32.1 プライマリ・エージェントのステータス
同一タイプの複数のエージェントがControlCenter構成に含まれる 場合、複数のエージェントに共通する(検出される)各オブジェク トに対して、1つのエージェントがプライマリ・エージェントとし て指定されます。プライマリ・エージェントは、特定のオブジェク トを監視および管理します。プライマリ・エージェント以外のエー ジェントは、フェイルオーバーや負荷分散が発生したときに、担当 するオブジェクトの処理を引き継ぎます。
ControlCenterでは、以下の基準で、プライマリ・エージェントとな
るエージェントを決定します。最初の基準でプライマリ・エージェ ントが決定されない場合は、2番目の基準が適用され、それでも決 定されない場合は、さらに3番目の基準が適用されます。
1. 最高のバージョン・レベル(例:6.0)のエージェント。プライ マリ・エージェントは、ControlCenterに対して管理オブジェク トに関するデータを最も最近報告したエージェントと同じまた はそれ以降のバージョンでなければならない。
2. 管理オブジェクトまでの論理的な距離が最短のエージェント。
3. 最小の処理負荷を持つエージェント。
4. ECCサーバによって最初に場所を特定されたエージェント。
32.2 負荷分散のタイプ
ControlCenterでは以下の2つのタイプの負荷分散を実行します。
◆ 部分的な負荷分散:エージェントが、管理するオブジェクトのリ
ストをControlCenterインフラストラクチャヘ報告するたびに、
部分的な負荷分散が実行されます。管理オブジェクトの数を分 析し、関係するエージェントへの管理オブジェクト情報の配分 を調整します。部分的な負荷分散は、完全な負荷分散よりも速 く実行できますが、同一タイプのすべてのエージェント間で不 均衡が発生するときに、状況を解決できない場合があります。
以下に例を示します。
1. 2つのStorage Agent for Symmetrix(S1とS2)が、それぞれ 10個の管理オブジェクトを検出します。このうち5個のオブ ジェクトは、2つのエージェントに共通しています。つまり、
合計で15個の管理オブジェクトが検出されたことになります
(2つのエージェントが10個ずつ検出し、そのうち重複した5 個が除かれる)。
2. S1が、そのうちの7個の管理オブジェクトのプライマリ・
エージェントになり、S2が、そのうちの8個の管理オブジェ クトのプライマリ・エージェントになります。
3. 3番目のStorage Agent for SymmetrixのS3が起動したとし ます。S3は、S2と共通する管理オブジェクトを5つ検出し ます。
4. 部分的な負荷分散が実行され、S2が担当する8個のオブジェ クトのうち、4個のオブジェクトの割り当てが変更されて、S3 がこの4個のオブジェクトのプライマリ・エージェントにな ります。S2とS3は、それぞれ4個のオブジェクトのプライマ リ・エージェントになり、負荷分散が実行されたことになり ます。しかし、このような部分的な負荷分散では、S1に対す る不均衡を解決できません(完全な負荷分散が必要です)。
◆ 完全な負荷分散:ECCサーバ・ホストの負荷分散構成ファイル の設定に基づいて一定間隔で実行されます(次のステップを参 照)。同一タイプのすべてのControlCenterエージェントと管理 オブジェクトに対して負荷分散を実行します。部分的な負荷分 散の場合は、管理オブジェクトの変更に関係するエージェント のみが対象です。完全な負荷分散は、部分的な負荷分散よりも 多くのリソースを必要とし、一般に実行頻度はより少なくなり ます。
前述の部分的な負荷分散の例をもう一度検討します。完全な負 荷分散が有効であれば(デフォルトでは有効)、さらに以下の手 順が実行されます。
1. 部分的な負荷分散の結果、3個のStorage Agent for
Symmetrixの間で、管理オブジェクトが以下のように分散さ
れています。
– S1:7個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
– S2:4個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
– S3:4個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
2. ControlCenterでは、S1からS2へオブジェクトを1つ移動 し、さらにS1からS3へオブジェクトを1つ移動して、負荷 を分散させます。
3. 完全な負荷分散の結果、以下のように負荷が分散されます。
– S1:5個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
– S2:5個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
– S3:5個の管理オブジェクトのプライマリ・エージェント
32.3 負荷分散の構成パラメータ
ECCサーバ・ホストの以下のファイルでパラメータを変更すること により、ControlCenterエージェントの負荷分散を構成できます。
<ECCRootDirectory>¥ecc_inf¥data¥<ECC_Server_Host name>¥class¥AgentManager.properties
負荷分散を構成する前に、AgentManager.propertiesの構成 フィールドのデフォルトの設定(以下で説明)を理解し、使用する インストール環境にデフォルトの設定が適しているかどうかを判断 します。
負荷分散に関するAgentManager.propertiesの構成フィールド は以下のとおりです。
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.EnableFullLB trueの場合、
LoadBalancer.CountBasedLB.EnableFullLBPerAgentTypeで
