• 検索結果がありません。

建設

ドキュメント内 16 (ページ 103-108)

2.3 セグメントごとの BtoB  EC の実態と市場規模

2.3.8 建設

2.3.8.1 建設〜 BtoB の概要

建設の2004年の狭義のBtoB EC市場規模は4兆1,900億円、EC化率は4.8%であ った。建設における EC 取組は全てインターネット技術ベースで行われているため、広義の ECにおいても同額の4兆1,900億円、EC化率4.8%となる。

これらのEC市場規模には、民間企業等が建設工事の発注をECで行うもの、官公庁・自 治体等が公共工事の発注先を電子入札で決定するもの、また民間企業や官公庁・自治体等 の施主から建設工事を受注したゼネコン等が、協力会社への工事の発注を EC により行うも のが含まれている。

建設は、官公庁の公共工事における電子入札が本格展開した 2003 年に大きく伸びてお り、2002年の5,350億円から2003年には3兆5,490億円となっている。2004年は、2003 年ほどの伸びは見られないものの、ゼネコンから協力会社への発注におけるEC取組等が進 んでいることもあり、前年比18%増と着実に伸びている。

地方自治体における電子入札の導入・活用の拡大や、ゼネコンにおける協力会社に対す る建設工事の発注のEC取組が拡大している。

表 2.3.8-1 「建設」BtoB EC市場規模

(単位:億円)

品目

EC化率 EC化率

建設 41,900 4.8% 41,900 4.8%

狭義EC市場規模 広義EC市場規模

図 2.3.8-1 「建設」

狭義BtoB EC市場規模・経年推移

図 2.3.8-2 「建設」

狭義BtoB EC化率・経年推移

2.3.8.2 建設〜EC の実態

建設では、需要家(施主)からの発注に応じて、建設工事を行う大手ゼネコンや住宅メーカ ーが存在する。施主からの発注には、民間企業又は消費者が建設工事を発注する場合と、

官公庁・自治体等が公共工事を発注する場合の大きく2通りがある。

民間企業や官公庁・自治体から建設工事を受注したゼネコンは、さらにサブコンと呼ばれ る協力会社に工事を発注するほか、一部の建設資材について独自に調達を行う場合もある。

また、施主が消費者となる住宅メーカーにおいては、住宅メーカーから工務店に対して工事 の発注が行われる。

図 2.3.8-3 「建設」業界構造の概略と主なEC取組

(億円) 

110

2,700 3,770 5,350 35,490

41,900

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000

1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年

0.4% 0.6%

4.1%

4.8%

0.01% 0.2%

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%

1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年

協力会社、

工務店

ゼネコン、

住宅メーカー 建材メーカー、電子

機械器具メーカー

生コンメーカー 鉄鋼メーカー等

官公庁、

自治体 民間企業、

(C) 消費者

(c)業界のプラットフォームを利用したEC、

ゼネコン、住宅メーカー側の個別EDI

(a)民間企業等の個別EDI、

eマーケットプレイス

(b)

(a)

(b)官公庁・自治体の電子入札

図2.3.8-3に示す建設の業界構造の概略のうち主なEC取組としては、(a)民間企業が自 社で構築した個別のEDIやeマーケットプレイスを用いて建設工事の発注をECで行うもの、

(b)官公庁・地方自治体等が公共工事の電子入札を行うもの、(c)ゼネコン等が業界向けの ECプラットフォームや自社で構築した個別EDI を利用して協力会社に工事を発注するもの の3つがあげられる。

まず、民間企業が自社で構築した個別のEDIやeマーケットプレイスを用いて建設工事の 発注をECで行うもの(図2.3.8-3 (a))としては、電力やガス等の社会インフラを整備する企 業等、建設工事の発注が多い企業において、自社の調達システムを通じて、物品と同様に工 事の発注を行う場合がある。また、それ以外の民間企業では、e-マーケットプレイスを用いて 工事の発注を行う例が見られる。

同じく施主側の調達の仕組みとして、官公庁・自治体等における公共工事の電子入札(図 2.3.8-3 (b))がある。国土交通省からの発注に関しては、2003年より全面的に電子入札とな っているほか、農林水産省等においても電子入札が普及している。

自治体における電子入札の導入も拡大傾向にあり、2004年から新たに電子入札を導入し ている自治体が複数見られるほか、2005年以降に導入を予定している自治体も多く見られる。

また、自治体の電子入札については、個別の導入だけでなく、同一県下の複数の自治体が 共同の仕組みを構築する場合もある。なお、自治体が導入している電子入札は、国土交通省 の方式であるJACICの電子入札コアシステムを導入している他に、独自方式を導入している 自治体も多く、入札する側の建設会社から見ると、複数の方式が併存する状況となっている。

ゼネコン等が業界向けの EC プラットフォームを用いて工事を発注するもの(図 2.3.8-3

(c))として、建設業界の EDI 標準プロトコル(CI-NET LiteS)に対応した ASP である CIWEBが普及している。CIWEBは、従来用いられてきたCI-NETがパッケージソフトのイ ンストールが必要なのに比べWebブラウザのみで手軽に導入できるため、中小のサブコンも 含め順調に導入が拡大している。なお、CIWEB 以外にも、先行的に EC に取り組んでいる 大手ゼネコンにおいて、独自のEC取組が活発に活用されている状況がある。

