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2.  国際機関及び各国の電子商取引政策動向

2.3  アジア・太平洋

2.3.2  中国

を実施している。とくに、中国の先端技術産業の育成と科学の発展を通じ、富強国家を建設する ことが目標で、1998 年から始まった「たいまつ政策」を実施し、北京、上海および深? に大規模 な IT 産業団地を造成して、ここで高度な技術をもった人材の養成だけではなく、多様な研究およ び技術プロジェクトが行われている。 

 

・ゴールデンプロジェクト政策 

中国政府のこのような政策は、第 8 次 5 カ年計画(1991〜1995 年)から実行され始めたもので、

自国の情報インフラ構築を土台に経済を現代化し、行政・経営能力を向上させる「ゴールデンプ ロジェクト(Golden Project)」政策といわれ、段階的に実施されている。この政策は第 10 次 5 ヵ年計画でも強調されており、政府によって製造業から農業、サービス、国際貿易および教育に 至るすべての経済部門で活用されている。 

以下は、ゴールデンプロジェクトを 4 種類に分けて整理したものである。 

 

表 2‑6 ゴールデンプロジェクト(Golden Project)の概要 

区分  内容 

ゴールデンブリッジ 

(Golden Bridge) 

‑ 1993 年 3 月に提案される 

‑ 財政およびビジネス分野のサービス提供のためにデザインされる 

‑ 政府の部署と企業をネットワークで連結 

‑ 2002 年に中国全域(180 都市)に拡大される予定 

ゴールデンカード 

(Golden Card) 

‑ 主要都市にバンキングおよび信用カードシステム開発を促進させるために デザインされた e‑money プロジェクト 

‑ 2003 年までに信用カードの認証手続きと銀行・地域内の手形交換システム を構築し、400 都市に 2 億枚の信用カードが発行される予定 

‑ このプロジェクトのために総額 120 億ドルを投入する予定  ゴールデンゲート 

(Golden Gate) 

‑ 1993 年 6 月に提案される 

‑ 中国の国際貿易活動を促進し、輸出入管理を改善するために国際貿易部と企 業および税関をネットワークで連結 

ゴールデンタックス 

(Golden Tax) 

‑ 1996 年に始まる 

‑ 他の都市や地域にある税金関連の事務所を連結し、納税の電算化を開始 

‑ 1998 年、2 次年度では州レベルで税務当局のシステムをアップグレードする  

この政策をもとに、現在、先端技術製品に対する付加価値税、所得税および主要設備に対する 収入関税を兔除するなどの恩恵を提供しており、ソフトウェア産業を育成するための計画の一環 として、企業で生産される製品の付加価値税を一般製品の 17%より低い 6%で賦課している。さ らに、政府は、企業とくに中小企業のインターネット利用を増加させ、それらの間の電子商取引 を活性化させるために、「企業オンラインプロジェクト(Enterprises Go Online Project)」を、

1999 年末以来、中国の情報産業部(MII)と共同で施行してきたが、2000 年末に 100 万社の小企 業、1 万社の中企業、100 社余りの大企業の情報化を始め、今後 3 年の間に情報化企業の数を初期 の 2 倍ほどに増やすことを目的に作業を進める予定である。 

 

・オンライン教育市場の育成 

中国教育部は、昨年の年初「全国教育事業『10 次 5 カ年』計画」を発表し、中国の教育発展の 目標と戦略を決めた。このなかで、遠隔教育の発展を通じた教育の大衆化および社会化された生 涯教育体系構築のための投資を強調している。これは発展初期段階にとどまっている中国のオン ライン教育市場を政策的に支援するだけでなく、教育関連の IT 企業により多くの機会を提供する ものである。それをもとに、中国は 5〜10 年内に情報インフラの制度と情報資源構築を強化して 全国 90%の小・中学校をネットワークで連結し、インターネットで教育資源を相互に共有できる ようにする「校校通」事業を実施している。 

遠隔教育は、現在、IT 市場で発展がもっとも早く、もっとも見通しの明るい分野として急浮上 しているものの、中国政府の教育資源構築が、まだハードウェアに追いつくことができずにいる。

この事業は、小学校から大学に至るまで電子図書館、ネットワーク教室、電子講義室などのハー ドウェアと関連ソフトウェアを開発・構築して、将来の教育資源の開発と中国の情報化教育につ いての方向性を確立するために推進されている。これをもとに IT 教育企業、とくに電子教材開発 および遠隔教育などのような教育関連アプリケーション市場は、今後、大きな成長が期待されて いる。 

 

・政府調達市場 

最近、中国で B2B 電子商取引が活性化することによって企業と政府の間の取引もやはりオンラ インで活発に行われており、この市場規模も急速に拡大している。現在、中国の政府調逹市場は GDP の 0.7%、政府支出の 3.5%に過ぎず、先進国の平均値(GDP の 10〜15%、財政支出の 30%)

に比べて低い水準にとどまっている。しかし、西部大開発、北京オリンピック、政府情報化事業 など、大量の大型国策事業を推進している中国は、自国の政府調逹市場が世界で最も早く成長す るという見通しをもっている。これにともない政府調逹管理機構に対する大々的な整備作業を進 め、現在、全国の政府調逹管理機構の従事者 4,300 人を、今後、6,400 人程度にまで増員する方 案もある。 

