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第 2 章 エステル油中過熱・放電時のガス発生特性と

2.3.2 実験結果

(1)加熱時の導体の様子

加熱試験時の加熱導体の写真を表2. 3に示す。各油種とも400℃以上で油が沸 騰し、気泡が発生し始め、温度が高くなるにしたがって気泡の発生が激しくな ることが観察された。PFAE と鉱油は、600℃まで小さな気泡しか認められない

が、FR3とMIDELは600℃以上で大きな気泡が連続的に発生する様子が分かる。

FR3とMIDELは、粘度が高いため、油の動きが遅く、気泡が導体付近にとどま

りやすいため、沸騰が激しくなったものと推測される。

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2. 3 加熱試験時の加熱導体の様子

(2)局所加熱試験における発生ガスの特徴

加熱試験で採取した装置内の絶縁油と油面上部のガスの結果から、局所加熱 によって発生したガスの総量を求めた。絶縁油中のガス量は、ガス濃度と装置 内の油量から算出した。油面上のガスについては、分析結果から求めた発生ガ スの濃度と装置内のガスの体積から発生ガスを求めた。油面上のガス体積は、

あらかじめ求めた装置内容積と装置内の油の体積から算出している。なお、油 の体積は温度によって変化するため、サンプリング時に測定した油温から絶縁 油の熱膨張係数を使って補正した。ガス量は、20℃1atm 時の体積に換算して合 計した。図2. 18に加熱温度500℃の時の各油種における発生ガス量の経過を示 す。ガス発生量を鉱油と比較するとエステル系絶縁油は全体的に量が多く、中

でもMIDEL が最も多かった。またエステル系絶縁油では CO、CO2の発生量が

多く、鉱油ではほとんど発生していない。その他のガスでは鉱油はH2 とCH4 が 多いのに対してエステル系絶縁油では、C2H6 や C2H4 が多いことが分かった。

またPFAEではC2H4 がC2H6 より多くなっているが、FR3 とMIDEL では逆に C2H6 がC2H4 より多くなっている。またMIDELではC3H8の発生量が多いとい う特徴があり、エステル系絶縁油でも油種によりガス発生特性に大きな差が認 められた。

PFAE FR3 MIDEL 鉱油

300℃

400℃

500℃

600℃

700℃

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図2. 19に加熱温度ごとに発生したガスの比率をまとめた。比率は、全ガス発

生量に対する割合を算出した。なお、エステル油では、COやCO2の発生量が非 常に多い。比率の算出に入れると温度ごとの変化が分かりづらくなるため、除 外した。

各油種とも、温度が上昇するにつれてC2H4の比率が高くなる傾向が認められ る。エステル油は、C2H4の比率が鉱油に比べ高い特徴を有しており、500℃付近 で急激にC2H4の比率が高くなっていることが分かる。油種で比較するとFR3 は PFAE とMIDEL に比べて低温時にC2H6 の比率が特に高い。MIDEL では400℃ にC3H8 の比率が特に高くなる領域がある。FR3は、400℃以下でC2H6の比率が 特に多くなっており、油種特有の特性があることが分かった。各エステル油に おいて、C2H2 が 700℃で検出されたがごく微量であり、局所過熱におけるこれ までの鉱油の知見と同様であった。

2. 18 加熱温度500℃の時のガス発生量(20℃1atm時の体積mlに換算)

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