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1 担当業務の概要

ドキュメント内 震災(色校用).indd (ページ 30-34)

 私は、平成 28 年 10 月〜 12 月まで仙台塩釜港湾事務所の工務班に在籍し、仙台塩釜港における災害復 旧工事の設計、工事監督業務に従事しました。主に担当した「西ふ頭災害復旧(その2)工事」、「代ヶ崎 清水防潮堤外災害復旧工事」の2件の業務について概要を説明します。

①西ふ頭胸壁災害復旧(その2)工事

 被災した胸壁約 550 mを、レベル2地震動及びレベル1津波対応に改良(嵩上げ)する工事です。そ のほか、地震により沈下した、臨港道路(臨港道路 2, 3,8号線)及びふ頭用地の嵩上げを行うものです。

工期は平成 27 年2月 13 日〜平成 29 年3月 24 日です。

 私の赴任期間中は、主に臨港道路8号線の嵩上げを実施しており、地元住民や施設利用者との調整業務 がメインでした。具体的には、①沿道の住民、企業への工事説明及び工程調整、②工事の際に支障となる ため撤去する、住宅のブロック塀等の補償調整、③苦情・要望対応、④近接工事との工程調整です。道路 工事は、利用者の生活に直結するため、様々な意見・要望が挙げられました。

 また、胸壁の嵩上げでは、事前ボーリングの結果、当初想定していた地盤改良工法が施工不可能となっ たため、受注者や設計コンサルと改良工法の再検討、併せて国への重要変更協議を行いました。重要変更 協議とは、災害査定時と比較し、設計条件の変更等により施工断面・工法等が大きく変更となる場合に国 の査定官と協議するものです。

②代ヶ崎清水防潮堤外災害復旧工事

 防潮堤約 600 mを、レベル2地震動及びレベル1津波対応に改良する工事です。その他、被災した物揚場、

船揚場、桟橋の復旧を行うものです。工期は平成 27 年7月4日〜平成 30 年3月 23 日です。

 この工事は、標準断面×延長で発注されており、契約後も現場と設計が同時進行している大規模な復旧 事業ならではの発注方法でした。そのため、必要な図面等が揃っておらず、工事・設計の進捗に併せて都度、

工法や数量を変更していく必要がありました。加えて、防潮堤直背後が住宅地であることや、施設を供用 しながら施工する必要があるなど、施工条件が非常に厳しい現場でした。

 私の赴任期間中は、防潮堤の鋼矢板や鋼管杭の打設を行っており、受注者と打設方法や打込長に関する 変更協議に加え、町道に矢板を打込む必要があったため、町役場と占用について調整を行いました。

また、年末までに中間検査、変更設計をしなければならず、これまでの工事書類の整理や提出漏れの確認等、

過去に遡って理解する必要がありました。(堤 洋平)

技術系職員

職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣

技術系職員

業務概要

⑴ 組織の目的について

 宮城県には、下記のとおり計8つの港があります。

  ・国際拠点港湾:仙台塩釜港(仙台港区、塩釜港区、石巻港区、松島港区)

  ・地方港湾  :気仙沼港、女川港、雄勝港、荻浜港、表浜港、金華山港、御崎港

 派遣先である仙台塩釜港湾事務所は、仙台塩釜港の仙台港区、塩釜港区及び松島港区の施設整備と管理 を行っています。

⑵ 組織規模・業務概要

 事務所は、所長、総括担当(2名)及び総務班、港政班、工務班で構成されています。

また、他自治体から、鳥取県1名(鳥取県中部地震対応のため 11 月帰県)、大分県1名、東京都1名の計 3名が工務班に所属しています。

  総務班( 4 名) :所内の経理会計事務、工事等の入札及び契約等、物品の出納及び管理等

  港政班(13 名):港湾施設等の使用許可・使用料の調定、水域占用・臨港地区内行為届出の許認可、

       船舶の入港に関する事務処理、港湾統計調査等

  工務班(13 名):工事・調査等の設計・積算及び監督、港湾施設・海岸施設等の維持管理、許認可に        関わる技術的審査、災害の復旧等

土木部 仙台塩釜港湾事務所 工務班

港湾施設 宮城県

事務所の位置及び担当港区

職員派遣

1

職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣

鈴木 達裕 中村  滋 堤  洋平 佐藤 優太

(港湾局)

