■ M群
一一△一一H群
4月 5月 6月 7,月
Fig.4一 5責任・正義因子得点の得点群による時期の変化
下位検定の結果、単純交互作用で有意であったものを、Table 4一 8に示す。
Table 4−8責任・正義因子における単純交互作用
effect df F値
得点群・時期(4月)
得㍉点:群 ・H寺期 (5,月)
時期・L群 時期・M群
2/492 2/492 3/369 3/369
50. 22**
4.37*
55. 55**
5.38*
* p〈.05 , ** p〈.Ol
また、多重比較をライアン法(pぐ05)により行い、得点群の時期における差で有意 であったのは、4月間3群ともに有意な差がみられ、5月ではH群とL群の間のみ有
意な差がみられた。得点群における時期の差は、L群において4月と7月、5月と7
月、4月と6月、4月と5月の問に有意な差がみられた。M群では、4月と5月、4
月と7月、4月と6月に有意な差がみられた。d.社会性因子
得点群の主効果(F(2,126)=19.21,p〈.01)、時期の主効果(F(3,378)=10.34,p〈.01)、
得点群×時期の交互作用(F(6,378)== 21, 94, pぐ01)、群(性別)×得点群×時期の 交互作用(F(6,378)=2.63,p〈.05)が有意であった。得点群×時期の交互作用を図示
したものがFig. 4一 6である。
,o
h
30
社 会 性 子因20 得 点
10
A−1一一+H一
LH−LisH
薩…一tt一一..一一…・…層
十L群
腫一M群一一.」一一一H群
。
4,月 5月 6月 7月
Fig.4−6社会性因」≠得点の得点群による時期の変化
下位検定の結果、単純交互作用で有意であったものを、Table・4−9に示す。
Ttthle 4−9社会性因子における単純交互作用
effect df F値
6月の群(性別)×得点群 H群の群(性別)×時期 男子の得点群×時期 女子の得点群×時期
2/504 3/378 6/378
6/3?8
4.70**
4.07**
18. 81**
5.76**
* pぐ.05 , ** p〈.01
単純主効果において有意であったものは、TdOle 4−10に示した通りである。
Table 4−10社会性因子における単純主効果
effect df F値
群(性瑚)L群・時期(7月)
群(性別)H群・時期(6月)
得点群・男子・時期 得点群・男子・時期 得点群・女子・時期 得点群・女子・時期 得点群・女子・時期 得点群・女子・時期 時期・男子・L群 時期・男子・H群 時期・女子・L群
(4月)
(5月)
(4月)
(5月)
(6月)
(7月)
1/504 1/504
2/504 2/504 2/504 2/504 2/504 2/504 3/3783/378
3/3784. 74*
5.13*
35. 25**
8.71**
24. 45**
9.71**
4.77**
3.79*
34. 10**
11.16**
14. 71**
* p〈.05 , ** p〈.Ol
群(性別)×得点群×時期の交互作用を図示したものが鞠4−7であるρ 40
M R
30
T
社 会
性20
因
子 IO得点
o
r}〉姻
,)一/ //Ar−M一],r 一一一i.一一i
團…一・一一国トー.一・一一一一…一…禰
一㊤一一L群 一■一一M群
一▲一H群
4月 5.月 6月 7月 4月 5,月 6月 7月
男子 女子
鞠.4−7社会性因子得点における性別の得点群による時期の変化
また、多重比較をライアン法により行い、男女別の得点群の時期における差で有意 であったのは男子の時期における得点群の変化は、4月は3群ともに有意な差がみら れたが5月においてはH群とM群、H群とM群の問のみ有意な差がみられた。女子の 時期に:おける得点群の差は、4月は3群ともに有意な差がみられたが5月・6月にお いてはH群とL群、H群とM群の間に、7月においてはH群とM群に有意な差がみら
れた。得点群における男女の時期による差は、L群においては男子が4月と7.月、5
月と7月、4月と6月、5月と6月、4月と5月の間に有意な差がみられた。女子は
4月と7月、5月と7月、4月と6月、4月と5月に有意な差がみられた。H群では、
男子に4月と6月、6月と7月、5月と6月に有意な差がみられた。
θ.情緒安定性因子
群(性別)の主効果(F(1,125)=4.09,p<.05)、
得点群の主効果(F(2,125)=27.34,p〈.01)、時期の主効果(F(3,375)=8.14,pく.01)、
得点群×時期の交互作用(F(6,375)=22.76,p〈.01)が有意であった。
得点群×時期の交互作用を図示したものがF忽4−8 である。
30
情緒20
安 定 性
因
子得10
点
o
k
\▲一一 ,一石▲
1一レ董二蟹
十L群
層 M群一一.」一一一H群
4月 5月 6月 7,月
鞠4−8情緒安定性因子得点の得点群による時期の変化
