○絵図や古写真、発掘調査結果を用いて、復原し、都市公園に指定することで、文化財所管の課と公園所管の課 が分担して、養浩園庭園を管理している。
○嘱託職員の庭師を配置し、日々、技能の向上に努めている。
○養浩館庭園内を、シルバー人材やボランティア団体がガイドや管理等を行っている。
養浩館(旧御泉屋敷)庭園
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2 保存・管理、整備・活用の状況
<史跡等の基本情報>
管理団体等 福井市
計画書作成 保存管理計画 平成 28 年3月 31 日策定予定 整備・活用基本計画 -
管理体制
整備担当部署 福井市教育委員会文化課 維持・管理担当部署 福井市教育委員会文化課 維持・管理の実施主体 自治体職員が直接管理
<保存・整備活用計画>
・策定中
・名勝養浩館(旧御泉水屋敷)庭園の都市計画決定(都市公園)
<整備事業>
◇「名勝養浩館庭園復元整備事業」(昭和 60 年 平成 5 年)
・昭和 20 年7月 19 日の福井大空襲で建造物が焼失し、庭園もその後の復興都市計 画で一部が市道になっている。昭和 56 年頃、福井市が庭園を緑地公園に整備す ることになったが、その前に庭園遺構を十分調査する必要があると、市の文化財 保護委員会から提言され、調査を実施した。その結果、学術的に優れていること が明らかにされ、昭和 57 年 7 月 26 日、国の名勝に指定されたことが契機となっ て、文政6年に作られた御泉水屋敷の平面図である「御泉水指図」や、発掘調査 の結果をもとに、指定地内の私有地を公有化し、建造物と庭園の復原事業が実施 された。
◇養浩館庭園保存管理事業(平成 25 年)
・開館 20 周年を迎える養浩館庭園の更なる魅力向上のため、造園技能士を配置する など、保存管理体制の強化を図っている。
◇福井都⼼地区特定景観計画区域(養浩館庭園周辺ゾーン)(平成 26 年)
・福井都心地区景観形成重点地区における重要な歴史・文化資源である養浩館庭園を核として、養浩館庭園内か らの良好な眺望景観の保全及び、これと一体となって良好な景観の形成を図ることが望ましい区域を「福井都 心地区特定景観計画区域(養浩館庭園周辺ゾーン)」として指定し、庭園内からの良好な眺望景観の保全、周辺 の空間づくり、養浩館庭園との調和を意識した質の高いまちなみの形成を推進している。
<活用>
◇ボランティアガイド
・博物館ボランティア「とねりの会」が養浩館庭園の解説を行っている。
・(財)歴史のみえるまちづくり協会による、「養浩園庭園」をはじめとし た福井市の歴史を広く伝えていくための「語り部」を実施している。
◇イベント
○養浩館内の「御月見ノ間」で、春と初夏、秋のお茶席の開催
○御座ノ間と御月見ノ間には活花と掛け軸の展示
○庭園を早朝無料で開放
○養浩塾(聞香会、筝教室、庭園専属庭師による日本庭園の紹介等)
○養浩館庭園ライトアップ
◇情報発信
・ホームページやパンフレットなどを配布するとともに、プロモーショ ン映像を作成し、動画サイトなどにアップしたり、Facebook 等での SNS 配信も行っており、四季折々の養浩館庭園を見ることができる。
・アメリカの庭園専門誌“Sukiya Living Magazine”で養浩館庭園が上位
(2014 年5位)に選ばれ、数寄屋建築のすばらしさ、建物と水との親和 性、予約や時間制限が無く気軽に利用できるところなどが評価されてい る。
「御泉水指図」
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3 課題克服のポイント
課題:昭和 20 年の福井空襲により焼失し、文政6年に作られた御泉水屋敷の平面図「御泉水指図」などを活 用して建造物や庭園を復元するとともに、養浩館庭園の良好な景観や風景を形成していくための継続的 な整備が必要であった。
養浩館(旧御泉屋敷)庭園は、最盛期は今の養浩館庭園・お泉水公園・
歴史博物館を合わせた程の大きさであった。しかし、昭和 20 年の福井空 襲により、養浩館は焼失し、復興都市計画などの整備により縮小されて しまう。現発掘調査で確認された臼ノ御茶屋の遺構は道路の下に眠って おり、復元できていない。そこで、平成 26 年度より2ヶ年かけ、保存管 理計画を策定し、養浩館庭園の本来の姿、規模に復元していく方向性を 検討している。また、福井市立郷土歴史博物館が養浩館の西側に移転し た際に福井城の遺構の一部を復元するとともに、養浩館周辺の景観を向 上させるために、文化財所管課が養浩館庭園と御泉水公園を一元化して、
