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治験の標題:

健康日本人男性被験者を対象としたinsulin 454SIAM 50の臨床薬理試験:無作為割り付け、二重盲検、プ ラセボ対照、単回投与、並行群間比較試験

治験責任医師名:

治験実施施設:

Germany 公表文献(引用文献):

なし 治験期間:

20061220日~200738

開発のフェーズ:

1

目的:

主要目的:

健康日本人男性被験者を対象として、3用量のinsulin 454単回皮下投与及び1用量のSIAM 50単回皮下投 与後の安全性と忍容性(局所忍容性を含む)を検討する。

副次的目的:

健康日本人男性被験者を対象としてinsulin 454及びSIAM 50の単回投与後の薬物動態を検討する。

健康日本人男性被験者を対象としてinsulin 454及びSIAM 50の単回投与後の薬力学的作用を検討する。

治験方法:

無作為割り付け、二重盲検、プラセボ対照、単回投与、並行群間比較試験。4並行群(insulin 454 1.83.6 及び7.2 nmol/kg群及びSIAM 50 5.4 nmol/kg群)のいずれでも、各群8例の被験者のうち6例が実薬

insulin 454又はSIAM 50)、2例がプラセボに無作為に割り付けられ、それぞれ単回皮下投与を受けた。

本治験はスクリーニング来院(来院1)、投与来院(来院2)、投与後72時間来院(来院3)、投与後96 時間来院(来院4)及び事後調査来院(投与来院より起算して712日以内)(来院5)より構成された。

来院2では、被験者は前夜より空腹状態とし、24時間グルコースクランプ(グルコースクランプレベルの 目標値:各被験者の空腹時血糖値の10%低いレベル)を行った。また、グルコースクランプ終了後24時 間まで被験者は検査及び観察のため施設に滞在した。

計画及び解析された被験者数:

健康日本人男性被験者32例 診断及び主要な組入れ基準:

治験担当医師の判断により、スクリーニング時の既往歴、身体所見及び臨床検査から全般的に健康と判断 される男性被験者

年齢18歳以上55歳以下

日本のパスポート保有者

両親の出生地が日本である被験者

BMI(kg/m2)18.0以上27.0以下

空腹時血糖値6 mmol/L以下

被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:

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Insulin 454〔SIBA(B)〕:1.5 mL カートリッジ(1200 nmol/mL)

1.83.6又は7.2 nmol/kgの治験薬を腹部に単回皮下投与した。

ロット番号:SLDP002

SIAM 50SIAM 50A)、IAsp600 nmol/mL)とinsulin 4541200 nmol/mL)を50%50%の比率で含有 する製剤〕:1.5 mL カートリッジ

5.4 nmol/kgの治験薬を腹部に単回皮下投与した。

ロット番号:SLDP010

投与期間:

単回投与

対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:

Insulin 454のプラセボ:3 mLカートリッジ 腹部に単回皮下投与した。

ロット番号:RQ50368 評価基準:有効性 薬物動態

血清中insulin 454濃度及び血清中IAsp濃度 薬力学的作用

グルコース注入速度(GIR)、血中グルコース濃度及びCペプチド濃度

評価基準:安全性

治験薬投与下で発現した有害事象(Treatment Emergent Adverse Events、以下、有害事象とする。治験薬の投 与開始から投与の7日後までに発現した事象と定義)、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査及び尿 検査)、身体所見、バイタルサイン、12誘導心電図、血糖値及び注射部位の局所忍容性

統計手法:

プライマリーエンドポイント

以下の安全性に関するエンドポイント:有害事象、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査及び尿検 査)、身体所見、バイタルサイン、12誘導心電図、血糖値及び注射部位の局所忍容性

セカンダリーエンドポイント

薬物動態に関するセカンダリーエンドポイント(insulin 454

投与後0~5時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-5h

投与後0~6時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-6h

投与後012時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-12h

投与後0~24時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-24h

投与後096時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-96h

投与後0~無限大時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,0-inf

投与後1224時間におけるinsulin 454濃度推移曲線下面積:AUCI454,12-24h

投与後12~24時間と投与後0~24時間のinsulin 454濃度推移曲線下面積の比:

