6. 鉄道の運休状況に関する分析と運休期間予測モデルの構築に向けた基礎的な検討
6.2. 鉄道の運休状況と震度分布との関係
6.2.2. 各地震における鉄道の運転規制状況
各鉄道事業者では,地震時に以下の基準を満たすと運転中止(車両の運転を中止して技術者が徒歩 で鉄道施設・設備の点検を行う)となる.JR東日本では一般区間でSI値12kine(震度相当値4.50), 山間区間で同6kine(同3.96)と定められており47) , 48),JR西日本やJR九州では計測震度4.5以上と 定められている49), 50).
以下では,各地震の本震に伴う運転規制状況について述べる.図 6.1は,各地震における運休区間 延長の推移を表している.集計には,「鉄道要覧」46)に記載されている営業キロ程を用いた.一部区 間については,文献 51)を参照して補完した.2011年東北では,東北新幹線・東北本線・気仙沼線・
大船渡線・常磐線・山田線などの計218路線で10,000km以上が運休している.2016年熊本では,九 州新幹線・鹿児島線・豊肥線・高森線などの計36路線で約2,000kmが運休している.2018年大阪で は,大阪モノレール線・国際文化公園都市モノレール線・山陽線・山陰線などの計91路線で約3,000km
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が運休している.2018年北海道では,日高線・札沼線・石勝線・根室線・北海道新幹線などの計26
路線で約2,500kmが運休している.
なお2011年東北に関しては,宮城県沖で発生した余震(2011年4月7日23:32,MJMA=7.1)によ る運休もあったが,本章では本震の影響のみを対象とする.つまり本震で運休した後に運転再開し,
余震で再び運休した場合は,後者を対象外とした.本震で運休して運転再開前に余震を受けた場合に は,余震の影響を分離することは困難であるため,本震の影響に含めて扱うこととした.
(a) 2011年東北地方太平洋沖地震 (b) 2016年熊本地震
(2011年3月11日~2013年6月30日,文献44)に加筆) (2016年4月16日~同10月14日)
(c) 2018年大阪府北部の地震 (d) 2018年北海道胆振東部地震
(2018年6月18日~同6月25日) (2018年9月6日~同11月19日)
図 6.1 各地震における運休区間延長の推移
0 2000 4000 6000 8000 10000 12000
11/03/11 11/03/12 11/03/12 11/03/13 11/03/15 11/03/17 11/03/19 11/03/21 11/03/23 11/03/25 11/03/27 11/03/29 11/03/31 11/04/02 11/04/04 11/04/06 11/04/08 11/04/10 11/04/12 11/04/14 11/04/16 11/04/18 11/04/20 11/04/22 11/04/24 11/04/26 11/04/28 11/04/30 11/06/01 11/08/01 11/10/01 11/12/01 12/02/01 12/04/01 12/10/01 13/04/01
Total distance (km)
JR (Shinkansen) JR (conventional lines) private railway
third‐sector and municipal railway just after main shock
12 hours later 18 hours later 6 hours later
24 hours later
0 500 1000 1500 2000 2500
16/04/16 16/04/16 16/04/16 16/04/16 16/04/16 16/04/17 16/04/18 16/04/19 16/04/20 16/04/21 16/04/22 16/04/23 16/04/24 16/04/25 16/04/26 16/04/27 16/04/28 16/04/29 16/04/30 16/05/01 16/06/01 16/07/01 16/08/01 16/09/01 16/10/01 16/10/14
Total distance (km)
JR (Shinkansen) JR (conventional lines) private railway
third‐sector and municipal railway just after main shock
6 hours later 12 hours later
18 hours later
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
18/06/18 18/06/18 18/06/18 18/06/18 18/06/19 18/06/19 18/06/19 18/06/20 18/06/21 18/06/22 18/06/23 18/06/24 18/06/25
Total distance (km)
JR (Shinkansen) JR (conventional lines) private railway
third‐sector and municipal railway just after main shock
6 hours later 12 hours later
18 hours later 3 hours later
24 hours later
0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500
max 18/09/06 18/09/06 18/09/06 18/09/06 18/09/07 18/09/07 18/09/08 18/09/09 18/09/10 18/09/11 18/09/12 18/09/13 18/09/14 18/09/15 18/09/16 18/09/17 18/09/18 18/09/19 18/09/20 18/09/25 18/09/27 18/10/01 18/11/01 18/11/19
Total distance (km)
JR (Shinkansen) JR (conventional lines) private railway
third‐sector and municipal railway 6 hours later
12 hours later 18 hours later 3 hours later
24 hours later
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各地震の本震に伴って発生した運休区間に含まれる鉄道駅の位置を図 6.2の赤印で示す.
運休期間は,2018年大阪の被災事例のように比較的短期間の運休を考慮するため,2016年熊本・
2018年大阪・2018年北海道については時分単位で集計し,以降では基本的に日単位で表示している.
ただし,2011 年東北の被災事例については,首都圏では時分単位(地震直後~2011年3 月12日ま で),新潟県・静岡県・長野県15)-17)では時分単位と日単位が混在し(地震直後~2011年3月13日ま で.一部の路線では再開時刻が不明),それ以外の地域では日単位(2011年3月13日以降)で集計 が行われている.このため,本章では2011年東北の運休期間を次のように扱うこととした.
・3月11日に運転再開:運休日数0.5日
・3月12日に運転再開:運休日数1日
・3月13日に運転再開:運休日数2日(以下同様)
図 6.3に各地震における運休日数の分布を示す.
2011 年東北では,岩手県から福島県にかけての沿岸部で,特に長期間を要している.その周辺地 域には 1 か月前後の領域が広がっており,日本海側に近づくにつれて所要日数は減少する傾向にあ る.一方,首都圏とその近傍地域の多くの路線では,本震の当日から翌日までに運転が再開されてい る.
2016年熊本では,熊本県で運休期間が 3日以上となる路線が多い.特に,豊肥本線(肥後大津駅
~豊後萩駅間)と高森線(立野駅~高森駅間)では土砂崩れの影響により2019年4月11日の時点で 未復旧の区間がある.一方,熊本県以外の路線の多くは2日以内に運転再開している.
2018 年大阪では,近畿地方を中心に広範囲で運休している.しかし,他の地震と比べると運休期 間は短い傾向にあり,大部分は地震当日のうちに再開している.
2018 年北海道では,北海道全域と青森県の一部で運休している.震源近傍の路線では軌道変位や 橋梁の桁ずれのため70日以上運休している.道内の各地で7~21日程度の運休が見られるのは,北 海道全域で発生した停電に伴って,電気設備等の確認に時間を要した14), 52)ためである.
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(a) 2011年東北地方太平洋沖地震 (a) 2011年東北地方太平洋沖地震
(文献44)に加筆) (文献44)に加筆,黒丸:津波被災区間)
(b) 2016年熊本地震 (b) 2016年熊本地震
(黒丸:土砂崩れによる被災区間)
(c) 2018年大阪府北部の地震 (c) 2018年大阪府北部の地震
(d) 2018年北海道胆振東部地震 (d) 2018年北海道胆振東部地震
図 6.2 各地震に伴う運休の有無 図 6.3 各地震に伴う運休期間の分布
(赤丸:運休あり,青丸:運休なし)
Suspension No suspension
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