白糸ノ滝
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2 保存・管理、整備・活用の状況
<史跡等の基本情報>
管理団体等 富士宮市
計画書作成 保存管理計画 平成 22 年3月 整備基本計画 平成 24 年3月
管理体制
整備担当部署 富士宮市企画部富士山世界遺産課 維持・管理担当部署 富士宮市教育委員会教育部文化課
維持・管理の実施主体 自治体、所有者、施設管理団体等による維持・管理
<保存・整備活用計画>
◇「名勝及び天然記念物「白糸ノ滝」整備基本計画(平成 23 年度 富士宮市)
・白糸ノ滝は、昭和 11 年に名勝及び天然記念物として国の指定を受けて以来、保護保存されてきたが、見学者へ の対応や経済情勢の変化に伴う開発等により、本来の文化財としての価値が潜在化しつつあった。そこで、白糸 ノ滝の「あるべき姿」を取り戻す環境整備を行うために、国や静岡県の指導のもと、名勝及び天然記念物「白糸 ノ滝」整備基本計画策定委員会(以下「策定委員会」という。)を設置し、議論を重ね、平成 24 年3月に名勝及 び天然記念物「白糸ノ滝」整備基本計画(以下「整備計画」という。)を策定した。
・現状の問題点を踏まえ、風致景観の向上、本質的価値の共有、安全性・快適性の向上の3つを基本理念として位 置づけ、整備方針を立てた。
○風致景観の向上:滝の眺望を阻害する人工物等の撤去を行うとともに、滝の眺望視界に入る護岸、展望場など については、本質的価値が享受できる風致景観の整備を行う。
○本質的価値の共有:本質的価値については、市民や来訪者の間に広く広報・情報提供を行い、富士山の文化を 学ぶ場、育む場として活用する。
○安全性、快適性の向上:橋の架け替えや車両の進入制限などにより、来訪者の安全性・快適性を確保する。ま た、回遊性を持った歩経路、展望場、休憩場の整備、案内サインの設置など来訪者にとって快適な整備を行う。
<整備事業>
◇3つの整備⽅針を実現するための整備計画
・人工物(売店3、倉庫1、落石防止柵)の撤去【風致景観】、周辺に 調和した河川環境の整備【風致景観、安全性】、橋梁整備【風致景観、
安全性】、展望場の整備【風致景観、快適性】、階段整備【安全性、
快適性】、案内サイン等の整備【風致景観、本質的価値、快適性】、
回遊性を持った歩経路整備【安全性、快適性】、生態系(植栽、土砂 の撤去)の保全、復元【風致景観、本質的価値】、便益施設の整備(ガ イダンス施設、公衆トイレ、公園、休憩場、売店ゾーン)【本質的価 値、快適性】、電柱・電線の撤去等【風致景観】、車両と歩行者の分 離【安全性、快適性】
◇整備に向けた周辺土地の公有化及び合意形成
・中長期的事業である既存売店の集約化に向けて、集約予定地の公有 化等について売店関係者、地権者等との合意形成に積極的に取り組 む。将来的には、滝つぼに向かう市道を歩行者専用通路にしたいと 考えている。
<活用>
◇ガイドボランティアの活用
・富士宮市観光ガイドボランティアの会:平成 13 年5月に発足したボランティア団体。富士山本宮浅間大社を 中心に、白糸ノ滝等富士宮市を訪れる観光客への案内を行っている。
・富士宮市富士山世界遺産ガイド養成講座:市では平成 24 年度から富士宮市富士山世界遺産ガイド養成講座を 開催。市内の構成資産の価値について理解を促している。静岡県においても養成講座を実施しており、市内の 構成資産の案内について県と市が協力して取組んでいる。
整備計画図
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3 課題克服のポイント
課題:「白糸ノ滝」が世界文化遺産である「富士山」の構成資産に選定されたことを受け、潜在している価値 の顕在化や回復を進め、本質的価値が享受できる風致景観の整備を行う必要があるとし、滝の風致景観 を阻害している人工物、植栽等の撤去や風致景観の向上が課題になった。また、災害による橋梁・護岸 の欠損、法面崩壊など危険個所が多く、来訪者の安全性・快適性に配慮されていないという点も憂慮さ れた。今後多くの見学者が来訪する可能性もあるため、来訪者の安全性・快適性を確保することを、課 題の一つとして挙げた。
白糸ノ滝の本来の価値を取り戻すために、文化庁の指導のもと、平成 24 年3月に整備計画を策定。計画策定 に当たって、各方面(景観工学、景観論・環境計画、地質学、土木工学、地質学、近世史・民俗、生態・環境)
の7名の委員からなる策定委員会を設置した。また、同委員会は整備を実施する際に指導、助言を行う名勝及 び天然記念物「白糸ノ滝」整備委員会として継続することとした。整備計画に基づいた整備一つ一つの案件に ついて、委員会に諮り、十分な議論を重ねて整備を進めた。
滝つぼ内にある人工物が構成資産に相応しくなく、白糸ノ滝の風致景観を向上させる必要があった。富士宮市 は、滝つぼで 100 年近く営業していた2店舗と粘り強く交渉を続け、滝周辺の別の場所に移転することで合意 を得た。移転に当たっては、国及び県の補助制度を活用して用地取得や物件の補償を進めた。さらに、回遊性 のある遊歩道や展望場を整備するに当たり、周辺の土地所有者等の協力も得て、周辺整備を行った。
