• 検索結果がありません。

予測モデルの改良方法(従来モデル) 2), 10)

3. 供給系ライフラインを対象とした地震時機能的被害・復旧予測手法の開発

3.2. 供給系ライフラインの地震時機能被害・復旧予測モデル(基本モデル・従来モデル)の概

3.2.2. 予測モデルの改良方法(従来モデル) 2), 10)

49

50

図 3.3 配水管の脆弱性指数Vpd の分布4)

図 3.4 計測震度を等価震度に変換するための震度増分値4)

51 (3) 都市ガス供給システム

首都圏を対象とした予測モデルの改良10)では,東京ガスにおける供給停止判断の目安14)(SI値40~

50kine)の中央値45kineを採用し,SI値から計測震度への変換式15)により得られる計測震度5.58を50%

停止確率とした機能的フラジリティ関数が採用されている.便宜的に変換式15)のばらつきを考慮して 標準偏差が0.174とされている.本項では,最近の動向を踏まえて機能的フラジリティ関数を改良す る.

まず低圧本支管の耐震化率16)に基づいて,脆弱性指数VGを低圧本支管の非耐震化率で定義し,その 経年推移を調べたところ,図3.5に示すように1995年時点でVG=0.361と推定され,2011年時点で

VG=0.198となった.これより1995年兵庫県南部地震の被災時と比べて約55%に低減されたと考えられ

る.一方,日本ガス協会は「Gas Vision 2030」17)の中で,「2030年時点でポリエチレン管率60%,耐震 化率90%」との目標を掲げており,将来的にはVG=0.1まで低減されることが期待される.

以上を総合的に考慮して,供給停止基準としての SI 値をVGの関数として,図 3.6のように定め

た.VG=0.1以下でSI=80kine,VG=1でSI=40kineとし,両対数で線形補間したものである.本項では

全国平均としての供給停止判断の基準値65kine(計測震度5.90)を採用し,前報と同様に標準偏差を

0.174とした.以上により改良した機能的フラジリティ関数を図 3.1に示し,モデルパラメータを表

3.1の「改良」の列に示す.

脆弱性指数VGの低減に応じて被害箇所数は低減され,復旧期間も短縮されると考えられる.本項 では,1995年時点でのVG=0.361を基準として,脆弱性指数の比率γG=VG/VG* を求め,式(3.2)の停 止期間の平均値をこれに比例させて低減する.

以上により改良した供給率曲線を図 3.2(c)に示し,モデルパラメータを表 3.2の「改良」の列に示 す.ガス普及率として前報18)では,都道府県別統計19)のうち,主要4県の平均値(r=25.9%)を用い たが,本項ではその空間的精度の向上を図る.まず全国1,901 市区町村(平成22年国勢調査)のう ち,都市ガス供給が行われている825市区町村20)を抽出した(これを供給対象市区町村と呼ぶ).次 に,ガス普及率の都道府県別統計 19)をもとに,供給対象市区町村内での都道府県別普及率を推計し た(図 3.7).供給対象市区町村内においても需要家の分布は偏在しているため,人口集中地区DID12)

(Densely Inhabited District)に注目し,DID内外の普及率に分解することとした.分解のための比率 としては,地価公示データ12) に記載のガス供給の有無のデータに基づいてDID内外の都市ガス普及 率の比を採用した.DID内外の都道府県別の都市ガス供給対象市区町村内の普及率を図 3.7に示す.

52

図 3.5 ガス低圧本支管の脆弱性指数VG

図 3.6 ガス供給停止判断の基準SI値とガス低圧本支管の脆弱性指数VG

図 3.7 都市ガス供給対象市区町村内における普及率の比較(破線はそれぞれの全国平均値)

35.9% 36.1% 36.1% 35.5% 34.5% 33.4% 32.3% 31.2% 29.9% 28.8% 27.6% 26.5% 25.5% 24.9% 23.4% 22.3% 21.8% 20.8% 19.8%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

脆弱性指数VG=非耐震化率(一部推定)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 100

0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0

SI

Vfactor (Gas)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

北海 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄

都市ガス普及

供給対象市区町村 DID外 DID内

53

3.3.

2011 年東北地方太平洋沖地震と関連する主要地震を対象とした予測モデルの検証

2)