disabledと指定されたエージェントを除くすべてのエージェント
に対して、完全な負荷分散が実行されます。falseの場合、他の パラメータの設定にかかわらず、すべてのエージェントに対し て完全な負荷分散が無効化されます。
デフォルト:true
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.FullLBActivationPeriod ECCサーバが完全な負荷分散を実行するインターバルをミリ秒 単位で指定します。完全な負荷分散を実行するエージェント・
タイプが1つ以上ある場合のみ、このフィールドの設定は有効 です。
デフォルト:3600000(1時間)
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.EnableFullLBPerAgentType 特定のエージェントに対する完全な負荷分散を無効化します。
エージェントの指定には、317ページの表B-3の3文字のプリ フィックスを使用します。
デフォルト:すべてのエージェントに対して完全な負荷分散が実 行されます。
以下の例では、EGS(Storage Agent for Symmetrix)とEGZ
(Common Mapping Agent)の略語で示されるエージェント以外 のすべてのエージェントに対して完全な負荷分散が実行されます。
LoadBalancer.CountBasedLB.EnableFullLB=true
構文に関する注:エージェントの略語の間にスペースを含めることはでき ません。「orを示す縦棒」(|)およびブール値のみを使用できます。
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.EnablePartialLB trueの場合、
LoadBalancer.CountBasedLB.EnablePartialLBPerAgentType
でdisabledと指定されたエージェントを除くすべてのエージェン
トに対して、部分的な負荷分散が実行されます。falseの場合、
他のパラメータの設定にかかわらず、すべてのエージェントに 対して部分的な負荷分散が無効化されます。
デフォルト:true
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.EnablePartialLBPerAgentType 特定のエージェントに対する部分的な負荷分散を無効化します。
エージェントの指定には、317ページの表B-3の一覧の3文字の プリフィックスを使用します。
デフォルト:すべてのエージェントに対して部分的な負荷分散が 実行されます。
以下の例では、EGS(Storage Agent for Symmetrix)とEGZ
(Common Mapping Agent)の略語で示されるエージェント以外 のすべてのエージェントに対して部分的な負荷分散が実行され ます。
LoadBalancer.CountBasedLB.EnablePartialLB=true
LoadBalancer.CountBasedLB.EnablePartialLBPerAgentType=EGS:false|EGZ:false
構文に関する注:エージェントの略語の間にスペースを含めることはで きません。「orを示す縦棒」(|)およびブール値(false)のみを使用 できます。
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.AgentOverloadedThreshold 特定のエージェント・タイプのエージェントが管轄する管理オ ブジェクトの数を指定します。指定した値を超えると、そのタ イプのエージェントが過負荷であることを意味します。「過負荷 状態」が発生すると、ECCサーバは、ControlCenterコンソー ル・インタフェースにアラートを送信します。エージェントの 負荷がしきい値以下のレベルに戻ると、ECCサーバは、アラー トを解除します。エージェントの指定には、317ページの表B-3 の3文字のプリフィックスを使用します。
デフォルト:EGS:2|EGZ:100|EGN:100|CNN:10
◆ LoadBalancer.CountBasedLB.LBActivationThreshold
負荷分散が開始されるしきい値を指定します。エージェントが 管轄する管理オブジェクトの数が指定した値を超えると、その 管理オブジェクトに対するプライマリ・エージェントとしての ステータスを、負荷のより少ない他のエージェントに割り当て ます。エージェントの指定には、317ページの表B-3の3文字の プリフィックスを使用します。
デフォルト:EGS:2|EGZ:1|EGN:1|CNN:5 32.4 負荷分散構成の更新
デフォルトの負荷分散構成が、使用するインストール環境に適さな い場合は、以下の手順に従って構成を変更します。
a. Windowsの[スタート]メニューで、[設定]>[コントロール パネル]>[管理ツール]>[サービス]を選択します。
b. [サービス]のウィンドウで、[EMC ControlCenter Server]の サービスの[状態]が[停止]であるかどうか確認します。必要 な場合は、サービス名を右クリックし、[停止]を選択します。
c. 必要に応じて以下のファイルを、前述のパラメータの説明と手 順に従って変更します。
<ECCRootDirectory>¥ecc_inf¥data¥<ECC_Server_Host name>¥class¥AgentManager.properties
d. 前の手順で変更したファイルを保存します。
e. EMC ControlCenter Serverサービスと他の必要な
ControlCenterサービスを開始します。詳細は、ステップ33:
「インフラストラクチャ・コンポーネントの開始」(162ページ)
を参照してください。