下位検定の結果、単純交互作用で有意であったものを、π肋4−11に示す。
TdOle・4−11情緒安定性因子における単純交:互作用
effect df F値
得点群・時期(4月)
得点群・時期(,5月)
時期・:L群
時期・H群
2/500
2/500 3/375 3/375
80. 85**
14. 90**
42. 13**
11.12**
* p〈. 05 , ** p〈. O1
また、多重比較をライアン法(p〈.05)により行い、得点群の時期における差で有意 であったのは、4月・5月において、各得点群ともに有意であった。得点群では、L 群において、4.月と7月、5月と7月、4月と6.月、6月と7月、4月と5月におい て有意な差がみられた。H群では、4月と6月、4月と7月、4月と5,月において有
意な差がみられた。
3 考 察
本研究は、学級集団の人間関係促進を目的としたG.W.を実施することにより、凝集 性概念にもとづきながら学級集団形成について考察してゆくことである。第3章では、
対人魅力・集団魅力と課題遂行が凝集性に影響を与えるということが明らかになった。
本章では、第1章で示した鞠。1−2(h伽㎏蹴らの凝集性モデルを手がかりとして、凝 集性の変化と生徒が認知する個人特性の変化について、5つの下位尺度(積極性、思 いやり、責任・正義、社会性、情緒安定性)の分析を行ってきた。凝集性の変化は、
因子得点L群の男女生徒に対して、積極性因子、思いやり性因子、責任・正義性因子、
社会性因子、情緒安定性因子すべてに有意な効果をもつことが確認された。
積極性因子の上昇は、学級内の活動場の有無が大きな要因であるが、G,W.が場を保 証するものとして役割を担っている。思いやり性因子については、他者へ向けるまな ざしが多くなったことを表すものと考えられる。責任・正義性因子においてL群の得 点がM群の得点を有意に上回っている。このことは、4月得点におけるL群生徒の回 答に偏りがあったことが原因になっていることも考えられるが1学級内の雰囲気が個 人行動に影響しているといえる。社会性因子の上昇は友人関係の向一ヒによる。このこ とは、G.W.の課題(対人マップ)と学級担任の観察から個々の生徒があげる友人の数 が増加していることからも確認できた。情緒安定性因子は、学級の居心地のよさとも 関わるもので、L群の生徒にとって学級の雰囲気がよいものへ変わっていることを示 す。これらのことから、G.W.実施はL群の生徒にとって人との関わりを通して、学級 への所属感を高める効果があったということができる。M群の生徒に、有意な変化が みられなかったが、男女によって若干の差がみられることは興味深い。H群の生徒の 変化において、一時期下降傾向がみられたことは友人関係の変化とL群の生徒との何 らかの相互作用があるものと考えられる。しかし、H群は4ヶ月を通してみると、全 体として、高得点を維持している。このことは、G.W.の実施が維持機能を果たしてい るとも考えられる。下位尺度によって、男女の差がみらたのは、H群の生徒間に性差
があることが原因であった。これらのことより、(laMvright&Zandeit1968)の凝集性モデ ルが支持されたといえるであろう。
G,W.実施学級の担任面接から、対人関係において、孤立傾向にある生徒の変容の様 子が確認できた。得られた結果とG.W.実施学級担任との面接から、 G.W.の実施は、特 にL群の生徒に対し対人関係の改善をも スらし、新しい人間関係を作るきっかけをも たらすと考えられる。
このことに関しては、次のような事例が報告されている。 (G.W.実施学級A校2年 生の学級担.任との面接より) 「A男は、反社会的な問題傾向を示す傾向が強かったが、
学級のリーダー的存在にある男子と親しく交友をもつとともに、不登校傾向の強い別 の男子生徒の面倒を良くみるようになった。」
また、G.W.での活動において孤立傾向の強い生徒が「活動する場面をもつことから 存在感をもつことができるようになった。親しい友人(固定された人間関係)以外の 級友にも関心が向くようになった」。このことは、担任によりあげられた生徒のPM
C得点の上昇からも確認することができた。人間関係は、目に見えぬ関係性の問題で あるが、関係をつくり出すものの重要な要因は、他者への興味、関心である。そのた めには、コミュニケーションは欠くことのできないことである。しかし、そのきっか けが、なかなか自分でつくり出すことができない生徒は意外に多くみられる。
人間関係の希薄化・未熟さが問題になっている現在において、人と関わりながらの 体験学習であるG.W.は、学級集団形成過程において、個に対する影響としてL群の生 徒に有効な方法であることが確認できたとものと考える。とくに、50分間という授 業時間内で実施したG.W.が、学級生活全体にわたって少なからず効果をもたらすもの であることがみられたことは、本研究の意義を考える上でも貴重な結果である。