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治験の標題:

1型糖尿病患者を対象とした、NN1250及びインスリン グラルギン(IGlar)投与後の定常状態における薬力 学的作用の被験者内変動の比較:無作為割り付け、1施設、二重盲検、反復投与、並行群間比較試験 治験責任医師名:

Dr Tim Heise, Profil Institut für Stoffwechselforschung GmbH, Germany 治験実施施設:

Profil Institut für Stoffwechselforschung GmbH, Hellersbergstrasse 9, D-41460 Neuss, Germany 公表文献(引用文献):

なし(治験総括報告書作成時)

治験期間:

2009727日~20091026

開発のフェーズ:

1

目的:

主要目的:

1型糖尿病患者を対象として、定常状態における1回の投与間隔での薬力学的反応の被験者内変動(Days 69及び12に測定される)を、インスリン デグルデク(IDeg)及びIGlar投与後で比較する。

副次的目的:

IDeg及びIGlar投与後の定常状態における薬力学的作用特性の被験者内変動を比較する。

IDeg及びIGlar投与後の定常状態における薬物動態特性の被験者内変動を比較する。

IDeg及びIGlar投与後の定常状態における薬力学的作用特性を検討する。

IDeg及びIGlar投与後の定常状態における薬物動態特性を検討する。

IDegの安全性及び忍容性を評価する。

治験方法:

本治験は、1型糖尿病患者を対象とした、IDeg及びIGlar投与後の定常状態における薬力学的反応の被験者 内変動を比較する、無作為割り付け、1施設、二重盲検、並行群間比較試験であった。

各被験者は、IDeg又はIGlar投与群のいずれかに無作為割り付けされた。被験者は、1112日間、固定 された用量(0.4単位/kg)で治験薬の投与を受けた(dosing days/treatment days)。投与期間中、被験者は食 後の血糖コントロールのため、治験責任医師の指導の下インスリン アスパルト(IAsp)を自己注射した。

本治験は、スクリーニング来院、スクリーニング来院後2~21日に実施される投与来院(計13日間の来院 29)及び最終投与後721日に実施される事後調査来院の10回の来院により構成された。来院2で、被 験者は治験薬投与後48時間入院した。この入院期間中に、IDeg又はIGlarの最初の3回の投与を行った。

来院3及び4は外来とし、被験者は採血及び治験薬の投与のために来院した。被験者はDay 6(最初のグル コースクランプのための来院)に来院し、そのまま入院した。定常状態における薬力学的反応は、治験薬 投与後に実施された24時間グルコースクランプを用いて評価した。さらに、グルコースクランプ中に薬物 動態評価のための採血を行った。グルコースクランプの終了時に、翌日の治験薬が投与された(Day 7)。

被験者はそのまま治験実施施設に滞在し、(グルコースクランプは実施せずに)薬物動態評価のための追 加の採血を行った(来院6)。8回目の治験薬投与後、被験者は退院し、翌日に再来院(来院7)するよう に指導された。来院7では、9回目の治験薬投与が行われ、2回目のグルコースクランプが行われた。グル コースクランプの手順は1回目と同様であった。24時間後、10回目の治験薬投与が行われた。被験者は、

グルコースクランプ終了後約2時間、又は治験責任医師が必要と判断した場合には、2時間以上経過後に退 院した。翌日の来院8は外来とし、11回目の治験薬投与及び採血が行われた。Day 12に、被験者は3回目

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のグルコースクランプのため入院した(来院9)。3回目のグルコースクランプは、1回目及び2回目と同 様の手順で実施された。最後に、事後調査来院(来院10)が来院9での治験薬投与後721日に行われ た。各被験者の予定治験期間は22~55日であった。

計画及び解析された被験者数:

50例の被験者が治験を完了するよう計画された。68例がスクリーニングを受け、54例が無作為割り付け され治験薬の投与を受けた。52例が治験を完了した。治験期間中に同意を撤回した2例の被験者は、最大 の解析対象集団〔full analysis setFAS)〕に含められた。

診断及び主要な組入れ基準:

インスリンの頻回投与による治療期間が12ヵ月以上(投与量:1.2単位/kg/日未満)、年齢18歳以上65歳 以下、HbA1c10.0%以下、BMI(kg/m2)18.0以上28.0以下及び空腹時Cペプチド0.3 nmol/L未満の1型糖尿 病患者

被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:

IDeg:3 mL Penfill®カートリッジ(100単位/mL、ノボ ノルディスク)

0.4単位/kgの治験薬を大腿部へ皮下投与した。

ロット番号VCQ0013

投与期間:

IDeg又はIGlar11回、12日間投与 対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:

IGlar(Lantus®):3.0 mLカートリッジ(100単位/mL、Sanofi Aventis)

0.4単位/kgの治験薬を大腿部へ皮下投与した。

ロット番号40U607

評価基準:薬物動態及び薬力学的作用 薬力学的作用

グルコース注入速度(GIR)

