5−1.課題抽出
5−2.考察
第5章 今後の地産地消型レストランと都市農業の連携の可能性
3章と4章で「地産地消型レストラン(以下レストラン)」と「都市農業」それぞれを類型化 し分析を行った。この分析結果に基づき、本来ならば「少量多品種型」の「地産地消型レスト ラン」に対し「多量少品種型」以外の農家であれば対応できるはずである。しかし、実際には 上手くそれらはマッチしていない。その理由の1つとして、そもそもr地産地消型レストラン」
と農家が交流を持つ機会がないということがあげられる。しかしそれだけではなく次のステッ プとして実際にレストランと農家が契約に至るまでには様々な課題を乗り越えなければなら ない。本章ではそれを整理し、考察する。
5−1.課題抽出
まずマッチングするうえで発生する課題を整理する。再度ヒアリング調査を行い「地産地消 型レストラン」が農家に対して抱く認識、逆に農家が「地地消型レストラン」に対して抱く認 識を項目別に表5−1,5−2にまとめた(次へ一ジ)。
第5章今後の地産地消型レストランと都市農業の連携の可能性
表5−1
レストランの現況(まとめ)
メニュー固定型 メニュー半固定型 メニュー変化型
常時欲しい野菜の種類が多い[1件]
季節毎に使用する野菜の種類が変化する,季節野菜を豊富に必要[4件]
その都度ある野菜で作る[1件]
農家の現況に対するレストランの認識
出荷計画 レストラン6 ・青果担当のものが毎日の入荷状況を元に作成 全体 ・農家の出荷計画知りたい
供給 レストラン1 ・積極的になって欲しい
・作って欲しいものを言ったら売れないものは作れないと言われた 常時必要:ニンジン・タマネギ
レストラン3 ・季節の野菜果物がもっと欲しい、種類が限られる
・タマネギ、ジャガイモはたくさんあるが毎日使うものではない 1回に大量に仕入れてもしょうがない
常時必要:ニンジン・ダイコン・カボチャ
レストラン4 ・今後はカフェメインなのでハーブ、果物が欲しい 1−2月が厳しい
常時必要:ジャガイモ・タマネギ・サツマイモ・ニンニク レストラン5 ・毎月定期的に買えるシステムが欲しい
常時必要:ニンジン・ダイコン・キャベツ レストラン6 ・みなさんが同じ時期に同じものを作っている
・キュウリ、もう少し長く出てきて欲しい
・レンコン、ゴボウ契約農家の中で誰も栽培していない
・クリ、タケノコ、トウモロコシ、もう少し長く出てきて欲しい 常時必要:ニンジン・ジャガイモ・サツマイモ・コマツナ・ゴボウ・レンコン 全体 ・色々な種類の野菜が欲しい
常に欲しいもの(多い順)
ニンジン(4)・ダイコン(2)・タマネギ(2)・サツマイモ(2)・ジャガイモ(2)
価格 レストラン1 ・値段が高い。スーパーよりできないようだ。
レストラン2 ・値段が比較的安いので助かる レストラン5 ・値段は今のままで良い(100円前後)
配達 レストラン1 ・レストランまで売りに来てほしい レストラン3 ・近くに畑がない
レストラン5 ・販売先が駅前に集中している
・自転車で行ける距離に畑や販売所が欲しい 時間の制約 レストラン3 ・直売所と時間が合わない
レストラン5 ・休みの目にもやって欲しい
,皿回O回全!たJ一、{ヒ市・。お^で互鵯1i.、平目8時くらいまでやってほしい レストラン2 農家の苦労が分かっているから言えない
常時必要:あるもので調理するのでなし
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第5章 今後の地産地消型レストランと都市農業の連携の可能性
表5−2
都市農業の現況(まとめ)
少量多品種型 ・主に市内スーパー出荷 [2件]
E近所の方が使える野菜を少量栽培[2件]
少量超多品種型 主に直売所向け[3件]
中量超多品種型 イモ類多い[1件]
多量少品種型 主に1種類(葉もの。r栗)を栽培[4件]
多量超多品種型 様々な出荷先をもつ[3件]
レストランの現状に対する農家の認識
出荷計画 農家1 ・農家側が「出荷計画」を作成すべき 農家3 ・頭に入っているので作成していない
供給 農家1 ・安定供給が難しい
ニンジン:発芽しにくく天候に左右されやすい キャベツ:アブラナ系統は農薬なしではできない
見た目が悪くなってしまう(虫喰い)
タマネギ:出荷はしているが見た胃が良くない
・珍しい品種をやろうとすると宣伝が必要になる 農家3 ・レストランは量が少ないので量は対応できる。
・都市農地で栽培するものは回転率が早く安いか、長くて値段が高いかのどちらか ナス :少ない面積でたくさん採れる
コマツナ:年6〜7回採れる
ニンジン:水がないと発生しにくい.季節を選ぶ必要がある タマネギ:収穫まで時間がかり、回転が悪い.広い北海道でやるべき
・珍しい品種をやろうとすると、売れるまでに時間がかかる 農家4 ・限られたスペースの中で回転率の高いものを栽培
農家8 ・毎月同じ野菜を出荷するのは難しいが月前に欲しいものを言ってくれれば可能 ゴボウ:掘るのが大変.掘る機械を持っている人しかやりたがらない
キュウリよりトマトの方が収益率が高いのでみんなトマトに変わってきた クリ・タケノコ:食べにくいため需要が減っている
トウモロコシ:収益的に合わないため生産者が減っている.台風で倒れる。
ニンニク:たまに出るもの
・10〜20aの畑を持っ高齢者の畑と契約してほしい 農家9 ・レストランは量が少ない、回転率が低い
・葉ものであれば毎回必ずあまりが出る.それをJAに出している.
