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1.  電子商取引の普及状況および現状分析

1.4  ヨーロッパ市場

1.4.2  EC の市場動向

(1)概観 

ヨーロッパのインターネット普及率が高くなるにともない、この地域の電子商取引市場は本格 的な成長段階に入ってきた。フォレスターリサーチによると、ここ数年、アメリカ市場に遅れを とっていたヨーロッパの電子商取引市場が、売上げ伸び率60%を記録するなど、急速な成長を持 続し、この市場の売上高は、2003 年の 8,533 億ドルから、2004 年には 1 兆 5,332 億ドル台へと急 増することが予想された。 

ニールセン/ネットレイティングスも、ヨーロッパの電子商取引市場は最近、急速な成長段階 に入り、とくにイギリス、フランス、ドイツの B2C 分野は活気を取り戻している。これら 3 カ国 の電子商取引利用者は、2006 年にはそれぞれ 3,000 万人まで増加すると予測される64。 

一方、ヨーロッパの電子商取引市場は、アマゾン、e ベイなどアメリカ企業の主導の下で成長 し、雑貨、ファッション、バンキングなど、ヨーロッパの現地企業が強みを発揮している一部の 分野を除いては、アメリカ企業がほとんど全分野を席巻している。 

 

(2)B2B ビジネスの動向 

(ⅰ)EU 

「コンピューター・エコノミクス(Computer Economics)」によると、ヨーロッパの B2B 電子商取引市場は、2003 年の 3,142 億ドル規模から、3 年間でおよそ 3 倍に成長し、2006 年 には 1 兆ドルにまで成長すると予測されている。 

一方、EU 企業では、業種全体のなかで電子業界が B2B e‑マーケットプレイスを通じた取引 がもっとも活発なことが明らかになった。フォレスターリサーチの調査(2002 年 8 月)によ        

62 フランス情報通信市場報告書、ICA、2003 年 7 月 

63 EU の e‑ビジネス現況、韓国電子取引振興院、2003 年 9 月 

64 インターネット利用人口は、イギリス 2,800 万人、ドイツ 2,600 万人、フランス 2,400 万人である。 

ると、2006 年には電子業界の場合、B2B の比重が 40%に達し、物流業と化学産業でもそれぞ れ 30%を占めると予想されている。また、エネルギー(28%)、金属および鉱山(27%)、自 動車製造(27%)、機械製造(22%)など、全分野に広がる見通しである。 

企業規模別に見ると、EU の大企業のほうが中小企業よりマーケットプレイスの利用率が高 い。大企業の約 10%が製品およびサービスの販売や購入にマーケットプレイスを利用してい る一方で、中小企業は約 5%のみが利用しているにすぎない。もちろん、今後の利用計画で も大企業のほうが中小企業より高く設定している。 

 

(ⅱ)イギリス 

「2002 年版英国オンライン年次報告書(UK Online Annual Report 2002)」によると、最 近、イギリスの企業は、電子商取引を利用して多様な商品やサービスを購入または販売して おり、伝統のある企業でも積極的に電子商取引を導入・活用しようとする動きが広がってい る。とくにイギリス企業は高いインターネット接続率を土台に電子商取引活動とオンライン 貿易でも G7 諸国のなかで最も高い数値を示している。 

 

  出典:DTI IBS (2001 年) 

図 1‑71 電子商取引を行っている主要国のオンライン購入活動の現況   

約 30%の企業がオンラインで販売を行っており、また約 52%の企業がオンラインを通じて購入 を行っているが、これは世界最上位レベルに当たることが明らかになった。 

英国貿易産業省(DTI)の調査によると、電子商取引の技術導入比率は 1999 年に 15%であった が、2000 年には 55%と上昇し、2001 年には 62%にまで増加した。現在、イギリスで電子商取引 が活発に行われている分野は、コンピューター、R&D、銀行・保険、大・中規模販売業および製造 業である。 

 

出典:2002 年版英国オンライン年次報告書(UK Online Annual Report 2002)、OeE、2002 年 11 月   図 1‑72 企業規模別の電子商取引活動および収益現況 

 

(ⅲ)ドイツ 

ドイツでは、2000 年から商品とサービスをオンラインで購入する電子商取引活動が活発に 行われるようになった。ニールセン/ネットレイティングスによると、2002 年第 3 四半期ま でに、ドイツの人口の約 52%が商品を購入するためにオンライン・ショッピング・サイトに 接続したことがあるという。ドイツのオンライン利用者たちは 12 億ユーロをオンライン購入 のために使っており、これは 2 番目に高い数値である。TNS Interactive が 2002 年 6 月に発 表した「グローバル・e‑コマース・レポート 2002(Global eCommerce Report 2002)」とい う調査結果によると、ドイツでは、約 3,080 万人の個人インターネット利用者の約 28%がオ ンラインを通じて商品およびサービスを購入しており、33%のオンラインショッピング人口 をもっているアメリカに次いで世界で 2 番目の位置を占めている。これは 24%のイギリスを 上回り、ヨーロッパでもっとも高い比率である65。 

