治験の標題:
1型糖尿病患者を対象とした、二相性インスリンアスパルト30(BIAsp 30)(NovoMix30)を対照とし た、insulin 454とインスリン アスパルト(IAsp)の配合剤(SIAC)投与とinsulin 454とIAspの同時分割注 射の比較:無作為割り付け、二重盲検、複数期クロスオーバー試験
治験責任医師名:
治験実施施設:
Germany 公表文献(引用文献):
なし(治験総括報告書作成時)
治験期間:
2008年4月15日~2008年8月25日
開発のフェーズ:
第1相
目的:
主要目的:
1型糖尿病患者を対象として、SIAC投与及びIAspとinsulin 454の分割注射後の薬物動態を比較し、IAsp
をinsulin 454と固定比率で配合し投与することによる、IAspの薬物動態への影響を検討する。
副次的目的:
1型糖尿病患者を対象として、SIAC投与及びIAspとinsulin 454の分割注射後の薬物動態を比較し、IAsp をinsulin 454と固定比率で配合し投与することによる、insulin 454の薬物動態への影響を検討する。
1型糖尿病患者を対象として、insulin 454とIAspの配合剤(SIAC)投与後と対応する割合のinsulin 454 及びIAspの分割注射後の薬力学的作用の違いを検討する。
1型糖尿病患者を対象として、SIAC及びBIAsp 30投与後の薬物動態及び薬力学的作用を比較する。
1型糖尿病患者を対象として、insulin 454とIAspのモル比が同様でinsulin 454濃度の異なる2つのSIAC
(insulin 454濃度が600 nmol/mLのSIACとinsulin 454濃度が900 nmol/mLのSIAC)を比較し、insulin 454濃度の違いによるSIACの薬物動態プロファイルへの影響を検討する。
1型糖尿病患者を対象として、異なる処方のSIBA及びSIAC投与後の短期安全性及び忍容性を評価す る。
治験方法:
本治験は、1型糖尿病患者53例を対象とした、1施設、無作為割り付け、二重盲検(ダブルダミー)、不完 備型ブロック法、複数期クロスオーバー試験であった。本治験の目的は、処方の異なる4製剤のSIACの単 回投与について、それぞれに対応する比率のinsulin 454及びIAspの同時分割注射及びBIAsp 30と比較する ことであった。各被験者は、9通りの投与方法のうち4通りの投与を受けるよう無作為に割り付けられた。
本治験はスクリーニング来院(来院1)、無作為割り付け及び初回の投与来院前2~21日間のスクリーニン グ期間、4回の投与来院(来院2、3、4及び5)及び事後調査来院(最終投与来院より起算して8~21日以 内)(来院6)から構成された。被験者は各投与来院時に、SIAC(及びプラセボ)単回投与、BIAsp 30(及 びプラセボ)単回投与又はinsulin 454とIAspの同時分割注射のいずれかを受けた。各投与来院における薬 力学的作用の評価は、26時間グルコースクランプ施行下で得られたグルコース注入速度(GIR)に基づき 行った(グルコースクランプレベルの目標値:5.5 mmol/L)。薬物動態の評価は、投与後120時間までの血 清中インスリン濃度に基づき行った。各投与来院の間には7~15日のwash-out期間を設けた。この期間 中、被験者は治験開始前に実施していた糖尿病治療を行った。各被験者の治験期間は45~99日であった。
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計画及び解析された被験者数:
計73例の被験者がスクリーニングを受け、55例が無作為割り付けされ治験薬の投与を受けた。53例が治験 を完了し、治験薬の投与を受けた55例すべてが薬物動態、薬力学的作用及び安全性の解析対象集団に含め られた。
診断及び主要な組入れ基準:
インスリン治療期間が12ヵ月以上(投与量:1.2単位/kg/日以下)、年齢18歳以上65歳以下、HbA1c10.0%
以下、BMI(kg/m2)18.0以上27.0以下及び空腹時Cペプチド0.3 nmol/L未満の1型糖尿病と診断されてい る患者
被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:
本治験には、以下の9通りの投与方法があった。被験者はこのうち4通りの投与を受けた。治験薬はすべて 腹部に皮下投与した。
Treatment Insulin aspart Dose Insulin 454 Dose 1. SIAC 30 (B) + Placebo 1.66 nmol/kg 3.86 nmol/kg 2. Insulin aspart + SIBA (E) 1.68 nmol/kg 3.84 nmol/kg 3. SIAC 40 (C) + Placebo 1.70 nmol/kg 3.83 nmol/kg 4. Insulin aspart + SIBA (D) 1.68 nmol/kg 3.78 nmol/kg 5. SIAC 45 (B) + Placebo 2.48 nmol/kg 3.04 nmol/kg 6. Insulin aspart + SIBA (E) 2.46 nmol/kg 3.06 nmol/kg 7. SIAC 55 (C) + Placebo 2.48 nmol/kg 3.04 nmol/kg 8. Insulin aspart + SIBA (D) 2.46 nmol/kg 3.06 nmol/kg 9. BIAsp 30 + Placebo 3.84 nmol/kg
