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ワークショップ検討の特徴(ワークショップに期待される役割)

第 3 章 土器川流域における危機管理対策検討の取組

3.3 危機管理対策の検討成果

3.3.2 ワークショップ検討の特徴(ワークショップに期待される役割)

(1)広域的な視点かつ様々な立場からの地域の重要機能の抽出

DCP策定に向けて地域における方針(目標・戦略・方向性)を検討するにあたっては,広 域的な視点かつ様々な立場(自助,共助,公助)から地域の重要機能を抽出する必要がある.

そのため,行政界を越えて地域住民と地域行政が一堂に会し,広域災害について意見交換を 行う WS検討の場として「広域住民 WS」を設け,意見集約を行うことが有効である.この WS による検討成果として,「とりまとめ書(案)」を作成しており,「地域機能支障」を 抽出した上で,それらを解消するための「地域機能継続のアイデア」を検討し,地域の重要 機能(重点対策)を明確にしている.

このように,WS検討の場は,行政目線と住民目線の両面から地域の重要機能(重点対策)

を抽出することの役割が期待できる.

(2)実効性のある行動内容の抽出

DCP策定・実践に向けて地域におけるアクションプラン(行動計画)を検討するにあたっ ては,対象地区の特性を踏まえて実効性のある行動内容を抽出する必要がある.そのため,

地域行政と地域住民のそれぞれの立場から具体的な防災・減災・縮災行動について意見交換 を行う WS検討の場として「地区行政 WS」および「地区住民 WS」を設け,意見集約を行 うことが有効である.この WSによる検討成果として,「行動計画書(案)」を作成してお り,「52個の対策案」,その内「9個の重点対策」を設定するとともに,「行政・住民タイ ムライン」を作成し,実効性のある行動内容を具体化している.

このように,WS 検討の場は,行政目線と住民目線の両面から実効性のある行動内容を抽 出することの役割が期待できる.

(3)地域防災リーダーの育成と参加者間の信頼関係の構築

WS のテーブル進行は,地域防災ステークホルダーの立場である防災士,自治体職員がフ ァシリテーター役を務め,WS に主体的に関与する方式を採用したことにより,地域防災ス テークホルダーが多くの知見を習得することができた.

そのため,WS 進行スキルを持った地域防災リーダーの人材育成,地域での協力体制・自 主性向上,参加者間の信頼関係向上などの効果が期待できる.

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(4)U理論に基づく合意形成プロセスの実践による計画策定

WS 検討においては,水害に対する危機意識が低い土器川流域の地域住民ならびに地域行 政の WS参加者に対して,課題やアイデアの掘り下げ(十分な対話)を行うことにより,共 通の意志(目標,方向性)を見出し,新たな思考と行動を創造する「意識変革~合意創発~

未来創造」のU理論に基づく合意形成プロセス(Uプロセス)を実践した.その結果,地域 住民と地域行政の協働による「とりまとめ書(案)」および「行動計画書(案)」の計画策 定が可能となった.

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参考文献

1) 香川大学 四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構:香川地域継続検討協議会.

http://www.kagawa-u.ac.jp/iecms/ccckr/

2) 山本智和,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,高橋亨輔,澤田俊明,佐藤英治,白川豪人:

大規模水災害対策のための広域ワークショップ開催運営の一考察 -香川県土器川での事 例から-,土木学会第69回年次学術講演会,2014.9.

3) 佐藤英治,澤田晃二,澤田俊明,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,高橋亨輔,白川豪人:

地域継続計画(DCP)と連携した大規模水害対策ワークショップの特徴分析,第 50 回土 木計画学研究発表会,2014.11.

4) 佐藤英治,澤田晃二,澤田俊明,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,井面仁志,高橋亨輔,

白川豪人,猪熊敬三:地域継続計画(DCP)と連携した大規模水害対策ワークショップに おける主体関与度把握に関する一考察-防災への U 理論・ラポールの適用-の特徴分析,

土木学会第70回年次学術講演会,2015.9.

5) 佐藤英治,澤田晃二,澤田俊明,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,井面仁志,高橋亨輔,

白川豪人,猪熊敬三:地域連携によるワークショップを軸とした大規模水害対策検討フレ ームとプロセス,土木学会第71回年次学術講演会,2016.9.

6) 田村智貴,佐藤英治,澤田俊明,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,井面仁志,高橋亨輔,

猪熊敬三:大規模水害対策ワークショップ前後のアンケート調査によるWS参加者の意識 変容に関する一考察,土木学会第71回年次学術講演会,2016.9.

7) 佐藤英治,澤田晃二,澤田俊明,磯打千雅子,岩原廣彦,白木渡,井面仁志,高橋亨輔,

白川豪人,猪熊敬三:地域連携によるワークショップを軸とした大規模水害対策の検討プ ロセスに関する一考察,土木学会論文集D3(土木計画学),Vol.73, No.5(土木計画学研 究・論文集第34巻), pp.I_137-I_146, 2017.

8) 佐藤英治,井面仁志,白木渡,磯打千雅子,岩原廣彦,澤田俊明,高橋亨輔:大規模水災 害を想定した地域継続計画(DCP)策定手法の提案,土木学会論文集 F6(安全問題),

Vol.73, No.2, pp.I_147-I_157, 2017.

9) 佐藤英治,井面仁志,白木渡,磯打千雅子,岩原廣彦,澤田俊明,高橋亨輔:大規模水災 害を想定した住民タイムライン作成,土木学会論文集 F6(安全問題),Vol.73, No.2, pp.I_159-I_169, 2017.

10) 佐藤英治,井面仁志,白木渡,澤田俊明:U理論を適用した危機管理対策の検討プロセス に関する一考察,第30回記念 信頼性シンポジウム 講演論文集,pp.102_107, 2017.12.

11) Eiji Sato, Hitoshi Inomo, Wataru Shiraki, Toshiaki Sawada:UTILIZATION OF DISASTER INFORMATION FOR MAKING RESIDENTS’ TIMELINE, International Conference on Internet Studies (NETs 2018), #84 pp.1_14, 2018.4.

12) 香川河川国道事務所:水防災意識社会 再構築ビジョン.

http://www.skr.mlit.go.jp/kagawa/river/mizubousai vision/index.html

13) C・オットー・シャーマー著,中土井遼・由佐美加子訳:U理論,英治出版,2010.11.25.

第1版第1刷,2014.3.10.第1版第7刷.

14) 中土井僚:人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門,PHP研究所,2014.2.3.第1版 第1刷.

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第 4 章 土器川モデル地区における住民タイムライン