治験の標題:
1型糖尿病患者を対象としたNN54011及びNN12502間ならびにNN5401及びインスリン アスパルト(IAsp)
間の薬物動態及び薬力学的作用の特性の比較試験 治験責任医師名:
治験実施施設:
Germany 公表文献(引用文献):
なし(総括報告書完成時)
治験期間:
2010年7月27日~2010年11月29日
開発のフェーズ:
第1相
目的:
主要目的:
投与後0~6時間におけるグルコース注入速度(GIR)推移曲線下面積(AUCGIR,0-6h,SD)に基づくインスリ ン デグルデク/インスリン アスパルト(IDegAsp)及びインスリン デグルデク(IDeg)の薬力学的反応を 製剤間で比較し、また投与後6~24時間におけるGIR推移曲線下面積(AUCGIR,6-24h,SD)に基づく
IDegAsp及びIAspの薬力学的反応を製剤間で比較する。
副次的目的:
薬力学的作用の特性をIDegAsp、IDeg及びIAsp間で比較する。
薬物動態の特性をIDegAsp及びIDeg間(IDegの血中濃度に基づく)ならびにIDegAsp及びIAsp間
(IAspの血中濃度に基づく)で比較する。
投与量で基準化した薬物曝露量をIDegAsp及びIDeg間(IDegの血中濃度に基づく)ならびにIDegAsp及 びIAsp間(IAspの血中濃度に基づく)で比較する。
IDegAsp、IDeg及びIAspの安全性及び忍容性を評価する。
治験方法:
本治験は、1型糖尿病患者を対象とした、無作為割り付け、1施設、非盲検、3期クロスオーバー試験であ った。各被験者は、IDegAsp、IDeg及びIAspの3製剤の単回投与(各投与来院間には間隔を設けた)をい ずれかの投与順序で受けるよう無作為割り付けされた。本治験は、5つの来院により構成された〔スクリー ニング来院(来院1)、3回の投与来院(来院2~4)及び事後調査来院(来院5)〕。来院2はスクリーニ ング後2~21日に実施された。来院2~4の各来院間には、それぞれ7~21日間の来院間隔を設けた。事後 調査来院は来院4の後7~21日間(IDegAsp又はIDegの投与後)又は2~21日間(IAspの投与後)に行う よう計画された。薬力学的反応は24時間グルコースクランプ〔目標血中グルコース濃度:5.5 mmol/L(100 mg/dL)〕を用いて評価した。薬物動態プロファイルは、IDegについては120時間(IDegAsp又はIDegを 投与した場合のみ)、IAspについては12時間(IDegAsp又はIAspを投与した場合のみ)評価した。被験者 は、IDegAsp及びIDegの投与来院の場合は治験薬の投与後48時間、IAspの投与来院の場合は治験薬の投与 後13~25時間(クランプの施行時間による)入院した。各被験者の治験期間は、合計22~85日間であっ た。本治験は、IDegAsp及びIDeg間ならびにIDegAsp及びIAsp間を比較し、その差異を明確にするために
1:NN5401は、インスリン デグルデク/インスリン アスパルト(IDegAsp)の旧称である。
2:NN1250は、インスリン デグルデク(IDeg)の旧称である。
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計画された。薬力学的作用及び薬物動態プロファイルに関し、IDegAsp及びIDeg間ならびにIDegAsp及び IAsp間の差を20%以上とすることが食品医薬品局(FDA)により推奨されている3。
計画及び解析された被験者数:
計24例の被験者が治験を完了するよう計画された。30例がスクリーニングを受け、27例が無作為割り付け され治験薬の投与を受けた。中止例はなく、27例すべてが治験を完了し、最大の解析対象集団〔full analysis set(FAS)〕及び安全性解析対象集団に含められた。
診断及び主要な組入れ基準:
主な選択基準
1型糖尿病と臨床的に診断され、罹病期間12ヵ月以上、年齢18以上65歳以下、BMI(kg/m2)18.0以上 28.0以下の被験者(男女)。
主な除外基準
過去1ヵ月以内に血液又は血漿献血を実施した被験者、スクリーニング前3ヵ月に500 mLを超える血液又 は血漿献血を実施した被験者、悪性腫瘍又は心疾患の既往を有するもしくは併発している被験者、スクリ ーニングにおける仰臥位血圧が収縮期90~140 mmHg又は拡張期50~90 mmHgの範囲から逸脱する被験 者、増殖網膜症又は黄斑症、及び/又は重度の神経障害を有する被験者、重大な低血糖を繰り返し発現す る又は無自覚低血糖被験者及び喫煙者であった。
被験薬、用量及び投与方法、ロット番号:
IDegAsp:3 mL Penfill®カートリッジ(100単位/mL)
0.5単位/kgのIDegAspを下腹部腹壁に皮下投与した。
ロット番号:XCQ0004
投与期間:
来院間隔を設けた3回の投与来院において、3回の単回投与が実施された。
対照薬、用量及び投与方法、ロット番号:
IDeg及びIAsp:3mL Penfill®カートリッジ(100単位/mL)
0.5単位/kgのIDeg又はIAspを下腹部腹壁に皮下投与した。
ロット番号:VCQ0013(IDeg)及びYFF0001(IAsp)
評価基準:有効性 薬力学的作用
