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グループワーク体験生徒のふりかえり

第2章  グループワー・・クの実践 第1節 グループワークのプログラム計画

第3節  グループワーク体験生徒のふりかえり

 本節では、個々の生徒が各ワーク終了後に記入したふりかえり表にもとづきなが ら、ビデオ観察、学級担任の観察などから、以下考察をしてゆく。ふりかえり表に おける各質問に対する回答度数や、生徒が記入した感想についてはAPPENDIX 2に 示すことにする。なお、ふりかえりを実施していないワーク(第2回・KJ法による 学級目標作り、第10回,第11回・級友の良いとこ探し①②、第12回・対人マップ) に ついてはビデオ観察と学級担任の観察にもとづいて考察するものとする。

第1回【二人組・四人組】

 学級開きに行う自己紹介としては、生徒が満足することのできる結果が得られた。

人前で話すことが苦手な生徒からは、 「緊張しないで取り組むことができて良かっ た」という肯定的な感想がだされた。また、多くの男女生徒から、 「他の生徒のこ とをよく知ることができた」という感想がだされた。4人までの紹介のため、生徒 からは「もっと多くの人のことを知りたい」という積極的な感想がみられた。この

ことから、新しい学級に対する期待や多くの人とかかわろうとする意欲が感じられ

る。実施した学級担任からは、 「和やかな雰囲気のなか、生徒達が楽しく活発に活 動することができたので役に立った」という感想を聞くことができた。

第2回【KJ法による学級目標作り】

 学級目標を、学級成員全員の合意により決定する目的で行われ、特にふりかえり は実施しなかった。学級集団の1年間継続する目標をつくるため、個々の生徒の考 えを反映しやすいようにグループに分けた。グループ内において自分の考えを示す ことができた点は良かったが、グループとしての目標に集約するのは時間不足だっ た。120分程度の時間を設定した方が無理なく実施できる.また、進め方につい ては、初めての方法ということで不慣れであったこともあり、事前に何度か同じよ うな方法に慣れ親しんでおくことの必要性を感じた。グループ内での話し合い・討 議が十分に深まらなかった分、グループ同士の発表につながらなかった。実施した 学級担任からは、 「話し合いの方法としては、生徒に活動の場が保証されており興 味深いが、高度な話し合いのために、進行役の生徒の習熟が必要である」という指 摘があった。

第3回【話し上手・聞き上手】

 図形を班員に伝えるリーダーの役割を各回で自由に選出させたところ、男女の比 率は9:1であった。 リーダー役を担当した生徒の約91%が、課題達成のためによ

く努力したと回答している。このことより、リーダー役の生徒は、G.W.の課題に意 欲的に取り組んでいたことが分かる。課題の、言葉だけで正確に情報を伝えること は、難しく感じた生徒が多い。このことから、生徒は、自分が一生懸命に伝えよう としても、相手が受け入れていないと思うようにならないことが体験を通して理解 されたといえよう。初めてのグループワークにしては、協力的に課題に取り組んで いたといえる。生徒の感想をまとめるとTable 2−4 に示すような感想がみられた。

        Table・2」4ふりかえり表にみられる生徒の感想 リーダー役の生徒

Q1.、班員の態度や聴き方をどのように感じましたか

A1 一生懸命に聴こうとしてくれた。A2集中してくれたのが良かった A3 真剣に聴いてくれた。     A4騒がしく態度が悪い。

A5 注文が多い。

Q2.次回は、どのようなことに注意してやろうと思いますか A1 わかりやすい表現で、順番を考えながら伝える.