土木部 仙台塩釜港湾事務所 工務班

宮城県 港湾施設

1 担当業務の概要

 私は、平成 28 年 10 月〜 12 月まで仙台塩釜港湾事務所の工務班に在籍し、仙台塩釜港における災害復 旧工事の設計、工事監督業務に従事しました。主に担当した「西ふ頭災害復旧(その2)工事」、「代ヶ崎 清水防潮堤外災害復旧工事」の2件の業務について概要を説明します。

①西ふ頭胸壁災害復旧(その2)工事

 被災した胸壁約 550 mを、レベル2地震動及びレベル1津波対応に改良(嵩上げ)する工事です。そ のほか、地震により沈下した、臨港道路(臨港道路 2, 3,8号線)及びふ頭用地の嵩上げを行うものです。

工期は平成 27 年2月 13 日〜平成 29 年3月 24 日です。

 私の赴任期間中は、主に臨港道路8号線の嵩上げを実施しており、地元住民や施設利用者との調整業務 がメインでした。具体的には、①沿道の住民、企業への工事説明及び工程調整、②工事の際に支障となる ため撤去する、住宅のブロック塀等の補償調整、③苦情・要望対応、④近接工事との工程調整です。道路 工事は、利用者の生活に直結するため、様々な意見・要望が挙げられました。

 また、胸壁の嵩上げでは、事前ボーリングの結果、当初想定していた地盤改良工法が施工不可能となっ たため、受注者や設計コンサルと改良工法の再検討、併せて国への重要変更協議を行いました。重要変更 協議とは、災害査定時と比較し、設計条件の変更等により施工断面・工法等が大きく変更となる場合に国 の査定官と協議するものです。

②代ヶ崎清水防潮堤外災害復旧工事

 防潮堤約 600 mを、レベル2地震動及びレベル1津波対応に改良する工事です。その他、被災した物揚場、

船揚場、桟橋の復旧を行うものです。工期は平成 27 年7月4日〜平成 30 年3月 23 日です。

 この工事は、標準断面×延長で発注されており、契約後も現場と設計が同時進行している大規模な復旧 事業ならではの発注方法でした。そのため、必要な図面等が揃っておらず、工事・設計の進捗に併せて都度、

工法や数量を変更していく必要がありました。加えて、防潮堤直背後が住宅地であることや、施設を供用 しながら施工する必要があるなど、施工条件が非常に厳しい現場でした。

 私の赴任期間中は、防潮堤の鋼矢板や鋼管杭の打設を行っており、受注者と打設方法や打込長に関する 変更協議に加え、町道に矢板を打込む必要があったため、町役場と占用について調整を行いました。

また、年末までに中間検査、変更設計をしなければならず、これまでの工事書類の整理や提出漏れの確認等、

過去に遡って理解する必要がありました。(堤 洋平)

技術系職員

職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣

技術系職員

2 苦労したこと・工夫したこと

 被災地派遣に当って、一番苦労したことは3ヵ月間という短い派遣期間内でのタスク管理でした。前任 者より優先度の高い課題について説明を受けたため、着任後まず始めに受注者へヒアリングをかけて、派 遣期間でやるべきことを優先順位ごとに整理しました。そして、「早期解決」、「1か月以内」、「着任中まで」

と期限を分類して、業務に取り組みました。

 着任から最初の1か月間は、慣れない積算システムや事務処理手続に戸惑い、契約内容と現場条件の差 異に起因した現場での課題解決に頭を悩ませながらも、宮城県職員、他県からの派遣職員の皆様の協力を 仰ぐことで、滞りなく業務を進めました。また、2か月目になると、工事進捗に合わせて、近隣市町村や 地区会長、ふ頭利用者等との調整事項が多数発生しましたが、重要事項については必ず県職員の方を帯同 することで、所内での情報共有を図りつつ順次解決しました。

 派遣期間のうち2か月目を終える頃、災害再調査業務と新たに発生した調整業務について、任期中に取 りまとめるよう依頼を受けました。これらの業務量のボリュームは大きく、任期中にまとめるには迅速な 対応が必要となりました。よって、派遣期間残り3週間、2週間、1週間と時間経過と共に大きくなるプレッ シャーを背負いつつ、業務に臨みました。その中でも、業務の進捗に合わせて残期間でやるべきことの資 料整理を毎週末実施し、その資料は引継資料として用いられるように整理しました。以上のとおり、①適 宜タスク管理を行うこと、②県職員の方との協働による情報共有化、③計画的な引継資料整理の3点によっ て、限られた期間で最大の成果を出すよう尽力しました。(鈴木 達裕)