樹木の剪定などを行っている。
史跡が中心市街地に立地しているため、養浩館(旧御泉屋敷)庭園 の有する歴史的な雰囲気や水辺環境、庭園内からの良好な眺望景 観を保全するとともに、文化の薫り高いまちなみづくりを目指し、
養浩館(旧御泉屋敷)庭園周辺を景観計画における特定景観計画区 域に位置付け、史跡周辺の景観の保全と誘導を図っている。この計 画で、回遊式庭園としてどこからでも良好な眺望景観が楽しめる 空間づくりを行うとともに、福井城址とのつながりを配慮し、周辺 の空間づくりも進めている。これらの取組みは、史跡の本質的な価 値の維持に寄与しており、史跡を核としたまちづくりへと波及し ている。
史跡が中心市街地に立地しているため、史跡周辺を景観計画に位置付け、庭園内からの良好な眺望 景観の保全及び景観の形成を図ることで、史跡の本質的な価値を維持することができている。
史跡の価値の維持に軸足を置いた整備・体制強化の取組 マネジメントのポイント①
庭園内
空襲で焼失してしまった養浩館(旧御泉屋敷)庭園を本来の姿に復元するために、絵図を用いて史 跡の本質的な価値を取り戻す動きが進められている。
庭園内からの眺望景観保全イメージ 史跡周辺の散策空間の形成
庭園内の良好な眺望景観
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平成 24 年度まで業者へ委託(入札)により、樹木の剪定等を行っていたが、
毎年業者が異なるため、庭園の景観を一定的に維持することが困難であっ た。そこで、開園(平成5年)から二十周年を迎えたのを機に、庭園の景観 の維持・向上を図るため、継続的な剪定、庭師を確保する方針へと変更し た。平成 25 年4月から、文化財庭園を保存する技術をもった専属の庭師が 1名常駐し、週4日(平成 27 年度から週5日)剪定や清掃などの業務を行 い、衰えた樹勢を回復させ、庭園景観の維持の品質向上に寄与している。
また日々の管理や点検によって、大きな修繕を回避することができている。
課題:本史跡は市街地に立地しているため、建物等に埋もれてしまい、歴史資源として市民に親しまれること が難しかった。地域の核として、市民から親しまれ、史跡の魅力を向上させることが課題であった。
本史跡周辺は景観計画における特定景観計画区域に指定されてお り、行政をはじめ、地区や自治会の協力を得て、良好な史跡周辺の 景観整備が進められている。また、地区・自治会を中心に組織され ている「宝永まちづくり委員会」は、史跡周辺の宝永地区の魅力向 上に向けた取組みを展開している。そのなかの一つに、地区住民が 手作りのあんどん等を設置する、「養浩館庭園ライトアップ」という イベントがある。美しい養浩館の数寄屋造りの建造物や回遊式林泉 庭園の景観を紹介するほか、庭園だけではなく周辺の沿道のライト
アップも行うことで、本史跡を核としたまちの空間演出が施されている。このような取組みは、地区全体の 空間演出やまちづくり、観光振興に寄与している。
史跡の継続的な維持、活用を図っていくために、シルバー人材を活 用し、週3日の清掃や雑草取りなど庭師を補う管理作業を行ってい る。また、歴史を学んで得た知識と感動をほかの人に伝えたいとい う市民を対象に、講座やワークショップ、実習などを組み合わせた 学習プログラム「ミュージアムカレッジ」を開講し、受講を終えた 方が、博物館ボランティア「とねりの会」として養浩館庭園の解 説、ガイド、こども博物館の開講などの業務にあたっている。ボラ ンティアの起用により、市民が博物館と来館者をつなぐ図式が構築 されている。
入札による委託をやめ、日本庭園の管理の技術を有する専属庭師を常駐させるなど、価値の維持に 軸足を置いた体制整備に尽力し、継続的な景観の維持・管理を実現している。
シルバー人材が養浩館庭園内の清掃を行い、ボランティア団体が案内するなど、市民参加による史 跡の維持・活用が図られ、博物館と来館者をつなぐ図式が構築されている。
専属の庭師
市民を巻き込んだ史跡の活用による、史跡の地域の核化と、誇りや愛着の醸成 マネジメントのポイント②
地区や自治会の協力を得て史跡の景観整備を進めたことにより、地区や自治会が中心となった地域 の魅力向上の取組みにもつながった。
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