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○明治時代の造営当初の姿を可能な限り復元することを主目的として、整備を行っている。整備にあたっては、

文化庁及び整備委員会の指導の下、意欲的な職員(公益財団法人 三溪園保勝会)によって着実に進められて いる。

○横浜市の有数の観光資源として、日々の来園者への対応や園内のイベント等も同時に行っているなど、名勝の 保存及び活用の両面で優れている。

三溪園

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2 保存・管理、整備・活用の状況

<史跡等の基本情報>

管理団体等 -

計画書作成 保存管理計画 平成 28 年策定予定 整備・活用基本計画 -

管理体制

整備担当部署 横浜市文化観光局 観光振興課 維持・管理担当部署 横浜市文化観光局 観光振興課 維持・管理の実施主体 公益財団法人三溪園保勝会

<保存・整備活用計画>

・計画なし

<整備事業>

◇名勝三溪園保存整備事業(平成 20 年 )

・原三溪が作庭した当初の景観を少しでも取り戻すために、築造物の修理などを 機に復元的整備を進めている。

◇公益財団法人 三溪園保勝会による保存・整備

・昭和 20 年の横浜大空襲により被害を受けたため、昭和 28 年に原家から庭園 の大部分を譲りうけた横浜市が、財団法人三溪園保勝会を設立し、復旧工事に 着手した。

・名勝三溪園及び重要文化財建造物等の保存・活用を通して、歴史及び文化の継 承とその発展を図り、魅力ある地域社会づくりに寄与するとともに日本の文化

を世界に発信することを目的とし、約 53,000 坪の広大な緑深い日本庭園や歴史的価値の高い古建築など文化 遺産を良好な状態で保存し、将来へ残していく。

・公益目的事業として、庭園・建築・歴史・植生・地盤工学・湖沼生態学の各分野の識者による「名勝三溪園整 備委員会」の指導・助言を受けながら、年次計画に基づき建造物等や庭園の整備を進める。

・三溪園に関連した展示活動の充実を図るため「三溪園美術品等の収集方針」および「三溪園美術品等収集に関 する要綱」に基づき、専門分野の有識者で組織する収集委員会を開催し、対象物件の収集について審議する。

<活用>

◇来園者に⽇本の伝統⽂化を紹介するため、四季の花、習俗、伝承芸能等をモチーフにしたイベントの開催

・観桜の夕べ 、さくらそう展、新緑の古建築公開、さつき盆栽展、蛍の 夕べ、早朝観蓮会、朝顔展、横浜市指定有形文化財 鶴翔閣公開“三 溪園で楽しむ夏休み”、観月会、菊花、紅葉の古建築公開、鶴翔閣公 開 “三溪園で過ごすお正月”、盆栽展、観梅会、俳句展などのイベン トを開催している。

◇⽂化財施設の公益目的活用としての貸出

・重要文化財を含む古建築9棟を茶会・句会・演奏会、市内で行われる コンベンションのアフタープログラム会場として貸し出している。

◇広報・PR 活動

・ホームページの活用、メディア等への情報提供、広告掲載、旅行会社 訪問営業、ポスター・チラシ、ノベルティグッズ・宣伝材料の開発・

配布、大型客船寄港時の乗船客・乗組員の誘致等の広報活動を行って いる。

◇ブライダル関連企業の受け入れ

・横浜市が民間企業と『ウェディングの街・横濱』を目指して取組んで いる事業「横濱ウェディング」に、横浜市指定有形文化財である鶴翔閣 も参加し、民間のブライダル関連企業の受け入れを行っている。結婚式 や披露宴のほか、ブライダル撮影の場として数多くの利用者が使用し ている。中でもブライダル撮影件数は年々増加しており、平成 26 年度 は年間約 1700 件の利用があった。三溪園の新規来園者の獲得や収入の 増加につながっている。

早朝観蓮会 鶴翔閣の復元

鶴翔閣 楽屋棟

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3 課題克服のポイント

課題:重要文化財建造物の管理運営体制を固めること、また、修理・補強や重要文化財建造物に入り込んだ害 獣の駆除と、清掃や消毒の日常的な整備が課題である。近年の多発している天災への対応「耐震性に関 する耐震基礎診断」の必要性も問題となっている。

昭和 28 年に三溪園が横浜市に譲渡されるのを機に財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施し現在 に至る。現在、保勝会は横浜市の外郭団体として三溪園の日常的な管理・活用にあたっている。

保勝会では、入園料収入のほか収益事業である駐車場管理運営文化財施設の貸出、抹茶処やミュージアムショ ップの運営等を行い、収益を上げており、公益事業である建物・庭園の維持管理や伝統文化の振興、原三溪に 関連した美術品等の収集・保存及び活用などとのバランスを取りながら、財団の運営を行っている。

重要文化財建造物全 10 棟に「耐震性に関する耐震予備診断」を実 施。各建造物で必要となる廊下床下緩みの補強、外壁漆喰塗り剥 落修理、桧皮葺部分の補修、建具の修理などを行った。またハク ビシンの侵入のため堆積したフンの除去、清掃、消毒を行うとと もに、侵入路とみられる屋根破風尻隙間の閉塞を行うほか、侵入 していたハクビシンの駆除を専門業者に委託した。

