3. 各国における電子商取引推進機関と推進プロジェクト
3.3 欧州
3.3.4 フランス
・フランス情報システムセキュリティ中央局
名称 フランス情報システムセキュリティ中央局
(DCSSI:Direction Centrale de la Securite des Systems d'Information)
URL http://www.scssi.gouv.fr
組織概要 電子署名および電子商取引認証機関の評価・監督機構である。
フランス情報システムセキュリティ中央局は、暗号化技術の評価と認証など、情報セキュリテ ィ分野でのフランス政府の活動を遂行する機関として、フランス政府の情報セキュリティ政策お よびその実行においてフランス内のその他すべての機関を支援している。
フランス情報システムセキュリティ中央局の業務は、以下の 3 つに要約することができる。
• 規制部門:DCSSI の産業関係と国際関係を担当、情報セキュリティ分野での規制政策を 作成して実施する。また、認証業務を実施している。
• 実行部門:通信および情報セキュリティ分野でのフランス政府の施策を支援する。この 部門は、情報技術分野で政府の他の様々な機関を支援し、政府のセキュリティシステム を調査・評価して政府機関内部での暗号化使用を監督する。
• 科学技術部門:情報技術、通信セキュリティ、暗号化分野でフランス政府を代表して DCSSI の実行を技術的に支援する。
・フランス ISP 協会
名称 フランス ISP 協会
(AFA:French Internet Service Provides Association)
所在地 chez Yahoo! France 11 bis, rue Torricelli 75017 Paris URL http://www.afa‑france.com
組織概要 超高速電算網の供給、電子商取引関連のサービスおよび基本設備の供給、ウェブホ スティングサービス事業などの業務を支援している。
フランス ISP 協会は、会員企業に共通に適用される原則として、ネチケット、秘密保持、責任、
年少者保護の 4 つの原則を提示しており、そのほかに会員たちの日常的点検指針、さらに利用者 との関係についても提示している。AFA 会員企業の共通遵守原則は以下の通りである。
• ネチケット(Netiqquette):AFA 会員たちは「ネチケット」というオンライン上のエチ ケットを守らなければならず、インターネットが提供する意思疎通が、調和をもって成 り立つようにしなければならない。
• 秘密保持(confidentiality):利用者たちが自分の情報を明らかにしてサービスを使う からには、信頼性をもって成り立たなければならない。
• 責任(Responsibility):AFA 会員たちは、インターネット上のデータが著作権によって 保護されているという点を知らせ、強調しなければならず、利用者たちは、そういうデ ータの使用において責任を負う。
• 年少者保護(Protection of minors):インターネット上で利用可能な情報量は膨大なも のであるが、AFA 会員はコンテンツを検閲することのできる解決策を提供しなければな らない。
・フランス・オンライン商取引およびサービス連合
名称 フランス・オンライン商取引およびサービス連合
(ACSEL:Advanced Coatings and Surface Engineering Laboratory)
所在地 1500 Illinois St.Golden, CO 80401‑1887 URL http://www.mines.edu
組織概要 B2B 産業に関する最新の調査および教育を運営するフランス連合の懲戒委員研究所 である。
フランス・オンライン商取引およびサービス連合は、B2B 産業参加者たちの相互作用を極大化 させるため、年次の産業コンソーシアムを開催し、B2B 産業を支援している。B2B 市場活性化のた めの企業の B2B サイト構築事業を進め、プロジェクトを推進している。また、全世界の産業界が 電子商取引や e‑ビジネス環境によって革命的な変化を遂げつつある時代的背景のなかで、新しい 変化を追求する産業界とともに、フランスの電子商取引や e‑ビジネス化に健全な方向を設定し、
その推進に寄与し、ひいてはフランスの競争力強化のためのひとつの土台になろうとしている。
中国における電子商取引を 取り巻く商取引実態に関する
調査報告
別添資料
国際連携 WG は、中小企業を含む日本の企業がアジア諸国との商取引を推進する際の課題を抽出 するとともに対応方策等を検討し、電子商取引推進に関わる実態を把握することを目的とし、本 年度より活動を行った。
今年度の活動として、アジア諸国の中でも中国を対象とし、電子商取引の推進を念頭に置いた 商取引の特徴としての、商取引ルール・物流(通関含む)および決済に関わる実態調査を行い、
その課題等を検討するための実態把握を行った。
調査にあたっては、中国での実地調査も併せて行うこととし、先進地域である上海市を対象と して調査を行った。その実地調査結果と調査機関による調査をまとめたものが本報告(別添資料)
となっている。