A2 言葉をはっきり出して、具体的に伝える。

A3 短い言葉で正確に伝える。

Q3.このワークで、何か気づいたことがあれば記入して下さい A1 難しい。焦らないで説明することが大切。

A2 人に情報を正確に伝えることの大切さを知った。

A3 どれだけ相手の言葉を理解できるかという大切さを知った。

A4 動作なしで、話し言葉だけで伝えることは難しい。

メンバーの生徒

Q1.あなたの班のり一タ 一の良かった点は、どんなところですか A1 説明がわかりやすい。  A2 聞き取りやすい声の大きさだった。

A3 言葉が丁寧で良かった。 A4 何回も繰り返して説明してくれた。

A5 指示が的確であった。  A6 瑳員のへ。一スにあわせてくれた。

A7 一生懸命であったこと。 A8 ゆっくり話してくれた。

Q2あなたの班の全員が、正しく図形を描くためには、班のリータ 一がどのように すればよいと思いますか。

A1 説朋の仕方に工夫があればよいn A2 説明する順序を考えてくれればよい。

A3 声を大きく説明は正確に。

A4 班員に気を配ってほしかったu A5 ゆっくり具体的に説明を。

A6 自分でもできないと思うが、戸惑わずしっかり言ってほしかった。

Table 2−4に示した生徒の感想から、ワークの目標は達成できたといえよう。担任か らも同様の感想を聞くことができた。

第4回【僕らの先生】

 課題がやさしく、全ての班が課題を達成できたこともあり、生徒が満足している ことが分かる。個々のもっている情報が必要なことから(全員が参加することがで きたため)、人の話を聞くという点に目がいく生徒が多くなっている。意見を集約 し、まとめる役割が必要なことに気づいた生徒が多い。女子生徒のふりかえりから は、前回実施されたワークに比べて、肯定的に他者をとらえる傾向が強まっている ことが示されている。全質問項目についての回答が2もしくは3に回答されている ことからも、準備する課題の難易度によって、生徒の感想に影響することが分かる。

 班の協力性について肯定的な意見を書いた生徒が多いことから、学期はじめの、

学級集団づくりの一環として適したワークであったと言えよう。

 学級担任の感想として、 「ゲーム的なワークでありながら、課題が学年所属の教 師の名前を覚えるということや、生徒が積極的に生き生きと課題に取り組んでいた

ことから役に立った。また内容を工夫することにより、他にもいろいろと類似した ものが考えられそうだ。」という声がきかれた。

第5回【砂漠の選択】

 このワークは、成人向けのものを中学生が実施しやすいように改善したものであ るが、中学生にも十分活用することができた。話し合いの時間が短いように思われ がちだが、ワークに不慣れな生徒に多くの時間を与えても、手持ちぶさたになり時 間を持て余すことになりそうだということで、学級担任との話し合いで今回の時間 設定にした。

ふりかえり表から、女子に比べて、男子の方がやや積極的に取り組んでいたことが 分かる。どの質問項目についても1という評定生徒はいなかった。全体的な感想か

ら、他者の意見をしっかりきく態度が必要なことと、全体をまとめるリーダーが必 要なことに気づく生徒が多くなってきている。男女混合の班編成で実施しているが、

女子かちの意見として、女子に気を配ることが良かった点としてあげられているこ とは興味深い。日頃の活動では、男子優勢であることがうかがえる。

第6回【WINTER・サバイバル】

 今まで実施してきたワークにより、進め方に慣れてきた生徒が増えてきている。

発言の積極的態度では、やや男子の方が強いことが分かる。班で進める雰囲気とし ては、よくまとまって、なごやかな感じが、このふりかえり表や、ビデオ観察から うかがえる。その一方で、課題遂行に関してはよりよい話し合いを追求する感想が

男女共に多くみられるようになってきた。

このワークでは、解答があり、状況をつかみやすく設定してあることと、解答に意 外性があることから、楽しく実習することができたと回答する生徒が多い。意見が 拡散するため自分の意見を十分生かしてもらえないと回答する生徒の割合が、今ま でと比較してやや多くなっていることがふりかえりの結果から分かる。全体的に課 題には意欲的に取り組んでおり、協力して話し合いを行った班の感想として次のよ

うな感想がみられた。 「判断力があまりない私には、とても難しく感じました。も し、本当にそういうことになったら、一番最初に力つきてしまうかもしれないと思 った。」 「一人なら死んでいた。」

 班での話し合いが深まってきたことと、他者の意見をしっかりきく態度の重要性 が分かってきた生徒が多くなったため、ワーク実施時間が短いという意見が担任か

らだされた。

第7回【いい漢字】

 連休明けということで、取り組みやすい内容のワークを実施したが、男女では、

ワークに取り組んだ意識が違うことが分かる。女子に否定的な評定をする生徒がい る点に着目したい。

第8回【ブラインド・ウォーク】

 ふりかえりから、相手に対する感じ方は、優しさ、あたたかみ、信頼度について は、全員が3以上の評定をしており、親切心の項目で若干名の生徒が2の評定をし ている。これに対し、自分が感じた安心感、不安感、満足感の項目では、1、2の 評定をする生徒がみられることから身体接触をともなう、相手に身を任せるワーク

ということで、生徒に緊張があったのではないかと考える。

日常生活のなかで、相手に身をまかせるような場はほとんどないことから、戸惑っ た生徒がみられるが感想としては、実習したことに対して肯定的にとらえているこ

とが分かる。

第9回【電車の中で】

 このワークでは、異なる価値観をどのように取り入れ、合意していくかがポイン トとなる。回りかえり表の得点分布からも分かるように、今まで行ってきたワーク に比べて、分布する範囲が広がっている。このことは、ワークの課題に大きくかか わっている。課題とした、物語の内容、登場人物に対する個々の生徒のとらえ方が それぞれ異なるために、合意するまでには十分至らなかった』ことがみられる。

 また、学級開きから日数がた?てきむことと、ワークにも慣れ、自分の主張がど の程度反映されているかを見る目が深まってきたことも、評定結果に表れている。