第2章 幼児の文の作成と
第2節 調査の方法と手続き
4)イヌは自動車にひかれた 5)金太郎はクマをたおした 6)太郎はイヌにかまれた 7)クマはサカナをつった 8)クマは太郎にうたれた 9)イヌは太郎の手をなめた lO)クマはハチに指をさされた 9),10)のための補助練習問題
自動車はイヌをひいた クマは金太郎にたおされた イヌは太郎をかんだ サカナはクマにつられた 太郎はクマをうった 太郎はイヌに手をなめられた
ハチはクマの指をさした
「お母さんグマは子グマのシリをたたいた」
D 使役文の作成・変換についての問題(5問)(a→b)
a i)ウマは荷物を運んだ ii)赤ちゃんは歩いた
1)赤ち&んはミルクを飲んだ 2)赤ちゃんはごはんを食べた 3)子グマはお阻を洗った 4)花子はカバンをもってた 5)イヌはソリをひいた
b
イヌはウマに荷物をはこぽせた お母さんは赤ちゃんを歩かせた
お母さんは赤ちゃんにミルクを飲ませた お母さんは赤ちゃんにごはんを食べさせた お母さんは子グマにお皿を洗わせた 太郎は花子にカバンをもたせた 太郎はイヌにソリをひかせた E やり・もらい文の作成。変撫こついての問題(6間)(a→b)
a
1)お母さんは太郎にリンゴをむいてあげた ii)赤ちゃんはお母さんに着物を着せてもらった 1)お母さんは赤ちゃんに風船を買ってあげた 2)花子は太郎に自転車に乗せてもらった 3)先生は花子に字を教えてあげた 4)太郎は花子にはさみを貸してもらった 5)花子はお母さんに(の)肩をたたいてあげた 6)太郎は花子に靴をみがいてもらった F 受動形の理解(絵の選択)の問題(16問)
la クマはイヌをだいている Iaノイヌはクマに.だかれている 2a ネコはイヌの足をなめている 2aノイヌはネコに足をなめられている 3a ウサギはカメを追いかけている
! ノ
bbbbb 119會23
b
太郎はお母さんにリンゴをむいてもらった お母さんは赤ちゃんに着物を着せてあげた 赤ちゃんはお母さんに風船を買ってもらった 太郎は花子を自転車に乗せてあげた
花子は先生に字を教えてもらった 花子は太郎にはさみを貸してあげた お母さんは花子に肩をたたいてもらった 花子は太郎に(の)靴をみがいてあげた
イヌはクマをだいている クマはイヌに.だかれている イヌはネコの足をなめている ネコはイヌに足をなめられている ヵメはウサギを追いかけている
第2節 調査の方法と手続き 169
3aノカメはウサギに追いかけられている 3bノウサギはカメに追いかけられている 4a ネコはイヌにとびついた 4b イヌはネ誘にとびついた
4aノイヌはネコにとびつかれた 4b!ネコはイヌにとびつかれた
これらの問題文の内容は,すべて別紙図版に絵で表され,A〜Dの問題の各絵の下には,各文の 語構成がマス醸で表現された。また,各文が絵だけで十分表現されつくされない場合は,補足説明 が与えられた。
また,Fの問題は,1枚の図版に,主客の違いによって対となる2つの状況,例えば,「クマが 犬をだいている」(「イヌがクマにだかれている」)状況と「イヌがクマをだいている」 (「クマがイ
ヌにだかれている」)状況が絵で表現されている。
第2項 テストの方法
ことぽを調べる方法には,いろいろなやり方がある。テス5では,前章の「動詞分化テXト」と 同じように図版と白木積木(フレーベル社タ御物積木第3号)を用いて,図版の絵で表されている 内容を絵の下にかかれているマス目と絵で表されている文の語構造を示す文のモデルにそって一つ 一つの語を固定させながら一定の型の文で表現させるという方法を採宜した。
児童は,図版のマス目に,左の方から積木を一つ一つ置きながら,その語を声に出して表現し,
文をつくっていくわけである。
しかし,対象が就学前の幼児であるので,児童にいきなり絵とモデル(マス目)だけを提示し,
当該の文をつくらせることは困難である。そこで,このテストでも,まず,テストを行う葡に,実 験者は,これから行うべき行為を自らデモンストレーションを行い,行為の正しい見本を提示し,
児童にその行為を摸倣させ,その中で,一定の文の型と,行為の仕方,変換の仕方を学習させ,し かる後に本テストに入るという方法をとった。したがって,このテストは,厳密にいうと,単に児 童の現在の行動そのものを調べているのではなく,一一定の教育的働きかけの下で児童の行動,学習 受容能力をも調べているということになる。また,その際,文の語構成のモデルとし提示されてい
るマス目の中に,「動詞分化テスF」と同じく動詞以外の単語は,その単語を示す絵単語がかかれ,
児童が反応しやすいように工夫された。
テストの具体的な手続きを示すと,次のとおりである。
(1) サブテストA,B
このサブテストは,変換のテストに入る前に,能動文・受動文を作成させ,それができるかどう かを調べるテストで,その手続きを,図式化すると2一一2−1図のとおりである。
この図式にそって,テストの手続きをもう少し具体的に説明しよう。
Step 1 まず,児童の名前,性鋼などを確認した後,児童に積木4個を与え図版の絵を見ぜる。そ して「ここにある絵を見ながら,この積木を使って,先生といっしょにお話をつくるお遊びをは 170 第2章 幼児の文の作成と文の変換機能の発逮
2−2−1図 テストA,Bの季続きのフm一一一チャート Step 1
名前の確認 導入インストラク ション
登場入物の紹介
訓練
(2問)
Step 2
実験者;
デモンスト:レーション
(見本の提示)
Step 3 児童;
模倣による学習
2問共正し 膜倣したか
いいえ
はい
学習テスト Step 4 (2問)
Step 5
2問婁誌正しく
学習したか はい
いいえ
第1問
本テスト
いいえ.
