Data Guardには次のようなメリットがあります。
■ 障害時リカバリ、データ保護および高可用性
Data Guardは、効率のよい包括的な障害時リカバリおよび高可用性ソリューションを提供
します。管理が容易なスイッチオーバー機能とフェイルオーバー機能を使用すると、プラ イマリ・データベースとスタンバイ・データベース間でロールを可逆的に推移できるため、
計画的および計画外の停止によるプライマリ・データベースの停止時間が最小限になりま す。
■ 完全なデータ保護
Data Guardでは、予期しない障害が発生した場合でもデータが消失しないことが保証され
ます。スタンバイ・データベースには、データの破損やユーザーのミスに対する保護対策 が用意されています。プライマリ・データベースの記憶域レベルの物理破損は、スタンバ イ・データベースに伝播されません。同様に、プライマリ・データベースの完全な破損の 原因となった論理的な破損やユーザーのミスも解決できます。最後に、REDOデータが、
スタンバイ・データベースへの適用時に検証されます。
■ システム・リソースの効率的な使用
プライマリ・データベースから受信したREDOデータで更新されたスタンバイ・データ ベース表は、バックアップ、レポート生成、要約および問合せなどの他のタスクにも使用 できます。したがって、これらのタスクの実行に必要なプライマリ・データベースのワー クロードを低減し、貴重なCPUとI/Oのサイクルを節約できます。ロジカル・スタンバ イ・データベースを使用すると、プライマリ・データベースに基づいて更新されていない スキーマ内の各表で通常のデータ操作を実行できます。ロジカル・スタンバイ・データ ベースは、表をプライマリ・データベースから更新する間、オープン状態のままにしてお くことができるため、表は読取り専用アクセスに同時に使用できます。最後に、メンテナ ンスされている表に追加の索引やマテリアライズド・ビューを作成することによって、問 合せパフォーマンスを改善し、特定のビジネス要件を満たすことができます。
■ 可用性とパフォーマンス要件とのバランスを保つことができるデータ保護の柔軟性
Oracle Data Guardには、各企業がデータ可用性とシステム・パフォーマンス要件とのバラ
ンスを保つことができるように、最大保護、最大可用性および最大パフォーマンスの3つ のモードが用意されています。
Data Guardのメリットの要約
Oracle Data Guardの概要 1-11
■ ギャップの自動検出と自動解消
ネットワークの問題などで、プライマリ・データベースと1つ以上のスタンバイ・データ ベースとの間の接続が失われた場合、プライマリ・データベース上に生成されるREDO データは、宛先のスタンバイ・データベースに送信されません。接続が再度確立された時
点で、Data Guardによって、欠落しているアーカイブREDOログ・ファイル(ギャップ
と呼ばれます)が自動的に検出され、それらのファイルがスタンバイ・データベースに自 動的に転送されます。スタンバイ・データベースはプライマリ・データベースと同期化さ れるため、DBAによる手動操作は不要です。
■ 集中化された単純な管理
Data Guard Brokerは、グラフィカル・ユーザー・インタフェースとコマンドライン・イン
タフェースを提供し、Data Guard構成の複数のデータベース全体の管理タスクと操作タス クを自動化します。また、ブローカは、単一のData Guard構成内のすべてのシステムを 監視します。
■ Oracle Databaseとの統合
Data GuardではOracle Database Enterprise Editionの機能の1つであるため、個別にイン
ストールする必要はありません。
■ 自動ロールの推移
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になると、プライマリ・サイトで障害が発 生した場合、Data Guard Brokerにより、DBAによる操作の必要なしに同期化されたスタ ンバイ・サイトにフェイルオーバーされます。また、アプリケーションにロールの推移が 自動的に通知されます。
Data Guardのメリットの要約
Data Guardスタート・ガイド 2-1
2
Data Guard スタート・ガイド スタート・ガイド スタート・ガイド スタート・ガイド
Data Guard構成には、1つのプライマリ・データベースと、それに対応付けられた最大9個の
スタンバイ・データベースが含まれます。この章では、Data Guardの使用を開始するための次 の考慮事項について説明します。
■ スタンバイ・データベースのタイプ
■ Data Guard構成の管理のためのユーザー・インタフェース
■ Data Guardの動作要件
■ スタンバイ・データベースのディレクトリ構造に関する考慮事項
■ オンラインREDOログ、アーカイブREDOログおよびスタンバイREDOログ
スタンバイ・データベースのタイプ