1 担当業務の概要
○家屋評価業務
私は復興支援チームに所属し、家屋評価業務及び復興特区の課 税免除業務を担当した。家屋評価業務は、不動産取得税及び固定 資産税の課税標準額、すなわち評価額を算定する仕事である。岩 手県では、市町村と分担して家屋評価を実施しており、原則とし て、県は非木造家屋の評価を、市町村は木造家屋の評価を行って いる。県が評価する家屋は、工場、ショッピングモール等の大規 模複合構造家屋をはじめ、戸建住宅や簡易な物置など家屋の大小 に拘らず、全ての非木造家屋を対象としている。
復興支援チームは、この原則に従い沿岸局が所在する釜石市を 中心に、北は田野畑村から南は陸前高田市まで南北約 150km の 広大な地域で新築又は増改築された非木造家屋の評価を行ってい る。一日の現地調査の予定件数が遠隔地を含み数箇所に及ぶこと もしばしばあり、現地への交通手段が公用車を利用することもあ り、調査を効率的に進めるためには、移動にかかる時間を考慮し ながら、予め、家屋取得者に対して調査資料の提出の協力や調査 日時の約束など、十分な調整が必要である。現地では、家屋調査 のほか、取得者に対して、不動産取得税にかかる納税義務や課税
免除など税に関する説明を行っている。この後、現地調査を踏まえて、家屋評価計算を行うこととなる。
岩手県では家屋評価システム「HOUSAS(ハウザス)」を導入しており、具体的な家屋評価計算については、
このシステムを用いて計算することとなる。なお、東京都においても同様のシステムを導入しており、私 もシステムにより評価の経験があったため、評価業務を円滑に進めることができた。
○事業企画立案チーム「三陸ブランド創造隊」
私は、沿岸広域振興局の事業企画立案チーム『三陸ブ ランド創造隊』に加入した。『三陸ブランド創造隊』は、
平成 26 年 10 月に発足し若手有志職員 12 名より組織 され、「三陸ブランド」の創造と地域の活性化を目指し、
事業の企画立案から実施を行う。活動実績として、JR 東日本グループと連携した「三陸のものマルシェ」、「三 陸の食と観光の交流会」等が挙げられる。東京都職員で ある私は、全国から人が集まる首都圏ならではの視点を 活かしながら、これらの地域イベントの東京都開催に向 けた企画・実施に携わった。
平成 28 年度「三陸ブランド創造隊」の広報活動
職員派遣
第 1 部
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
2 苦労したこと・工夫したこと
業務を円滑に進めていくうえで、チーム内で評価方 法の平準化を図ることに苦労した。実際に、年度当初 にチーム内で同一家屋の評価を行い比較検証した結果、
担当者ごとによる評価方法の相違が確認された。これ は、チームが岩手県職員及び自治体派遣職員で構成さ れ、事務処理の手順や各種ルールが全く異なる点に原 因があったと考えられる。つまり、岩手県沿岸局管内 における評価課税の公平性の確保が早急に求められて いると実感した。
その課題を解決する取組みとして、岩手県沿岸広域 振興局共通の固定資産評価基準解説を作成するための
プロジェクトチームを発足したことが挙げられる。プロジェクトチームは、復興支援チーム及び県税室の 家屋評価担当者により編成した。まず、家屋評価に係る要検討事項を議題として取り上げた。その作業に 当たって、各自治体における取扱い、地方税法の根拠条文及び関連書籍等を参考にした。その後、岩手県 各県税室との議論の場を何回も設け、きめ細かな意見交換を行った。
最終的に、岩手県の地域事情等を総合的に勘案したうえで客観的かつ公平に要検討事項を取り決めた。
さらに、目次・凡例に全ての法令・参考書籍、取決事項等を一覧で表記した。このように、岩手県職員及 び派遣自治体職員のあらゆるノウハウを結集し、初任者からベテラン職員まで経験を問わず、知識の共有 化を図ることができるよう工夫を施した。
3 印象的なエピソード
4月の初旬に行われた初めての家屋調査でのことである。調査において所有者に負担いただく税金の話 をした後、都からの派遣職員であることを告げた。その際、所有者から暖かい言葉を掛けてくださり、赴 任したばかりの私にとって非常に励みになった。その後、釜石市、大船渡市を始め、1年を通じて日ごと に再建されていく被災地の状況を目の当たりにすることもでき、非常にやりがいを感じた。
また、平成 29 年 1 月に開催された『いわて三陸復興フォーラム』において、100 名程度の参加者を前 にして現在の私の支援業務について発表したことは非常に貴重な経験となった。「沿岸地域において1年 間で何棟の家屋が新築されるのか。」など質問を多く頂き、復興に対する県民の関心の高さを知ることが できた。同時に、1年間の業務を振り返る貴重な機会となり、自身の業務が復興の一助になっていること を実感できた瞬間でもあった。
再建される災害復興公営住宅
(岩手県岩泉町・森の越地区)
評価基準プロジェクトチームの事前打合せの様子
三陸復興フォーラム現地報告会の様子 (H29.1.20)
技術系職員
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
