○資料の調査成果や発掘調査成果に基づき建物復元を行っている。資料の展示も充実し、海外からの観光客にも 対応している。
出島和蘭商館跡
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2 保存・管理、整備・活用の状況
<史跡等の基本情報>
管理団体等 -
計画書作成 保存管理計画 -
整備・活用基本計画 史跡「出島和蘭商館跡」復元整備計画:平成7年度
管理体制
整備担当部署 長崎市経済局文化観光部出島復元整備室 維持・管理担当部署 長崎市経済局文化観光部出島復元整備室 維持・管理の実施主体 自治体職員が直接管理
<保存・整備活用計画>
◇史跡「出島和蘭商館跡」復元整備計画(平成8年3月、⻑崎市)
・19 世紀初頭の出島の復元をめざし、短中期復元整備計画と、長期復元整備計画を位置づける。
(短中期復元整備計画:平成8年度から概ね 15 ケ年をかけて整備)
◎建造物の復元(19 世紀初頭にあった 49 棟のうち 25 棟)、出島周囲の護岸石垣の復元、出島表門橋の復元
(長期復元整備計画:四方に水面を確保し、19 世紀初頭の出島の完全復元を目指す)
◇史跡「出島和蘭商館跡」復元整備計画⾒直し報告書(平成 26 年2月 13 ⽇ ⻑崎市出島史跡整備審議会)
・平成 28 年に6棟の復元建物と表門橋の架橋を完成されるための準備が概ね整ったことを受け、その先の長期 計画を進める方針を中心に、現行の計画の見直しを行ったもの。
・具体的な手法として出島の周囲を国指定史跡として指定を受けることを目指すこと、出島の築造から 400 年に なる平成 48 年を目標に、周辺部の国指定史跡の指定と特別史跡の指定を経て、史跡の公有化を進め、事業着手 から 100 年が経過する平成 62 年を目標に事業が完成される計画を位置づける。
<整備事業>
◇出島和蘭商館復元整備事業
○平成 12 年3月:短中期復元整備計画第1ステップ第Ⅰ期事業完成(平成 8~11 年度)
・建造物5棟の復元(ヘトル部屋等)、南側及び西側護岸石垣の一部復元
○平成 13 年度:史跡内民有地の完全公有化(事業着手から 50 年)
○平成 18 年3月:短中期復元整備計画第1ステップ第Ⅱ期事業完成(平 成 13~17 年度)
・建造物5棟の復元(カピタン部屋等)、南側護岸石垣の復元及び練塀の 整備
○平成 18 年4月:「出島」リニューアルオープン
◇ミニ出島
・昭和 51 年に制作された約 15 分の1の模型。川原慶賀が 1820 年ごろの 出島を描いたとされる「長崎出島之図」を参考に再現したもの。
◇出島史料館( 平成 17 年度まで)
・出島和蘭商館跡にある出島史料館では、貿易と文化という2つの視点で 出島の歴史や生活などを紹介している。
・建物は、明治 11 年に建てられた現存する我が国最古のキリスト教(プ ロテスタント)の神学校(出島神学校)を修復したもの。
<活用>
◇有料による史跡の一般公開
・有料による史跡の一般公開を行っている他、学校における社会見学や市民の生涯学習等に活用 されている。
◇観光への活用
・研修を受け、正式に登録された地元ボランティアガイドによる案内が実施されている。
・パンフレットやホームページも設置されており、当史跡を訪れる外国人旅行者向けに、多言語 対応が行われている。
・見学コースが設置されている。
◇史跡等の⽂化財的な価値に関するイベント(シンポジウム等)の開催
・平成 26 年より、第Ⅲ期復元事業の啓発のため、連絡シンポジウムを開催中
出島和蘭商館跡模型
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3 課題克服のポイント
課題:安政の開国に建てられた石造倉庫である「旧石倉(考古館)」や、明治 36 年に長崎に在留した外国人と日 本人の親交の場として建てられた「旧長崎内外クラブ」など、19 世紀初頭の出島への復元を考えた際に 不要となる安政期や明治期の建造物をどのように利用するかが問題だった。
出島の復元にあたって、19 世紀初頭の建造物を残すだけでなく、明治期 の建造物も残す方針をとった。「旧出島神学校」と「旧長崎内外クラブ」