GIR
血中グルコース濃度 薬物動態
IDegAsp又はIDeg投与後の血清中IDeg濃度
IDegAsp又はIAsp投与後の血清中IAsp濃度 評価基準:安全性
有害事象
安全性に関する臨床検査項目
身体所見
バイタルサイン
心電図
3:Food and Drug Administration, Code of Federal Regulations, Guidance for Industry, Diabetes Mellitus:
Developing Drugs and Therapeutic Biologics for Treatment and Prevention. Draft Guidance. Feb-2008 Page 123 of 2204
低血糖 統計手法:
薬力学的作用及び薬物動態の解析はFASに基づき実施した。FASには無作為割り付けされたすべての被験 者を含めた。安全性の解析は安全性解析対象集団に基づき実施した。安全性解析対象集団には、少なくと も1回の治験薬又は対照薬の投与を受けたすべての被験者を含めた。
プライマリーエンドポイントの解析
プライマリーエンドポイントは、AUCGIR,0-6h,SD(IDegAsp及びIDeg間のみ)及びAUCGIR,6-24h,SD(IDegAsp及 びIAsp間のみ)である。AUCGIR,0-6h,SD及びAUCGIR,6-24h,SDは、スムージング化されたGIR推移曲線下面積と して、線形台形法によって算出した(補間された点を使用)。評価区間の終わりに欠測値がある場合、last observation carried forwardを用いた。
IDegAsp及びIDeg間ならびにIDegAsp及びIAsp間の薬力学的反応を評価するために、プライマリーエンド ポイントを対数変換し、2つのエンドポイントそれぞれについて、IDegAsp及びIDeg間ならびにIDegAsp 及びIAsp間の平均の差を、製剤及び時期を固定効果とし、被験者を変量効果として含めた線形混合モデル を用いて解析した。平均に差がないという仮説を、有意水準5%で検定した。
10例の被験者について、投与前に決めたインスリン注入速度では投与後の血中グルコース濃度の上昇を抑 制することができなかった。そのため、これらの被験者に関してはグルコースクランプ開始後数時間以内 のGIRが低く推定されることとなり、プライマリーエンドポイント(AUCGIR,0-6,SD)の解析に影響を与えた 可能性がある。したがって、これら10例の被験者のGIR推移プロファイルを除外した感度解析を実施し た。
薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイントの解析
薬力学的作用に関するセカンダリーエンドポイント:単回投与後のGIR推移曲線下面積(AUCGIR,SD)〔投 与後0~2時間、0~4時間、0~6時間(IAspのみ)、0~12時間(IDeg及びIAspのみ)、0~24時間、12
~24時間(IDegAsp及びIAspのみ)〕、最大GIR(GIRmax,SD)、GIRmax,SD到達時間(tGIRmax,SD)及び投与 後0~tGIRmax,SDにおけるAUCGIR,SD(AUCGIR, 0-tGIRmax, SD)(IDegAsp及びIAspのみ)
IDegAsp及びIAsp間の薬力学的反応を比較するために、対数変換したセカンダリーエンドポイント
(AUCGIR,0-2h,SD、AUCGIR,0-6h,SD、AUCGIR,0-12h,SD、AUCGIR,0-24h,SD、AUCGIR,0-tGIRmax,SD、AUCGIR,12-24h,SD及び
GIRmax,SD)をプライマリーエンドポイントと同様の方法で解析した。IDegAsp及びIDeg間の薬力学的作用
の特性を比較するために、対数変換したセカンダリーエンドポイント(AUCGIR,0-2h,SD、AUCGIR,0-24h,SD及び
GIRmax,SD)をプライマリーエンドポイントと同様の方法で解析した。薬力学的作用に関するその他のセカン
ダリーエンドポイントについては、製剤別に記述統計量で要約した。
薬物動態に関するセカンダリーエンドポイントの解析
IDegAsp及びIDeg投与後のIDeg濃度推移曲線より算出される薬物動態に関するセカンダリーエンドポイン
ト:単回投与後のAUCIDeg,SD(投与後0~24時間、0~120時間及び0~無限大時間)、最高血清中IDeg濃
度(Cmax,IDeg,SD)、Cmax,IDeg,SD到達時間(tmax,IDeg,SD)、IDegの終末相の消失半減期(t1/2,IDeg,SD)、IDegの平均
滞留時間(MRTIDeg,SD)、IDegの見かけの血清クリアランス(CL/FIDeg,SD)、終末相で推定されたIDegの見 かけの分布容積(Vz/FIDeg,SD)
IDegAsp及びIAsp投与後のIAsp濃度推移曲線より算出される薬物動態に関するセカンダリーエンドポイン
ト:単回投与後のAUCIAsp,SD(投与後0~2時間、0~4時間、0~6時間、0~12時間及び0~無限大時 間)、最高血清中IAsp濃度(Cmax,IAsp,SD)、Cmax,IAsp,SD到達時間(tmax,IAsp,SD)及びIAspの消失半減期
