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意味公式カテゴリーを含む組み合わせパターン

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第 7 章 2 回目およびそれ以降の断り発話に着目した分析 2

7.3 結果

7.3.2 意味公式カテゴリーを含む組み合わせパターン

133

表 7-3 1 回目・2 回目の断り発話における意味公式カテゴリー出現パターンの変化

表 7-4 1 回目・2 回目の断り発話における意味公式カテゴリー出現パターンの変化

ところで、意味公式カテゴリーの出現パターンを見るために、上記のように出現順 にカテゴリー化すると、必然的に各パターンの出現数が限られることになる。そこで、

表 7-1 と表 7-2 に示された結果をまとめて、意味公式カテゴリーごとにグループ化し、

発話での出現順を考慮せず、出現頻度を基準に意味公式カテゴリーの全体的な使用傾 向を見ることにする。

以下は両母語話者の意味公式カテゴリーの出現パターンのまとめである.

134 7.3.2.1 JNS の場合

表 7-5 JNS における意味公式カテゴリーの使用

(上の数字は組、下の数字は%を示している)

表 7-5 に示したように、JNS-F の 2 回目の断り発話では{間接的断り}を含む組み合 わせのパターンが最も多く(80.0%)、その次は{直接的断り}を含むパターン(40.0%)、

そして{付随表現}を含むパターンになっている(24.0%)。一方、JNS-M は{間接的断 り}を含む組み合わせパターンが最も多く(89.3%)、2 番目は{付随表現}を含むパタ ーン(35.7%)であり、そして{直接的断り}を含む組み合わせパターン(25.0%)とな る。この結果から、JNS の男女とも、2 回目の断り発話では{間接的断り}を含む組み 合わせパターンの使用が最も多かったことがわかる。また、JNS-F の 1 回目の断り発 話では{付随表現}を含む組み合わせのパターンが最も多かったが、2 回目の断り発話 ではそれが有意に減少した(83.3%から 24.0%、(χ2 (1) = 19.519 , p < .0001)。さらに、{直 接的断り}を含む組み合わせパターンにおいても有意に減少した(66.7%から 40.0%、

χ2 (1) = 3.911 , p = .0480)。しかし、{間接的断り}を含む組み合わせパターンでは大き

な変化は見られなかった(73.3%から 80.0%)。他方、JNS-M では、{付随表現}と{直 接的断り}を含む組み合わせパターンは減少する傾向が見られたが(それぞれ、60.0%

から 35.7%、43.3%から 25.0%)、有意な変化は見られなかった。この結果から、2 回目 の断り発話では JNS の男女はともに{間接的断り}を含む組み合わせパターンを主に 使用していることがわかる。また、JNS-F の 1 回目の断り発話から 2 回目の断り発話

{付随表現} 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目

25 6 6 2 2 2 0

83.3 24.0 31.6 12.5 15.4 33.3 0.0

18 10 6 5 3 3 2 1 3 3 0 1 0

60.0 35.7 26.1 31.3 23.1 27.3 22.2 11.1 50.0 75.0 0.0 50.0 0.0

{間接的断り}1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目

22 20 17 13 11 5 3

73.3 80.0 89.5 81.3 84.6 83.3 75.0

26 25 19 15 12 10 9 9 6 4 1 2 2

86.7 89.3 82.6 93.8 92.3 90.9 100.0 100.0 100.0 100.0 50.0 100 100.0

{直接的断り}1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目

20 10 5 5 4 2 2

66.7 40.0 26.3 31.3 30.8 33.3 50.0

13 7 9 5 2 3 0 1 1 1 1 0 1

43.3 25.0 39.1 31.3 15.4 27.3 0.0 11.1 16.7 25.0 50.0 0.0 50.0 JNS-F

JNS-M

JNS-F JNS-M

JNS-F JNS-M

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への変化の際、{直接的断り}および{付随表現}を含む組み合わせパターンの変化に 有意差が認められたことから、意味公式カテゴリー使用において、JNS-F は JNS-M に 比べ、大きくストラテジーを変更させていることがわかる。

次に、3 回目以降の断り発話における{付随表現}、{直接的断り}、{間接的断り}を 含む組み合わせパターンの使用については、各発話間で不安定な変化が認められるが、

有意な変化はなかった。{間接的断り}を含む組み合わせパターンは最後の断り発話ま で継続して使用され、横ばいの傾向が見られた。この結果から、JNS は男女ともに 3 回 目以降の断り発話では、{付随表現}と{直接的断り}を含む組み合わせパターンに比 べ、{間接的断り}を含む組み合わせパターンを比較的安定的に最後の断りの段階まで 使用し続ける傾向があることがわかる。つまり、意味カテゴリーの使用における性差 は最初の断り発話の段階にのみ顕著に見られ、断りが進行すると、男女とも{間接的 断り}を含むパターンを中心に発話しているということである。

