第 2 章 逐条解説
17. 第 14 条(本許諾書の改訂バージョン)
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ジョン番号を指定していない場合、あなたは、フリーソフトウェア財団が発行済みのバー ジョンの中からいずれのバージョンも選択することができる。
(第3パラグラフ)
本プログラムに、GNU 一般公衆利用許諾書の将来のバージョンのうちどれが適用され うるかを代理人が決定できる旨が規定されている場合において、当該代理人があるバージョ ンを受諾する旨を公衆に対して表明した場合、あなたは本プログラムについてそのバージョ ンを選択したことになる。
(第4パラグラフ)
本許諾書の今後のバージョンでは、追加的な、または従来とは異なる許諾が与えられる かもしれない。ただし、あなたが今後のバージョンを選択した場合でも、作成者及び著作 権者に対して義務が追加的に課せられることはない。
17.1. 概要
本条は、GPLv3の改訂バージョンまたは新バージョンの扱いを定めている。
17.2. 条文内容
17.2.1. 第1パラグラフ
FSF はGPLv3の改訂バージョン又は新バージョンを発行できることとされている。
GPLv3 の冒頭で「本ライセンス文書の忠実な複製と配付は許されていますが、変更は許
可されていません。」とされていることと合わせて考えると、FSF以外の者は、FSFの許可
なしにGPLv3の改訂バージョンや新バージョンを発行することはできないものと解される。
17.2.2. 第2パラグラフ
GPLv3プログラムにGPLの特定のバージョン又はそれ以降のバージョンのいずれかが適
用される旨規定されている場合は、利用者(上流の配布者から受領した者)がいずれのバー ジョンに従うか選択できる。
また、GPLv3 プログラムが特定のバージョンを指定していない場合、利用者が、FSF が
発行したバージョンの中から選択できる。
本条は、プログラムが配付された時期、プログラムを受領した時期およびライセンスが 発行された時期の関係には言及していない。利用者は、プログラムが配付された(または プログラムを受領した)時点では発行されていなかったライセンスについても、FSFが発行 したバージョンであれば選択可能であると考えられる。
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なお、条文には明記されていないが、GPLv3 プログラムが特定のバージョンのみ適用さ れる旨を指定している場合、利用者が他のバージョンを選択することはできず、当該バー ジョンに従う必要がある。
17.2.3. 第3パラグラフ
GPLv3プログラムにGPLの将来のバージョンのどれが適用されうるか代理人が決定でき
る旨規定されている場合で、当該代理人があるバージョンを受諾する旨公衆に表明した場 合は、利用者はそのバージョンを選択したことになる。
SFLCによれば、代理人の例としては、フリーソフトウェアプロジェクトのプロジェクト リーダなどが考えられる。プロジェクトには多数の開発者が参画するので、著作権者の数 も膨大になる。個々の著作権者が独自に GPLのバージョンを選択するようにすると、1つ のプロジェクトの成果物に様々なバージョンが混在して適用されることになってしまい、
不都合である。そこで、ある 1 人の者をバージョンを指定できる代理人として選任してお けば、このような不都合を回避することができる。
本パラグラフは、GPLの将来のバージョンにアップグレードできることを利用者に許容し たいフリーソフトウェアプロジェクトに対し、「又は、それ以降のバージョンのいずれか」
と指定する手段の代替方法を提供するもの、とされている[91]。ライセンスのアップグレー ドは許容したいが、特定のバージョンについては許容したくないと考えるフリーソフトウェ アプロジェクトにとっては、有効な代替方法になるものと考えられる。また、ここでの代 理人の決定は、将来のバージョンのうちどれが「適用されうるか」(can be used)であり、
利用者は、受領時に適用されていたバージョンを選択し続けることもできると解される。
どのバージョンを受諾するか代理人が公衆に表明しない場合、利用者はGPLの将来のバー ジョンを選択することはできず、GPLv3に従う必要があるものと解される。
17.2.4. 第4パラグラフ
今後のライセンスのバージョンでは、追加の許可や異なる許可が与えられることも考え られる。本パラグラフは、利用者が当該バージョンを選択した場合でも、プログラムの作 成者及び著作権者に新たな義務が発生することはない旨を定めている。
本パラグラフは、GPL の特定のバージョンの下で配付されたすべてのプログラムに適用 される。
例えば、プログラムの作成者又は著作権者がGPLv2「又はそれ以降のバージョンのいず れか」を指定してプログラムを配付し、利用者がGPLv3を選択した場合でも、GPLv3第11
[91]ディスカッションドラフト第3版解説・脚注103
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条に定められる特許ライセンスが利用者に許諾されることはない[92]。
GPLv3は特許ライセンス等のいくつかの点でGPLv2とは異なっており、GPLv2「又はそ
れ以降のバージョンのいずれか」を指定してプログラムを配付してきたプログラムの作成 者及び著作権者にとって、本パラグラフは妥当な定めと考えられる。
また、SFLCによれば、プログラムを「ユーザ製品」に組み込んでGPLv2「又はそれ以降 のバージョンのいずれか」を指定して配付し、利用者がGPLv3を選択した場合でも、プロ グラムの作成者又は著作権者が「インストール用情報」を提供する義務はない。ただし、
GPLv3を選択した利用者から「ユーザ製品」を受領して再配布した者は、GPLv3に基づい
て「インストール用情報」を提供する義務を負う。
なお、本パラグラフは、プログラムの作成者又は著作権者以外の配付者(例えば GPLv2 プログラムを改変せずにユーザ製品に組み込んだ者)については言及していないが、プロ グラムの作成者又は著作権者と同様、新たな義務が発生することはない。
17.3. GPLv2との異同
本条は、GPLv2第9条と同旨の規定である。
GPLv3の第1、第2パラグラフは、趣旨が明確になるようGPLv2の言い回しが若干改訂
されたほか、GPLv3で第3、第4パラグラフが追加された。
17.4. 関連法令等
x GPLv2 9条
[92]ディスカッションドラフト最終版解説・脚注29
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