2.3 セグメントごとの BtoB EC の実態と市場規模
2.3.12 保険サービス
図 2.3.12-1 「保険サービス」
狭義BtoB EC市場規模・経年推移
図 2.3.12-2 「保険サービス」
狭義 BtoB EC 化率・経年推移
2.3.12.2 保険サービス〜 EC の実態
保険サービスでは、保険契約者との契約交渉や保険商品の選定に保険販売員が介在し、
個別提案から見積まで実施する取引と、インターネット経由で保険販売員が介在せずに契約 の申し込みを受ける取引が存在する。保険契約者が法人の場合は、保険販売員が介在する 取引がほとんどであるが、個人向け保険では、インターネット等で保険会社が直接契約申し 込みを受付ける場合がある。また、インターネット経由での直接契約申込みや通信販売による 保険商品の販売でも、最終的には代理店経由で保険会社と契約する形を取る場合もあり、実 際には複雑な取引形態となっている。
図 2.3.12-3 「保険」業界構造の概略と主なEC取組
(億円)
0 0 0 10 40
39,340 59,370
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 0.00% 0 0.00% 0.0% 0.01%
12.0%
17.2%
0%
5%
10%
15%
20%
1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
保険代理店
保険契約者 代理店扱
保険会社
直扱 契約書郵送
(a)
(a)保険会社の 代理店システム
保険業界の業界構造上の主なEC取組としては、(a)代理店等が保険会社に対し ECを用 いて保険契約情報の入力処理を行うものがある。
これは保険契約情報の入力処理をする目的で、各保険会社が代理店システムを構築して おり、このシステムを通じて代理店が新規契約・契約更新の手続きを行うものである。これらの EC取組は、主に損害保険会社などの代理店販売率が比較的高い企業において見受けられ る。代理店システムにより、保険加入の手続きを代理店で完結できるため、保険会社側での 作業を効率化することが可能である。しかし、電子的な処理と並行して従来通り契約書を郵送 する必要があるなど、電子化したとはいえ書面でのやりとりが残っている面もあり、EC 化のメリ ットである業務効率化とペーパーレス化を最大限享受するまでには至っていない。
現状、保険会社の代理店システムは従来型の EDI からインターネット技術ベースの EDI に移行する過渡期にあり、広義ECとして捉えられていた取引が狭義ECでの取引に移行し ている状況である。インターネット技術ベースでの EC 取組により、代理店における多端末現 象の解消や、保険会社におけるデータベース管理の手間省略などのメリットがある。
尚、法人向けの保険販売においては、従来通り自社営業担当を通じての対面販売が主流 であり、取引を電子化している例は少ない。
2.3.12.3 保険〜市場規模
保険の狭義EC市場規模は全体で5兆9,370億円、EC化率は17.2%となっている。こ れは2003年の3兆9,340億円に比べて2兆30億円、50.9%の増加となっている。一方、
広義ECでは9兆5,910億円と10兆円規模のEC市場が存在し、EC化率も27.8%に達し ている。
このうち、生命保険分野におけるEC取組として、収入保険料換算の狭義ECベースで1 兆6,270億円、広義ECベース3兆5,280億円存在する。また、損害保険分野におけるEC 取引として、同じく収入保険料換算の狭義ECベースで4兆3,100億円、広義ECベースで 4兆4,360億円を計上している。
これらは、保険会社3社へのヒアリングのほか、公知情報等を基にした保険会社29社分の 推計値を合わせたものである。
表 2.3.12-2 2004年「保険」品目別BtoB EC市場規模
27.8%
95,910 17.2%
59,370 59,370
保険サービス(生命保険、損害保険)
EC化率 合計
EC化率 合計
詳細
広義EC市場規模 狭義EC市場規模
品目
(単位:億円)
27.8%
95,910 17.2%
59,370 59,370
保険サービス(生命保険、損害保険)
EC化率 合計
EC化率 合計
詳細
広義EC市場規模 狭義EC市場規模
品目
(単位:億円)
2.3.12.4 保険〜今後の動向
保険会社とその代理店間のEC については、主要な損害保険会社にはかなり浸透しつつ ある。今後は損害保険に加え、疾病・傷害・介護保険など、従来の保険分野に当てはまらな い第三分野と言われる商品や、生命保険での展開も期待される。また、今後は更なる規制緩 和により保険商品の販売チャネルの拡大も予想され、販路拡大による業務の複雑化に伴って 業務効率化のニーズが高まる可能性もあり、さらにEC化が進むと期待される。