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ターゲット案件の選定 3-1.

前項での検討を表にまとめ各案件の状況を判定し、未公示8案件の中から5案件程度をタ ーゲット案件として選定する。

表50 ターゲット案件選定評価表

案件番号 2 3 4 5 7 8 9 10

案件名

サンジャ ッテぺ統 合ヘルス キャンパ ス

アンタル ヤ市病院

ディヤル バクル・

カヤピナ ル公立病

ディヤル バクル・

イェニシ ェヒル市 病院

オルドゥ 市病院

カハラマ ンマラシ ュ国立病

ブルサ・

チェキル ゲ公立病

バルトゥ ン国立病

1 政情 良好 良好 良好 良好 良好 良好

2 治安 良好 良好 注意地域 注意地域 良好 良好 良好 良好

3 経済・産業

4 インフラ・物流 良好 良好 普通 普通 普通 普通 良好 普通

5 人口 最大

6 医療事情 問題ない 問題ない 問題ない 問題ない 問題ない 問題ない 問題ない 問題ない

7 案件規模 特大

8 災害リスク

9 計画施設関連 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査 要詳細調査

10 運営 利点最大 利点大 利点小 利点小 利点中 利点小 利点大 利点中

11 維持管理・保守 利点最大 利点大 利点小 利点小 利点中 利点小 利点大 利点中

判定結果 A A C C B B D B

判定: A:望ましい、B:やや望ましい、C:望ましくない、D:PPPスキーム適応の対象外 出典:調査に基づき調査団作成 特に日本の企業が進出する上で重要になってくる要素としては、活動上クリティカルとな る治安の問題、本邦企業間および現地の有力企業との連携を考える上での経済・産業の状況、

資機材・物品調達上の基幹インフラ・物流の良し悪しに左右される。

前述の分析と評価の結果、対象となる未公示8案件の内、最も本邦企業が進出しやすく、

効果が期待できる判定結果Aの3案件、比較的本邦企業が進出しやすい判定結果Bの3案件 の計6案件をターゲット案件とした。そのうち、ブルサ・チェキルゲ公立病院案件について は、ターゲット案件として調査を進めていた最中に病院PPP事業から外れる可能性が高いこ とが明らかになったため、同案件を除く以下の5案件を最終的なターゲット案件とする。な お、ブルサ・チェキルゲ公立病院案件については、病院PPP事業から外れることが判明する 前に既に調査を実施しており、調査結果についてはターゲット案件と同様に以下に記載する。

1.判定結果A サンジャッテぺ統合ヘルスキャンパス案件 2.判定結果A アンタルヤ市病院案件

3.判定結果B オルドゥ市病院

4.判定結果B カハラマンマラシュ国立病院 5.判定結果B バルトゥン国立病院

出典:調査団作成 図52 ターゲット案件の位置

ターゲット案件の計画 3-2.

(1) ファイナンス・プラン

ターゲットの 5 案件は、どれも本邦企業の進出に際して、大きな投資が望まれる案件で ある。第2章で詳述の通り、病院PPP事業はBOT方式であり、SPVが初期投資のための資 金を調達する必要があることから、ファイナンスが重要となる。現在の制度下においては、

SPVは最低20%の自己資本を維持する必要があるため、このための資本はSPV参画企業内 で出資比率に応じた出資が求められる。残りの 80%については融資で賄うこととなるが、

これらターゲット案件を本邦企業群が落札した暁にはJICAの海外投融資を活用することを 前提にファイナンスを組成する。JICAの海外投融資は原則総事業費の70%まで融資が受け られるため、残りの 10%はトルコの市中銀行等から協調融資を行うか、他の銀行から別条 件で融資を受ける必要がある。

JICAの海外投融資は、一般に市中からの調達よりも低利で借り入れが可能であることか ら、本邦企業群にとっては、例え割高の日本製品や日本のクオリティーを用いた事業計画 を行ったとしても、金利分で25年間の総事業費を抑えることができる。このことは、応札 する本邦企業にとっては、入札時の競争性を高めることとなり、一方でトルコ側にとって は低い価格で高い品質の医療サービスを受けることが可能となり、裨益効果を生み出すこ とが可能である。

(2) 本邦企業の優位性と裨益効果

これまでの章で記載の通り、本邦企業は建設技術や医療機器、運営サービスなどで優位 性を持っており、また、トルコでは誰も経験をしたことがないPPP(PFI)による病院整備・

A. アンタルヤ(1000)

A. サンジャッテペ(3800) B. オルドゥ(600)

B. バルトゥン(400)

B. カハラマンマラシュ(500)

運営の経験があるという絶対的な優位性を持っている。多少の進捗がみられるようにはな ってきたが、運営を見据えた計画が推進されている状況ではなく、無論 PPP による病院が 実際に整備されておらず、今後運営段階でどのような課題が出てくるかも未知数であるト ルコにおいて、日本の実経験をいかすことがトルコにとって高い裨益効果をもたらすこと は疑いようがない。

ターゲット案件の 5 地域は地震地帯にあり、日本の得意とする免震技術や防災技術がい かせる点で、本邦企業の優位性が発揮できる。

特に判定結果Aのターゲット案件の2地域は、人口が多い地域(人口規模が全国1位、4 位、5位の県)であることから、裨益対象となる絶対数が多く、未公示案件の中でも効果が 高いことがいえる。さらに産業やロジスティックも発達したエリアであることから、本邦 企業の新たな進出における障壁が低いことが考えられる。

上記の点に加えて現地の状況等を調査し、より本邦企業の優位性を発揮でき、裨益効果 の高い案件内容を検討することで、ターゲット案件の確実性を高めることができる。その ための調査とその結果を以下の章で詳述する。

ターゲット案件に関する調査

第8章