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21129仰12 4. 5616

ドキュメント内 幼児の文法能力 (ページ 124-135)

7. 3847 1. 0410 3. 3090 L 1797 0. OOO2 0. 3175

〈O. 20

〈O. O1

792. 691 li 17. 7946

  tito2=:44. 5468

〈O. Ol

僕(私)に自動車(人形)をあげ(まし)た」の文をつくり,その割合は,多い場合で幼児の28%(東京 4〜5歳クラス,京都5〜6歳クラス)を占め,幼児全体では,その割合は約20%に達している。

 このことは,「やる一あげる」の対立とともに,「やる一あげる」に対する「くれる」の対立が,

幼稚園期の幼児にまだ十分に習得されていないことを示唆している。

 では,実際にこのF1, F 2, F 3の三つの問題で,「やる一あげる一くれる」を使い分けるこ とのできた幼児は,どの程度いるのであろうか。この3問に対する反応を整理して,反慈の型とそ の捌合を示したのが1−4−65蓑である。また,これらの課題で,「やる一あげる一一くれる」を正

しく使い分けることのできた幼児の割合を,学年,地域,性別に示したのが1−4−66表である。

これらの表からわかるように,F!−F2で「やる」一「あげる」を使い分け,さらにF3の問で,

「くれる」を使うことのできた幼児の割合は,全体として小さく,特に,東京では,4〜5歳クラ ス36人中できたものは1人もなく,5〜6歳クラスで,40人中7人(17.5%)ができたに過ぎない。

藥4節 調査の結果(2)  123

1一屡一19図 やる〜あげるの識別の翻合 oo

1

50

[:=コ4〜5歳クラス

國5−6歳クラス

13.9

.54.5

9岬別3・︑囁グ3し

1−4−2G函 「やる一あげる」「または,その一      つと「くれる」との識別の割合 100

90

40.5.41.0

33.31・il

 o    東京      京都     和歌山

しかし,:京都,和歌由では,その割合は,相 対的に大きく,4〜5歳クラスで,37人中9人        100

(24,3%),30人中6人(2G%)のものができ,  % さらに5〜6歳クラスになると,和歌山では,

その割合は,44人中21人,47.7%に達している。

 1−4−66表の資料を基礎にしたX2分析に よると,学年(年齢)の要因とともに,地域の要 50 函による差は統計的に有意(p<0. Ol)で,個々 の地域差を調べてみると,4〜5歳クラスの場 合,東京一京都,東京一和歌山の聞,5〜6歳 クラスの場合,東京一禰歌山の間に有意差が認        o められた(pくO.01)。しかし,性差は認められ ていない。

50

o

、..@ 東京

1−4−21図

纈/黙宮門一難︒ズ︑Fじ ︑宝瓢旺・︑︑︑じ︾辮艦︑.  ミ濠⁝

黙壽嘱ρ夢壽即㌶︑製悩陽ξ︐..︑襲鍔鷺繋零骸

ヤだ.導寧︑

灘馨滋羅議総鉱

﹁       ﹁

    京都    和歌由  やる一あげる一くれるの識別の年 齢的変化(地域別)

       一和歌山

       ・・一・・一一一一一・・一。:京都

       Pt一・一・一・一・一。東京

/ノ //  //  ︑﹀/  \/  \/

/八

 /  1!

5A 5B 6A   6B

(年齢群)

 このように,幼児の(「やる」一「あげる」)一「くれる」の使い分けの習得は,東京,京都,和歌山 で,いちじるしく異なっており,京都,和歌山の幼児は,東京の幼児に比べ,その習得しているも のの割含が高いことが明らかになった。

 これらのちがいをわかりやすく,図に示したのが!−4−18図である。

 では,これらの使い分けに含まれている二つの対立関係のそれぞれはどうであろうか。また,先 述した地域差は,この二つの対立関係のどちらにより多く依存しているのだろうか。

 これらのことを知るため,F1・F2で「やる一あげる3を区別して使用できた子どもの割合,

およびF1・F2で「やる」εあげる」の少なくとも一つを使うことができ,かつ:F 3で「くれる」

124  第1牽 幼児の構文の翌得と動詞の分化

と反応できた幼児の割合を,学年,地域,性別に調べ,統計的に分析してみた。これが,1−4−

67蓑〜1−4−68表である。

 その結果,これらの表に示すように,「やる一あげる」の区別の場合,区別して使用できた幼児 の割合は,東京4〜5歳クラス13.9%,5〜6歳クラス32.5%,京都4〜5歳クラス40. 5%,5〜