事務系職員
山口 賢治
(主税局)
沿岸広域振興局 経営企画部 県税室
岩手県 税務
1 担当業務の概要
○家屋評価業務
私は復興支援チームに所属し、家屋評価業務及び復興特区の課 税免除業務を担当した。家屋評価業務は、不動産取得税及び固定 資産税の課税標準額、すなわち評価額を算定する仕事である。岩 手県では、市町村と分担して家屋評価を実施しており、原則とし て、県は非木造家屋の評価を、市町村は木造家屋の評価を行って いる。県が評価する家屋は、工場、ショッピングモール等の大規 模複合構造家屋をはじめ、戸建住宅や簡易な物置など家屋の大小 に拘らず、全ての非木造家屋を対象としている。
復興支援チームは、この原則に従い沿岸局が所在する釜石市を 中心に、北は田野畑村から南は陸前高田市まで南北約 150km の 広大な地域で新築又は増改築された非木造家屋の評価を行ってい る。一日の現地調査の予定件数が遠隔地を含み数箇所に及ぶこと もしばしばあり、現地への交通手段が公用車を利用することもあ り、調査を効率的に進めるためには、移動にかかる時間を考慮し ながら、予め、家屋取得者に対して調査資料の提出の協力や調査 日時の約束など、十分な調整が必要である。現地では、家屋調査 のほか、取得者に対して、不動産取得税にかかる納税義務や課税
免除など税に関する説明を行っている。この後、現地調査を踏まえて、家屋評価計算を行うこととなる。
岩手県では家屋評価システム「HOUSAS(ハウザス)」を導入しており、具体的な家屋評価計算については、
このシステムを用いて計算することとなる。なお、東京都においても同様のシステムを導入しており、私 もシステムにより評価の経験があったため、評価業務を円滑に進めることができた。
○事業企画立案チーム「三陸ブランド創造隊」
私は、沿岸広域振興局の事業企画立案チーム『三陸ブ ランド創造隊』に加入した。『三陸ブランド創造隊』は、
平成 26 年 10 月に発足し若手有志職員 12 名より組織 され、「三陸ブランド」の創造と地域の活性化を目指し、
事業の企画立案から実施を行う。活動実績として、JR 東日本グループと連携した「三陸のものマルシェ」、「三 陸の食と観光の交流会」等が挙げられる。東京都職員で ある私は、全国から人が集まる首都圏ならではの視点を 活かしながら、これらの地域イベントの東京都開催に向 けた企画・実施に携わった。
平成 28 年度「三陸ブランド創造隊」の広報活動
職員派遣
第 1 部
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
2 苦労したこと・工夫したこと
業務を円滑に進めていくうえで、チーム内で評価方 法の平準化を図ることに苦労した。実際に、年度当初 にチーム内で同一家屋の評価を行い比較検証した結果、
担当者ごとによる評価方法の相違が確認された。これ は、チームが岩手県職員及び自治体派遣職員で構成さ れ、事務処理の手順や各種ルールが全く異なる点に原 因があったと考えられる。つまり、岩手県沿岸局管内 における評価課税の公平性の確保が早急に求められて いると実感した。
その課題を解決する取組みとして、岩手県沿岸広域 振興局共通の固定資産評価基準解説を作成するための
プロジェクトチームを発足したことが挙げられる。プロジェクトチームは、復興支援チーム及び県税室の 家屋評価担当者により編成した。まず、家屋評価に係る要検討事項を議題として取り上げた。その作業に 当たって、各自治体における取扱い、地方税法の根拠条文及び関連書籍等を参考にした。その後、岩手県 各県税室との議論の場を何回も設け、きめ細かな意見交換を行った。
最終的に、岩手県の地域事情等を総合的に勘案したうえで客観的かつ公平に要検討事項を取り決めた。
さらに、目次・凡例に全ての法令・参考書籍、取決事項等を一覧で表記した。このように、岩手県職員及 び派遣自治体職員のあらゆるノウハウを結集し、初任者からベテラン職員まで経験を問わず、知識の共有 化を図ることができるよう工夫を施した。
3 印象的なエピソード
4月の初旬に行われた初めての家屋調査でのことである。調査において所有者に負担いただく税金の話 をした後、都からの派遣職員であることを告げた。その際、所有者から暖かい言葉を掛けてくださり、赴 任したばかりの私にとって非常に励みになった。その後、釜石市、大船渡市を始め、1年を通じて日ごと に再建されていく被災地の状況を目の当たりにすることもでき、非常にやりがいを感じた。
また、平成 29 年 1 月に開催された『いわて三陸復興フォーラム』において、100 名程度の参加者を前 にして現在の私の支援業務について発表したことは非常に貴重な経験となった。「沿岸地域において1年 間で何棟の家屋が新築されるのか。」など質問を多く頂き、復興に対する県民の関心の高さを知ることが できた。同時に、1年間の業務を振り返る貴重な機会となり、自身の業務が復興の一助になっていること を実感できた瞬間でもあった。
再建される災害復興公営住宅
(岩手県岩泉町・森の越地区)
評価基準プロジェクトチームの事前打合せの様子
三陸復興フォーラム現地報告会の様子 (H29.1.20)