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治験の標題:

2型糖尿病患者を対象としたNN12501の定常状態における薬力学的反応の検討試験 治験責任医師名:

Tim Heise, MD, Profil Institut für Stoffwechselforschung GmbH, Neuss, Germany 治験実施施設:

Profil Institut für Stoffwechselforschung GmbH, Hellersbergstrasse 9, D-41460 Neuss, Germany 公表文献(引用文献):

なし(総括報告書作成時)

治験期間:

2010629日~2010年1119

開発のフェーズ:

1相 目的:

主要目的:

各投与間隔(024時間)のグルコース注入速度(GIR)推移曲線下面積に基づき、臨床用量範囲内の3 用量におけるインスリン デグルデク(IDeg)100単位/mL製剤の定常状態における薬力学的作用に関す る用量反応関係を評価する。

副次的目的:

3用量のIDeg 100単位/mL製剤及び1用量のIDeg 200単位/mL製剤の定常状態における薬力学的作用の 特性を検討する。

IDeg 100単位/mL製剤の定常状態における薬物動態に関する用量-血中濃度関係を評価する。

3用量のIDeg 100単位/mL製剤及び1用量のIDeg 200単位/mL製剤の単回投与後及び定常状態における 薬物動態の特性を検討する。

定常状態に達するまでのIDegの薬物動態に関するトラフ値を評価する。

3用量のIDeg 100単位/mL製剤及び1用量のIDeg 200単位/mL製剤の安全性及び忍容性を評価する。

治験方法:

本治験は、2型糖尿病患者を対象とした、3用量のIDeg 100単位/mL製剤の定常状態における用量反応関係 を評価し、IDeg 200単位/mL製剤の薬力学的反応の特性を検討する、無作為割り付け、1施設、反復投与、

二重盲検、不完備型ブロック法、2期クロスオーバー試験であった。各被験者は、4通りの治療(0.4単位 /kg、0.6単位/kg及び0.8単位/kgのIDeg 100単位/mL製剤ならびに0.6単位/kgのIDeg 200単位/mL製剤)の うち2つの治療を受けるよう無作為割り付けされた。各投与期間は、IDeg11回投与を行う6日間及 び最終投与後120時間まで採血を行う5日間で構成された。薬力学的反応は治験薬の最終投与後の26時間 グルコースクランプにより評価された。本治験は、スクリーニング来院(無作為割り付け前221日)、2 期の投与期間(投与期間はそれぞれ11日間)及び事後調査来院(治験薬の最終投与後7~21日)により構 成された。無作為割り付けは最初の投与来院に実施された。各投与期間の間には13~21日間のwash-out期 間を設け、その間被験者は通常のインスリン治療を受けた。各被験者の予定治験期間(スクリーニング~

事後調査)は、合計34~75日間であった。

計画及び解析された被験者数:

45例の被験者が治験を完了するよう計画された。67例がスクリーニングを受け、49例が無作為割り付け

1:NN1250は、インスリン デグルデク(IDeg)の旧称である。

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され治験薬の投与を受けた。1例が被験者の個人的理由により治験を中止し、48例が治験を完了した。無作 為割り付けされた49例を最大の解析対象集団〔full analysis setFAS)〕及び安全性解析対象集団に含め た。

診断及び主要な組入れ基準:

2型糖尿病罹病期間12ヵ月以上、インスリン治療中(basalインスリン投与量0.2単位/kg/日以上及び1日総 インスリン投与量1.2単位/kg/日未満)、年齢18以上70歳以下、HbA1c10.0%以下、BMI(kg/m2)35.0以 下、空腹時Cペプチド1.0 nmol/L未満の2型糖尿病患者男女。

主な除外基準は、悪性腫瘍又は心疾患の既往を有するもしくは併発している被験者、スクリーニングにお ける仰臥位血圧が収縮期90140 mmHg又は拡張期5090 mmHgの範囲から逸脱する被験者、増殖網膜症 又は黄斑症、及び/又は重度の神経障害を有する被験者、重大な低血糖を繰り返し発現する又は無自覚低 血糖被験者及び喫煙者であった。

被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:

IDegM):3 mL Penfill®カートリッジ(100単位/mL

0.4単位/kg0.6単位/kg又は0.8単位/kgIDegを大腿部に116日間皮下投与した。

ロット番号:XCQ0001

IDeg(P):3 mL Penfill®カートリッジ(200単位/mL)

0.6単位/kgIDegを大腿部に116日間皮下投与した。

ロット番号:XCQ0018 投与期間:

2期の投与期間において、6日間のIDeg11回投与がそれぞれ実施された。各被験者の治験期間は、合 計34~75日間であった。

対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:

本治験において対照薬は用いていない。

評価基準:有効性 薬力学的作用

GIR

血中グルコース濃度

Cペプチド濃度

薬物動態

血清中IDeg濃度 評価基準:安全性

有害事象

身体所見

バイタルサイン

心電図

低血糖

安全性に関する臨床検査項目 統計手法:

薬力学的作用及び薬物動態の解析はFASに基づき実施された。FASには無作為割り付けされたすべての被 験者を含めた。安全性の解析は安全性解析対象集団に基づき実施した。安全性解析対象集団には、少なく とも1回の治験薬又は対照薬の投与を受けたすべての被験者を含めた。

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プライマリーエンドポイントの解析

プライマリーエンドポイントは、IDeg(100単位/mL)の定常状態における各投与間隔(0~24時間)の GIR推移曲線下面積(AUCGIR,τ,SS)である。

AUCGIR,τ,SSは、スムージング化されたGIR推移曲線下面積として、線形台形法によって算出した(補間され

た点を使用)。評価区間の終わりに欠測値がある場合、last observation carried forwardを用いた。対数変換

したAUCGIR,,SSは、すべてのデータに基づき、時期、製剤及び用量を固定効果、被験者を変量効果として

含めた線形混合モデルを用いて解析した。

さらに探索的解析として、IDeg100単位/mL)の用量反応関係をある関数形式(例えば対数変換した

AUCGIR,,SSと用量との線形関係)で記述し、検討した。

薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントの解析

各被験者の定常状態におけるGIR推移プロファイル及び血中グルコース濃度プロファイルにより算出され る薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイント:AUCGIR,τ,SS(IDeg 200単位/mL製剤について)、定 常状態における投与後012時間のGIR推移曲線下面積(AUCGIR,0-12h,SS)、GIR推移曲線下面積の比

AUCGIR,0-12h,SS/AUCGIR,τ,SS)、最大GIRGIRmax,SS)、GIRmax,SS到達時間(tGIRmax,SS)、投与後24時間にお

ける最後の10分間の平均血中グルコース濃度(BG24h,SS)及び作用持続時間。作用持続時間は、治験薬投与 から血中グルコース濃度が8.3 mmol/Lを超える(効果の終了と定義される)までの時間と定義した。薬力 学的作用に関するすべてのセカンダリーエンドポイントについては治療別に要約した。IDeg 200単位/mL製

剤のAUCGIR,τ,SSGIRmax,SSは、プライマリーエンドポイントと同様の方法で解析した。0.6単位/kgIDeg

100単位/mL製剤とIDeg 200単位/mL製剤をAUCGIR,τ,SSと比較した。

薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントの解析

血清中IDeg濃度推移曲線より算出される単回投与後及び定常状態におけるIDeg 100単位/mL製剤及びIDeg 200単位/mL製剤の薬物動態に関するセカンダリーエンドポイント:

定常状態:定常状態における各投与間隔の血清中IDeg濃度推移曲線下面積(AUCIDeg,τ,SS)、投与後0~12 時間の血清中IDeg濃度推移曲線下面積(AUCIDeg,0-12h,SS)、血清中IDeg濃度推移曲線下面積の比

(AUCIDeg,0-12h,SS/AUCIDeg,τ,SS)、最高血清中IDeg濃度(Cmax,IDeg,SS)、Cmax,IDeg,SS到達時間(tmax,ins,SS)、各投

与間隔の最後のIDegトラフ濃度(ITCIDeg)、IDegの消失半減期(t½,IDeg,SS)、定常状態のAUCIDeg,0-24hと単 回投与後のAUCIDeg,0-24hの比(AUCIDeg,τ,SS/AUCIDeg,0-24h,SD)、定常状態のCmax,IDegと単回投与後のCmax,IDegの比

Cmax,IDeg,SS/Cmax,IDeg,SD)、IDeg濃度の消失速度定数(z,ins,SS

単回投与後:単回投与後の投与後024時間における血清中IDeg濃度推移曲線下面積(AUCIDeg,0-24h,SD)、

最高血清中IDeg濃度(Cmax,IDeg,SD)、Cmax,IDeg,SD到達時間(tmax,IDeg,SD)及びIDegonset of appearance

薬物動態に関するすべてのセカンダリーエンドポイントについては、治療別に要約した。対数変換した

AUCIDeg,τ,SS及びCmax,IDeg,SSは、時期、製剤及び用量をカテゴリー効果、被験者を変量効果として含めた線形

混合モデルを用いて解析した。不等分散であることを考慮に入れて、誤差分散は製剤に依存するものとし た。さらに探索的解析として、用量血中濃度関係をある関数形式(例えば対数変換したエンドポイントと 用量との線形関係)で記述し、検討した。