6歳クラス41.O%,和歌山4〜5歳クラス33.3%o,5〜6歳クラス54.5%で,学年(年齢)クラス,

地域による差は大きく,その要因の作用は有意(p〈O. Ol)であるのに対し,「やる一あげる」と

「くれる]の区別の場合,できた幼児の割合は,4〜5歳クラスで東京の幼児が低く,5〜6歳ク ラスでは,和歌出の幼児が高いという傾向が認められるが,地域要因の作用は,かならずしも統計 的に有意ではない(p<0.20)。これらのことから,1−4−66表に示されている〔やる一あげる〕

一「くれる」の使い分けにおける東京の幼児と京都,和歌山の幼児との問の顕著な差は,まず第!

に待遇表現である「やる一あげる」の使用で,東京の幼児は,「やる」を「あげる」で表現する傾 向が強く,その聞を区別しないこと,第2に,「くれる」の習得が東京の幼児は,和歌山の幼児に 比べ,遅い傾向がある(サンプルが少ないため,4〜5歳クラス,5〜6歳クラス別々に,東京と 和歌山地域の幼児の「くれる」習得の話合の差をX2検定で調べると有意差は認められないが,4

〜5歳クラス,5〜6歳クラス合わせたデータで,その差を調べてみると,Z2=4, 658(elf= 1)でそ の間の差は統計的に有意(p<O. Ol))ということによって生じていることがわかる。

 わかりやすくするため,1−4−19図,1−4−20図に,「やる一あげる1の識別の割合,「やる 一あげる」またはその一つと「くれる」との識別の割合を地域別に示す。さらに,「やる一あげる 一回忌る」の識別の血合の年齢による変化を地域別に示したのが,1−4−21図である。東京の場 合,やる一あげる一くれるの識別がまったくできないのでなく,その識劉が,ほかの地域に比べ,

年齢的に遅れて始まることをこの図は示している。

第8項 「もらう」の使用

 では,次に「もらう」の方を調べてみよう。先に説明したように,モノの授受閣係で,モノが与 えられる立場から,物を受ける人を主語にして,その関係が表現されるとき,一般に「BはAから

(に)CをもらうJという構文で,動詞「もらう」が使われる。

 われわれは,先のF1, F2, F3と同じ状況が表現されている同じ絵で,下の文の語構造モデ ルの主語と,対象語の順序をかえた図版を用い,Fl, F2, F3の主客の立場をかえた次の文  G1 イヌは桃太郎から(に)きびだんごを=。

 G2 お母さんは,花子から(に)花を〔==〕。

 G3 僕(私)は,花子から(に)自動車(人形)を〔コ。

で,幼児の反応を調べた。テストにあたって,インストラクションはF1〜F3とまったく同じよ うに与えられた。G1〜G3の各問に対する幼児の反塔は,1−4−70表〜1−4−72表に示すと