AUCI454,12-24h/AUCI454,0-24h

AUCI454,0-inf50%に到達する時間:t50%,AUCI454,0-inf

最高血清中insulin 454濃度:Cmax,I454

Cmax,I454到達時間:tmax,I454

Insulin 454の終末相における消失半減期:t1/2,I454

Insulin 454の見かけのクリアランス:CL/F,I454

Insulin 454の見かけの分布容積:Vz/F,I454

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Insulin 454の平均滞留時間:MRT,I454

Insulin 454の終末相の速度定数:λz, I454

薬物動態に関するセカンダリーエンドポイント(IAsp

投与後0~無限大時間におけるIAsp濃度推移曲線下面積:AUCIAsp,0-inf

投与後02時間におけるIAsp濃度推移曲線下面積:AUCIAsp,0-2h

投与後0~6時間におけるIAsp濃度推移曲線下面積:AUCIAsp,0-6h

投与後02時間と投与後06時間のIAsp濃度推移曲線下面積の比:AUCIAsp,0-2h/AUCIAsp,0-6h

AUCIAsp,0-inf50%に到達する時間:t50%,AUCIAsp,0-inf

最高血清中IAsp濃度:Cmax,IAsp

Cmax,IAsp到達時間:tmax,IAsp

IAspの消失半減期:t1/2,IAsp

IAspの見かけのクリアランス:CL/F,IAsp

IAspの見かけの分布容積:Vz/F,IAsp

IAspの平均滞留時間:MRT,IAsp

IAspの終末相の速度定数:λz, IAsp

薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイント

最大GIR:GIRmax

GIRmax到達時間:tGIRmax

投与後02時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-2hSIAM 50のみ)

投与後0~5時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-5h

投与後06時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-6h

投与後0~12時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-12h

投与後024時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,0-24h

投与後12~24時間におけるGIR推移曲線下面積:AUCGIR,12-24h

投与後1224時間と投与後024時間のGIR推移曲線下面積の比:AUCGIR,12-24h/AUCGIR,0-24h

AUCGIR,0-24h75%に到達する時間:t75%,AUCGIR,0-24h

AUCGIR,0-24h50%に到達する時間:t50%,AUCGIR,0-24h

AUCGIR,0-24h25%に到達する時間:t25%,AUCGIR,0-24h

AUCGIR,0-24h25%からAUCGIR,0-24h75%に到達するまでに要した時間:t75%,AUCGIR,0-24h- t25%,AUCGIR,0-24h

スムージング化されたGIR推移プロファイルでGIRmax50%を超えた時間の合計:tGIR>50% GIRmax

スムージング化されたGIR推移プロファイルで1 mg/kg/分を超えた時間の合計:tGIR>1 mg/kg/min

スムージング化されたGIR推移プロファイルで2 mg/kg/分を超えた時間の合計:tGIR>2 mg/kg/min

AUCGIR,0-24hにより標準化されたGIRmax:GIRmax/AUCGIR,0-24h(SIAM 50 のみ)

プライマリーエンドポイントの解析

安全性に関するエンドポイントについては一覧表及び要約表を作成した。

セカンダリーエンドポイントの解析 薬物動態

AUCI454,0-inf及びCmax,I454 insulin 454の用量に対する線形性を、対数変換後のAUCI454,0-inf及び対数変換後の

Cmax,I454をそれぞれ従属変数、対数変換後のinsulin 454の用量を共変量とした分散分析を用いて評価した(こ

こで、傾きが1であることは、線形を意味する)。

薬力学的作用

Insulin 454の用量反応関係は、対数変換後のAUCGIR,0-24h及び対数変換後のGIRmaxをそれぞれ従属変数、

insulin 454製剤を固定効果として含めた分散分析を用いて検討した。

被験者背景:

健康日本人男性被験者32例。平均年齢31歳(範囲:2150歳)、平均BMIkg/m221.7(範囲:18.426.9)、平均空腹時血糖値5.1 mmol/L(範囲:4.45.9 mmol/L)であった。

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すべての被験者が治験を完了し、すべての測定データを解析に含めた。

有効性の結果:

薬物動態

単回投与後のInsulin 454の薬物動態パラメータ(平均)

Trial Product N AUCI454(0-)a

(pmol·h/L)

Cmax(I454)a

(pmol/L)

tmax(I454)b

(h)

t50%,AUCI454(0-)b

(h)

t1/2(I454)c

(h) Insulin 454(1.8 nmol/kg) 6 74667 (11%) 2058 (31%) 18.0 (9.5) 30.0 (6.5) 15.9 Insulin 454(3.6 nmol/kg) 6 134935 (14%) 4279 (24%) 13.3 (2.7) 22.8 (3.1) 13.5 Insulin 454(7.2 nmol/kg) 6 248735 (13%) 6860 (33%) 14.7 (4.3) 25.0 (5.7) 12.9 SIAM 50 (5.4 nmol/kg)d 6 133420 (12%) 4427 (17%) 13.7 (3.4) 21.8 (3.7) 11.0

ageometric mean (%CV); barithmetic mean (SD); c harmonic mean; d3.6 nmol/kg insulin 454 and 1.8 nmol/kg insulin aspart

単回投与後のIAspの薬物動態パラメータ(平均)

Trial Product N AUCI4sp(0-)a

(pmol·h/L)

