本日も「異常終了」状態のままである
対象バージョンレベル
・ Windows版:V5.0L10以降
・ Solaris版:5.0以降
・ Linux版:5.2、V10.0L10以降
・ Linux for Itanium版:V12.0L10以降
・ HP版:5.1以降
・ AIX版:5.1以降
・ DS版:V20L10
対処
原因
日変わり時刻が到来した際のスケジュール処理で、本日が起動日でない場合、[ジョブ一覧]ウィンドウの[現在の状態]は、前回動作時 の状態を表示します。
対処方法
本日が起動日となっているかを確認してください。
・ 本日が起動日の場合は、本日起動したジョブネットが異常終了しています。
・ 起動日でない場合は、前回動作時の状態を表示しています。