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出典:特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会HPより抜粋 また以下の表は、PFI 事業を受託した企業グループ(コンソーシアム)の一覧である。主 にスーパーゼネコンや総合商社など大規模で資金力のある企業が代表企業となり、設計会社 や運営サービス事業者等が参加するコンソーシアムが受託したケースが多くみられる。

表15 日本の病院PFI事業受託企業の一覧

病院名 応札

グループ数 受託企業グループ(☆:代表企業)

高知医療センター 3

☆オリックス㈱

オリックス・リアルエステート㈱、㈱日本医療事務センター、メディポー トシステム㈱、㈱三菱化学ビーシーエル、㈱竹中工務店、新日本製鐡㈱

近江八幡市民病院(滋賀

県) 4 ☆㈱大林組

㈱内藤建築事務所、東レ建設㈱

八尾市立病院(大阪府) 3

☆三菱商事㈱

松下ファシリティマネジメント㈱、㈱ニチイ学館、㈱日本医学臨床検査研 究所

島根 県立ここ ろの医療

センター 1

☆㈱中筋組

今岡工業㈱、㈱フクダ、㈱石本建築事務所、㈱中林建築設計事務所、㈱サ ン・プランニングシステム、八興電気㈱、㈱中電工、今市水道㈱、島根電 工㈱、㈱三晃空調、セコム山陰㈱

多 摩 総 合 医 療 セ ン タ ー・小児総合医療センタ ー(東京都)

4 ☆清水建設㈱

㈱日建設計 東京都がん・感染症医療

センター 1 ☆三菱商事㈱

戸田建設㈱、㈱麻生、㈱エヌ・ティ・ティ・データ、㈱山下設計 愛媛県立中央病院 3 ☆大成建設㈱

㈱システム環境研究所、㈱日建設計 神戸市立中央市民病院 1 ☆㈱神戸製鋼所

伊藤忠商事㈱、㈱日建設計 大阪 府立精神 医療セン

ター 1

☆戸田建設㈱

グリーンホスピタルサプライ㈱、小山㈱、㈱ニチイ学館、㈱ビケンテクノ、

㈱安井建築設計事務所 東京 都精神医 療センタ

1 ☆日揮㈱

㈱昭和設計、東京電力㈱、尾瀬林業㈱

筑波大学附属病院 1

☆㈱日立ビルシステム

鹿島建設㈱、三菱商事㈱、東京電力㈱、㈱岡田新一設計事務所、

㈱佐藤総合計画 神奈 川県立が んセンタ

2 ☆㈱大林組横浜支店

㈱ニチイ学館、相鉄建設㈱、㈱日本設計

京都市立病院 1

☆ワタキューセイモア㈱

三菱商事㈱、㈱麻生、鹿島建設㈱、㈱山下設計、㈱LSIメディエンス、日 清医療食品㈱、鹿島建物総合管理㈱、星光ビル管理㈱、㈱ニチイ学館、エ ム・シー・ヘルスケア㈱、㈱麻生情報システム

福岡市新病院 1

☆日本管財㈱

戸田建設㈱九州支店、㈱九電工、㈱山下設計、㈱松本組、㈱設備保守セン ター、㈱麻生、㈱光洋

長崎市新市立病院 4

☆大成建設㈱

㈱久米設計、㈱松林建築設計事務所、㈱池田設計、㈱西海建設、㈱三基、

㈱松栄設備、錦建設工業㈱、大成サービス㈱、㈱クリーン・マット、㈱城 保安警備、㈱光洋、㈱パースジャパン

大阪 府立成人 病センタ

3 ☆㈱竹中工務店

三菱電機ビルテクノサービス㈱、三菱電機ライフサービス㈱、㈱日本設計 筑波大学附属病院新棟 選定中 選定中

出典:調査団作成

日本における病院 PFI 事業の系譜 2-3.

前項で病院PFI事業はこれまでに17件実施されてきたと述べたが、病院PFIの経験が深ま るにつれ、その実施手法は次第に洗練されてきており、段階により4つの世代に分類するこ とができる。以下の項では病院PFI事業の系譜を辿り、それぞれの世代の取り組みについて 述べる。

出典:調査団作成 図23 病院PFI事業の系譜

(1) 第 1 世代

第1世代は日本へのPFI導入草創期であり、PFI導入の効果が見込まれる分野として注目 を集めた。「高知医療センター」、「近江八幡市民病院」、「八尾市立病院」(施設整備 は公共部門が実施)の3事業が、病院PFIの先駆けとして着手されたものである。