安全性に関するエンドポイントの解析

安全性に関するエンドポイントは、有害事象、身体所見、バイタルサイン、心電図、低血糖及び安全性に 関する臨床検査項目である。

すべての安全性に関するエンドポイントについて、一覧表を作成し、記述統計量で要約した。

被験者背景:

無作為割り付けされ、治験薬の投与を受けた49例の被験者はすべて白人であり、大部分が男性であった。

平均年齢は58.7歳、平均BMI29.6 kg/m2であった。糖尿病罹病期間の平均は14年であり、HbA1cの平均 は7.6%、Cペプチドの平均は0.44 nmol/Lであった。

有効性の結果及び結論:

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薬力学的作用

IDeg 100単位/mL製剤の血糖降下作用(AUCGIR,τ,SS)は、用量(0.4単位/kg0.6単位/kg又は0.8単位 /kg)の増加に伴い用量線形的に増加した。

GIRmax,は用量の増加に伴い増加した。IDeg 100単位/mL製剤のtGIRmax,SSは投与後11~13時間であり、

0.6単位/kgIDeg 200単位/mL製剤のtGIRmax,SSは投与後12時間であった。

IDeg 100単位/mL製剤及び200単位/mL製剤いずれも、AUCGIR,0-12h,SSAUCGIR,τ,SSの比はほぼ0.5であ り、各投与間隔(024時間)における投与開始後~12時間及び投与後12時間以降の血糖降下作用は同 様であることが示された。

IDeg 100単位/mL製剤の3用量及びIDeg 200単位/mL製剤いずれも、26時間を越える血糖降下作用を有 することが示された。26時間グルコースクランプ施行中に血中グルコース濃度が8.3 mmol/Lを超えた

(効果の終了と定義される)被験者は認められなかった。

IDeg 100単位/mL製剤及び200単位/mL製剤のGIR推移プロファイルは、平坦で安定していた。

Treatment IDeg 100U/mL 0 4U/kg IDeg 100U/mL 0 6U/kg IDeg 100U/mL 0 8U/kg

Glucose Infusion Rate (mg/(kg*min))

0 1 2 3 4 5 6

Time since injection (hours)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

Treatment IDeg 200U/mL 0 6U/kg

Glucose Infusion Rate (mg/(kg*min))

0 1 2 3 4 5 6

Time since injection (hours)

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

1 定常状態における投与後24時間の平均GIR推移プロファイル〔0.4単位/kg、0.6単位/kg又は0.8単 位/kgのIDeg 100単位/mL製剤(左)及びIDeg 200単位/mL製剤(右)〕

薬物動態

IDeg 100単位/mL製剤の総曝露量は用量の増加に伴い用量比例的に増加した。用量(対数変換後)に対

する対数変換されたAUCτ,SSの傾きの推定値は、それぞれ0.93〔95%信頼区間:[0.82; 1.03]〕であった。

IDeg 100単位/mL製剤の最大曝露量は用量の増加に伴い用量比例的に増加した。用量(対数変換後)に

対する対数変換されたCmax,SSの傾きの推定値は、それぞれ0.94〔95%信頼区間:[0.81; 1.08]〕であった。

IDeg 100単位/mL製剤及び200単位/mL製剤いずれも、AUC0-12h,SSAUC,SSの比はほぼ0.5であった。各 投与間隔(0~24時間)における投与開始後~12時間及び投与後12時間以降のIDegの曝露量は同様で あることが示された。

IDeg 100単位/mL製剤及び200単位/mL製剤の薬物動態プロファイルは、平坦で安定していた。

AUCIDeg,,SS及びCmax,IDeg,SSは、IDeg 100単位/mL製剤と比較し200単位/mL製剤でわずかに小さかった。

終末相の消失半減期(調和平均)は、3用量のIDeg 100単位/mL製剤で25.1時間、0.6単位/kgのIDeg 200単位/mL製剤で26.2時間であった。

IDeg 100単位/mL製剤のonset of appearanceは投与後3546分であり、高用量でより早かった。IDeg 200 単位/mL製剤のonset of appearanceは投与後51分であった。

IDeg 100単位/mL製剤及び200単位/mL製剤のいずれも、投与後4872時間(23日)で定常状態に達 し、定常状態と単回投与後の総曝露量の比は1.8~2.2であった。

安全性の結果及び結論:

IDeg 100単位/mL製剤を投与された被験者で13例(27%)に計21件、IDeg 200単位/mL製剤を投与され Page 188 of 2204