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1磐   ,,一

ドキュメント内 幼児の文法能力 (ページ 150-160)

%o)ということを意味している。

(2) テスト課題における幼児の正反応

 このように,一一定の練習ののち,文作成のテスト課題を幼児に与えた。その結果,幼児に課した 7種の構文のうち,いくつかの構文は,幼児にとって,やや困難であることが明らかになった。4

〜5歳クラスの幼児を含めて,A, B, C, Dの構文は,幼児に比較的容易であったが, Eの付着 樽文「〜が〜に〜をつける」,Gの授受構文(2)「〜は〜から(に)〜をもらう」は,5〜6歳クラス を含めて,幼児により困難であった。このことは,各構文の平均正反癒率(1−5−3表)から知 ることができる。

 このことを,もう少し明瞭に示すため,各購文の正反応率を,年齢群で比較してみると1−5−

3図,1−5−4図のようになる。この表からわかるように,正反応率は,同じクラスでも年齢の 高低によって差が認められ,5A群ではF, E, Gの構文が,5B群,6A群でE, Gの構i文が,

   1−5−3表 各構文の平均颪反応率

クラ・州 4F 4M 5F 5M

緻唄

51 52 103 60 63 123

%%%%%%% ABCDEFG  ︵講文の型︶

85. 88 87. 69 9e. 85 90. 60 86. 86 96. 73 87. 25 88. 46 74. 51 76. 60 83. 66 83. 65 54. 90 42. 63

86. 80 90. 72

91. 75

87. 86

75. 56

83. 66

43. 71

94. 00 94. 6e 98. 15 98. 77 99. 72 98. 15 98. 67 95. 08 91. 67 83. 60 94. 72 91. 27 72. 50 73. 28

94. 30 98. 46

98. 92 96. 83

87. 53

92. 95

73, 04

1−5−3図 各構文の正:反庵率の年齢群問の比       較(1)

6B群では, Gの構文が,ほかの樽文に比べてより困難であることがわかる。

 これら七つの構文のうち,特に幼児に困難であったのは,第3,4節で詳述したようにGの構文 であった。この構文が,このテストで幼児に特に困難であった原因の一つとして,当初テストの願 序による作用(マイナスのテスト効果;前のFの講文の練習とテストの後にGの練習とテストを行

うので,前のFの練習・テストがGの練習・テストにマイナスの作用を与える可能性)が考えられ た。だが,東京地区の捌の幼児について,:F,Gの順序を入れかえてG, Fの順にテストした結果,

この場合も,F, Gの順の場合と同じく, Gの構文は, Fの構文より困難であることが明らかにな った。その後,この構文の文の作成における幼児の誤りを分析した結果,前節の第8項,第9項で 詳述したように,この構文の困難さは, 「モノが与えられる」立場の文として,統辞・意味論的に 受動文的な性格をもち,それによって,幼児の文の作成がより困難になっていることが明らかにな

った。

 この構文に次いで幼児により困難であったのは,Eの構文であった。同じ「〜が〜を〜に〜す る」という形式をとりながら,授受送文Fよりも,付着の「に格」をもつEの構文が,幼児に,よ

り困難であることは,興味ある問題である。だが,なぜ,Eの構文が, Fの構文より,より困難で あるかは,本研究の分析から明らかにされなかった。

(3)テスト課題における幼児の誤反殖

       ぷ

 AからGまでの構文を通して,テスト時に幼児が犯した誤りを,第1節の1−1−5表の基準に そって整理したものが,1−5一一4表である。

 *一つの文をつくるのに2試行以上の試行を行い,かつ誤反応である場合は,その文について最後の試行の   反応を採薦している。

 文モデルをもつ図版で幼児に文をつくらせ,テストを行う方法を,今回のこの調査に採用するに あたって,やや心配したことは,文を作成する際の意味・統辞上の単位である単語(文節)の発話 と,図版に積木を置くという行為との間に!対1の対癒がとれず,音節と積木を置く行為を対応さ せたり(誤反応の型A),句,文を,あるいは助詞を1単位にするような反応(B,C型)が多く 畠てくることであったが,射ちを分析した結果,4歳後半から6歳後半の年齢層にわたる幼児の場 合,この種の誤反応は非常にわずかであることがわかった(全体通してA型は,総無反応の1.3%,

