第 2 章 逐条解説
6. 第 4 条(忠実な複製物の配布)
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センスの「伝播」、すなわち下流の受領者にも GPLv3 にしたがってプログラムを利用する ことを義務付けることである。
A
B
C
D
オリジナルの著作権者であるライセンサー 受領者が再配布する場合、GPLの条件を下流の 受領者に課すことを条件として、著作権を許諾 受領者/再配布者
受領した際と同一の条件を付して再配布
受領者/再配布者 同上
受領者
本条は、上流の配布者から受領したGPLv3プログラム(対象著作物)のソースコードを 改変することなくそのままソースコード形式で再配布する場合、受領者がGPLv3に従うべ きことの告知を保持したままで再配布すべきことを定めている。
また、FOSSは無償で公開されているものが大半であるため、GPLプログラムの配付も無 償でなければ許されないという誤解がしばしばみられる。しかし、FSFはそのような立場は とっていない。本条は、プログラム(の複製物)を有償で配付することや、サポートや品 質保証を有償で提供することが可能であることも規定している。
なお、SFLC によれば、ソースコード形式とオブジェクトコード形式が混在した GPLv3 プログラムを受領し、それを再配布する場合は、本条ではなく、第6条が適用される。
6.2. 条文内容
6.2.1. 第1パラグラフ
上流の配布者からソースコード形式で受領したGPLv3プログラムを、改変することなく そのままソースコード形式で再配布することができる。ただし、その場合は以下の①〜④ の条件を満たさなければならない。
① 著作権に関する適切な告知事項を個々の複製物に目立つように適切な方法で掲載す ること
② 再配布するプログラムに、GPLv3の条項(第7条に基づいて追加された非許可条項
(non‐permissive terms)がある場合はその条項も含む)が適用される旨の告知を そのまま(つまり、上流の配布者から受領した内容のままで)保持して再配布する
‐ 55 ‐ こと。
③ いかなる保証もなされない旨の告知をそのまま保持すること。ただし、第7条に基 づいて追加された非許可条項に保証に関する告知が含まれている場合は、上記②に 従い、保証に関する告知をそのまま保持して再配布する。
④ 配布するプログラムと一緒にGPLv3の条項も提供すること。
再配布者は自身が創作をなしていないので著作権を保有していない。他人が著作権を保 有する著作物の使用許諾条件を変更することはできないから、再配布者は受領した複製物 に記載されている著作権に関する告知事項を変更することは許されず、受領した内容を維 持したまま再配布しなければならない(①)。
受領した告知事項に第7条の非許可条項が含まれている場合も同様である(②)。第7条 の追加的条項は非許可条項と許可条項とに分かれるが、許可条項は任意に削除する(追加 は著作権者しかできない)ことが可能である(第7条第2パラグラフ)。
また、受領した告知事項に記載されている無保証の記載(第15条参照)もそのまま維持 しなければならない(③)。ただし、第7条に基づいて追加された非許可条項に保証に関す る告知が含まれている場合は、上記②に従い、保証に関する告知をそのまま保持して再配 布しなければならない。この場合は、第15条の「これと異なる書面による定めがなされる 場合を除き……いかなる保証(……)もすることなく提供するものとする」の「これと異 なる書面による定めがなされる場合」に該当するからである。
また、再配布にはいかなる媒体を用いてもよいので、CD‐ROMのような物理的媒体だけ でなく、インターネットを使用しての配付も可能である。
6.2.2. 第2パラグラフ
GPLv3 プログラム(の複製物)の配付は、無償でなければならないという制約はなく、
有償で配付することが認められている。
また、サポートや品質保証を有償で提供することも可能である。Red Hatなどディストリ ビューションを配付している企業にとっては、有償サポートがビジネスの重要な部分となっ ている場合が多い。
もっとも、GPLv3 プログラムの配付(譲渡)について対価を請求することは、現実的に は困難であろう。例えば、ライセンサAが受領者BにGPLv3プログラムを有償で配付(販 売)した場合、受領者Bが第三者CにそのGPLv3プログラムを無償で再配付することは自 由にできる(配付を禁止することは、第10条第3パラグラフで禁止されている追加的制限 に当たるため、許されない)。そのため、BやCがGPLv3プログラムを無償で公開すれば、
何人も無償で自由にそのプログラムを入手できることになる。したがって、わざわざお金
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を払ってAからプログラムを入手しようという者は(ほとんど)いないと考えられる。
6.3. GPLv2との異同
GPLv2第1条とほぼ同旨の規定である。
6.4. 関連法令等
x GPLv2 1条
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