7.3.2.2 SNS の場合

表 7-6 SNS における意味公式カテゴリーの使用

表 7-6 に示すように、SNS-F の 2 回目の断り発話では{間接的断り}を含む組み合わ せパターンが最も多く使用され(93.3%)、その次は{付随表現}を含むパターン(46.7%)、 そして{直接的断り}(26.7%)を含むパターンになっている。SNS-M でも、SNS-F と同 様に、{間接的断り}(78.6%)、{付随表現}(46.4%)、{直接的断り}(35.7%)という順

{付随表現} 1回目2回目3回目4回目5回目6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目14回目15回目16回目

25 14 9 5 3 3 1 0

83.3 46.7 33.3 25.0 20.0 30.0 25.0 0.0

21 12 13 8 10 6 1 2 0 0 1 0 0 0 1 0

70.0 40.0 46.4 30.8 43.5 35.3 7.1 25.0 0.0 0.0 20.0 0.0 0.0 0.0 33.3 0.0

{間接的断り}1回目2回目3回目4回目5回目6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目14回目15回目16回目

24 28 26 19 14 10 4 3

80.0 93.3 96.3 95.0 93.3 100.0 100.0 100.0

22 28 22 23 21 15 10 7 6 5 4 4 4 3 3 1

73.3 93.3 78.6 88.5 91.3 88.2 71.4 87.5 75.0 0.0 80.0 80.0 100.0 100.0 100.0 50.0

{直接的断り}1回目2回目3回目4回目5回目6回目 7回目 8回目 9回目10回目11回目12回目13回目14回目15回目16回目

13 8 4 7 4 2 0 1

43.3 26.7 14.8 35.0 26.7 20.0 0.0 33.3

17 10 10 9 6 5 8 5 4 2 1 1 1 2 1 1

56.7 33.3 35.7 34.6 26.1 29.4 57.1 62.5 50.0 40.0 20.0 20.0 25.0 66.7 33.3 50.0 SNS-M

SNS-F SNS-M

SNS-F SNS-M

SNS-F

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になっている。また、意味公式カテゴリーの出現パターンに関して、1 回目の断り発話 から 2 回目の断り発話への移行する際、SNS-F は{付随表現}を含む組み合わせパター ンが有意に減少した(83.3%から 46.7%、(χ2 (1) = 8.864, p = .0029)。SNS-M も同様に、{付 随表現}を含む組み合わせパターンが有意に減少し(70.0%から 40.0%、(χ2 (1) = 5.455, p = .0195)、また、{間接的断り}は有意に増加している(73.3%から 93.3%、(χ2 (1) = 4.320,

p = .0377)。これらの結果から、SNS の男女ともに 2 回目の断り発話では{間接的断り}

を主に使用していることがわかる。また、両話者ともに{付随表現}を含む組み合わ せパターンの使用が有意に減少している点も指摘できる。

さらに、3 回目以降の断り発話における変化を見ると、男女両話者ともに{付随表 現}と{直接的断り}をそれぞれ含む組み合わせパターンの使用頻度に不安定さが見 られるが、大きな変化はなかった。他方、{間接的断り}を含む組み合わせパターンは 最後の断り発話まで高い頻度で継続して用いられている。この結果から、SNS は男女と もに 3 回目以降の断り発話に進むと、{付随表現}と{直接的断り}を含む組み合わせ パターンよりも、{間接的断り}を含む組み合わせパターンを中心に使用し続ける傾向 があることがわかる。つまり、3 回目以降の断り発話においては主に{間接的断り}を 用いてやり取りを行っているということである。

ここで、JNS と SNS それぞれの母語話者の男女間で、断り発話を比較してみよう。1 回目の断り発話から 2 回目の断り発話への移行の際、JNS-F では{付随表現}と{直接 的断り}の使用が有意に減少したが、JNS-M ではいずれの意味公式カテゴリーにも有意 な変化が見られなかった。他方、SNS-F では{付随表現}の使用が有意に減少し、SNS-M では{付随表現}および{間接的断り}を含む組み合わせパターンに有意な変化が見 られた。

次に、3 回目以降の断り発話における変化については、JNS と SNS ともに{付随表現}

と{直接的断り}をそれぞれ含む組み合わせパターンの使用に大きな変化は見られな かった。また、両母語話者ともに 3 つの意味公式カテゴリーの中で{間接的断り}を 含む組み合わせパターンを最後の断り発話まで継続的に使用する傾向がある。つまり、

意味公式カテゴリーの使用に関する性差は、最初の断りの段階にのみ顕著に見られ、

その後は両母語話者の男女ともに{間接的断り}を中心に会話を進めていくというこ とである。これらの結果から、断り談話では、断りを表明するために{間接的断り}が

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中核的なストラテジーとして用いられていることがわかる。吉田(2015)は男女別の 分析をせず、女性のみの分析をした結果、マナド語母語話者75は勧誘に対する依頼のや り取りでは{間接的断り}が中心になったと述べたが、この点では本調査は吉田(2015)

と同様の結果となっている。

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