この様なゼネコンと協力会社間の EC 取組については、紙の電子化による管理コストの削 減や、契約の電子化に伴う印紙削減メリットを掲げて導入を行う企業が多いが、さらにそれら

以外の効果に着目している企業も見られる。

例えばあるゼネコンでは、ECと並行して、発注に関する詳細データを社内の基幹システム に集積させることで、発注管理、資材調達先の選別、見積精度の向上を目指している。よって この会社では、内部の基幹システムを整備した後に、EC取組を積極的に拡大させている。

また、自社で構築した個別 EDI を用いて工事を発注するもの(図 2.3.8-3 (c))として、

2003年後半から2004年にかけて、工務店との取引において、新たにEC取組を行う住宅メ ーカーが現れた。この住宅メーカーでは、工務店との設計情報等の共有や、工程管理を通じ た工期短縮等を主眼としたシステムの導入を以前から進めてきており、その取組の一環として、

発注業務や請求処理へと業務連携の範囲を拡大してきている。

この住宅メーカーでは、当初進めていた情報共有のためのシステムを取引先に浸透させる ために、全国で講習会を実施し、PC に慣れていない参加者に対しては、基本的な操作方法 まで含めて教えることで利用拡大を図ってきた。これは、他の品目においても中小企業に対し て EC を拡げていく際に見られる手法である。また、直接の取引先となる工務店だけでなく、

工務店側が、さらにその取引先に発注する場合の機能もフォローしており、今では取引先の 企業にとっても、システムを利用しないと円滑に業務ができない程に定着している。そのため、

従来からあるシステムの機能延長として導入したECの普及も早く、導入1年後には、ほとん どの取引先に対する発注業務をECで実施できている。

この様に、ゼネコン・住宅メーカーから協力会社・工務店との間のEC取組については、受 発注や請求・決済に係る事務処理を電子化するだけでなく、その周辺プロセスの電子化や、

関連する内部業務の電子化等を併せて進めることで、単なる受発注の電子化以上の効果を 享受する企業が現れ始めている。

2.3.8.3 建設〜市場規模

建設の狭義のEC市場規模は全体で4兆1,900億円、EC化率は4.8%となっている。こ れは2003年の3兆5,490億円に比べて6,410億円、18.1%の増加となっている。なお、建 設においては、従来型EDIの取引は確認されておらず、広義のEC市場規模は狭義と同じ く4兆1,900億円、EC化率4.8%となる。

このうち、民間企業において建設工事の発注を、ECを用いて行うものとしては、e-マーケッ トプレイス経由のものも含めて180億円弱ある。これは、施主となる民間企業6社の調達実績

や3社分の個社推計、さらにe-マーケットプレイス2社の取扱実績を合わせたものである。

官公庁・自治体における公共工事の電子入札では2兆120億円弱を計上している。これら は、電子入札の実施府省に対するヒアリング等を基にした推計のほか、自治体に対するアン ケートにより確認した35自治体の実績値を計上している。なお、自治体の導入拡大などで電 子入札は拡大しているものの、2003年に比べて2004年の公共工事全体の発注金額が減少 していることや、推計内容の精査を行ったことで、官公庁・自治体における公共工事の電子入 札金額は、2003年の2兆2,950億円に比べて若干の減少となっている。

ゼネコン等と協力会社間の EC 取組については、ゼネコン等からの発注金額として 2 兆

1,610 億円を計上している。発注側のゼネコンにおける利用割合が増加していること等から

2003年の1兆550億円に比べて約1兆円の大きな伸びとなっている。このEC市場規模金 額は、発注側となる大手ゼネコン、及び受注側のサブコンを含めインタビュー、アンケートによ り収集した19社の実績値のほか、他社のインタビュー結果や2次資料等を基にした6社分 の推計値を合わせたものである。

表 2.3.8-2  2004年「建設」品目別BtoB EC市場規模

(単位:億円)

詳細 合計 EC化率 合計 EC化率

建築物(住宅・非住宅建築)/土木建設物、

建設工事 41,900 41,900 4.8% 41,900 4.8%

広義EC市場規模

品目 狭義EC市場規模

2.3.8.4 建設〜今後の動向

官公庁・自治体における電子入札については、2005年以降に導入を予定している自治体 が多く見られること、さらには特殊法人における導入の動きが見られること等から、今後も拡大 していくと思われる。また、機能的にも入札だけでなく、図面等の成果物の納品を電子的に行 う電子納品へと拡大してきている。

ゼネコン等における協力会社への発注に関する EC 取組については、既に導入している ゼネコンにおける利用割合が高まってきていることから、拡大していくことが予想される。また、

現在は1社にとどまっている住宅メーカーと工務店とのEC取組については、今後、同様の仕 組みを導入する住宅メーカーが現れることで、EC市場規模が増加すると考えられる。

ドキュメント内 16 (ページ 103-108)