3.3 セグメントごとの BtoC EC の実態と市場規模
3.3.1 PC 及び関連製品
3.3.1.1 PC 及び関連製品〜BtoC の概要
「PC及び関連製品」セグメントは、PC本体及び関連ハードウェア販売分野におけるメーカ ー直販(外資系企業、国内企業)、大手量販店、大手量販店に属さない小売事業者で構成さ れる中小ショップ、及びソフトウェア販売(パッケージ販売/ダウンロード販売)で構成されて おり、市場規模金額は、当セグメントにおける販売額を算入している。
2003年の市場規模2,350億円、EC化率15.97%に対し、2004年における当セグメント の市場規模は2,620億円、EC化率は16.55%に達している。
なお、当セグメントにおいては、1998年の第一回の調査時点のEC市場規模(250億円)
に比べると、この6年で約 10.5倍程度伸張したこととなるが、前回調査の市場規模に比べる と、約1.1倍程度の伸びに留まっており、市場伸張スピードは穏やかになっている。
モバイルコマースの市場規模は、2003年の70億円に対し、2004年は、50億円と推計さ れる。また、EC市場におけるモバイル経由での販売比率については、前回調査と比べ1.1ポ イントマイナスの 1.9%となっている。この下がった理由は、前回調査では 100 社程度のサン プル数を捕捉していたが、本調査においては約 1.5倍の150 社超のサンプルを捕捉した結 果、より精緻な推計が可能となったためである。
3.3.1.2 PC 及び関連製品〜市場規模
「PC及び関連製品」セグメントを構成する要素としては、PC 本体及び関連ハードウェアに おけるメーカー直販、大手量販店、大手量販店に属さない小売事業者で構成される中小ショ ップ、及びPC関連ソフトウェア販売(パッケージ販売/ダウンロード販売)の4つに大別され、
それぞれ、1,060億円、360億円、970 億円、230億円(パッケージ販売:160 億円/ダウン ロード販売:70億円)を市場規模に算入している。また、当セグメント全体で、およそ1,400社 弱がECに取り組んでいると想定され、その市場規模の内訳は以下のように推計している。
20社前後が取り組んでいるPC及び関連ハード製造メーカーの直販によるEC販売額に 関しては、消費者向け販売のみで300億円以上の売上を達成している1社を筆頭に、50億 円前後の売上を達成している8社、それ以外の10数社で 1,060億円を市場規模に算入し ている。
大手量販店によるEC販売額は、日本電気大型店協会(NEBA)加盟企業やカタログ通販 事業者を中心とした40社前後が対象となっており、当セグメントのみの売上で100億円近く の売上を上げている事業者を筆頭に、総額で360億円を市場規模に算入している。
また、当セグメントにおける中小ショップに関しては、およそ1,200社強存在すると想定され る。特に、価格メリットを強力に打ち出している価格比較サイトの「カカクコム」エントリー企業 250社程度に関しては、消費者向けEC販売額が、100億円弱を達成している複数社を筆頭 に、年平均売上高2.5億円程度と推計している。
また、それ以外の中小ショップ約 1,000 社に関しては、公知情報、事業者への電話インタ ビュー、アンケート、情報処理実態調査により得られた30社強の売上状況から全体推計する と、年平均EC販売額は3,500万円程度と推計される。
以上、「カカクコム」エントリー企業とそれ以外のショップを合算し、中小ショップによる EC 販売額970億円を市場規模に算入している。
なお、PC 関連ソフトウェア販売に関しては、パッケージ販売ショップ数はおよそ 250 社程 度、ダウンロードショップは、一部ISP(Internet Service Providerの略)による取り組みも含 め、270社程度存在するものと想定され、EC販売額に関してはそれぞれ160億円、70億円 と推計している。
以上、PC 本体及び関連ハードウェア販売分野におけるメーカー直販(外資系企業、国内 企業)、大手量販店、大手量販店に属さない小売事業者で構成される中小ショップ、及びソフ トウェア販売の取り組みを合計し、当セグメントのEC市場規模は2,620億円、うちモバイルコ マース市場規模は50億円と推計している。
(単位:億円)
1998年調査 1999年調査 2000年調査 2001年調査 2002年調査 2003年調査 2004年調査
PC及び関連製品 全体市場規模 250億円 510億円 910億円 1,470億円 1,970億円 2,350億円 2,620億円
( − ) ( − ) (10億円) (20億円) (50億円) (70億円) (50億円)
メーカー直販(外資系) 250億円前後 440億円程度
メーカー直販(国内) 70億円前後 190億円程度
大手量販店 約100億円 250億円前後 400億円弱 500億円 320億円 360億円
ソフトウェア(PKG販売) 120億円 160億円
ソフトウェア(DL販売) 70億円 70億円
1.77% 3.60% 6.07% 12.20% 12.88% 15.97% 16.55%
EC化率
1,060億円
970億円 920億円
