商工労働観光部 雇用対策・労働室
産業再生等
岩手県
技術系職員
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
事務系職員
4 今後の都政等に活かせること・活かしたいこと
復興は道半ば―――この言葉は前年度の派遣職員らが異口同音にしていた言葉である。
震災から約6年を経過してもなお、被災地域で目の当たりにしたのは、未だに重機が行き交う沿岸地区 や仮設住宅が残るグラウンド跡等の生々しい現実。現場で「道半ば」の意味を痛感する一方、引き続く護 岸工事や多くの人の話を聴く中で、一丸となった復興行政の力強さと時時刻刻と変化するニーズに対応し ていく復興支援の業務の奥深さを肌で知ることができ、都市の防災対策の重要性を再認識した。
私が被災地派遣を志したのは、平成 23 年7月の宮城県石巻市での短期派遣を通じて、もう少し自分に 何かできることはないだろうかという思いと、地域経済の活性化や雇用による人々の生活再建等に結びつ く産業面から復興支援に寄与していきたいという動機からだった。それから大分時間が空いて被災地での 復興支援の命を受けたが、この一年間を経て被災地派遣を選択したことは間違っていなかった、というの が偽らざる実感である。
他方、岩手県職員や他の自治体派遣職員との交流の中で、日本における「東京都」という自治体の相対 的な位置に想いを馳せることが多々あった。顧みれば、同じ地方公務員でも組織が違えば、文化や作法が 全く異なり、自分は「都庁村」の一住人にすぎないということに気付かされた。当たり前と思っていた東 京都の現状(ヒト・カネ・モノ)は、実は全国でも本当に特異な環境であり、都庁を一年間離れたことで「俯 瞰して見る」ことができたというのは重要な教訓となった。
これらの貴重な経験を何かしらの形で今後の都政に還元していきたいという思いを更に強くしている。
今回の派遣生活で支えていただいた東京都の上司や同僚、岩手県の復興を支えるという使命を共有し、
苦楽をともにした派遣職員、岩手県職員の方々に感謝したい。そして、一日も早い復興完遂を願ってやま ない。
執務室にて
(後列左から2番目が筆者、右から4人目が川口主事)
沿岸地区視察・研修(陸前高田市。中央に「奇跡の一本松」)
※ 28 年 6 月
陸前高田市役所にて市職員、商工会の方に助成金を説明
(左列手前が筆者)※ 28 年 7 月
職場の皆と盛岡さんさ踊りに参加
(前列左から2番目が川口主事、前列右から1番目が筆者)
職員派遣
第 1 部
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
1 苦労したこと・工夫したこと
配属となった4月に早速助成金の実績報告審査のピークを迎えました。約 3,300 事業所、助成対象労働 者 18,000 人弱分の実績報告書が、委託業者における書類の形式審査を経た後に次々と当室に納品され、
まさに段ボール箱に押しつぶされそうになりながら延々と書類審査を行うことになりました。国の方針に より制度が複雑化している中で、審査量は膨大となっていたことから審査は遅れがちとなり、書類が溜まっ てしまうと同時に、事業者からのクレームも少なくありませんでした。
一方で、前年度より業務に従事する職員が増加したことや、前年度の派遣職員の方々が詳しい審査マニュ アルを残してくださったことで、前年度よりは早期に実績報告審査を終了させることができました。審査 の過程では、我々も次年度に繋がるよう職員みんなで問題点を洗い出し、特に事業者の目線に立ってそれ を改善していくよう努めました。
いちばん苦労した点は、委託業者との連携がうまくいかない点でした。当助成金の業務に携わる職員が 派遣職員が中心となっていることで、委託業者の方が多くの知識と情報を持っているという歪んだ状況と なっていることも影響して、こちらの指示が委託業者の業務に適切に反映されないことが多々あり、大変 苦労しました。私は、平成 28 年3月まで復興局生活再建課において被災者支援業務に従事しており、被 災された方の生の声を聞くことも多く、業務が復興に結びついているという実感を持つことができていた のですが、ひたすら書類とにらめっこし、相手をするのは事業者というより委託業者という日々が続き、
業務が復興に結び付くという実感があまり持てなかったのが辛い点でした。
2 印象的なエピソード
以上のように、仕事では辛い点もありましたが、定期的に業務に関して打合せの機会を設けてくださっ たことで、問題点を洗い出す機会ができ、その問題点をみんなで解決していけたことは、よかったと思い ます。特に、平成 28 年8月の岩手県沿岸北部での台風災害後には、職員同士知恵を出し合って対応策を 検討したことが印象に残っています。このように、派遣職員が意見を出しやすい環境を作ってくださった り、忙しい中でも業務後に懇親の機会を設けてくださったりと、何かとお気づかいいただいたこともうれ しかったです(申し訳なくも思いましたが)。