本報告をまとめるにあたり、WG に参加いただいた皆様に感謝するとともに、中国の商取引実態 把握の一助となることを期待する。
委員長 平山 正広 トヨタ自動車株式会社 委員 青木 尚 三菱電機株式会社 委員 水谷 伸 株式会社 UFJ 銀行 委員 高橋 満 株式会社日立製作所 委員 周 雲 株式会社富士通総研 委員 横前 茂 アコム株式会社
委員 小林 守 株式会社三菱総合研究所
事務局 松本 孝純 電子商取引推進協議会 事務局 榎本 晃 電子商取引推進協議会 事務局 平井 吉光 電子商取引推進協議会 事務局 竹内 一正 電子商取引推進協議会
有識者 滝口 浩一 スタートメディアジャパン株式会社
オブザーバ 水田 愼一 株式会社三菱総合研究所 オブザーバ 石井 栄司 株式会社三菱総合研究所
第一部:中国の電子商取引を取り巻く環境 1.中国の政経動向
(1)政治体制と改革開放政策
中国においては、かつて北京市にある中央政府が集権的に指導する計画経済体制1が取られてい たが、1978 年 12 月の中国共産党第 11 期 3 中全体会議で、市場メカニズムを導入・利用していく 改革開放政策路線が取られはじめた。この路線は、現在に至るまで大きく変化することなく継続 している。改革開放路線の基本的な考え方は以下の 3 点である。
急激な政策変更を行わず、試行錯誤・段階的に政策変更を行う
経済発展の遅い農村部に配慮しつつ、都市部の発展を促進し、中国全体の経済発展に結び付 けてゆく
中国共産党の一党支配体制を変更せず、政治的安定を保つ
中国は、改革開放政策のもとで 1990 年代から安定かつ高い経済成長率を成し遂げ、最近数年に おいても7〜9%の経済成長率を維持している。更に、このような高い経済成長によって、中国経 済は世界経済にも大きな影響力を持つようになり、2001 年 12 月には世界貿易機関(WTO)に加盟 した。
WTO 加盟によって、中国は、それまで外国資本企業(以下、外資系企業)の参入に制限を課し ていたサービス分野の規制緩和を進めざるを得なくなってきた。改革開放政策が進む過程で、中 国には電機・電子分野において外国の電機・電子メーカーが進出し、パソコン、携帯電話などの 国内生産が進展したため、中国では急速に IT 環境(通信インフラ、関連法規)の整備が進むこと になった。一方、消費面においても、経済発展によって中国企業も急速に成長し、豊かな消費者
(中産階級)が年々増加している。
中国においては、こうした経済状況を背景に電子商取引が普及しつつある。特に、北京、上海、
広東といった沿海地方2の大都市における電子商取引の拡大が顕著である。ただし、中国において は、電子商取引推進のための取組み内容や進展度が地方によってことなるため、我が国の企業が 中国に進出し、電子商取引による機材調達などを行おうとする場合には、地方によって異なる状
1 1949 年に成立した中華人民共和国は北京を首都とする社会主義国家である。政治的には中国共産党一党独裁、
経済においては計画経済を行ってきた。しかしながら、1978 年に改革開放政策を開始し、社会主義を標榜しつつ も、経済面では市場メカニズムを重視して経済発展で国力を増強してゆく方針をとり、現在に至っている。1994 年にはこのような考え方を「社会主義市場経済」とよび、社会主義の正統なモデルのひとつとして定式化した。
2 中国では沿海地方の大都市と内陸地方の農村部との所得格差が拡大する一方である。例えば、最も豊かな上海 市の一人当たりの GDP は 40,627 元(約 61 万円)、最も貧しい内陸の貴州省の一人当たり GDP は 3,140 元(約 47,000 円)である。ここでは換算レートを1元=15 円としている。)
況を十分に考慮に入れる必要がある。
(2)経済成長の軌跡と第 10 次 5 ヵ年計画
中国が高い成長率を達成している要因としては、①輸出の拡大、②活発な外国資本の導入、③ 国内企業の旺盛な設備投資、などが挙げられる。
第 9 次 5 ヵ年計画期(1996 年〜2000 年)に続く現在の第 10 次 5 か年計画期(2001 年〜2005 年)においては、今までのところ、持続的・安定的発展のスローガンの下で 7〜8%程度の安定的 な成長が続いており、2003 年度に至っては 9.1%の GDP 成長率が達成された。このような近年の 高成長は、中国各地方のインフラ投資(通信・不動産・電力)が活発化した結果であると言われ ている。
農家所得の増加
ボーナス増などによる 都市労働者の所得増 投資意欲拡大
輸出増加
沿岸地域の発展
労働力の適正配分
貨幣需要増
中国経済の 国際化 輸入需要増 高
高度度成成長長
農家自主権拡大
農産物買上価格 引き上げ
企業自主権拡大
外資・技術導入 郷鎮企業、
私営外資企業の 増加
沿岸部地域の 対外開放
労働市場の 自由度増加
外貨制約の タイト化
労働コスト上昇 による国際競争力 低下
インフレ
競争力のない 国営企業赤字
知的所有権など 国際標準に整合的 な制度の不備
地域間格差
失業問題
電力、輸送機関など インフラ供給不足
環境問題 成
成長長にに伴伴うう問問題題
設備投資の増加 エネルギー、
輸送需要増
出典:MRI
図 別 1‑1 中国の改革開放政策と経済の特徴