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の影響をとらえさせようとしている。さらに、江戸時代の自給自足からの転 換が、入々の衣類への意識にどのような影響を与えたか 資料「木綿衣の一 生」によって、考えさせている。

〈物質文化〉

 物質文化を学ばせようとする事例は、収集できていない。

 以上が、「目的型文化史」の事例が示す方法のあらましである。

 縄文・弥生時代の事例は、2事例と少なく、新しい視点に立った指導事例 でもない。この時代の文化の学習は、前項で分析した手段型文化史学習に重 点がおかれてきたことがわかる。古墳時代の学習においても同様である。

 飛鳥時代以降の古代においては、表層文化である飛鳥文化・天平文化・国 風文化の特徴をとらえさせるものが中心となり、各々の文化の内容を素材と

しているものが10事例と、最も多い。これらの多くは、各文化を示す代表 的文化財を列挙し、個々にみられる特色を分析させ、共通する特色を総合す ることで、文化としての性格をまとめさせようとする、従来からの文化史学 習の一般的な方法である。一方、当時の社会的・政治的事情等、文化以外の 内容を素材とし、そこから描かせた時代のイメージの反映を代表的文化財の 中に見いださせることで、文化の特色を把握させようとする事例が6事例あ る。ここでも、文化内容を素材とした事例と同様に、代表的文化財が列挙さ れ、暗記学習を助長するような事例が多い。そのなかで、事例NO。59は、発 見学習的手法を取り入れ、生徒の問題意識を持続させている。また、教材の 取り扱いでは、飛鳥文化の学習は、外来文化の摂取に焦点化できるとの考え に立ち、教材としては、寺院建築(法隆寺)に重点をおき、他の文化財につ いては、関連的に触れる程度に止め、精選の実をあげようとしている。これ は、文化財の羅列的傾向に陥りがちな文化史学習を改善する一試みとして評 価できる。また、事例NO.84は、「平泉文化」を中央文化の地方への伝播の 一例として学習する従来の方法でなく、岩手県という地域の特性を生かし、

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地域に視座を置いた学習を組み立てている。地域に成立した文化として、文 化の特色ををとらえさせ、地域から中央との関連を探らせる等、従来の中央 史偏重を改善した事例として意義があるといえる。

 中世においては、表層文化の事例12例すべてが、文化の内容の分析を通 して、文化の特色をとらえさせようとするものである。古代と同様、取り.k げられる内容が多く、内容的にも方法的にも、従来の問題点を改善し得る事 例は少ない。また、基層文化の事例も、3事例と少ない。その中で、事例NO

.40は、現代に伝わる沖縄文化の特色を NO.44は、アイヌ文化の特色を学 ばせようとする。これらは、単一民族国家観の改善を試みようとするもので ある。同じ国土に住みながらも、地域性や民族の歴史の違いから、人々は、

多様な文化を育んできたことを明らかにするために、地域の文化の特色とし ての学習としてだけでなく、歴史学習全体のなかへの位置付けを図ることが 必要である。

 近世の表層文化を学ばせる事例では、事例NO.42が特筆される。ここでは 化政文化の特色をその大衆性に焦点化している。一枚の絵画資料「一掃百態

」を分析させることによって、 なぜ、この時代に一斉授業が行なわれるよ うになったのか という疑問をださせる。その説明として社会的技術の進歩

・商業出版の普及等から仮説を立てさせ、文化の大衆性をとらえさせようと する。さらに、錦絵の普及,元禄文化との性格的相違等も、その説明仮説で 説明可能な2iとから、大衆性を化政文化の特色としてまとめさせている。こ の事例は、これまで指摘した内容過多の羅列的傾向を改善し、化政期の特色 をイメージ豊かにとらえさせることができる実践として意義がある。

 近代文化では、特筆すべき事例はない。

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第2節 手段型文化史の授業展開

 本節では、前節で分析した指導事例を さらに、授業展開に着目して類型化 し、分析をすすめることで、これまで行なわれてきた文化史学習の特徴を考察

する

 対象とする指導事例l11事例の授業展開を分類すると、次に示す授業過程 に整理できる。

   並列型    個別的な知識を並列させて展開しようとする