また、岩手県職員はもちろんのこと、他の自治体から派遣されている仲間と仕事上でもプライベートで も多くの時間を共有し、特にプライベートでは岩手県(とその周辺)の雄大な自然を満喫したことが何よ り印象に残っていますし、今後の財産になると思います。
3 今後の都政に活かせること・活かしたいこと
岩手県では被災者支援を1年、復興基金を活用した助成金業務を1年と、「暮らしの再生」、「なりわい の再生」という2つの分野に携わらせていただきました。「被災地支援」というと暮らしの再建という面 にのみ注目されがちですが、暮らしを持続させていくには「なりわい」も不可欠であり、この2分野を経 験できたことは今後起こるであろう災害に生かせる貴重な経験であると考えています。
また、私は2年目の派遣であるということもあり、休日の各種イベント(小旅行やリレーマラソン等)
の段取りを買って出ることも多くあり、些細なことではありますが、この際の各種調整で得た経験は都政 にも活かせるかなと思っています。
(主税局) 川口 勉
商工労働観光部 雇用対策・労働室
産業再生等
岩手県
技術系職員
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
事務系職員
手県の復興という共通の目標に向けて一緒に働いてきた他自治体職員等の方々との人脈は何よりの財産で あり、必ず活きてくると確信しています。
最後になりますが、2年間という長きにわたり、貴重な経験をする機会を与えてくださった東京都の皆 さま、特に、快く送り出してくださった所属職場の皆さまにはこの場を借りて深く感謝申し上げます。また、
未熟な私を受け入れてくださり、仕事上でお世話になったことはもちろん休日も含めて楽しい日々を共有 してくださった岩手県及び他自治体からの派遣職員の皆さまにも深く感謝申し上げます。本当にありがと うございました。
台風災害時のボランティア(岩泉にて)
執務状況
ねぶた祭りでミスねぶたと一枚
他県派遣職員合同で出場した あっぴリレーマラソンの様子
残雪の八幡平ハイキング
職員派遣
第 1 部
職員派遣 監理団体職員派遣 現地事務所 職員座談会 熊本地震への対応 任期付職員派遣
経済商工観光部 宮城県
企業復興支援室
産業再生等
業務概要
1 中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業
本制度は、東日本大震災により被災した中小企業等から構成されるグループがそれぞれ復興事業計画を 作成し、県の認定を受けた場合に、施設・設備の復旧・整備に要する費用の一部を補助する制度である。
補助率は最大で 75%と他の補助金と比較してもかなり高い補助率であり、被災地の復興に大きく寄与し ている。
なお、グループ補助金は、平成 23 年度から始まり、第 17 次認定までの交付決定状況は 245 グループ、
交付決定事業者数は 4,003 件、交付決定額は約 2,506 億円である。なお、平成 28 年度は 18 次公募まで 実施し、平成 29 年度もグループ補助金は継続となる見込みである。
〇申請ができる中小企業等グループの要件
構成員の事業所等が、東日本大震災により甚大な被害を受けた津波浸水地域を含む市町に所在していた 複数の中小企業者等から構成される集団で、下記のいずれかの機能を有するグループ。
①サプライチェーン型 ②経済・雇用効果大型 ③地域に重要な企業集積型 ④水産(食品)加工業型
⑤商店街型(※所在市町の同意が必要)
※いずれかの類型のグループで県の認定を受けた場合に限り、補助金申請を行うことができる。
〇補助の対象となる経費
中小企業等グループ及びその各構成員の施設・設備で、東日本大震災により損壊若しくは滅失等により 継続して使用することが困難になったもので、補助金交付決定後に復旧・整備等に着工・実施する下記の 経費。制度上原形復旧が求められており、被災前施設・設備のグレードアップなどの過剰復旧は補助対象 経費として認められない。また、普通乗用車や事務機器、什器、備品、単独の休憩所等、補助目的以外に 使用できる汎用性の高い施設・設備は、原則として対象外である。
なお、今年度から新分野事業により震災前の売上を目指すことを促すため、従前の施設等への復旧に代 えて、これらの実施に係る新分野事業に要する施設 ・ 設備の整備に要する経費及びこれに付随して行うソ フト事業についても新たに補助対象となった。(新分野進出事業)