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第 3 章 デュッセルドルフの日本人エクスパトリエイト・コミュニティの特徴と変容

3.2 NRW 州及びデュッセルドルフの日本人長期滞在者の特徴

3.2.3 日本人居住地区

デュッセルドルフ市は、表3-2が示すように10の地区に分かれ、それぞれの地区が 特徴を持つ。日本人の居住地区に関してはグレーベが1976年と1999年を比較した分 析があり、それによると1999年は1976年に比べると北部に人口が拡張している22もの の居住パターンにおいて大きな変化はない。また日本人の居住分布の特徴として、市 のビジネス中心地区のホテルが多い1区、日本人学校と日系幼稚園のあるライン川の 西部の4区、市の北部・北東部に位置し、高級住宅街でインターナショナルスクール もある5区に集中している。1区に日本人が多いのは、駐在員が適当な居住地が決ま る間一時的にホテル住まいする為である(クレーべ 2003: 153-5)。市の南部は、多く が労働者階級、低中産階級の受託地であり、日本人駐在員はほとんどいない。また、

図3-7は、2011年におけるデュッセルドルフ市内に暮らす日本人の割合を示すが、こ こでもビジネス中心区の1区と日本人学校のある4区、インターナショナルスクール のある5区に日本人が集中しているのが分かる。

次に2017年時点の日本人の集住形態をみてみると中心商業地区である1区には、日 本人全体の6.7%(1,522人)23が暮らし、外国人の中で一番人口が多い。これは、前述 のように駐在期間が決まるまでホテル住まいするケースもあるが、近年では、駐在期 間中、家具付きですべてそろった物件、そして日本食レストランもあり生活に便利な 市の中心に住む単身駐在員を示唆していると考えられる(日系不動産Vさん)。35年 日系不動産を市内で経営するVさんは、最近の傾向としては「(駐在期間が)長くて3 年で、1年の人も多い」と話す。

21 最近は日本人がやっている日本食料品店はなく、韓国人や中国人によるものがほとん どである(聞き取り調査Rさん)。

22 日本人人口の市北部での増加は、新たな賃貸住宅の建設とデュッセルドルフインター ナショナルスクール(ISD)の立地による(グレーベ 2003: 153-5)。

23 Landeshauptstadt Duesseldorf

https://www.duesseldorf.de/statistik-und-wahlen/statistik-und-stadtforschung/duesseldorf-in-zahlen.html#c82022 2018年6月10日閲覧。

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4区は、日本人人口の24.9%(2,598人)24が居住し、4区地区在住外国人の中で一番 多い。これは4区(ニーダーカッセル)(表3-2参照)にデュッセルドルフ日本人学校 があることが影響している。当校生活環境調査によると全児童(小1から中3)の

66.9%が徒歩通学で、80%が通学時間15分以内のところに居住する(デュッセルドル

フ日本人学校要覧 2016:24)。また、Vさんは、最近は日本人学校近くの物件も築45 年から50年と古くなり日本人駐在員家族に人気がなくなりつつあり、その代わりに、

学校から徒歩圏内の新築高層住宅が人気があると話す。

1999年に日本人が多かった5区をみると、2017年時点で日本人は外国人上位5位か ら外れている。これは、高い家賃と関係があるのかもしれない。Vさんによると5区 にあるインターナショナルスクール(ISD)近辺の住宅(カイザースベルト)(表3-2 参照)は高級で、テラスハウスは家賃が月3,500ユーロほどで相対的に高い物件25が多 い。5区地区の日本人の減少は、駐在員のコスト削減、エリート層の減少、物価の上 昇も反映しているとも考えられる(Vさん)。

居住地選択においては様々な要素が影響を与え、今まで日本人が多かった5区の日 本人減少はあるもののデュッセルドルフ市内における日本人居住地区に関しては、基 本的には大きな変化は見られない。しかし、デュッセルドルフの隣町であるメアーブ ッシュに目を向けると日本人駐在員家族が2010年以降増えている。詳しくは3章の 3.5.2「日本人駐在員の変容と駐在員配偶者の生活意識の多様性」の節で述べる。

24 同上

25 Vさんによると、企業や駐在員の年齢によって予算が違うが、駐在員の求める物件は

通常、月2,500ユーロほどが多く、社長クラスになると3,000ユーロぐらいである。

37 表3-2 デュッセルドルフ市10区

Stadtbezirk Stadtteile

1区 Altstadt, Carlstadt, Stadtmitte, Pempelfort, Derendorf, Golzheim 2区 Flingern-Nord, Flingern-Süd, Düsseltal

3区 Oberbilk, Unterbilk, Bilk, Friedrichstadt, Hafen, Hamm, Flehe, Volmerswerth 4区 Oberkassel, Heerdt, Lörick, Niederkassel

5区 Stockum, Lohausen, Kaiserswerth, Wittlaer, Kalkum, Angermund 6区 Lichtenbroich, Unterrath, Rath, Mörsenbroich

7区 Gerresheim, Grafenberg, Ludenberg, Hubbelrath, Knittkuhl 8区 Eller, Lierenfeld, Vennhausen, Unterbach

9区 Wersten, Holthausen, Reisholz, Benrath, Urdenbach, Hassels, Itter, Himmelgeist 10区 Garath, Hellerhof

出典: Landeshauptstadt Düsseldorf より筆者作成。

https://www.duesseldorf.de/bv.html 2018年12月11日閲覧。

注:1区はStadtmitte市の中心地区

4区のNiederkassel(ニーダーカッセル)に日本人学校、日本人幼稚園がある。

Oberkassel(オーバーカッセル)に3つの塾がある。

5区のKaiserswerth(カイザースベルト)にインターナショナルスクール(ISD)があ

る。

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図3-7 デュッセルドルフにおける日本人居住者の分布

インターナショナルスクール

日本人学校

中心市街

出典:Landeshauptstadt Duesseldorf 2011

https://www.duesseldorf.de/fileadmin/Amt80/wirtschaftsfoerderung/pdf/japan_duesseldo rf_ausstellung_d_ja.pdf 2018年12月10日閲覧。

3.3 デュッセルドルフ日本人エクスパトリエイト・コミュニティの形成―戦後の歴史