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1974年に設立された構造を主体としたコンサルタントである。現在は200人規模の スタッフを擁し建築とシビルエンジニアリングに関する設計・監理、コンサルテーシ ョンを総合的に行っている。

上記コンサルタントの主な業務は以下であり、現地事情に通じた業務を行う上で活用

が期待できる。

1) 事前調査

投資に対する事前検討、市場調査・事業化調査、環境影響調査、解析業務、各種試 験業務、地勢調査

2) 支援業務

原価管理支援業務、財務調査業務、各種技術調査業務 3) 準備業務

設計業務、確認申請、入札・業者選定業務 4) 施工監理

現場監理業務一式

(3) 現地施工技術水準

トルコにおける病院を含む大型建設物の多くは鉄筋コンクリート造であり、空港や工場 などを除いて鉄骨造は非常に少ない。一般的な工法では、日本のように床と柱、梁にコン クリートを同時に打設するのではなく、壁と床は別々に打設していることが多い。また、

コンクリート躯体を最上階まで施工し、次に外壁と内装の下地である煉瓦を積み上げ、そ のあと内装仕上げを行う工程が取り入れられており、日本における施工のように躯体、外 壁、内装工事を下層階から同時並行する工法はほとんど行われていない。

仮設については、外部仮設足場や手すり、養生シートが設置されている現場はほぼ見ら れず、合成樹脂製のシステム仮設や、仮設手すりといったものが部分的に使用されている のみである。

外壁仕上げは、モルタルの上にペンキ塗装もしくは吹付塗装が多いが、アルミクラディ ングパネルも最近では多く用いられている。また、トルコは世界でも有数の石材産出国

(大理石の埋蔵量は世界の 33%と言われる)であるため材料が安価であり、日本では高級 とされる大理石材等が外壁や床にふんだんに使われている事例が多く見られる。また、最 近の高層建築物ではガラスのカーテンウォールも多用されており、曲面の外壁などデザイ ン的にも凝った建物が増えている。

コンクリートの柱とフラットスラブ、梁なし 工法。仮設足場手すり等はない。(イスタン ブール市内)

高層ビルの建設現場。コンクリート打設後、外 壁をコンクリートブロック施工。仮設足場手す り等はない。(アンカラ市内)

外壁に大理石(トラバーチン)が多用されて いる。(アンカラ、ハジェテペ大学病院)

ガラスカーテンウォール、曲面外壁の組み合わ せ(アンカラAFAD災害管理センター)

出典:調査団撮影 図32 トルコにおける施工例

トルコの国立病院は古いものが多く、建設後 100 年を超えるものもある。また、施工品 質も決して高いとはいえない。一方、私立病院では高価であるが品質の高い仕様が採用さ れている例が多い。

一般的にトルコでは太陽光発電等の省エネ技術やバリアフリーといったことへの意識は 低い。次にトルコでの一般的な建築技及び建設に関する状況につき述べる。

(4) トルコの技術

① 外断熱の普及

イスタンブール郊外にあるDOWケミカルのXPS(押出発泡ポリスチレン)の工場に は外断熱施工トレーニングセンターがある。トルコでは、2009 年の湿式外断熱工法の 施工実績が全土で約900万㎡あり、2011年の施工実績は3,500万㎡を超える。日本の湿

式外断熱工法の施工面積は年間 40 万~60 万㎡程度であり、比較しても格段に多いこと がわかる。その他EPS(発泡スチロール)も断熱材として用いられている。

② トルコの省エネ技術

省エネルギーについては、グリーンビルディングやLEEDなども広まってきており、

これらを入札の仕様で条件づけることも行われ始めている。政府関連の建物には省エネ ルギーに関して、スタンダードやMinimum Requirementが定められている。また、再生 可能エネルギーを使用することを促す基準があり、使用することに対するインセンティ ブも設けられている。

トルコでは電気代が高いため、パッシブソーラー(ソーラー給湯器)の設備は全国的 にかなり普及している。しかし、ソーラー発電、風力発電、BEMS 等の省エネシステム はあまり普及していない。このような技術がこれまでにトルコで紹介される機会が少な かったためと考えられ、一般的には関心が薄いことがわかった。

XPS(押出発砲ポリスチレン)を用いた外断熱 改修現場(築10年の分譲マンション)

屋上に備えられたパッシブソーラー

(アイドゥン・母子病院)

出典:調査団撮影 図33 トルコにおける施工例(省エネ技術)

