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条文内容

ドキュメント内 GPLv3 逐条解説 (ページ 99-102)

第 2 章 逐条解説

10. 第 7 条(追加的条項)

10.2. 条文内容

10.2.1. 第1パラグラフ

追加的許可条項とは、GPLv3の課す条件を緩和する内容の追加条項をいう。 

これに対して、追加的非許可条項とは、GPLv3 の各種の条件に加えてさらなる条件を課 す内容の追加条項をいう。 

追加的許可条項にはGPLv3プログラム全体に適用されるものと、GPLv3プログラムの一 部分に適用されるものがある。 

追加的許可条項の例としては、以下のようなものがある: 

 

x FSFが公開しているGPLのFAQの「GPLと両立しないライセンスで配付されているラ イブラリをGPLソフトウェアと一緒に使用する場合、どのような法的問題があるでしょ うか」61には、GPLv3と両立しないライセンスのライブラリをGPLプログラムとリ ンクすることを許諾する追加的許可条項の例が示されている。 

61

http://www.gnu.org/licenses/gpl-faq.html#GPLIncompatibleLibs 

‐ 88 ‐ 

x LGPLのように、当該プログラムを使用するプログラムのライセンスは任意(プロプ ライエタリなライセンスを適用することも可能)とするライセンス。 

 

10.2.2. 第2パラグラフ

上流の配布者から受領したプログラムのライセンスに追加的許可条項が含まれていた場

合は、GPLv3 プログラムを再配付する際にこの追加的許可条項を削除することが許される

(追加的許可条項は、改変がなされた場合、その追加的許可条項自体を削除するように規 定することもできる)。 

また、受領したGPLv3プログラムに追加を行い、追加部分について著作権を許諾できる 場合(すなわち追加部分について著作権を保有している場合)には、その追加した部分に ついて追加的許可条項を定めることができる。 

なお、どういう条件でソフトウェアを配布するかを決定しうるのは著作権者であり、他 者がライセンスの条件を変更することはできない。すなわち、上記の追加的許可条項の削 除の場合を除き、配布の連鎖の中間にいる者(上流の配布者から受領して再配布する者)

がライセンスを許可なく変更することはできない。追加的許可条項を定めることができる 対象が再配布者が追加し著作権を保有している部分と定められているのは、このためであ る。 

 

10.2.3. 第3パラグラフ

GPLv3プログラムに追加した部分については(当該部分の著作権者が認める場合)、以下

のa〜f項で定める非許可条項をGPLv3に追加することができる。 

なお、SFLCによれば、これらの非許可条項は特定のFOSSライセンスを念頭においたも のではなく、より多くのFOSSライセンス全般との両立性を実現することを目的としたもの である。 

 

a)保証の否認又は責任の限定

保証の否認又は責任の限定について、第15条および第16条とは異なる内容とすること。 

SFLCによれば、準拠法によっては無保証や免責が認められない場合もあり得ることから、

そのような国での配付を可能にすることを目的としたものである。 

 

b) 法律上の告知(legal notice)や作成者の表示(author attribution)

追加部分に含まれている法律上の告知事項又は作成者の表示、または追加した部分を含 む著作物によって出力される表示中の同様の情報を、そのまま維持するよう要求すること。 

SFLCによれば、この条項を追加することで、例えばMPL(Mozilla Public License)の

‐ 89 ‐ 

派生ライセンスで公開されていたソフトウェアをGPLv3に移行できる。例えば、SPL(Sugar  Public License)で公開されていたSugarCRM(顧客管理システムのパッケージソフト)は、

ライセンスがGPLv3に変更されている。 

 

c) 虚偽表示の禁止や改変バージョンの表示方法

追加部分の出所に関する虚偽の表示を禁じること、または改変バージョンにオリジナル バージョンとは異なる表示をすることを要求すること。 

SFLCによれば、GPLの要求する表示方法との相違が合理的範囲にとどまるFOSSライセ ンスとの両立性を確保することを目的としたものである。 

 

d)ライセンサや作成者の名前の宣伝目的利用の制限

追加部分のライセンサまたは作成者の名前を、宣伝目的で利用することを制限すること。 

 

e) 商標権の許諾の拒否

商品名、商標やサービスマークの使用に関して、商標権の許諾を拒むこと。 

SFLCによれば、GPLの要求する表示方法との相違が合理的範囲にとどまるFOSSライセ ンスとの両立性を確保することを目的としたものである。 

 

f)ライセンサや著作者の免責

追加部分(またはその改変されたバージョン)をコンベイする者が受領者に対する契約 上の責任を負ってコンベイする場合、ライセンサや著作者に責任が及ぶことがないように することを要求すること。   

SFLCによれば、これによりApache License version 2.0との両立性が確保される62。   

10.2.4. 第4パラグラフ

第3パラグラフに定める条項以外の非許可条項は、第10条における「追加的制限」(further  restrictions)とみなされ、追加することは許されない。 

受領したGPLv3プログラムのライセンスに追加的制限が含まれている場合は、その条項

を削除することが許される。 

また、他のライセンスで配付されているプログラムを受領し、そのライセンスに追加的 制限が含まれていた場合であって、そのライセンスがGPLv3での再許諾または再配布を認 めている場合は、再許諾又はコンベイを行う際にその追加的制限を削除する(存続させな い)ことにより、そのプログラムをGPLv3のもとで再許諾または再配布できる。 

62ディスカッションドラフト最終版解説p.9参照 

‐ 90 ‐ 

プログラムを配付する際にどのようなライセンスを適用するかは、本来は著作権者のみ が決定できることであり、第三者が著作権者の承諾なくライセンスの内容を変更すること はできない。上記の定めは、その原則を修正するものである。 

 

10.2.5. 第5パラグラフ

条項を追加する場合は、ソースファイル中に適用される条項を記載するか、その条項を 参照できる場所を記載しなければならない。 

 

10.2.6. 第6パラグラフ

追加的条項は独立したライセンス文書の形式でもよいし、本許諾書の例外規定として記 述してあってもよい(どちらの形式でも本条の定めが適用される。) 

 

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