 業務量はかなり多く、事前に事業概要等を聞いていましたが、情報が溢れるほどあり、詳細まではとて も把握できませんでした。しかし、担当業務は必要な情報を覚えなければ高いパフォーマンスを発揮でき ないものでした。そこで、三ヶ月間でやらなければならないことと、現実とのギャップに焦り、まず職場 の皆に追いつくために、最初は昼も夜も仕事のことで頭が一杯でした。このハンディキャップを克服する ことが最初の関門でした。具体的には、災害再調査が目前に迫っており、前任が作成した資料の修正・内 容精査にとりかかりました。「なぜ、この断面でなければならないか?合理的な断面か、過大な断面となっ ていないか?」、「なぜ、この工法が妥当なのか?」、「施工の単価は妥当か?」等、これらは一朝一夕で把 握できるものではありません。

 工夫したことは、懸案事項について自分の手元での処理時間を短くし、直ぐに協力業者等に返答・宿題 提示をするように心がけました。そして、自身の資料作成について、優先順位をつけて、またスピード感 を意識して実施していきました。さらに、工事内容の協議について、自分の意見を持って、素早く回答し ていくことを実施していきました。(中村 滋)

 私が1月に着任した直後から急ぎの案件が多く、慣れない事務処理や積算システムでの設計書作成など のデスクワークをしつつ、工事受注者との施工協議や現場立会い等の監督業務を限られた時間の中で処理 することに苦労しました。工夫したことは、多くの業務に対し、その全てに優先順位をつけることで業務 管理を行い、3ヶ月という短い派遣期間の中で処理ができるよう、常に効率的な処理方法がないかを考え ながら取り組むよう心がけました。(佐藤 優太)

3 印象的なエピソード

  現場で工事監督業務をしていると、近隣住民の方や地区会長の方から話しかけられる機会がありました。

住民の皆様は復興事業に大きな関心を寄せており、進捗状況の質問について回答した際には、事業に取り 組む私に対して感謝の言葉を頂きました。私にとって、工事監督業務で初めての経験であり、とても貴重 な経験でした。学生時代、土木工学とは、「市民生活と産業・生産活動の資する社会基盤の整備・維持の ための工学」であると学びました。今回取り組んだ復興業務は、まさに「市民生活のための工学」を活か す機会でした。そして、甚大な津波被害を受けた当該エリアの震災復興業務に携わること、市民の震災か

職員派遣

1

職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣

 第一に、短い間でしたが宮城県仙台塩釜港湾事務所の職員の一人として、復興復旧にむけて尽力できた

ということがとても印象的です。これは、事務所の職員の方々の温かい心遣いや復興復旧に対する前向き な姿勢に後押しされ、都の担当の業務をなんとか円滑に進めていきたいという思いを強く持てたことによ ります。また、現場でも工事を担当する協力会社と、それぞれ温度差はありましたが、前向きに仕事を進 めることができたことによります。さらに、近隣住民の方からは、叱咤激励もありましたが、感謝の言葉 もいただくことができました。

 第二に、1件の工事が約2年を経て、無事に完成できました。多くの方が携わってできた護岸完成の時に、

運よく立ち会えたことが印象的です。この護岸が将来、背後集落を守っていく重要なものになると思いま す。(中村 滋)

 現場に出るのが3、4年ぶりであったこと、海岸や道路は未経験であったため、全ての業務が新鮮で、

印象的でした。その中でも、西ふ頭災害復旧(その2)工事の臨港道路8号線嵩上げに必要な地元調整が、

苦労した分、特に印象に残っています。私の赴任期間中では、全ての調整を終えることが出来ませんでし たが、調整が整ったところから工事に入るため、日々復旧が進む道路をみるとやりがいを感じることが出 来ました。スムーズに進んだ案件、難航してあまり進まなかった案件様々でしたが、所内で何度も対応を 検討することで、少しずつですが前進させることが出来ました。アドバイスやフォローして頂いた、県職 員の方々には、とても感謝しています。ありがとうございました。(堤 洋平)

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