図2 採苗器構造
浮子 水面
@ ∫
S〆 6
杉
ン レノ ン
俵
図3 採苗器構造 浮子
杉葉
浮子
水面
ラ地
@ 鍮
松島/
oo/
。 ! 1 !
引 1 田 ノ
町
徳島県 /ノ
表1 層別付着量(昭・義?)
(杉葉10cm当り平均)
オ投入時@7π 別 7.22 8.5
2 4
6 0 0
8 0 0
10 2 ◎
12 1 G
14 4 2
16 4 2
18 7 2
20 6 3
22 10 3
24 3 1
曝 問題点および対策
前述のとお』り結果的に失敗に終り,昭和48年度試験に対し問題と課題を残す結果となった。試 験場所選定については想定したとおり良好であり,付着時期についても略良好の結果とみてよい。
ただ採苗器設置日については問題があり,図8に示した浮遊幼生出現量のみられる引園沖(昭和47 年度)では7月22日以前の調査資料がないので不明であるが,それ以降については7月22日が最 多出現日であるとともにすでに下降点に入っていたと考えられる。従って浮遊幼生の出現率が上 昇する時点,すなわち6月下旬,遅くとも7月上旬に採苗器を沈設すれば,より効果を上げてい たと思われる。
試験材料の採苗器は,杉葉が付着紡として良好であったが腐蝕する欠陥があったこと,また網 地の場合には腐蝕しないが付着率が悪い欠陥があり,付着材の選定については再検討を急ぐ必要 があった。
付着層は海底ほど好結果であったが,採苗器が海底に接着してはならない。このことは褒1の 層別付着量で示したとおり,最深部では付着量が急激に減少していることでも判る。採苗器設定 場所は底質が微細泥であるので,採苗器が風波,潮流および干満(最大約1.5m)によって海底
に接触または埋没され,稚貝の付着を妨げているものと推測された。
付着量については,水深22拠摺で杉葉10c鍵砦り平均10個体確認し,ほぼ満足すべき状態であった が,杉葉腐触が原因で最終までの試験が果せなかったことについて今後畢急に対策をたてる必要
がある。
他方,最近内海における水産資源の減少から,アカガイに乱獲の傾向もみられるので,昭和48 年度に引き続き企業化試験を実施するにあたって,これが稚貝の付着率に悪影響を与えることも 想定される。従って,親翼資源量と採苗との関連性についても調査をすすめておく必要があると 考えた。
∬ 昭和聡年度採苗試験の概要
凄 試験場所(図紛香川県大学邸引田町,白鳥町,大内町および津田町地先海域。
昭和47年度引田町地先海域で実施した採苗試験の結果に基づき近隣5漁協において採苗試験を 実施した。
2 試験方法 q)関連水域の環境調査
水温(図7) 発生期および付着期を適格に把握する隠的で行なったが,調査回数が少ない うえ,表爾水温のみなので正確でないが,一応東讃海域における夏期の水温状況を知るための参 考にはなるであろう。
底質調査(表2) 天然アカガイの棲息漁場環境を把握する意味と脱落稚貫の生残率との関 連性を追究する参考資料とする。
浮遊幼生調査(図8) 付着期および発生量を確認するため,北原式プランクトンネットを 用い,海底からの垂直璽によって浮遊期幼生の採集を行なう。
アカガイ漁獲i量調査 各漁協の水揚げ台帳調べ(表3)。
(2)採苗器設定
採苗器設定場所の選定(図4) 漁業調整上の問題があるため各研究グループと椙談の上適 当な場所を選定した。
一166一
図4 昭和48年度採苗器設定場所
津田
\\\\ {
\ 〜㌔\
ハ\\\
いこ\\き\
津 田
む
鶴羽 町 凡例
島鱒 S.48採苗器設定場所
○ 漁業協同組合
ノ
播磨灘 /35那
/
/ノ\一〜〜_一一_㌦ ノ 聾 、一一ノ
\、 _ノ\べ、\\
香 川 県
◎ 5・000 10・GO伽
論し ^とン諜
引
ノ
㌦稿鵬県
採苗器の構造および 規模(図5) 付着稚 員の脱落防止について,