B型0.4%,C型2.5%)。このことは,この図版による方法が,この年齢層の幼児に,テストの方 法として使えるということを意味している。

 A〜Gの構文の文作成の全体を通して,もっとも頻度の多かったのは,この表でわかるように,

F型,L型の誤りであった。それらは,それぞれ,全誤反応総数の約3分の1を占めている。

 F型の誤反応とは,練習で見本として提示し,練習を行い,かつ図版にモデルで示してある熱心 とは,まったく異なった構文で文をつくってしまう誤反応で,特にE構文,G構文の中で,多く生 じている。その具体的ないくつかの例を,幼児の反応の中から示すと次のとおりである。

i50  簾1章 幼児の構文の習得と動詞の分化

α醤 讃湘㊦ H切μ

1−5−4表園版を用いた文作成テストで生じた幼児の誤反痔の型とその頻度       4〜5歳クラス(N= 103)5〜6歳クラス(N・・123)         構    文      ¶      \.         、 @         \_誤りの遡と内容      \.

A

BC

D

EFG

A

Bc

D

EFG計 % A 音節に分解する40G00005G0000091.31

・欝継嚇判・

000000}。 20010030.43   句・文を,分けずにまとめてしまC  つた場合 10

︒﹄ i 132400040117 Q.48   他の単語を入れ,文を展開して表D 現し,1単語1積木の原期がくず @ れた場合

130004331143131351173 P0.64 E 格の表罫が一つ誤った場合00011001020620628 S.08

嘱遊撃嚢碧蟻酔文が

1558286115241322263265 R8.63   「をこ」格の 「に」が省略された場G  合 0000120000010O40.58 H 「で格」の 「で」が省略された00000000000000

00

1 「から格」の「から」が省略された000001000

000010.15   文の構造はよいが,動調が「わか

K

  らない」場合11oo85 1 !6e1eo92 1 1760 8. 75   文の構造は聞斜文にあっているが, L 動詞が不適切なため,まったく意  14   味の異なる文になる

5o4 i 15 1 11 1 8151o4 1 11 1 17 1 58226 32. 94

曇口

34 1 115  1 14 ] 67 1 31 ]218 ll 3e 1 132  1 16 1 63 1 26 1156686

・雰釜懸鴇こ騒!瀦翻・475・6・・1847・99

546 1 23 1 29 1 26 1 43655

 E構文

 E2 太郎は イヌに 木を つけました。

    太郎は イヌの くさりを はずしました。

 E3 花子は 切手と 封筒を 出しました。

    花子は 切手で 封筒を 送りました。

    花子は 切手を 封筒を 出します。

 E4 太郎は グPt 一ブで 手で 野球をします。

    太郎は グローブに 手を 入れました。

    太郎は グPt・一ブを 手で やりました。

 E5 花子は 時計を 柱から おろしました。

    花子は 時計を 柱で のりました。

 E6 太郎は プロペラを 飛行機を 飛ばしました。

 G構文

 Gl イヌは 桃太郎が きびだんごを やった。

    イヌは 桃太郎に きびだんごを 下さいと言った。

 G2 お母さんに 花子は 花を やった。

    お母さんから 花子が 花を もらった。

 G3 僕に 花子は 人形で 遊んだ。

    僕の 花子に 人形 かした。

 G4 太郎は 花子の はさみを 渡した。

    太郎は 花子と はさみで 遊んでいます。

 G5 花子は 先生 字 しらなかった。

 G6 お母さんは 花子の お金を あずかっておいた。

    お母さんに 花子が お金を あずかった。

    お母さんは 花子の お金を うけとった。

 L型の誤反応とは,文の構造,格表現は問題文に合っているが,動詞が不適切であったり,動 詞(文)の立場が反対であるため,まったく意味の異なる文になる誤反応で,Gの構文で「もらう」