第4節 調査の結累(2)  125

1−4−70衷 fG1 イヌは桃太郎から(に)きびだんごを〔=]」に対する反跡

・ラ刈

4〜5歳クラス

1

5 一一6歳クラス

嵐廊一遡」鯨 京都和歌明計

東京

京都和歌酬計

もらった

(から)受けと った    % わけてもらっ た     %

(から)とりに 行った   % 構文が正しく できない  % わからない。

テストせず % 21

58. 33

0

o

o

16 16

43. 24 53. 33 0     0

o

o

o

o

11

30. 56

4

11. l1

18     8 48. 64 26. 67

3    6

8. 11 20. 00 53

51. 46

0

o

o

37

35. 92

13

12, 62

31

77. 50

0

o

o

26

66. 67

2

5. 13

1 2. 56

0

32

72. 72

1 2, 27

0

1 2. 27

7

17. 50

2

5. 00

10    6 25. 64 13. 64

0     4     9. 09

89

72. 36

3

2. 44

1 0. 81

1 0. 81

23

18. 70

6

4. 88

「鶏 36 37 30 lio3 1 40 39

44 1123

1−4−71表 「G2 お母さんは花子から(に)花を〔==}」に対する反応

クラ刈

4〜5歳クラス 5〜6歳クラス

反応

地域

京都鰍唄計

東京

京都 和歌山1計

もらった

受けとった

うけた

講文が正しく できない  % わからない。

テストせず % 18

50. 00

2

5. 56

0

12

32. 00

0

o

15

50. 00 1 3. 33

0

12

33. 33

4

11. 11

20    8 54. 05 26. 67

5    6 13. 51 20. 00

45

43. 64

3

2.9工

40

38. 83

15

14. 56

29

72. 50

1 2. 50

0

25

64. 10 1 2. 56

1 2. 56

30

』68ほ8  4

 9. 09

 0

8

20. 00 2

5. 00

12    6 30. 77 13. 63

0     4     9. 09

ニニ巨 1 ,,

37 30 lio3 1 40 39 44

84

68. 29

6

4. 87

1 0. 81

26

21. 13

6

4. 87

123

おりである。また,この3問に対してすべて,構文も正しくつくり,しかも「もらう」で答えるこ とのできた幼児の割合を,学年,地域,性別に示したのが,!−4−73表である。各問に対して正 しい構文をつくり,しかも「もらう」を使うことのできた幼児の割合は,4〜5歳クラスで,G1−

51,5%,G2−43.6%, G 3−43. 7%,5〜6歳クラスG1−72.4%, G2−68.3%, G3−70。7%で,問題 による差はあまりみられず,3問平均すると,4〜5歳クラスで,45。6%,5〜6歳クラスで70.46

%に達している。「やる一あげる一くれる!の場合,東京,:京都,恕歌山の閥に,その使用につい 126 第1璽 幼冤の溝文の習得と動詞の分化

1−4−72表 「G3 鍵(私)は花子さんから(に)自鋤車(人形)を[==コ」{こ対する叙勲

・刈

4〜5歳クラス 5 一一6歳クラス

凝些i鯨

もらった 17 京都  謡歌山10 16 43費ロ 東京28 京都  和歌山28 31 87

47.22 27.02 53.00 43.69 70.00 74.00 70.45 70.73

受けとった 0 0 0 0 1 2 0 3

2.50 5.12 2.44

借りた 0 0 1 0 0 1 1

2.78 0.97 2.27 0.8玉

貸してもらっ 0 4 1 5 1 1 1 3

10.81 3.33 4.85 2.50 2.56 2.27 2.43

買ってもらっ 1 o 1 0 0 0 0

2.78 2.70 0.97

だかせてもら 0 0 1 1 0 0 0 0

つた

3.33 0.97

構文が正しく できない  % わからない、

テXトせず %

12 17

33. 33 45. 95 5    5 13. 89 13. 51

6 20. 00

6

20. 00

35 1 8

33. 98 1 20. 00

16 1 2

15. 53 1 5. 00

 0 5 000 2

0

7 123

15. 90 1 18. 69

4 1 6

9. 09 1 4. 87

36 37 30 103 40 39 44 123

1−4−73表 G1〜G3の3問全部について一文を正しくっくり,

うjを使うことのできた幼児の割合

しかも「もら

クラス・牲 地域

4F 4M

fo︸50

tho

5F 5M

ge60

東京 京都 勲激山

3/17

17. 64

6/19

31. 58

9/36 25. DO

5/17

29. 41

1/16 6. 25

6/37

王6.2玉

6/13 46. 15 5/17

29. 41

11/30 36. 67

9/19 47. 37 11/21 52. 39 20/40 50. 00

10/19

52. 63

9/20 45. 00 19/39 48. 72

14/22

63. 64

9/22

40. 91

23/44 52. 27

全  体 14/51

27. 45

12/52

23. 08

26/103 25. 24 33/60

55. 00

29/63 46. 03 62/123

50. 41

第4節 調査の結果(2)  127

1 一 4 一74ge 「〜は〜から(に)〜をもらう」構文における幼児の誤反庵

反応の い︑文の意味がまったく反対になる﹁もらう﹂の代わりに﹁やる﹂﹁あげる﹂﹁くれる﹂を使 などになり︑全体として異なる構文の文となる

格表現が異なり︑動詞も﹁やる﹂﹁くれる﹂︑あげるL

28

1

問  題

1 〜に(〜から)やった

G−1イヌは桃太 Yから(に)きびだ

ごを〔=]