(t1/2,IAsp,SD)
IDegAsp及びIDeg間の薬物動態の特性を比較するために、対数変換したセカンダリーエンドポイント
(AUCIDeg,0-24h,SD、AUCIDeg,0-120h,SD及びCmax,IDeg,SD)を、プライマリーエンドポイントと同様の方法で解析し
た。IDegAsp及びIAsp間の薬物動態の特性を比較するために、対数変換したセカンダリーエンドポイント
(AUCIAsp,0-2h,SD、AUCIAsp,0-6h,SD、AUCIAsp,0-12h,SD及びCmax,IAsp,SD)を、プライマリーエンドポイントと同様の
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方法で解析した。
IDegAsp及びIDeg間のバイオアベイラビリティの相対値(IDeg濃度に基づく)は、セカンダリーエンドポ
イント(AUCIDeg,0-120h,SD)と同様のモデルを用い、用量で補正した(IDegAspに含まれるIDegは70%であ
る)製剤比として推定した。IDegAsp及びIAsp間のバイオアベイラビリティの相対値(IAsp濃度に基づ く)は、セカンダリーエンドポイント(AUCIDeg,0-12h,SD)と同様のモデルを用い、用量で補正した(IDegAsp に含まれるIAspは30%である)製剤比として推定した。90%信頼区間を算出した。バイオアベイラビリテ ィ試験に対する欧州医薬品庁(EMA)及びFDAの推奨に従い、90%信頼区間が80~125%に含まれる場 合、IDegAsp及びIDeg間ならびにIDegAsp及びIAsp間のバイオアベイラビリティの相対値は100%である と結論できることとした。
安全性に関するエンドポイントの解析
安全性に関するエンドポイントは、有害事象、安全性に関する臨床検査項目、身体所見、バイタルサイ ン、心電図及び低血糖である。すべての安全性に関するエンドポイントについて、一覧表を作成し、記述 統計量で要約した。
被験者背景:
無作為割り付けされ、治験薬の投与を受けた27例はすべて白人であった。1例が女性で26例が男性であっ た。平均年齢は43歳、平均BMIは25.3 kg/m2であった。糖尿病罹病期間の平均は21年であり、HbA1cの平 均は7.5%であった。
有効性の結果及び結論:
本治験では、来院間隔を設けた各投与来院においてそれぞれ0.5単位/kgのIDegAsp、IDeg及びIAspを単回 投与した。IDegAspは30vol.%のIAsp及び70vol.%のIDegを含有するので、0.5単位/kgのIDegAspは0.15 単位/kgのIAsp及び0.35単位/kgのIDegに相当する。
薬力学的作用に関するエンドポイント-IDegAsp及びIAspとの比較 早期の薬力学的作用(食事時に相当する画分:投与後0~6時間)
投与後0~2時間における薬力学的反応(AUCGIR, 0-2h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで63%小さか った(p = 0.0228)。
投与後0~6時間における薬力学的反応(AUCGIR, 0-6h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで58%小さか ったが、統計的な有意差はなかった(p = 0.0804)。
GIRmaxの平均は、IAspと比較しIDegAspで56%小さかった(p < 0.0001)。
投与後0~tGIRmaxにおける薬力学的反応(AUC0-tGIRmax,SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで53%小さ かった(p < 0.0001)。
後期の薬力学的作用(基礎分泌に相当する画分:投与後6~24時間)
投与後6~24時間における薬力学的反応(AUCGIR,6-24h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで3.9倍大 きかった(p = 0.0004)。
投与後12~24時間における薬力学的反応(AUCGIR,12-24h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで5787倍 大きかった(p < 0.0001)。
その他
投与後0~12時間における薬力学的反応(AUCGIR,0-12h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで46%小さ かった(p < 0.0001)。
投与後0~24時間における薬力学的反応(AUCGIR,0-24h, SD)の平均は、IAspと比較しIDegAspで31%小さ かった(p < 0.0013)。
薬力学的作用に関するエンドポイント-IDegAsp及びIDegとの比較 早期の薬力学的作用(食事時に相当する画分:投与後0~6時間)
投与後0~6時間における薬力学的反応(AUCGIR, 0-6h, SD)(プライマリーエンドポイント)の平均は、
IDegと比較しIDegAspで大きかった〔主要な解析の結果は40.7倍(p < 0.0001)、感度解析の結果は7.9 Page 125 of 2204