RWI(エッセン経済研究所)は、ドイツを 2010 年のヨーロッパ最大の電子商取引国として 注目している。また、2005 年のドイツの世界市場における占有率は 2 倍に伸びて 7%となり、

売上高は 1,400 億ドルに達すると見ている。これは、ドイツの進んだインターネットインフ ラ、モバイルインターネット利用者の増加、SSL‑Server の増加、企業の B2B プラットフォー ム使用率の増加に根拠を置いている。このようなドイツの電子商取引の発展は、商品価格の 引下げおよびサービス価格の引下げという結果をもたらし、ドイツ経済全般にわたってプラ スの影響を与えると期待されている66。 

       

65 ドイツの電子商取引現況、韓国電子取引振興院、2003 年 3 月 

66 ドイツ情報通信市場報告書、ICA、2003 年 5 月 

 

(ⅳ)フランス 

Eurostat(2002 年)の調査によると、フランス企業の電子商取引利用率は低い方である。

2001 年 12 月末現在、インターネットを利用している企業は 73%で、このうち自社のホーム ページをもっている企業は 59%であり、EU 平均の 70%と比べると低い水準である。また、

ホームページをもっている企業のうち 26%のみがオンラインを通じて注文を出しており、こ れも EU 平均の 38%に比べて相当に低いレベルである。また電子商取引を通じた販売と購入 は、それぞれ 7%と 8%で、EU 会員国の中で最低レベルである。しかし、フランスの電子商 取引市場は最近、急激な成長を見せている。2003 年 10 月のフランス・オンライン販売業協 会(FEVAD)によると、B2B 電子商取引は、今年の第 1 四半期に前年同期比で 57.5%の成長を する見通しである67。 

 

(3)B2C ビジネスの動向 

(ⅰ)EU 

ヨーロッパの B2C 市場は、アマゾン、e ベイなどのアメリカ企業の主導の下、急激に、大 幅に成長している。主に 1990 年代後半から電子商取引を始めたアマゾン、e ベイなどのアメ リカ企業が、これまでに蓄積したノーハウを土台に市場の成長を主導しているのである。 

ニールセン/ネットレイティングスによると、雑貨・ファッション・バンキングなど、ヨ ーロッパの現地企業が強みを発揮している一部の分野を除けば、アマゾンと e ベイがほとん ど全分野を席巻している。その一方で、各国政府および業界がオンラインバンキングに力を 注いでおり、ヨーロッパ市場の成長の勢いを加速させている。このような状況の下、今年の ヨーロッパの電子商取引市場は急速な成長段階に入り、昨年比でおよそ 67%増加し、370 億 ドルに達する見通しである。さらに、2006 年には 2,000 億ドルに達すると予想されている68。 

また別の機関である e マーケターが 2003 年 6 月に発表した「ヨーロッパの e‑コマース:

B2B & B2C(Europe E‑Commerce:B2B & B2C)」という報告書によると、今年のヨーロッパの B2C 電子商取引規模は、2002 年の 334 億ドルの 2 倍に当たる 607 億ドルに達する見通しであ る。このような伸び率が持続し、2006 年にはヨーロッパの B2C の市場規模が 2,434 億ドル規 模にまで急成長すると予想される。 

 

       

67 2003 年版 e‑ビジネス白書、産業資源部 韓国電子取引振興院、2003 年 1 月 

68 ヨーロッパ電子商取引市場の成長、電子新聞、2003 年 6 月 24 日付記事 

(単位:10 億ドル) 

243.4 178.6

114.1 60.7

33.4

0 50 100 150 200 250 300

2006 2005 2004 2003 2002

  出典:e マーケター(eMarketer)、2003 年 6 月 

図 1‑73 ヨーロッパの B2C 電子商取引市場の展望(2002〜2006 年) 

 

(ⅱ)イギリス 

イギリスでは、インターネット人口および超高速通信網の利用が持続的に増加しているの と歩調を合わせ、商品およびサービスをインターネットを通じて購入する利用者が増加し続 けていることが明らかになった。とくに小規模 B2C を通じた収益の面から見ると、G7 諸国の 中でアメリカに次いで高い伸びを示している。 

イギリスのオンラインショッピングは、1998 年に利用者が 100 万人に達してから本格化し、

2001 年 6 月までに約 800 万人の利用者がインターネットを通じて商品やサービスを購入した 結果、約 8 倍に増加した。調査機関ごとに違いがあるにはあるが、2002 年第 3 四半期までに インターネット利用者の約 70%がオンラインショッピングをしていることが明らかになっ た。 

Interactive Media in Retail Group(IMRG)の調査によると、イギリスにおけるオンライ ンでの小売業販売による収入は、2002 年 6 月までに 5 億 3,600 万ポンド(約 8 億 5,000 万ド ル)に達する。これは 5 月の販売額より約 3,100 万ポンド(約 4,800 万ドル)増加した金額 で、2001 年の同期間に比べて 106%増加したことになる。この調査機関は、イギリスのオン ライン Retail 販売もまた増加傾向が続いており、それはアメリカよりも 3 倍近いスピードで 伸びていると見ている。