を「あげる」 「くれる」で表現した誤反応などに典型的に表れた。G, Eの溝文で,もっとも多く 表れたが,G構文におけるこの種の誤反応は,すでに1−4−47表などで示してあるので, E構文 の場合について,その具体例を示すと,次のとおりである。

 E1 花子は てるてるぼうずを 木に みてました。

 E3 花子は 切手を 封筒に 出しました。

 E5 花子は 時計を 柱に さわった。

152  策1章 幼!の構文の蟹得と動詞の分化

    花子は 時計を 柱に もちました。

     〃   〃   〃 のぼりました。

 E6 太郎は プロペラを 飛行機に 作ってる。

 これらF型,L型の誤反応は,練習の過程で自力で文をつくることができたにもかかわらず,そ の統辞・意味論的な文の型や特質を,新たな図版と文モデルに,一般化することができなかったこ とによる誤反応であると考えると,この種の誤反応が,ある構文に特に選択的に生じることは,こ の期の幼児の構文能力の特徴を知る上で,十分意味をもっていると理解することができよう。

(4) 「物をもらう」立場の文の受動丈的性格

 この調査で明らかにされた子どもの言語の統辞・意味的発達についてのもっとも興味ある事実の 一つは,この期の幼児の一部は,物のやりもらいに関して,物を与える立場の文はつくれても物を

もらう立場,物が与えられる立場の文をつくることが困難であるということであった。この事実は,

まず, 「〜は〜に〜をあげる」で代蓑される与える立場の構文Fに比べ, 「〜は〜から(に)〜をも らう」で代表される物を受ける立場の構文Gに,構文上の誤りが著しく多いということで明らかに された。前者の構文の場合,構:文上の平均誤反応率は,4〜5歳クラス5.0%,5〜6歳クラス3.5

%であったのに対し,後者の構文は,4〜5歳クラスで35.3%,5〜6歳クラスで21,1%に達して いたのである。この素因について,まず,調査手続上の理由,つまり,テストでは,Fの構文を先 に行い,次にGの構文を行うので,その順序の負の効果として,後続のGの構文がつくりにくくな るということが考えられた。そこで,補充調査として,東京の一部の幼児に,FとGの順序を反対 にして(つまりGを先にして),テストを行ってみた。そこで得られた結果は,以前の事案とまっ たく岡じことを示し,順序効果の作用が否定された。その後,Gの構文に対する幼児の反応,特に 誤反応を詳細に分析した結果,それは,この構:文の統辞・意味論的性格と,この期の子どもの特徴 に起因していることが明らかになった。つまり,この構文は,現実を,物を受ける立場から表現す ることを要求しているにもかかわらず,この期の幼児の一部は,この立場に立つことができないか,

もしくは立てても,現実をその立場から表現することができず,結果的に,物を与える立場からの 文をつくってしまうのである。

 この誤りの典型的な例は,絵によって「桃太郎がイヌにきびだんごをやる」という現実が示され,

それを「イヌは桃太郎から(セこ)きびだんごをもらった」と表現すべきところを, 「イヌは桃太郎に きびだんごをあげた(やった,わたした)」と雷ってしまうという誤りであった。また,この場合,

「イヌは(が)桃太郎は(が)きびだんごをあげた(やった,くれた,わたした)」という誤反応も多 く生じた。そして, 「もらう」ことに関した三つの問題で,この「もらう」立場に立てず,与える 立場の構文をつくった誤反応の割合は,4〜5歳クラスで幼児が犯した誤反応数のうち実に89.3%,

5〜6歳クラスで69.4%を占めていたのである。また,この誤反応は,4〜5歳クラスでは全反応 数の32.4%にも達していた(5〜6歳クラスの場合!3.6%)。

第5節 結果の検討  153

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