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DS を⽤いた⾛⾏状況の再現準備

ドキュメント内 PMV の基本構成と運動特性解析⼿法 (ページ 139-144)

PLATRA

5.3.2. DS を⽤いた⾛⾏状況の再現準備

⾞ 両 運 動 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン シ ス テ ム は , ド イ

ツ IPG Automotive 社

CarMaker (HILS)を⽤いている.作成した PMV モデルは, 前

2

輪, 後

1

輪の三

輪⾞であり, 旋回中には内傾しながら⾛⾏する.没⼊型 DS による旋回時内傾す

る PMV の運動の再現性を⽬的とするため,ここでは,

先⾏例である TOYOTA

i-ROAD と同様,アクティブな内傾機構を有し, 前輪駆動, 後輪操舵にてモデル

化した.このモデルの諸元を第 2 章の図 2-6,表2-3 に⽰した.

この⾞両モデルの構成に関しては第 2 章にて詳述した.アクティブに与える

⽬標内傾⾓は,式(2-3)にて与えられる.⽬標内傾⾓は仮の横加速度に釣り合う

時を 1.0

倍と想定し,その倍率は任意に変更できる.この⽬標内傾⾓は⼀般的な PID 制御によって追従される.制御パラメータは表 2-2 に⽰したように,本章 では

T P

=4000 とし,T

I , T D

は⽤いてない.

まず,半径 50m の定常円旋回にて,⽬標内傾⾓の倍率を検討した.計算上 56.8km/h の⾞速で横加速度は

4.98m/s 2

になり,この時⾞両座標系で横加速度 を発⽣しない内傾⾓は 26.9度となる.

5-2 ⽬標内傾⾓の倍率

A

の設定

5-2 に⽰すように,

式(2-3)の⽬標内傾⾓の倍率 A

を 1.0 に設定したところ,

実際の内傾⾓は式(2-3)の

TRA

の値よりかなり⼩さかった.詳細は割愛するが,

サスペンションのばね特性などにより,スタビラーザーに与える偶⼒を P 制御 にて合わせ込み切れなかったようだ.ここでは内傾制御機能を検討することが

⽬的でなく,⼗分な内傾⾓が発⽣する条件での予備的な確認が⽬的なので,⽬標 内傾⾓の倍率

A

の値により横加速度

ÿ

に⾒合った内傾⾓を与えることとした.

結果的に⽬標内傾⾓の倍率

A

を 2.0 として実験を進める.

5.3.3. コーナーのある⼭道での DS 挙動観察

使⽤するシナリオ

(⾛⾏コース)は,図 5-9の⽇本平パークウェイの下りコー スとした.数多くの旋回を含む全⻑約1.9km,⾛⾏時間約2分

40

秒のコースで ある.前節と同様,運転は付属のドライバモデル

IPGDriver

を⽤い,上限⾞速 は

60km/h,最⼤横加速度の⽬安は 3.0m/s 2

の条件で⾛⾏させた.この⾛⾏の様

⼦を図 5-10 に⽰す.現実世界での⾃然な⾛⾏の様⼦がうまく再現されている.

Turning Radius 50m 50m

Actual Lateral Acceleration (ÿ) 5.00m/s 2 5.00m/s 2 Vehicle Velocity (v) 56.8km/h 56.8km/h User Amplification Factor (A) 1.0 2.0

Actual Lean Angle Roll 10.64deg 20.47deg

-4 -2 0 2 4 6 8

1

0 2.778 5.556 8.334 11.112 13.89 16.668

1

(sec) Vehicle velocity

0 60

40 30 20

0 50

10 (km/h)

8

4 2 0

-4 6

-2 (m/s 2 )

Lateral acceleration

V ehicle velocity

20 40 60 80 100 120 140 160

Lateral acceleration

図 5-9 ⽇本平パークウェイの下りコース

図 5-10 ⾛⾏状況

まず前節で設定した⽬標内傾⾓の倍率の妥当性を確認した.図 5-11 に⽰すよ うに,発⽣した横加速度

ÿ

と,この PMV モデルの構造から導出された予測横加

速度 PLA

は,極めて良い⼀致を⽰し,この DS シナリオ上でも⽬標内傾⾓の倍 率は妥当だと理解して良い.