Cmax(IAsp)a

(pmol/L)

tmax(IAsp)b

(h)

t50%,AUCIAsp(0-)b

(h)

t1/2(IAsp)c

(h) SIAM 50 (5.4 nmol/kg)d 6 2133 (16%) 848 (11%) 1.1 (0.3) 1.8 (0.3) 1.3

ageometric mean (%CV); barithmetic mean (SD); c harmonic mean; d3.6 nmol/kg insulin 454 and 1.8 nmol/kg insulin aspart

Insulin 454及びSIAM 50を投与したすべての投与群において、平均血清中insulin 454濃度は投与後36~48 時間に顕著に減少したものの、投与後96時間でも定量下限値を超えていた。

AUCI454,0-inf及びCmax,I454insulin 454の用量の増加に伴い増大し、検討した用量範囲内でほぼ用量線形性が

示された〔AUCI454,0-inf:0.88(95%信頼区間:[0.78; 0.97])、Cmax,I454:0.88(95%信頼区間:[0.63; 1.12]〕。

3用量のinsulin 454単回投与後のt1/2,I454の平均は12.9~15.9時間であり、SIAM 50投与後では約11時間で あった。

Insulin 454の薬物動態は、insulin 454を単独で投与した場合と、同量のinsulin 454を含有するIAspとの配 合剤(SIAM 50)を投与した場合で同様であった。

SIAM 50投与後のtmax,IAspは平均1.1時間、t1/2,IAspは平均1.3時間であった。

薬力学的作用

単回投与後の薬力学的作用

Trial Product N AUCGIR(0-24h)a

(mg/kg)

GIRmaxa

(mg/kg/min)

tGIRmaxb

(h)

AUCGIR(12-24h)/ AUCGIR(0-24h)d

Placebo 8 954 (30%) 1.5 (30%) 13.3 (6.0) 0.59 (0.14)

Insulin 454(1.8 nmol/kg) 6 1241 (46%) 1.6 (35%) 11.5 (8.0) 0.54 (0.21) Insulin 454(3.6 nmol/kg) 6 2853 (31%) 3.1 (24%) 16.1 (4.0) 0.65 (0.05) Insulin 454(7.2 nmol/kg) 6 5002 (32%) 5.8 (19%) 14.8 (7.5) 0.66 (0.09) SIAM 50 (5.4 nmol/kg)c 6 5524 (26%) 9.0 (30%) 2.5 (0.5) 0.33 (0.09)

ageometric mean (%CV); barithmetic mean (SD); c 3.6 nmol/kg insulin 454 and 1.8 nmol/kg insulin aspart; dmean ratio (SD)

Insulin 454の薬力学的作用は、insulin 454の用量の増加に伴い増大した。

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Insulin 454の投与後約11~16時間でGIRmaxに到達した。

SIAM 50の投与後2.5時間でGIRmaxに到達した。GIRmaxに到達後、平均GIRは投与後約12時間まで低下 し、その後はグルコースクランプの終了(投与後24時間)まで、ある程度安定した値で維持された。

安全性の結果:

32例中3例(9%)の被験者において、3件(実薬投与後:2件、プラセボ投与後:1件)の有害事象が報 告された。これらの内訳は、プラセボ投与後の耳鳴、SIAM 50投与後の歯の障害、insulin 4547.2

nmol/kg)投与後の左大腿部血腫が各1件であった。治験担当医師により、これらすべての有害事象と治験

薬との因果関係は「なし」と判定された。

重篤な有害事象は報告されなかった。

臨床検査、バイタルサイン、心電図、尿検査及び身体所見において臨床的に問題となる所見は認められな かった。

注射部位反応は報告されなかった。

低血糖の発現はなかった。

結論:

健康日本人男性被験者におけるinsulin 454単独製剤(7.2 nmol/kgまで)、固定比率によるinsulin 4543.6

nmol/kg)とIAsp(1.8 nmol/kg)の配合剤(SIAM 50)の単回投与後の安全性に問題となる報告はなく、忍

容性は良好であることが示された。

GIR推移プロファイルに基づくと、健康日本人男性被験者における単回投与後のinsulin 454(3.6 nmol/kg 以上)の作用持続時間は24時間を超えると考えられた。

Insulin 454の薬物動態は、insulin 454単独製剤投与後と同量のinsulin 454を含有するIAspとの配合剤

SIAM 50)投与後で同様であった。

2.7.6.13.2 症例数設定の根拠

症例数の設定のための正式な統計的評価は実施しなかった。本試験は初めて日本人被験者に投与し た試験であり、主要目的は安全性及び忍容性を検討することであった。本試験の症例数は、この目的 を満たすよう設定された。

各投与群における症例数は8例(6例がinsulin 454又はSIAM 50投与、2例がプラセボの投与)と設 定された。すなわち、本試験で計画された被験者数は計32例であった。中止・脱落例があった場合、

各群8例の24時間グルコースクランプ完了例が得られるよう、被験者を補充することとした。補充し た被験者は、補充された被験者と同じ治療に割り当てられることとした。

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