青森県陸奥湾にお・ける ホタテガイ採苗方法を 参考とする。セットの 規模は,当初の基準と して,長:さ200mの幹 ロープに杉葉を入れた グリーンネット(豆類 出荷用袋,唾0×70cm)
40G個を延縄式で垂下 する方法を採用する。
採苗器設定水深
〜婆mの層に設定した。
採苗セット設置時期
表2 採苗場底質
粒 度 組 成 場 所
>3.00
@ 罵
1 0.5 0.2 0.05 く0.05
強熱
ク董
引田沸 ◎ 0 0
L55
1.30 97.15 9.93白鳥〃 G 0 0 L遮9 1.49 97.02噛 8.22
東讃〃 0 o 0
L78
2.19 96.03 8.04鶴羽〃 0 0 0 2.25 2.58 95.17 5.14
津田〃 8.28 1.21 0.31 12.49 18.31 59.40 0.72
昭和47年度の結果から各地先海域とも設定場所の水深に関係なく海底上2 時期の選考については昭和47年度の浮遊幼生出現量を参考にする他,
昭和48年度採苗セット沈設前(6月下旬)に事萌調査として浮遊幼生出現状況調査を行なった。
付着量調査(表婆) 10月1日より中間育成に移行するので,9月30日をもって付着量調査 を終えた。調査はグリーンネット1袋を単位とし,袋の内外に付着している稚賃の計数をした。
付着稚貝の成長度(図6) 8月,から10月にかけ毎月1圓,無作為に30個体を抽出して計澗
した。
3 試験の経過および結桑
昭和48年6月28臼から8月20日にわたり,
図4に示した場所におしいて図5の採苗器セッ トを沈設した。その状況および結果につい ては表4に示すとおりであり,採苗セット 16台(グリーンネット1900袋〉を使用して,
約20万貝の種苗が得られた。
採苗セット設置時期に関しては,図7に 示した昭和47年引田の最多出現期前に合せ るようにした。事前調査の浮遊幼生出現量 が1m3当り約1600個体で,昭和47年7月22
表3 アカガイ漁獲量(底喫) (単位:トン)
津田 二二
引田 計 S.47.1112
S.48. 1 5.4 5.婆
盆 7.2 0.6 7.8
3 ◎.3 2.0 4.6 6.9
計 0.3 9.2 10.6 20.1
日最多出現臼の約1800個体に比較してやや少い数値が算出された。従って,昭和娼年度の最多出 現期は7月中旬以降になるものと予測し,採苗セットを7月上旬に投入した。
浮遊幼生出現率と水温の関係については,図7の浮遊幼生出現量と園6の採苗期聞中の水温と を照合してみると,大内・引田両漁協地先のいつれも最多出現期が22。5〜23℃となっている。ま た≠最小畠現期は8月下旬で,その時の水温が今期最高の26.2〜26.5を示している。
8月6日,稚貝の付着を確認するが,極小のため計測できず,肉眼観察が可能となる8月15臼
図5 採苗器構造
浮子
i 200盟
水漏
錨 土俵 海底 採苗器
水観 浮子
23醗
i
E
ア
2i3院
採苗器
海底 土駿
一168一
表4 圭也先シ弼才采苗♪i犬訪己と糸吉果
(昭.48.9.30現在)
漁協名 設雪月凝 採苗場所 距 岸(斑) 水深i規)
流 速 iノツ㌧砥)
規横 i画数)
i袋当り
P均付着数 付着稚員数i千員)
引 鋤 7.7 松島沖 3,500i松島より300) 23 0.2〜0.6 脚 120 60
〃 8.2G 与治山沖 4,000 25 O.2〜0.8 100 王00 10
白 鳥 7.5 二子島棄 1,000i二子島より300) 20 0.2〜G.7 3GO 5G 15
東 讃 7.3 三本松沖 6,000 25 0.2〜⑪.8 loo 1000 10G
ノノ 〃 〃 2,500 17 0.1〜G.5 ioo 40 4
〃 〃 ,ノ 1,500 玉4
0.1〜0.5 1GO 10 1
