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別棟によるエレベーター設置とは、既存建物とは分離した別棟にエレベーターを設 置し、既存の建造物と別棟とを通路などで繋ぐ手法とする

本手法を採用した建物事例としては、旧第九十銀行本店本館(現もりおか啄木・賢 治青春館)があげられる(図 5-7)

本手法は、エレベーターのほかに、避難階段やトイレなど他の機能も増設する必要 がある場合に適した手法といえる。各階で通路の接続位置を変えることが可能である。

エレベーターのメンテナンスはしやすい。

一方で、別棟の建物が既存建物に隣接するため、外観の隠蔽が大きくなる。別棟と 既存建物は、通路等で接続させるため、外観は著しく変化する。また、外壁や開口部 と通路の取り合い部には、設置に伴い壁面や開口部の腰壁等の撤去が生じるため「可 逆性は低い」と考えられる。接続位置は、材料や意匠に配慮したうえで選択することが必 要である。別棟によるエレベーター設置によるシャフトは、屋外に設置はされるものの、

直接見えないように「隠す」手法が取られている。

図 5-7 別棟によるエレベーター

(旧第九十銀行本店本館)(※設備位置:筆者加筆)

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② 可動式段差解消機

可動式段差解消機とは、高低差が比較的小さい階段の上端の高さに合わせて階段上に舞 台を設置し、段差を可動式段差解消機で垂直移動する手法である。車椅子に乗車したまま 使用できるが、解消できる段差は1メートル前後で、これを超える段差はエレベーターを 用いることになる。

この手法を採用した建物事例としては、山形県旧県庁舎(現山形県郷土館:文翔館)が あげられる(図 5-8)10。階段に合わせた舞台を設置するのみであるため、既存の階段には 現状変更は生じない手法である。ただし、設置には機械と舞台を配置するための床面積が 必要となる。

可動式段差解消機は階段室に露出した状態になるためメンテナンスしやすく、可動式の ため設置も容易であり「見せる」、「可逆性は高い」手法といえる。

図 5-8 車いす用可動式段差解消機

(山形県旧県庁舎 玄関)

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③ 階段昇降機

階段昇降機は、平台を用いた車いす専用と椅子式用があり、平台または椅子式の昇降台が、

自立式または壁面に取り付けたレールに沿って走行するものである11

椅子式階段昇降機は、旧金澤陸軍兵器支廠第五號兵器庫第五號兵器庫(現石川県立博物 館第 3 棟)で採用されている(図 5-9)12

この手法は、昇降機の設置に伴い、階段上の一定の幅を占有することになるため階段と しては有効幅が減少する。階段幅が小さい場合は、折りたたみ式の平台や椅子なども用い られる。また、昇降機は階段室に露出する状態で固定されるため空間は著しく変化するが、

メンテナンスはしやすい。レールの敷設にともない、既存建物の階段や壁面に固定用の金 物を使用するが、軽微な補修により改修前の状態に戻すことが可能であることから「可逆 性は高い」と考えられる。ただし、壁面や床面に当初からの意匠や材料が使用されている 場合は、設置箇所や方法を考慮する必要がある。

したがって、階段昇降機は「見せる」、「可逆性が高い」手法とみなす。

図 5-9 の椅子式階段昇降機は、階段が狭いため、より安全に使用するために階段幅の中ほど に、手すりを設置した例である。

図 5-9 椅子式階段昇降機

(旧金澤陸軍兵器支廠第五號兵器庫)

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