とくに、中国の政府調逹業務が 1996 年に試験的に施行されて以来、年間の政府調逹金額の節減 率は 11%ほどで、2001 年度の全国的な節減額は 78 億元に逹することが明らかになった。そして 2002 年 6 月に、中国は世界貿易機関( WTO)の政府調逹協定論議に参加することで合意し、8 月末 には政府調逹法を発表、この法は 2003 年 1 月 1 日から施行される予定である。 

この法が正式に通過し、2003 年から全面的に実施されるようになると、中国の政府調逹市場も 法制化の枠のなかで、より透明な業務慣行が実現すると見られ、中国の政府調逹市場規模は、1999 年 130 億元、2000 年 328 億元、2001 年 653 億元と、2 年連続で 2 倍以上拡大し、2002 年度 1,000 億元、2003 年には 1,500 億元と、急速に成長すると中国財政部は予測している。 

 

表 2‑7 中国の政府調達市場規模 

(単位:億元) 

  1998 年  1999 年  2000 年  2001 年  2002 年  GDP(A)  78,345  82,068  89,404  95,933  ‑  財政支出(B)  10,798  13,188  15,887  18,844  ‑  政府購買(C)  31  131  328  653  1,000  C/A(%)  0.0  0.2  0.4  0.7  ‑  C/B(%)  0.3  1.0  2.1  3.5  ‑  出典:中国統計適要 2002 年、財政部  

 

最近になって政府調逹の範囲が多様化し、公共業務とサービス分野の比重が高まっている。上 海市は、初めて公共プロジェクトに対して政府調逹方式を採択し、湖南,甘粛省などもそれぞれ農 村電力施設の改造および農業機械の購買など、公共分野での政府調逹を拡大している。これから も公共利益に影響が大きい品目の場合、追加で政府調逹範囲に包める計画である。深? 市の場合、

政府調逹法によって政府調逹機構を既存の財政部傘下から独立させ、市政府直属の機構に格上げ した。 

そして 2003 年から、中国は、各国家機関や団体、機構で全面的に政府調逹制度を施行すること が明らかになっている。政府調逹規模も、毎年、拡大し、政府は国際平均レベルである GDP の約 10%を政府調逹市場を通じて購買する方針であり、来年度の政府調逹市場の予想規模 1,500 億元 のうち、中央政府で約 400 億元、地方政府が約 1,100 億元を調逹すると予想されている。 

 

・電子政府 

中国は、電子商取引インフラおよび法・制度の整備だけではなく、政府組職を電算化して効率 性と信頼性を強化するために努力している。今後、中国政府は、電子政府、都市情報化産業の加 速化を通じて IT 産業の発展を促進する方針である。 

中国は、1998 年、官僚組職への競争原理の導入と効率性向上のために、40 の政府部署を 29 に 縮小し、公務員の数を半分に減らす構造調整を断行した。また、国営企業であるチャイナテレコ ムと 29 の政府部署、政府傘下の委員会は 1999 年 1 月から共同で「電子政府プロジェクト

(Government Online Project)」を進めている。現在、同プロジェクト下で中央政府部署や委員 会、地方政府の 80%以上が、インターネットにウェブサイトを開設する作業を推進している。 

中国の電子政府プロジェクトは、3 段階にわたって推進されている。第 1 段階では、中央およ び地方政府機関の構造および規定のような基礎情報をオンライン化する。第 2 段階では、行政手 続きや法規および規定を、オンラインを通じて明らかにする。そして最後の第 3 段階で、政府行 政のオンライン化が推進される計画である。中国政府は、多くの政府部署および官庁、情報セン ターを先進化したネットワークシステムで統合することによって、公務員の作業の効率性および 政策透明性を高めながら、政府調逹を改善し、一般市民により良い行政サービスを提供すること ができると期待している。 

一方、EIU が、2002 年 7 月に電子商取引を行っている 60 カ国について「電子商取引準備状況の 順位」という調査をした結果、中国は 51 位であった。しかし、WEF(World Economic Forum:世

界経済フォーラム)が、成長競争力指数(Growth Competitiveness Index)とマクロ経済競争力 指数(Macroeconomic Competitiveness Index)をもとに調査した「世界競争力ランキング( Global  Competitiveness Ranking)」という資料によると、中国は、2001 年に 39 位、2002 年には 33 位と、

大きく順位を上げ、まだ十分ではないものの、技術的な面だけではなく、国家経済環境、関連政 策および制度全般で、安定した基盤を持続的に構築していることが明らかになった。 

中国は、1990 年代後半になって、やっと情報化および電子商取引についての重要性を認識した。

自国内の情報化を育成するための環境がまだ完全には整っておらず、発展速度は他の国より遅れ ている。しかし、すべての投資家たちが魅力を感じている豊かな人的資源と、市場規模および世 界最高レベルの潜在成長力を武器に、そう遠くない将来、アジアを超えて世界の情報化社会をリ ードする国になると予想される。 

2.3.3 台湾