-Trial Product Concentration
(Insulin aspart/
Insulin 454)
Actual Concentration (Insulin aspart/
Insulin 454)
Batch Number
SIAC 30 (B), 100 DU/mL 600/600 nmol/mL 180/420 nmol/mL TLDP010 SIAC 40 (C), 100 DU/mL 600/900 nmol/mL 240/540 nmol/mL TLDP017 SIAC 45 (B), 100 DU/mL 600/600 nmol/mL 270/330 nmol/mL TLDP011 SIAC 55 (C), 100 DU/mL 600/900 nmol/mL 330/405 nmol/mL TLDP022 SIBA (E), 100 DU/mL -/600 nmol/mL -/600 nmol/mL TQ50434 SIBA (D), 100 DU/mL -/900 nmol/mL -/900 nmol/mL TQ50435 Insulin aspart (NovoRapid®), 100 U/mL 600/- nmol/mL 600/- nmol/mL TQ50706 BIasp 30 (NovoMix®30), 100 U/mL 600/- nmol/mL 600/- nmol/mL TQ50703
Placebo - - TLDP009
投与期間:
来院間隔を設けた4回の投与来院に治験薬をそれぞれ単回投与した。
対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:
SIAC投与を、insulin 454及びIAspの同時分割注射ならびにBIAsp 30投与と比較した。
評価基準:薬物動態及び薬力学的作用 薬物動態
血清中IAsp濃度
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血清中insulin 454濃度 薬力学的作用
GIR
血中グルコース濃度 評価基準:安全性
有害事象、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査及び尿検査)、身体所見、バイタルサイン、心電 図、注射部位の局所忍容性及び低血糖
統計手法:
プライマリーエンドポイント及びセカンダリーエンドポイント
本治験のプライマリーエンドポイントは、SIACの4製剤投与後0~2時間までの血清中IAsp濃度推移曲線
下面積(AUCIAsp,0-2h,SD)であった。
薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントは最大GIR(GIRmax)、GIRmax到達時間(tGIRmax)及び GIR推移曲線下面積(AUCGIR)であった。これらに加え、GIRmaxを投与後0~24時間におけるGIR推移曲 線下面積の平均で除した値〔GIRmax/(AUCGIR,0-24/24h)〕、スムージング化されたGIRプロファイルで1 mg/kg/分を超えた時間の合計(tGIR>1 mg/kg/min)、スムージング化されたGIR推移プロファイルで2 mg/kg/分 を超えた時間の合計(tGIR>2 mg/kg/min)及び作用終了時点〔グルコースクランプ施行下で血糖値が8.3 mmol/L
(150 mg/dL)を超えた時間〕を算出した。薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントは、IAsp及び insulin 454の最高血清中濃度(Cmax)、Cmax到達時間(tmax)及び血清中濃度-時間推移曲線下面積(AUC) であった。さらに、IAsp及びinsulin 454のt50%、投与後0~無限大時間における血清中濃度推移曲線下面積
(AUC0-inf)、終末相の速度定数(z)、消失半減期(t1/2)、見かけのクリアランス(CL/F)、見かけの分
布容積(Vz/F)及び平均滞留時間(MRT)をそれぞれ算出した。
プライマリーエンドポイント及びセカンダリーエンドポイントの解析
すべての解析における有意水準は両側5%とした。解析モデルの下で記述統計量及び95%信頼区間を算出し た。プライマリーエンドポイントに対する解析の目的は、AUCIAsp,0-2h,SDを指標として、SIACの4製剤投与 とそれぞれに対応する割合のinsulin 454及びIAspの同時分割注射を比較し、配合によるIAsp薬物動態の変 化を評価することであった。対数変換したAUCIAsp,0-2h,SD、時期及び製剤を固定効果、被験者内変動を考慮 し、被験者を変量効果として含めた混合効果モデルを用いた。本モデルは9通りの投与方法を用いて得ら れたすべてのデータに用いるが、主要目的を評価するためにこれら9つのうちの8投与方法のみ使用され た。薬物動態及び薬力学的作用のセカンダリーエンドポイントについては、プライマリーエンドポイント と同様の解析を行った。
Insulin 454及びIAspのモル比がほぼ同じでinsulin 454濃度が異なるSIAC間の力価差を、以下の製剤間比 較で推定した:SIAC 30(B)とSIAC 40(C)(両製剤ともモル比0.4)及びSIAC 45(B)とSIAC 55
(C)(両製剤ともモル比0.8)。
4つのSIAC製剤とBIAsp 30をそれぞれ比較した。