〃 7.5 科斗周辺 200
1G 0.1〜0.5
謝 0 0
鶴 羽 6.28 灘召湾 300 7 G.1〜0.3 200 5 1
津 田 7.2 〃 300 9 0。1〜0.3 300 2G 6
計 1,9§0 197
に再計測した。着生期を推測すると,図9のとおり採苗セット沈設直後に付着したと思われる大 きな群と7月下旬に付着したと思われる小さな群とが認められる。
適正漁場確認については,表2の採苗状況および図8の水深・距岸別付着量に示したとおりで,
水深が深い沖合ほど付着率が良くなっている。表5でみると,アカガイの付着率が高いのは引闘 の松島沖・与治山沖お』よび大内町三本松沖の沖側漁場のみであり,これらの漁場ではその他の貝 類の付着および付着生物が少なくて有望であることが判明した。水深および岸からの距離と各付 着稚翼の量的関係を図10および
麟11に示した。
付着稚貝の成長度は,図6に 示したとおしり,7月3B沈設直 後に付着したとみられる群は97
日経過の10月1日には32㈱に成 c 長し,香渡・合磁・大林3>が行 なった室内採苗(昭・46)の成 長度(8月20日から琵月1日の
三〇〇日間で約2伽田)と比較して 優るとも劣らぬ結果であった。
28 26
2畦
22
2⑪
図6 採苗期悶中の水温
弓1罎
山間 津田
20日 3FO 圭0 20 30 10 210 30 10 20 30 10 20
曝 問題点および対策 q)環境調査関係
水温調査 水温測定が表面に限られ,しかも調査團数も少ないので正確度がない。アカガイ の付着層が,20〜25田と深いので表弼水温より底層水温に重点をおくべきであろう。
浮遊幼生調査 6月下旬から調査を開始したが,本年度の場合,6月下旬が最多出現期に近 く,禺現率上昇の傾向を調べ出すことができなかった。また,採集方法についても垂直曳では層 溺分布状態が掴めないので改善の必要がある。
図8の浮遊幼生出現量で,引田における昭和47年度と48年度を比較してみると,1田3当り平均
図7 浮遊幼生出現量:幼生数/揃3
欄 体 数
2,⑪00
1,000
へ
\
\
\
\\
\\
嵐
曾一S.48
盒 一一一・S働47
\、 、
、\ 憶引国
引霞
東識 津霞
2GEi 30 10 2G 30 10 2G 30 玉0 .20 3G IG 20
6月 7 8 9 10
700個体の減少がみられる。これは,昭和47年冬期のアカガイ操業姿勢と関連して親貝資源の 減少によるものと推察される。従って昭和49年度採苗を実施するに当って,娼年度付着率と同等 あるいはそれ以上を確保するためには,天然産親貝資源を現状維持する体制を整えておくことが 必要である。
なお津田湾の二種浮遊幼生出現量については,ミノガイ,アサリのそれが多分に含まれている 可能性があるので,ここでは参考資料程度に留ておく。
(2)採苗器設定
採苗器設定場所の選定 アカガイの幼生が浮遊して いる海域であれば付着可能と単純に判断したこと,およ び漁業調整に関する問題等があって,予期した充分な成 績を収めることができなかった。従って今後実施に際し ては,図4に示した水深30m線が適正漁場と想定される 覧。。「
ので,漁業調整の上,集約的採苗水域を設定する必要が 」
ある・ i
採苗器の構造および規模:杉葉の付着率は良好である ]
・礪謝・欠点があ・。杉葉に代る腐触しな・劇オの釧
数 開発が急務である。採苗ネットは夏期に行なわれる関係で,付着生物・そ の他海の汚れの影響で閉詰りが早く稚賃の付着を阻害し ている。本年度使用したグリーンネットは付着稚貝の脱 落防止について大きな役割を果したが,目合が3〜5m磁 と小さく,隆詰りが早いので,今後は約1伽媚合の材料
判
」
1
図8 水深別・・距岸別・付着量 (採苗器1袋当り員数)