各販売ルート の中に包含 100〜150億円
70〜80億円 大手量販店に属さない小売事業者
10〜20億円 程度 品 目
100億円程度 870億円前後 1,100億円 930億円
-370億円 200億円弱
100億円未満
20億円前後
-表 3.3.1-1 「PC及び関連製品」BtoC EC市場規模
図 3.3.1-1 「PC及び関連製品」BtoC EC市場規模の推移 1,920 2,280 2,570 900
1,450 10
(1.1%)
20
(1.4%)
50
(2.5%) 70
(3.0%)
50
(1.9%)
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000
2000年調査 2001年調査 2002年調査 2003年調査 2004年調査
(億円)
固定系EC モバイルコマース
910億円
1,470億円
1,970億円
2,350億円
2,620億円
6.07%
12.20% 12.88%
15.97% 16.55%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
16.0%
18.0%
2000年調査 2001年調査 2002年調査 2003年調査 2004年調査
図 3.3.1-2 「PC及び関連製品」BtoC EC化率の推移
3.3.1.3 PC 及び関連製品〜市場特性及び 2004 年の動向
2004年の「PC及び関連製品」セグメントは、公知情報によると、法人向けも含めたパソコン 全体の市場規模は回復傾向にあるものの、個人向けのパソコン出荷台数の減少、価格下落 等により総市場規模が4%程度縮小した。その結果、当セグメントにおける対前年比EC市場 規模伸び率は、2002年から2003年にかけては19.3%増であったが、2003年から2004年 にかけては11.5%増へと緩やかになっている。
当セグメントの主要商品である PC は、「頻繁にモデルチェンジが行われる上に技術進展 の速度も早いため、短期間で機能や性能が陳腐化する」、「商品の性能がハードディスク容 量やCPUの速さ等、数値データでスペックの優劣を比較しやすい」と言った商品特性を持っ ている。
したがって、スペックの優劣と価格の比較が容易であり、自身の目的に合致した PC をより 低価格で購入することに主眼が置かれる傾向にある。
こうした商品特性を踏まえ、ここ数年、価格メリットを消費者に提示してきた中小ショップが 当セグメントの市場伸張の牽引役を担ってきた。
しかしながら、PC本体の価格下落等を背景に、価格だけで他社との差別化を図ることが難 しくなりつつあり、中小ショップのEC売上高は前回調査と比べると伸び率が緩やかとなりつつ ある。
それに代わり、2004 年は、価格だけではなく、「消費者に対して、EC ならではのメリットを
提示できるサイト」、「総合的な満足度を提供出来るサイト」に支持が集まりつつあり、24 時間 以内の商品発送や送料無料等の付加サービスを提供する大手量販店の EC 販売額が好調 な結果となっている。
消費者への「総合的な満足度」を提供する事例として、公知情報によると、ヨドバシカメラや ビックカメラでは、パソコンや家電等の一部の製品については、24 時間以内に発送するサー ビスを提供しており、消費者からの満足度も高いと言う。
こうした取り組みを通じて、一部の大手量販店の中には、PC及び関連製品のみで100億 円超を売り上げるショップも存在しており、家電量販店におけるPCのEC売上高総額は、前 回調査の320億円と比べると13%程度増加の360億円となっている。
また、中小ショップの中で100億円近くのEC売上高を達成しているPCサクセスにおいて は、「消費者は低価格を求めていることは事実であるが、顧客に対して価格以外の付加価値 を提供することが重要である」と認識しており、「ネット販売は顔が見えない取り引きであるが故 に、特に納期を厳守することが最重要事項である」と位置づけている。
PC本体及び関連ハードウェアのメーカー直販においては、デルに代表される外資系企業 が、販売店や特約店網を介さずに、直接消費者に販売する直販モデルを武器に拡販してき たことを受け、従来では販売店網のチャネルコンフリクトを考慮し、ネット直販を展開し難かっ た国内企業の中でも、ここ数年、ネット直販を積極的に実施しようと考える企業が登場しつつ ある。
例えば、NEC の直販サイト「NEC ダイレクト」では、消費者の利便性やニーズに応えるた めに、パソコンを予算や目的に合わせて CPU やメモリー、ハードディスク等を自由に組み合 わせて購入できるほか、WEB 直販専用のモデルやパソコン関連の商品・サービスを購入す ることを可能としている。また、「NEC ダイレクト」上でメモリーのアップグレードやクーポンの 提供等の各種キャンペーンやセール情報も提供している。これらの取り組みが奏功し、購入 者からは「目的に合わせたパソコンがカスタマイズして購入できる」、「魅力あるキャンペーンが 購入の動機となった」と好評を博しており、その結果、NEC ダイレクトの売上は好調であると 言う。
それに加え、2004年の傾向として、低価格のホワイトボックスPC(家電量販店等が独自ブ