文は正しいか やり痩し
はい
文は正しいか いいえ
はい 4[輪式行
したか はい
いいえ 補充練習
・え
い
謹
司レ も功 ︑ い はい第2問
その動詞を 教える もう一度文を つくらせる
いいえ 正しく
なったか はい
打切り︑第2問へ
ee 2節 調査の方法と季続き 171
じめましょう」という導入用のインストラクションを与える。そして,次に1枚目の図版を利用 して登場人物の紹介を行う。そして,練習問題を使った練習過程に入る。
Step 2 デモンストレーション:子どもの前に,練習問題Ai)の図版をおき,「太郎が花子をぶつ た絵でしょう。先生は,これからこの積木を使ってお話をつくるから,○○ちゃんは,それをよ く見ていて,先生がやり終えたら,先生と同じようにやって下さいねJというインストラクショ ンを与える。そして実験老は,左のマス屠から1つずつ積木をゆっくりおぎながら,/太郎ハ/
花子ヲ/ブッタ/ と語をくぎって,音声化し,その文を表現する。(実験者は,ここで,正しく 演技して,正しい行為の晃本を示すだけでよいのであって,主語,述語とか「三つ単語があるで しょう」とかの説明はしない。)
Step 3 模倣:「さあ,それではやってごらん」と言って,児童にやらせる。児童が正しく模倣し た場合,「よくできましたね」と言って,次の練習間題ii)に入り, Step 2,3をくり返す。児童 がひつかかったり,できなかったりした場合,実験老は,「よく見ていなさいよ」と言いながら 再度デモンストレーションを行い,模倣させる。それでもできない場合は,できるまで,この手 続き(Step 2,3)をくり返す。
Step 4 学習のチェックテスト:練習問題i), ii)の両方で,連続して,正しく模倣が行われたら,
「もう一度,自分でやってごらん3と言いながらi),ii)の問題を自力でやらせる。
(この場合,実験者は,もう見本を提示しない.)この両問を自力で正しくやり終えたら,本テ ストに入る。もし,2間のうち1問でもまちがったり(後にのべるx,「わからない」<D,K>
反応の場合),不完全(後にのべる△印の場合)だった場合,Step 2にもどって,はじめからや り直す。(この間の児童の反応は,いずれも,次に説明する様式にしたがって,所定の欄に記入
する。)
Step 5 本テスト:Step 4でi), ii)の問題が完全にできた場合,「では,これも自分でやってごら ん!と言いながら,そのまま本テストの問題(1ト(4)に入る。
(1)の問題で,モデルにそった一定の型の正しい文がつくられた場合は(次に述べる○,○印の場 合),②,(3)の問題へと次々にテストを進める。ひっかかったり,モデルにそった一一定の文をっ くり出すことができなかった場合は(次に述べる×,わからないの場合)もう一度自分でやらせ,
それでできたら次の問題に入る。しかし,それでもできない場合,実験者は,そのやり方を直接教 えるのでなく,先に行った練習問題圭),鋤を利用して,その2問についてデモンストレーショ ン=模倣(Step 2, Step 3)の練習を補充練習として行い,その後,当該の困難であった問題に もどってやらせる。そしてまたひっかかったり,正しく出さない場合,(後に述べる×印,D, K の場合)もう一度やり直しを求め,さらにできない場合,そこで打ち切る。(したがって最高4 試行行うことになる。)
モデルにそった一定の型の文をつくることができても,動詞の部分で,他の動詞を使用した揚
172 第2章 幼児の文の作成と文の変換機能の発遼