の位置する東側を「交流ゾーン」して整備。「旧長崎内外クラブ」は、当 時の商館員らが遊んでいたビリヤードやカルタ、羽ペンを使った文字書 き体験など、さまざまな体験ができる施設(体験展示室)として利用し ている。体験展示室のほかにも、展示コーナーでは、出島での貿易の歴 史、展示品に関する歴史などについての解説がなされ、かつての出島の 様子を知ることが出来る。また、明治 11 年に建造された、現存する国 内最古の神学校「旧出島神学校」は、料金所や売店、休憩室として活用 されるなど、各施設のかつての使われ方に重きを置いた活用を進め、当 時の雰囲気を体感することができる。
課題:出島を扇状の島に復元する際の根幹をなすともいえる「表門橋」の整備が不可欠であった。
平成 24 年に「表門」対岸の地権者との交渉がまとまり、土地の売買契 約が成立した。これにより「表門橋」の架橋が可能になる。整備が進 み、本来の場所から出島に入場することによって、出島の本質的な機 能や町とのつながりを意識することができると期待できる。
築造 400 年にあたる平成 48 年を目標とする中期的整備計画と、整備事 業計画着手から 100 年にあたる平成 62 年を目標に整備事業の完成を目 指している長期的な整備計画の2種がある。都市部にある遺跡とし て、その指定地だけでの計画ではなく周辺についての整備も視野に入 れ、観光やまちづくりの視点から整備計画を策定している。史跡整備 に留まらない長期計画を立てることで、継続的で計画的な整備が可能 となる。
その史跡の敷地範囲内の整備計画のみならず、周辺との関係性(出島の入り口など)に配慮した整 備を進めており、出島の本質的な機能や広域的な町とのつながりを形成することが期待できる。
復元整備事業の根幹をなす表門橋の復活 マネジメントのポイント②
19 世紀以降の建造物の活用 マネジメントのポイント①
史跡そのものだけではなく、他の年代の建造物も残し、展示や交流の場、観光客のための利用所等 に利用し、出島における時代の移り変わりを体感することができる。
①ヘトル部屋 ②料理部屋 ③一番船船頭部屋 ④一番蔵
⑤二番蔵 ⑥水門 ⑦四ヶ所番所一番 ⑧カピタン部屋
⑨乙名部屋 ⑩三番蔵 ⑪拝礼筆者蘭人部屋 ⑫十六番蔵
⑬筆者部屋 ⑭十五番蔵 ⑮十四番蔵 ⑯番所
⑰乙名詰所 ⑱出島町人部屋 ⑲銅蔵 ⑳組頭部屋 カビタン別荘 牛飼人小屋 七番蔵 御朱印書物蔵 食堂付賄所
平成 12 年 3 月完成 平成 18 年 3 月完成 平成 28 年 10 月完成
整備計画
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課題:継続的・長期的な整備が行われているため、史跡の適切な管理を行うための予算を確保することが課題 となっている。
出島の入場料として一般 510 円高校生 200 円小中学生 100 円を徴収してい る。それ以外にも売店や喫茶店、体験プログラムなどにおける収入があり、
これら収入を日常的な史跡の管理や施設の運営費に充てている。
さらに、国際観光コンベンション協会と連携し、ボランティアガイドを派遣。
史跡内の案内や説明を行い、来訪者の満足度をあげている。また、商業部局 や観光部局とも連携し、食のイベントやライトアップイルミネーションなど を開催し、集客に成功している。多くの来訪者が出島の貿易の歴史と文化を 体感できるよう、通常の文化財施設より開場時間を延長し、来訪者の利便性 を図り、出島の魅力を最大限伝える環境づくりに取組んでいる。
異文化交流の地であった出島では、その歴史価値を踏まえ、外国人観光客の受け入れ態勢を充実させるため に、既存の英語、中国語(簡体字)、韓国語のリーフレットのほか、新たに中国語
(繁体字)、オランダ語のリーフレットを製作している。また、公衆無線LAN (Wi-Fi)の整備、各種クレジットカード・電子マネー決済による入場料支払への対 応を行い、外国人観光客の様々なニーズに応えている。さらに、長崎市では、市内 の宿泊施設に宿泊する外国人旅行者に限定した“観光施設の割引カード”を導入 しており、出島や原爆資料館などの施設で割引を受けられる。また、留学生等との 交流事業を実施し、出島の海外への情報発信等にも寄与している。
受入環境も整備を進めるとともに、様々なイベントを開催することで、来訪者の増加につながり、
入場料による収入が増え、史跡の適切な管理を行うことができている。
入場料の徴収により、史跡の管理・運営に充当 マネジメントのポイント③
異文化交流の地であったという歴史を踏まえ、積極的に外国人観光客の受入環境整備を行った結 果、外国人観光客が増加し、出島の世界的発信へつながっている。
イベントチラシ
ライトアップイルミネーション ガイドの様子 着物体験
外国人向け観光施設の 割引カード (81)