(5) トルコでの免震技術

① トルコにおける免震構造の必要性

トルコは、地域による相違が大きいものの、発生が予想される地震動は、最も強い地 域では日本と同水準の強さである。下図は国連の主導の下、各国の地質・地震研究所の 共同調査・研究事業(Global Seismic Hazard Assessment Program; GSHAP)により作成さ れた世界各地の標準地盤(一般的な岩盤)で予想される地震最大加速度の再現期間 475 年に対する期待値=50 年間の超過確率 10%の値を示すマップから、トルコと日本の部 分を抜き出したものである。この図からも両国の置かれている地震環境がほぼ同様であ ることが分かる。

出典:Global Seismic Hazard Assesment Program 図34 トルコと日本の地震危険度比較

また、下図のトルコ地震危険度マップは、現行のトルコ耐震設計規準の規定する設計 用地震荷重の大きさの分布を示したものである。

出典:AFADウェブサイト 図35 トルコ地震危険度マップ

トルコの地震危険度区分はⅠ~Ⅴの5段階の基準で決められている。最も厳しいゾー ンⅠの場合の設計用地震力は、日本の建築基準法・同施行令の最も地域係数の高い東京、

大阪等における値と同じである。またトルコのゾーンⅡ、Ⅲ、Ⅳの地震荷重を建築基準 法の地域係数に換算すれば、それぞれ0.75、0.50、0.25(ゾーンⅤは0.0)となる。設計 用地震荷重の考え方に若干の差異はあっても、日本と同様に厳しい地震環境の下にある

のがトルコの現実である。従って高い信頼性を以て耐震安全性を確保できる免震構造の 必要性は高い。特に病院のように、地震後の機能継続性確保が不可欠な施設にあっては、

現時点でそれを保証できるほぼ唯一の手段である免震構造を普及させることが必要であ る。

加えて建築非構造部材や設備の震害低減の問題もある。病院の運営者の多くが、特に 建築非構造部材の破損・脱落の防止に言及しており、近年トルコでもこの問題について の意識が高まってきており、病院建築を中心に耐震措置の整備のための指針が定められ 始めている。こうした問題への対策が完全になるには、相当の期間が必要と思われる中、

抜本的解決を与える免震構造導入の必要性は高いといえる。

② トルコの免震建築物の現状 免震構造の導入と普及状況 a)

トルコでは、1940 年に最初の耐震設計規準が制定された後、幾度かの改定を経て 1997 年に耐震設計規準が成立し、2006 年に改定され現行規準となっている。2006 年 改定では 1999 年のコジャエリ地震の被災経験を受けて、既存建物の耐震診断と耐震 改修に関する規定が追加されている。2008年にトルコ免震協会が作成した免震構造設 計規準も、米国の設計規準(米国土木技術者協会ASCEのASCE/SEI 7等)に基づいて おり、現在、TSEのもとに、本年の9月を目途にトルコ独自の新耐震基準の作成を行 っている。

表31 トルコにおける免震規定の変遷

免震規定 制定年

1 Regulations for the Structures to be built in Disaster Areas 1975 2 Regulations for the Structures to be built in Disaster Areas 1997 3 Regulations for the Buildings to be built in Earthquake Zones 2006 4 DRAFT: Regulation for Seismic Isolation

(トルコ免震協会より公共事業省へ提出)

2008 出典:調査団作成 世界の免震構造の実績において、日本での実績数は世界全体の約 80%を占めてい る。一方、免震構造のトルコでの展開は、日本以外の国々に比べても、大きく遅れて いる状態である。トルコ国内で最初に免震構造を適用した例とされるのはイスタンブ ール・アタチュルク国際空港の屋根の免震化工事であるが、これは 1999 年のコジャ エリ地震によって同ビルが被災したことを受けて実施されたものである。この工事以 降もトルコ国内での免震構造の建築物への適用は進展しているとは言い難く、実際に 適用された構造物の件数は少ない。トルコにおける免震技術の第一期(黎明期)は2007 年までで、この間に計画または設計された免震構造物は以下の 8案件である。このう ち2案件は民間案件で6案件が公共案件である。

① Ataturk Viaduct of Tarsus – Gaziantep – Adana Highway

② Bolu Viaduct

③ Ataturk Airport Roof

④ Aliaga LNG Tanks

⑤ Kocaeli University Hospital

⑥ Antalya Airport (retrofit)

⑦ Tarabya Hotel (removed、後日免震構造が撤去されている)

⑧ Erzurum State Hospital

下図 36 は今までの免震構造物の年毎の完成件数を示す。2010年までは年間平均 1 件程度である。2014年までに作られた免震構造物の総件数は 22 件しかない。計画中 の案件は病院PPP事業を含む。免震構造物に関する実績と計画中の案件の詳細は下図

37である。

出典:トルコ免震協会 図36 トルコの免震構造物の実績と計画

出典:トルコ免震協会 図37 免震構造物の実績詳細