G屯 お母さんは

ヤ子から(に)花を G弓僕(私)は花

qから(に)自動車 i人形)を[=コ

4〜5歳Nラス 5〜6歳 Nラス

4〜5歳  ク7ス

5〜6歳Nラス 4〜5歳 Nラス 5〜6歳

Nラス

3 2, (1) [ 2 1, (1) 1 1 2

13

2 (から雀略)やった 1 o 1 o o o 2

3 〜に(〜から)あげた 16, (4) 1 1 17, (3) 1 7, (3) 1 9, (3) 1 6, (2) 71

4 (から省略)あげた o o 1 o o o 1

5 〜に(〜から)わたした 3 3, (1)1 1, (1)1 2 o 2 13

6 〜に(〜から)くれた o 1 (1) 1 2 1, (2) 8

7〜をこ貸した(あげた) o o o o 5 e 5

8 〜に(〜から)返す o o o

9 〜にもつてきた o o o

10 〜へ送った o o o

曇頁 27 9 27

・・奪鷺ミ)ぞ難1)二二鵡 2 2 2

・2二士B讐織。宅詫貯や・

2 4

13 AにBにCを(あげた) o 1 1

  AはBをCを

14      0

     (買ってきた,あげた) o 1

15 AのBに(へ)(貸した,送った)  O o 1

・6綴鰍る立場からの誤・た・

2 1

o

o

o

15

o

o

o

o

o

3

1, (1) 1 O

o 1

1 o

23 16

4 o

1 3

o o

1 o

1 o

2 o

2

1

1

117

10

11

2

2

2

9

第1章 幼児の四文の習得と動詞の分化

  Aに(から)Bは(が)

17      0

    (もらった,受けとった) o 1 1

18 動詞がわからない 1 2 1 2

・9宴;文を辮賦まとめてし・

o o o

・・讐窺単語を鳩文を厳し・

4 1 4

  格表現が二つ誤り,誤った文に21  なる

1

0

誤反確の会計 37 23 40

1

26 o

3

o

o

o

35 o

3

o

1

o

23

2

12

2

12

3

184

て,顕著な地域差がみられたが,「もらう」の場合,サンプルが多くないこともあって,地域によ る多少の変動があり,特に4〜5歳クラスで:京都地域の幼児の正反応率が低い傾向(東京地域の幼 児と比較した場合,Z2= 6.4843, elf ・3でp〈0.10)が認められるが,全体的に地域,性による 変動は小さく,1−4−73表を墓礎にしたX2検定でも, クラス(年齢)要因(p〈0. Ol)のほか は,特に有意な差(地域要因p〈0.10)は認められていない。

 「やる一あげる一くれる」についてのF1, F 2, F 3の課題に比べ,「もらう」についてのG1,

G2, G 3の課題は,幼児にとって,より困難であった。ちなみに,語彙上の対立の少なかったF 2−G2(あげる一もらう)について,その成績を比較してみると, F 2(花子はお母さんに花を あげた。)の聞題の場合,構文を正しくつくり「あげる」を使うことのできた幼児の割合は,4〜5 歳クラス平均75.7%,5〜6歳クラス90.24%口達iしているの対し,G2(お母さんは花子に花を もらった。)の課題の場合,構文を正しくつくり,「もらう」を使うことのできた幼児の割合は,4

〜5歳クラス平均43,6%,5〜6歳クラス68.3%に過ぎなかった。この傾向は,同じく,Gl,G 2の課題の場合ともあてはまる。どういう原子に起因して,このような現象が生じているのであろ うか。1−4−62表〜1−4−64表,および!−4−70表〜1−4−72表に示してあるF!〜F3,

Gl〜G3の課題に対する幼児の反応を比較してみるとわかるように,F1, F3の「やる」「く れる1の正反応率の低さとその変動は,類似している語彙(動詞)根互間の対立に起因しているの に対し,G1〜G3の丁字の「もらう」の場合,その正反応率の低さは純粋に語彙上の対立によっ ているのではない。それはモノを受けとる立場の文の構造の統辞・意嚇ミ論的性格に関連すると思わ れる構文上,および意味論上の誤りに起因している。

 これらの誤り,誤反応の割合は,1−4−70表〜1−4−72表では, 「構文が正しくできない」

の項にまとめて示してあるが,実にその値は,3問平均して4〜5歳クラス36.2%,5〜6歳クラ

第4節 調査の結果(2)  129

ドキュメント内 幼児の文法能力 (ページ 124-135)