レストランに出す星もそれで賄える
・どの野菜も収穫してその目にはけるのが良い、保存しておくと腐る
・1O−20aの畑を持っ高齢者の農家は家庭菜園レベルなので進めない ニンジン:草が多いので栽培しない.
大量に栽培している所は給食に出荷している所
・紹介性がよい(コマツナここ,ニンジンはここのように)横のつながり大事 農家11 ・200aあるのでイモ類が多くなる
・種類が多くなると手が回らない
・以前レストランにアスパラを出していたが、メニューが変わって出さなくなった
・レストランの方々は市場で買うと思う
第5章今後の地産地消型レストランと都市農業の連携の可能性
レストランの現状に対する農家の認識(続き)
価格 全体 ・高くしても売れない、それより売れて欲しい
E都市農業農家は売り上げの7割は夏の果菜類で設けている
酉曳達 農家1 ・集荷する
農家3 ・数本(個)単位で配達難しい.時間とお金がかかるので配達したくない EJAに行けば50−60種あるのでそちらに行って欲しい
農家9 ・自分の野菜を欲してくれる人がいれば遠くでも集荷する 農家13 ・配達はしていない
Eレストランの人に来てもらっている
時間の制約」 農家3 ・1−2人で動くので時間的余裕がない.同じ時間に畑にいるとは限らない 農家13 ・レストラン個々のカゴを作って、頼まれた量の野菜を入れて冷蔵庫に入れておき、
@レストランオーナーは勝手にお金を払って持って行く
伝票整理 農家3 何本か分の伝票整理行いたくない.JAやス』パーは事務作業やってくれる 農家13 ・お店毎に1冊すっ作っておけば分かりやすい
E必ず注文は紙にしてもらっている.FAXなど
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第5章 今後の地産地消型レストランと都市農業の連携の可能性
以下、各項目のまとめである。
●出荷計画について
まずレストラン側の出荷計画が欲しいという二一ズに対し、農家側が作成すべき、と思って いるのは少数で、ほとんどの農家は手間がかかる寺といった理由で作成する必要がないと考え ている。それを見かねたレストラン6は毎日の入荷状況を見ながら自ら作成していた。しかし、
本来は毎年の出荷状況を把握している農家側が作成すべきであると考える。
●供給(量)
量については、ほとんどの農家が「レストランで使う量は少ない」との認識を持っており、
実際にレストランで使われる量は少数なため、量的には十分小金井市の農地だけで賄えると考 えられる。逆に1回の配達で例えばダイコンであれば10〜20本以上でなければ配達できない、
と農家側は述べている。
●供給(種類)
・物理的な理由と手間に関するもの
レストラン6件中4件が、料理の配色を考慮すると常時欲しい野菜としてあげたニンジンに ついては天候に左右されやすい、発芽しにくい、といった物理的な理由と、雑草が多い、収穫 後の処理に手間がかかるといった手間に関する理由があげられた。一方レストラン側が時々は 使うが毎日使うものではないと述べているのは安定して揺れやすく大量にできるタマネギや イモ類である。これらは比較的栽培に手がかからないが、種まきから収穫まで時間がかかるゆ えに値段が安いので都市農業においてもあまり好まれず、栽培している農家が少ない。
・機械の有無
ゴボウにはゴボウを掘るための専用の機械が必要なように、それぞれの野菜専用機械の有無 も栽培に左右されることがわかる。100a未満の面積は機械を使う程でもないが手作業だと手が 回らないという中途半端な大きさである。一方100・以上のほとんどの農家は機械を所有して いる。農家13では以前は葉ものとゴボウの相性が良いためゴボウを栽培していたが、葉もの
とゴボウそれぞれの機械が必要になるため、葉もの栽培に切り替え年収1000万円を稼いでい
る。
・ハウス栽培
レストランに安定供給するにはハウス栽培でないと対応しにくいという課題がある。レスト