名勝である庭園の維持管理については、内苑流れ上流部(天授院 周り)において、雨落ち等の配水不良により護岸裏部水が回るな どの痛みが生じていたため、平成 23 年度試掘調査結果をもとに 修理を行った。また他の箇所でも同様に経年劣化による進行があ

り、長年の整備における意匠の変更も見られるので、詳細に調査し整備にかかる設計をまとめている。

「庭園」、「建築」、「植生」、「地盤工学」、「歴史」「 湖沼生態学」の分野の有識者により構成される名勝三溪園整 備委員会を開催し、事業の計画、修理方針、施工方法、事業報告などの審議をするとともに、適宜個別の現地指 導を受けている。

名勝庭園を後世にも残すために、様々な分野の有識者で構成された整備委員会を設け、専門家の意 見・指導を仰ぐとともに詳細な調査を実施したことで、経年劣化等に対する適切な整備を可能とし ている。

庭園復元にむけた調査の実施 外郭団体である財団法人三溪園保勝会を設立したことで、日常的な保存・整備が実現し、入場料等 の収益事業により、保存及び活用のバランスをとれた財団の運営が実現している。

重要文化財建造物と名勝庭園の維持管理 マネジメントのポイント①

抹茶処とミュージアムショップ 貸し出し施設(茶の間棟)

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課題:創設者原三溪の業績や人となり、及び三溪園の歴史や伝統文化を後世に伝えるため、重要文化財をはじ めとする古建築と自然の作り出す美しい景観を見せるための工夫が必要であった。

「本物って、スゴイ!日本の昔体験」と題して、歴史的建造物や日本画の真髄に触れる 体験イベントなど、文化財保存管理への理解促進を目的とした企画の実施をしている。

また、各世代が楽しめるような催事の開催をすることで、来場者の獲得に成功している。

文化活動を行う個人・団体等に対して、優先的に「白雲邸」など古建築9棟と鶴翔閣の

貸し出しを行っている。「本牧かぼちゃまつり」や「若手作家支援プログラム」など、地元の文化施設やサー クル、各方面の作家、横浜市等との連携事業にも力を入れており、相互に施設や広報、情報、サービス等を 共有することで、自主事業では得られない新たな魅力の発信と、新規入園者の獲得につながっている。

本名勝では、結婚式や披露宴、ブライダル撮影の場として、民間のブライダル関連企業の受け入れを行って いる。利用者数は年々増加しており、三溪園の新規来園者の獲得や収入の増加につながっている。

課題:公益的な事業を行う施設として、市内外から多くの方に来園してもらい、積極的な活用を図っていくた め、魅力的な事業の開催や外部への働きかけを積極的に行っていく必要があった。

四季折々の花や伝統文化を素材に三溪園の歴史や魅力を広く伝えるため、市民団体やボ ランティアの協力を得ながら、ザリガニ釣り、初心者向けの茶道教室、瓦の拓本作りな ど、子ども向けのイベントを開催している。さらに、将来を担う若年層の来場者増を図 るため、市内小学生 19 万人を対象にした「夏休みこどもパスポート」を配布。三溪園に 来園し、夏休みのイベントやワークショップへの参加を促す企画を実施している。

入園者の誘致のため、市内の観光施設と連携しているほか、首都圏を中心に全国の旅行

会社への訪問営業を実施。さらには、外国人誘致商談会へ出展するなど、様々な方面で誘致活動を行っている。

ホームページやチラシ・ポスターを中心とした広報も展開しており、周辺環境の動向やニーズなどの情報収集に あたりながら、各種メディアに対して積極的に情報発信を行っている。ブライダル会社との連携事業や既存イベ ントの中に新たな企画を盛り込むなど、話題性を意識した広報にも積極的に取組んでいる。

市民と三溪園の接点を創出するため、ガイドや合掌造(重要文化財 旧矢箆原家住宅)での体験型催事の企画・実 施、庭園管理を行うボランティアなどを募集し、活躍の場を提供している。そして、定期的に講習会や連絡会を 開催し、三溪園を理解し、支えとなる市民ボランティアの人材育成にも努めている。さらに、造園系の専門学校 や大学の実習生を受入れ、植栽の剪定や下刈り作業、竹垣の修理など庭園管理作業の一部を実技研鑚の場として 提供したり、博物館学芸員を目指す大学生実習生を受けていたりしている。

幅広い世代に向けた文化財への理解促進を目的としたイベント企画や、地元の文化施設や市と連携 した事業展開により、新規入園者を獲得している。

財団の公益目的の事業として小学生や外国人等の誘致・広報等に積極的に取組み、ボランティアの 受入れと育成に取組んだ結果、市民との連携を図ることができている。

重要文化財建造物及び名勝庭園を活用した伝統文化の振興

公益目的を達成するための事業の施行

ワークショップ開催の様子

マネジメントのポイント②

マネジメントのポイント③

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