次に PMV の挙動として着⽬している,内傾⾓の発⽣状況を確認した.

Nihondaira

Parkway 1.9km

h2ps://www.google.co.jp/maps/

図 5-12 に⽰すように,⾛⾏シミュレーション結果としての横加速度(ÿ)から 導出した内傾⾓(TRA*)と,⾞両仕様から求めた⽬標内傾⾓(TRA)も必然的に 極めて良い⼀致を⽰す.図 5-11,図 5-12 は,⾞両のステア特性がほぼニュート ラルステアであることも⽰している.

図 5-11 予測された横加速度(

PLA )と実際の横加速度(ÿ )の⽐較

図 5-12

ÿ

から導出した内傾⾓(TRA*)と幾何学的⽬標内傾⾓(TRA)の⽐較

ただし⾛⾏シミュレーション結果としての実際の内傾⾓については,図 5-13 に⽰すように,ほぼ

TRA*,TRA

に近いものの,先に述べた⽬標内傾⾓の倍率

A

の値が,まだ少し不⾜していたため,それらよりわずかに⼩さい値を⽰した.

次に,PMV が発⽣する横加速度を⾒る.5.3.1.項で述べたように,DS 上では

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

1

4

2

0

-2

-4 (m/s 2 )

Lateral Acceleration 0 20 60 80 100 160

(sec)

40 120 140

PLA ÿ

TRA* TRA

R ol l A ngl e

横加速度の定常値は主にモーションベースのロール⾓で再現される.

図 5-14に⽰すように,⾞両の発⽣横加速度(ÿ)が⼗分⼤きな値であっても,

ドライバの体感する横加速度(DLA)は⼗分に⼩さい.図 5-13 で述べた若⼲の 内傾⾓の不⾜による,旋回外側へのわずかな体感横加速度も精度良く再現され ているが,DS 実験にて被験者が意識するほどの値ではない.

図 5-13

横加速度(ÿ )から導出した内傾⾓(TRA*)と実際のロール⾓の⽐較

図 5-14

PMV では体感横加速度(

DLA )は実際の横加速度(ÿ )に⽐べ⼤変⼩さい

⽐較のために従来の⾃動⾞で同じシナリオを⾛⾏した結果を図 5-15,図 5-16 に⽰す.PMV と同⼀のコースを同⼀のドライバ条件で⾛⾏したため,その発⽣

する横加速度(図 5-16)は,図 5-14で⽰した PMV の発⽣横加速度とほぼ等し

TRA*

R ol l A ngl e

Roll

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

1

DLA ÿ

4

2

0

-2

-4 (m/s 2 )

Lateral Acceleration 20 60 80 100 160 0

(sec)

40 120 140

い.このモデルでは,PMV のような⽬標内傾⾓は求めないが,仮に発⽣横加速 度(ÿ)に基づく⽬標内傾⾓(TRA*)を求める(図 5-15)と,図 5-13 に於ける PMV 同様,旋回内側への⼤きな内傾⾓が必要となる.

図 5-15 乗⽤⾞の実際のロール⾓(φ)は⼤変⼩さい

図 5-16 乗⽤⾞の体感横加速度(

DLA )は実際の横加速度(ÿ )よりむしろ⼤きい

しかしながら従来の⾃動⾞は,逆に旋回外側にロールする.これを抑制するた めに実際の⾞両開発では様々な⼯夫がなされている.このロール,あるいは内傾 による,ドライバの体感する横加速度(DLA)の発現の仕⽅が,

旋回内側に内傾

する PMV が従来の⾃動⾞と⼀線を画する点である.

ドキュメント内 PMV の基本構成と運動特性解析⼿法 (ページ 139-144)