血中グルコース濃度(BG) 薬物動態

血清中IDeg濃度

血漿中IGlar濃度 評価基準:安全性

有害事象

身体所見

バイタルサイン

心電図

安全性に関する臨床検査項目(血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査、血液凝固因子及び脂質検 査)

低血糖

統計手法:

プライマリーエンドポイントの解析

プライマリーエンドポイント〔定常状態における1回の投与間隔(024時間)でのGIR推移曲線下面積

(AUCGIR,τ,SS)〕は、3回のグルコースクランプのための来院期間中のDays 6、9及び12に測定された個々

GIR推移プロファイルより算出された。プライマリーエンドポイントは、スムージング化されたGIR Page 129 of 2204

移曲線下面積として、線形台形法によって算出した(補間された点を使用)。本解析では、AUCGIR,τ,SSに基

づくIDeg及びIGlar間の被験者内変動の違いを評価した。プライマリーエンドポイントは対数変換し、イ

ンスリン製剤及び時期を固定効果ならびに被験者を変量効果として含めた線形混合モデルを用いて解析し た。その際、不等分散であることを考慮に入れて、変量効果である被験者間変動及び誤差分散はインスリ ン製剤に依存するものとした。製剤間の被験者内変動の違いは誤差分散の比として評価した。投与群間の 被験者内変動に違いがないという検定を、有意水準を5%とし、F分布に基づいて評価した。被験者内変動 の2つの製剤(IGlarを対照薬とする)間の比の点推定値に対する95%信頼区間を、Satterthwaiteにより自由 度を近似的に調整したF分布を仮定し算出した。変動係数(CV%)は、統計解析において、対数尺度で推 定された被験者内変動に基づき算出した。

薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントの解析

薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントは、3回のグルコースクランプのための来院期間中の

Days 69及び12に測定された個々のGIR推移プロファイルより算出された。薬力学的作用に関するセカ

ンダリーエンドポイント〔定常状態における投与後2~24時間のGIR推移曲線下面積(AUCGIR,2-24h,SS)、

投与後012時間のGIR推移曲線下面積(AUCGIR,0-12h,SS)、AUCGIR,0-12h,SSと投与後0~無限大時間のGIR推 移曲線下面積(AUCGIR,τ,SS)の比(AUCGIR,0 12h,SS/AUCGIR,τ,SS)及び最大GIR(GIRmax,SS)〕は対数変換した。

IDeg及びIGlar間の被験者内変動を比較するため、インスリン製剤及び時期を固定効果ならびに被験者を変

量効果として含めた混合モデルを用いて解析した。その際、変量効果である被験者間変動及び誤差分散は インスリン製剤に依存するものとした。製剤間の被験者内変動の違いは誤差分散の比として評価した。投 与群間の被験者内変動に違いがないという検定を、プライマリーエンドポイントに対する解析と同様に、

有意水準を5%とし、F分布に基づいて評価した。薬力学的作用における変動のエンドポイント〔定常状態 におけるGIR推移曲線の変動(AUCFGIR,τ,SS)、投与後012時間のGIR推移曲線の変動(AUCF

GIR,0-12h,SS)、投与後12~24時間のGIR推移曲線の変動(AUCFGIR,12-24h,SS)及び血糖値(BG24h,SS)〕は対数変換

し、IDeg及びIGlar間の平均の違いを、有意水準を5%として、インスリン製剤及び時期を固定効果ならび

に被験者を変量効果として含めた線形混合モデルを用いて解析した。その際、変量効果である被験者間変 動及び誤差分散はインスリン製剤に依存するものとした。被験者内変動は要約統計量を用いて評価した。

その他すべての薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントは投与群ごとに要約した。

薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントの解析

対数変換した2つの薬物動態に関するセカンダリーエンドポイント(AUCτSS及びAUC0-12h,SS)における被 験者内変動は、時期を固定効果、被験者を変量効果として含めた線形混合モデルを用いて、IDeg及びIGlar に対してそれぞれ算出した。被験者内変動についてIDeg及びIGlarを比較するための正式な統計解析(モ デルを用いた解析)は行わなかった。統計解析には、3回のグルコースクランプのための来院期間中の

Days 69及び12で測定した定常状態におけるインスリン濃度推移曲線を用いた。

被験者背景:

54例〔男性:48例(89%)、女性:6例(11%)〕が無作為割り付けされ、本治験薬の投与を受けた。被験 者の人種は、白人53例、黒人又はアフリカ系アメリカ人1例であった。被験者の平均年齢は38.3歳及び平 均BMI(kg/m2)は24.6であった。糖尿病罹病期間は3~51年、HbA1cは平均7.66%(範囲:5.4~9.8%)で あった。

有効性の結果:

AUCGIR,τ,SSAUCGIR,0-12h,SSAUCGIR,2-24h,SS及びGIRmax,SSの変動係数に基づいた定常状態での被験者内変動

は、IGlarと比較してIDegで統計的に有意に小さかった。IGlarの定常状態における被験者内変動はIDeg と比較し約4倍大きかった。

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