探索的な評価を目的として、insulin 454濃度の同じSIAC間の比較を行った:SIAC 30(B)とSIAC 45
(B)、及びSIAC 40(C)とSIAC 55(C)。
その他の薬物動態及び薬力学的作用のエンドポイントは記述統計量を求め、評価した。
安全性に関するエンドポイントの解析
安全性に関するエンドポイントについては表及び一覧を作成し、正式な統計解析(モデルを用いた解析)
は行わなかった。
被験者背景:
1型糖尿病患者55例〔男性:49例(89%)、女性:6例(11%)〕が無作為割り付けされ、治験薬の投与を 受けた。被験者の人種は、白人52例(95%)及び黒人3例(5%)であった。被験者の平均年齢は42歳及 び平均BMI(kg/m2)は24.2であった。糖尿病罹病期間は2~45年であり、HbA1cの平均は7.6%であった
(範囲:6.0%~9.8%)。
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有効性の結果:
SIAC(IAsp及びSIBAとの比較)
IAspに関する薬物動態エンドポイント(AUCIAsp,0-2h,SD、AUCIAsp,0-6h,SD及びCmax,IAsp,SD)は分割投与後に比 べてSIAC投与後で低かった(AUCIAsp,0-2h,SD及びCmax,IAsp,SDの比:それぞれ約0.7、AUCIAsp,0-6h,SDの比:約 0.9)。すべての比の推定値は、1より小さく、統計的に有意であった。
最高IAsp濃度到達時間は、分割投与後に比べてSIAC投与後で約15分遅かった。
Insulin 454プロファイルはSIAC投与後と分割投与後で同様であった。比の推定値は1に近く、統計的な
有意差はみられなかった。
薬力学的作用に関するエンドポイント(AUCGIR,0-6h,SD及びGIRmax,SD)は、SIAC投与後及び対応する SIBA及びIAspの同時分割投与後で差は認められなかった(比の推定値は1に近かった)。
薬力学的作用に関するエンドポイント(AUCGIR,0-2h,SD及びGIRmax,SD/AUCGIR,0-24h,SD)は、SIAC投与後にお いて、対応するSIBA及びIAspの同時分割投与後と比べて、わずかに小さかった(比:約0.75~ 0.90)。対照的に、AUCGIR,0-24h,SDは対応する同時分割投与と比べて、SIAC 40(C)及びSIAC 55(C)で 12%高かった。これらのエンドポイントの比の推定値は、1より大きく、統計的に有意であった。
SIAC(BIAsp 30との比較)
投与後3時間までの平均IAsp濃度―時間推移プロファイルは、SIAC 30(B)、SIAC 40(C)及びBIAsp 30で同様であった(AUCIAsp,0-2h,SD及びCmax,IAsp,SDはいずれの投与後においても同様であった)。
SIAC 45(B)、SIAC 55(C)のIAspの薬物動態エンドポイントはBIAsp 30に比べて約35%~50%大き く、統計的に有意であった。
投与開始後3時間までのGIR推移プロファイルは、SIAC 30(B)及びSIAC 40(C)とBIAsp 30で同様 であった。薬力学的作用に関するエンドポイント〔AUCGIR,0-2h,SD、AUCGIR,0-6h,SD及びGIRmax,SD/(AUC
GIR,0-24h,SD/24h)〕の比の推定値は約1であった。AUCGIR,0-24h,SD及びGIRmax,SDは、SIAC投与後で高く、統計的な
有意差が認められた。
SIAC 45(B)及びSIAC 55(C)の薬力学的作用プロファイルは、すべての薬力学的作用に関するエンド
ポイントにおいてBIAsp 30と比べて約5%~30%高く、ほとんどのエンドポイントで統計的に有意差が認 められた。
SIAC製剤間の比較
Insulin 454濃度の異なるSIAC製剤間でIAspプロファイルに違いはみられなかった。
Insulin 454濃度の異なるSIAC製剤間でinsulin 454プロファイルに大きな違いはみられなかったが、
Cmax,I454,SD及びAUCI454,0-6h,SDはSIAC 40(C)に比べてSIAC 30(B)でわずかに大きかった。
薬力学的作用に関するエンドポイントに違いは認められなかった。
探索的解析において、同じ容量で投与されたSIAC製剤間で、IAsp及びinsulin 454の薬物動態プロファ イル及び薬力学的作用プロファイルにわずかな違いが認められた。
安全性の結果:
本治験において、投与を受けた55例のうち20例に42件の有害事象が報告された。これらの事象のうち 治験薬との因果関係が「あり」又は「可能性あり」と判断された有害事象は15件であった。ほとんどの 有害事象(42件中27件)の重症度は中等度であり、14件が軽度であった。重度の事象は1件のみであ った(当該事象は重篤な有害事象として分類された)。
最も多く報告された有害事象は頭痛であった(42件中26件)。さらに、下痢が3件、発熱及び静脈炎が それぞれ2件報告された。残りの有害事象はそれぞれ1件のみ報告された。
治験期間中1件の重篤な有害事象が報告された(意識消失を伴う低血糖症、治験薬との因果関係「な し」)。死亡は報告されず、すべての被験者が有害事象から回復した。
臨床検査、バイタルサイン、心電図又は身体所見において臨床的に問題となる所見は認められなかっ た。
注射部位の評価において問題となる所見は報告されなかった。
概して、193件の低血糖(重大な低血糖1件、重大でない低血糖190件及び低血糖症状2件)が報告され Page 108 of 2204