第 2 章 エステル油中過熱・放電時のガス発生特性と
2.6.3 放電の種類とガス発生の関係
129
130
図2. 73 PDとArcに対するガス発生における2つのガスの比率(PFAE)
FR3 についてもPFAE と同様の方法を試みた。しかし FR3の部分放電試験の 結果は、ガス発生量が非常に少なく一部分析の検出下限以下のガス成分もある ことからPFAEと同様の方法は適用できなかった。しかしながら図2. 66のガス パターンを見ると全体のガス発生量に対するC2H2の比率が部分放電よりもアー ク放電の方が大きい傾向があることが分かる。そこでC2H2とその他のガスの比 率を調査した。図2. 74に結果を示す。全体としてアーク放電の方が、C2H2の比 率が高くなっていることが分かる。放電エネルギーが大きい方がC2H2を多く発 生する傾向にあることが分かる。FR3 については、放電エネルギーの増加に伴 いC2H2の発生比率が高くなると考えられる。しかしこの変化は、非常に小さく、
FR3 は部分放電によるガス発生量そのものも少ないため、他の指標なども含め て総合的に判断することが望ましいと考える。
1 10 100 1000
1 10 100
C2H2/C2H6
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10
1 10 100
C2H2/C2H4
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10 100
1 10 100
C2H2/CH4
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10 100 1000
0.1 1 10
C2H2/C2H6
C2H4/CH4
Arc PD
1 10
0.1 1 10
C2H2/C2H4
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10 100
0.1 1 10
C2H2/CH4
C2H4/C2H6
Arc PD
131
図2. 74 FR3の部分放電とアーク放電時に発生するC2H2とその他のガスの比率
MIDELについてもPFAE同様の検討を行った。結果を図2. 75に示す。C2H2/CH4、 C2H2/C2H6およびC2H4/CH4、C2H4/C2H6と放電エネルギーとの間には相関があり、
それぞれの比率が大きくなるにつれて部分放電からアーク放電に変化する傾向 が認められた。しかしPFAEのように両者の間には隔たりがなく、放電エネルギ ーの変化に対するこれらのガスの比率の変化は少ないことが分かった。
図2. 66のガスパターンを見ると部分放電では、全体的なガス発生量に対し
てCH4とC2H4の比率がアーク放電より大きいことが分かる。そこでCH4とC2H6
の合計量と H2の比率を部分放電とアーク放電で比較した。H2を用いた理由は、
水素の発生量は他のガスに比べて多く、安定的に検出できることと、放電によ るガス発生は、水素が主であることから全体のガス発生量を表しているためで ある。結果を図2. 76に示す。図で示すように部分放電ではCH4やC2H4の比率 が大きく、アーク放電ではこれらの比率が非常に少ないことが分かった。以上 のことから MIDEL では、C2H2と CH4または C2H6の比率、C2H2と CH4または C2H6の比率が放電エネルギーと相関があり、部分放電では、CH4やC2H4の発生 量が多くなる傾向があることが分かった。
0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08
17kV 19kV 21kV 1066pC1226pC1271pC1534pC1691pC1778pC C2H2/Other gas
Arc PD
132
図2. 75 MIDELの2つのガスの比率を用いたPDとArcの判定法の検討
図2. 76 MIDELのアーク放電と部分放電で発生するCH4+C2H4とH2の比率
1 10 100
1 10 100
C2H2/C2H6
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10
1 10 100
C2H2/C2H4
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10 100
1 10 100
C2H2/CH4
C2H4/C2H6
Arc PD
1 10 100
0.1 1 10
C2H2/C2H6
C2H4/CH4
Arc PD
1 10
0.1 1 10
C2H2/C2H4
C2H4/CH4
Arc PD
1 10 100
0.1 1 10
C2H2/CH4
C2H4/CH4
Arc PD
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25
17kV 19kV 21kV 1644pC 843pC 1168pC (CH4+ C2H4) / H2
Arc PD
133