FWS RWS
7) 障害物回避メカニズムのまとめ
0 20 40 60 80
M ax im u m S peed ( km /h )
1.5m 2.0m 2.5m
Lateral Offset
Avoiding PMV
Passed Approach
PC
MC
PMV : Personal Mobility Vehicle PC : Passenger Car
MC : Motorcycle
渉した場合は失敗として⾛⾏コースへの進⼊速度を下げる.
図3-40 のように,回避幅 1.5mでは,⾛⾏コースへの進⼊速度が 80km/hで,
回避区間進⼊速度70.6km/h,脱出速度 68.5km/hが得られ,回避幅 2.0mでは,
⾛⾏コースへの進⼊速度 65km/h で,回避区間進⼊速度 53.4km/h,脱出速度 49.9km/hが得られた.回避幅 2.5mでは⾛⾏コースへの進⼊速度 51km/h以上 で回避に失敗し,進⼊速度 50km/h で初めて成功した.回避区間進⼊速度 49.7km/h,脱出速度 49.8km/h が得られたが,いずれの回避幅でもその回避可 能最⼤速度は,PMV と同等かやや下回る結果となった.
2) モーターサイクルによる回避⾛⾏
3.3.1.項 2),3.3.1.項 3)で述べたように,PMV と同様のコースにて,BikeSim 付属のライダモデルを⽤いて,モーターサイクルの最⼤回避速度を求めた.進⼊
⾞速は 1km/h刻みで徐変した.このモデルでは⾃動的な減速動作はしないもの の,結果として回避区間での若⼲の速度変動がある.ただしその僅かな変動幅は 考慮せず,⾛⾏コースへの進⼊速度を回避速度として記録した.その結果,図 3-40 に⽰すように,回避幅 1.5mで 53km/h,2.0mで44km/h,2.5mでは 32km/h の最⼤回避速度を得た.
シミュレーションツールの違いから,PMVや乗⽤⾞との⽐較では多少の不正 確さが否めないが,いずれにしても PMV に対して最⼤回避速度は明確に低い.
回避のための⼤きな横加速度を得るために⼤きな内傾⾓を必要とすることが,
モーターサイクルの弱点となっている.またシミュレーション上は回避できた 場合も,⼤きな⾞体内傾⾓で切り返す必要があり,操舵⾓⼊⼒だけで済む乗⽤⾞
やPMV(アクティブな内傾機構付き)に⽐べ,ライダの⾼い運転技量が必要と なると思われる.
3.3.5. 3.3節のまとめ
障害物回避を模擬して独⾃に定めた,コース規制シングルレーンチェンジコ ースにて,操舵⾓に伴いアクティブに内傾⾓を与える PMV のレーンチェンジ挙 動を考察すると共に,その障害物回避能⼒を乗⽤⾞やモーターサイクルと⽐較 した結果,このタイプの PMV は,下記のように,障害物回避能⼒⾯での市場適 合性が,かなり優れていると考えられる.
1) 内傾⾓付与機能による左右論の荷重移動により,乗⽤⾞同様回避遅れが⼩さ い上に,⾞体の内傾⾓により,乗⽤⾞⽐較で左右輪の⼩さな荷重移動で済むた め,乗⽤⾞に対してさえも障害物回避能⼒がやや⾼い.
2) 左右論の荷重移動により,モーターサイクルに対して回避遅れが⼩さく,障 害物回避能⼒が⾼い.
3) 左右論の荷重移動により回避区間からの脱出位置での⾞体のロール姿勢が ほぼ直⽴状態にあるため,障害物回避動作において,モーターサイクルより更に 優位である.
3.4. 第 3 章のまとめ
アクティブな内傾機構を有する PMV の速い切り返し操舵時の前内輪浮き抑 制⼿段として,操舵⾓に対するロール⾓追従制御の緩和が有効である.ただし同 時に操舵応答の緩和が避けられない.先⾏研究によれば後輪操舵化も前内輪浮 き抑制⼿段になり得るが,やはりその操舵応答遅れは避けられない.
PMV の総合的な運度特性の観点から,前輪操舵の PMV にロール⾓追従制御 の緩和を適⽤し,代表的な操舵応答特性として,その障害物回避能⼒を市場実績 のある乗⽤⾞およびモーターサイクルと⽐較した.その結果,乗⽤⾞やモーター サイクルよりも優れる障害物回避能⼒を有することから,アクティブな内傾機 構を有する PMV が運動特性⾯から⼗分な社会受容性を有することを⽰した.