先例のない中、試行錯誤の中で事業が進められたため、各事業では三者三様のスキーム による取り組みを行った。高知医療センターでは、性能発注を利用して大胆な業務委託拡 大とサービスの質向上を図った。近江八幡市民病院では、BOT 方式を採用し包括委託の効 果を全面的に狙った。一方、八尾市立病院では、施設整備を事業範囲から外し、システム 環境整備と運営支援業務の強化に民間のノウハウを集中的に活用することで、医療サービ スの向上とコスト削減に注力した。

そうした特徴の違いがある一方で、3事業がPFI事業として掲げた目的はともに同様であ り、財政負担の削減、医療環境の改善・向上、患者サービスの向上である。事業によって 濃淡はあるものの、その達成のためにいかに民間の能力を活用するかという点に注力し、

試行錯誤しながらも様々に工夫を凝らした成果が、3事業の特徴となって現れている。

(2) 第 2 世代

第 2 世代には、東京都の「多摩総合医療センター・小児医療センター」、「がん・感染 症医療センター」が該当する。

これらの事業は、第 1 世代の事業が進行する過程で明らかとなった問題や課題に重点的 に対応する形で展開された。その課題とは、SPV の広範な業務を統括するマネジメント能 力が不十分であったという点である。これを受けて、事業の主眼は「マネジメント・アウ トソーシング」と「官民パートナーシップの構築」であると明確に位置づけ、SPV の広範 な運営業務に関するマネジメント能力の確保を目的とした統括マネジメント業務の追加、

審査におけるマネジメント能力の確認、BPRの徹底など、第 1世代における課題の解決に 力点を置いた取り組みが実施された。

(3) 第 3 世代

第 3 世代は、「愛媛県立中央病院」、「神戸市立中央病院」、「筑波大学附属病院」が 該当する。これらは、「PFI事業に係る民間事業者の選定及び協定締結手続きについて」(平 成18年11月22日付け PFI関係省庁連絡会議幹事会申合せ)により、病院などの運営の 比重の高い案件等については、必要に応じて入札参加希望者ごとの対面での口頭による対 話が可能と示されたことを受けて、事業者選定の手続き面での進展が図られた事業であ る。

申合せ以前は、各入札参加希望者に対する対面での対話の取扱いが言及されておらず、

病院側の要望を伝える手段が文書に限定されていたが、対面対話の道が開かれ意思疎通が 図りやすくなったことにより、入札参加希望者に対してニーズを明確に伝え、応募者から ニーズに合った提案が提出されるための工夫を行うことが容易となった。

(4) 第 4 世代

第 4 世代には、「神奈川県立がんセンター」、「京都市立病院」、「福岡市新病院」、

「長崎市立新病院」、「筑波大学附属病院(新棟)」が該当する。

これまでの病院 PFI 事業において、実施の中で明らかになった課題に対応する取り組み が続けられてきた一方で、応札者数は次第に減少してきたという状況があった。この背景 には、民間事業者の立場からも病院PFI事業の課題やリスクが見え始めたことで、応札への ハードルが高くなってきたことがあると考えられる。こうした状況に対し、発注者側は、

自身のPFIに対するニーズをより明確化し、各業務を受託する地域の医療関連産業の発展度 合を考慮するなど、応札者側の事業への関心を競争性確保の観点から十分に得られるよう、

個々の事情を十分に反映したPFI事業の設計・発注を行うようになった。その結果、この世 代では事業によりSPVに委託する事業範囲にばらつきが見られるのが特徴である。

事例から見る病院 PFI への期待と効果 2-4.

以下は、これまでに実施された病院 PFI事業のうち3事例について、PFI導入にあたって 求めた効果と、事業実施の結果実際に得られた効果を、ヒアリングをもとにまとめたもので ある。

前述のように、3者とも PFI 導入の目的は共通しており、医療の質の向上、患者サービス の向上、効率的な病院整備運営であった。一方、求めた効果や得られた効果はそれぞれ少し ずつ異なっている。日本における病院 PFI事業では実施主体が地方自治体や大学等であり、

それぞれ PFI導入に至った背景が個々に異なることから、その求める効果、得られた効果に 対する評価も異なってくるものである。

(1) 事例 1

① 求めた効果

 民間のノウハウ活用による財政負担の軽減・病院経営の効率化

 SPVの業務マネジメントによる安定的・効率的・効果的なサービス提供

 長期契約による官民の協働を通した業務実施体制の成熟・コスト削減

 隙間業務の解消による医療業務の環境整備と質の向上

 大企業の進出による地域へのノウハウ享受と地元企業の育成

② 得られた効果

 官民の連携・協働体制の構築

 民間の創意工夫の発揮(BPRによるサービス価値の向上)

 既存の基本設計に対する事業者側のVE5提案による施設の質向上

5 VEValue Engineering):デザイン、品質及び管理・保守を低下させずにコストを低減する、または同等のコストで機能を向

上させるための技術