管理団体と県・地権者との協力による遺跡の保護・活用 マネジメントのポイント①
本来ある姿に整備するために、店舗や隣接地の土地所有者等との話し合いを何度も行うとともに、
価値を伝えた。その結果、事業者との信頼関係を構築することができ、承諾・協力を得て整備が実 現した。
整備前
各方面からの有識者によって構成される策定委員会を設置し、保存管理及び整備に関する必要な事 項を十分検討したことにより、名勝及び天然記念物としての本質的価値を考慮した整備が実現し た。
整備後
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整備計画は、国(文化庁)及び静岡県の指導のもと策定をした。整備計画に基づく整備を行うに当たって、市 は整備を担当する技術職員を配置し、橋の架け替えや回遊性をもった歩経路、展望場、休憩所の整備、案内サ インなどの設置を進めた。河川の護岸整備は県が行い、綿密な連携のもと円滑な事業進行に努めた。
出典:富士宮市 HP
課題:富士山の世界遺産登録を受け、白糸ノ滝に訪れる観光客数も増加している。これに伴い、いかに観光客 に対しその価値を効果的に説明し、理解してもらえるかが課題となっていた。
案内所の機能を充実し、案内板による見学コースの設定及び各眺 望場での説明板とガイドによる案内により、名勝及び天然記念物 としての価値のみでなく、世界遺産の構成資産としての価値の理 解へつながっている。
市内には、平成 13 年5月に発足した「富士宮市観光ガイドボラン ティアの会」が、富士山本宮浅間大社を中心に、白糸ノ滝等富士 宮市を訪れる観光客への案内を行ってきた。
市では富士山の世界遺産登録を見据え、市内の構成資産の説明を とおして、来訪者に世界遺産「富士山」の普遍的な価値について の理解を広めるため、平成 24 年度から富士宮市富士山世界遺産ガ イド養成講座を開催している。さらに静岡県においても養成講座 を実施しており、市内の構成資産の案内について県と市が協力し て取組んでいる。
富士宮市には6つの構成資産があり、これらを巡ることにより富 士山信仰の歴史を理解できるが、各構成資産間が離れていること や公共交通機関がないことで、それらが伝えづらい状況にあった。
しかし、民間バス会社による定期観光バス「強力くん」により、
その他の観光施設を交えた市内観光が可能となった。各構成資産 では養成講座を修了したガイドによる案内もされている。
整備に当たり、市独自で技術職員を含む組織再編を行い、国・県・市がそれぞれの役割を明確にす ることにより、円滑な整備事業を実現した。
右岸側展望場 公園 案内所・トイレ施設整備 橋梁
適切な受入体制の整備(トイレ等の施設及びサイン整備、ガイドボランティア配置)
マネジメントのポイント②
トイレ案内所などの整備やわかりやすい案内サインの整備により、来訪者の受け入れ体制を改善 し、ガイドボランティアの説明を通して世界遺産富士山についての理解周知に努めている。
名所・旧跡マップ
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<マネジメントのポイント>
1.史跡等の概要
○有備館は、江戸時代に岩出山伊達家の家臣子弟の学問所となった建物で、
二代宗敏の隠居所として延宝5年(1677)頃に建てられたとされ、その後、
下屋敷・隠居所そして家臣子弟の学問所として使用され、伊達家当主が時 折講義に臨むための場所であった「御改所」(主屋)とその附属屋が、現 在までその姿を伝えている。主屋は、平家建で、屋根は四柱造茅葺、二方 折廻縁を持つもので、庭に面し、屋敷から庭園が一望できる。玄関は裏側 についており、素木造の瀟洒な建物で、玄関構や床棚書院のしつらえ、欄 間・戸障子など素朴なうちに洗練されたものがある。
○庭園は、正徳5年(1715)、仙台藩の茶道頭石州流三大清水道竿によって、
作庭されたと伝わる。岩出山城の断崖を借景として、池中に御中島(茶島)、 鶴島、亀子中島(亀島)、兜島を配し、大名庭園型の池を中心とした周囲 約 500m余の廻遊式池泉庭園で、中には 300 年以上の樹木があり、四季を 通して緑や花などが変化を楽しむことができる。
指定年⽉⽇ 昭和8年2月 28 日指定、
昭和 47 年5月 26 日追加指定・一部解除 指定面積 23,855.92 ㎡
<史跡等の所在・市町村の状況>
所在地 宮城県大崎市岩出山字上川原町 (MAP)
立地
・有備館駅の北側に位置し、奥羽山脈の裾野 に広がった丘陵地に属した岩出山城址の 北側の崖下に位置している。敷地の南側を 流れる内川より導水し、庭園に池を形成し ている。
市町村の規模 人口(H22 国勢調査) 135,127 人 世帯数(H22 国勢調査) 46,047 世帯
市町村の概要
・宮城県の北西部に位置し、東は遠田郡、登米市、西は山形県、秋田県に接し、南は黒川郡、加 美郡、北は栗原市に接している。
・東西に約 80km の長さを持ち、奥羽山脈から江合川と鳴瀬川の豊かな流れによって形成された、
広大で肥沃な平野「大崎耕土」を有する四季折々の食材と天然資源、そして地域文化の宝庫で ある。