ロールモーメント⼊⼒
4) 追加パラメータ
IPGDriver では追加パラメータとして最⼤操舵⾓,最⼤操舵速度,最⼤操舵加
速度を設定することができる.
今回はこの制限は検討対象ではなかったので,い ずれの章でも実質上無制限となるほど⼤きな値とした.ドライバ特性に着⽬し た検討では,実際のドライバ観察結果から想定される値を⽤いることになる.2.4.
⽐較のための⾞両モデル
2.4.1. マルチボディダイナミクス(MBD)シミュレーション
第
4
章4.2.節 (4)(5)
4.3.節(6)
,第 3 章 3.3.節(13)(15)
では,乗⽤⾞モデルでの計算が⾏われる.これらの⾞両運動シミュレーションシステムとしても,ドイツ
IPG Automotive 社の CarMaker を使⽤する.いずれもその⾞両運動モデル構造は CarMaker に付属するものであり,特別なものではないためその構造には⾔及せ ず,各章における乗⽤⾞モデルの基本諸元を述べるに留める.また,第
4
章4.2.節 (4)(5) 4.3.節 (6)
では,燃料消費量の検討のために,そのエン ジン・パワートレインモデルとしてオーストリアAVL 社の AVL Cruise を組み合わせ,⾞両とエンジン ・
パワートレインの統合シミュレーションを⾏なってい る.AVL Cruise によるエンジン・パワートレインモデルには新たに THS IIの モデルが組み込まれている.⾞両の負荷を減じるだけではエンジンの熱効率の 悪化を招くため,エンジン容量もバランス良く低減する必要がある. ゆえにこの シミュレーションの統合化は必須である.なお THS
II制御のモデル構築にあた
っては AVL 社でのリバースエンジニアリング⼿法を⽤いた.そのため,本著で はエンジン・パワートレインモデルとそのパラメータ群の詳細には触れない.第 3 章 3.3.節
(13)(15)
では,障害物回避能⼒の⽐較のために,モーターサイクル モデルでの計算が⾏われる.この⾞両運動シミュレーションシステムとしては,⽶国 Mechanical Simulation 社の BikeSim を⽤いる.その⾞両運動モデル構造 は,これに付属するものであり,特別なものではないためその構造には⾔及せ ず,このモーターサイクルモデルの基本諸元を述べるに留める.タイヤはこれに 標準装備されているモーターサイクル⽤タイヤである.
2.4.2. ⽐較⾞両の基本諸元
第
4
章4.2.節 (4)(5) 4.3.節 (6)
では,ベース⾞両として,第⼆世代プリウスと同様の 技術を持つ仮想的な B セグメント⾞(Toyota Vitz や当時は無かった Toyota Aqua など)を設定し,これを基準に超⾼効率コンセプト⾞での変化代を検討し ている.表2-6にベース⾞両とコンセプト⾞の基本諸元を⽰す.表
2-6 ベース⾞両と検討⾞両の基本諸元(第4
章4.2.節 (4)(5)
4.3.節(6)
)表
2-7 乗⽤⾞とモーターサイクルの基本諸元(第 3 章 3.3.節(13)(15)
)Motorcycle
item unit value
Total length m 2.14
Total width m 0.637
Total height m 1.318
Wheel base m 1.576
Front mass distribution kg 122.77 Rear mass distribution kg 75.48
Total mass kg 198.25
Gravity center height m 0.35 Passenger Car
item unit value
Total length m 4.15 Total width m 1.70 Total height m 1.60
Wheel base m 3.185
Front tread m 1.508
Rear tread m 1.494
Total mass kg 1463
Gravity center height m 0.58 Curb mass
Gross mass with 2 occupants Tire RRC
Overall length Overall width Overall height Frontal area
Coefficient of aero drag Engine displacement Transaxle
Average system efficiency (including hybrid system) Drive configuration
Base case 1200 kg 1350 kg 100 10 -4 3785 mm 1695 mm 1520 mm 0.22 m 2 0.26 1496cc THS II 37.5%
Front wheel drive
Studied case 800 kg 950 kg 60 10 -4 3785 mm 1695 mm 1435 mm 0.20 m 2 0.23 996cc THS II 45%
Front wheel drive
第 3 章 3.3.節
(13)
では,乗⽤⾞との⽐較のために CarMaker に付属の⼀般的な 乗⽤⾞のモデルを⽤いている.この乗⽤⾞モデルは実質的に VWビートルの諸
元である.またモーターサイクルとの⽐較のために BikeSim に付属のモーター サイクルモデルを⽤いている.このモーターサイクルモデルは,実質的には本⽥
フォルツァ
250 の諸元となっている.表
2-7 にこれらの⾞両の基本諸元を⽰す.シミュレーションツールが異なるので,乗⽤⾞や PMV との微⼩な特性⽐較には 使わない.⼤差を持って傾向をつかむことを⽬的とする.
2.4.3. 乗⽤⾞のためのドライバモデル
表
2-8ドライバパラメータ(乗⽤⾞運転のケース)
第
4
章4.2.節 (4)(5)
4.3.節(6)
,第 3 章 3.3.節(13)(15)
では,乗⽤⾞モデルでの計算が⾏われる.これらの⾞両運動シミュレーションシステムとしても,ドイツ
IPG Automotive 社の CarMaker を使⽤し,PMV の場合と同様に CarMaker に付属す るドライバモデルであるIPGDriver により⾃動⾛⾏を⾏う.第
4
章4.2.節 (4)(5) 4.3.節 (6)
では,保守的なドライバ,標準的なドライバ,攻撃 的なドライバの,3⽔準のドライバによる追従⾛⾏にて,ドライバ特性の影響検
討を⾏う.第4
章4.2.節 (4)(5)
4.3.節(6)
,第 3 章 3.3.節(13)(15)
のドライバ特性を表 2-8 に⽰す.PMV と乗⽤⾞の⽐較においては,ドライバモデルも CarMaker 付属の IPGDriver を⽤いたので,精度よく⾞両差を再現できることになる.
巡航速度
インカット係数(ccc)
G-Gダイヤグラム 最大加速度 最大減速度 最大横加速度 前後左右関連指数 追従走行パラメータ
車間時間
追従加速反応距離 追従制動反応時間
第4章 4.3.節 保守的 130km/h
0.1
1.5m/s
2
-2.0m/s2
3.0m/s2
50km/h, 0.5, 0.5
2.0sec 10m 0.5sec
第4章 4.3.節 標準的 130km/h
0.1
2.0m/s
2
-4.0m/s2
4.0m/s2
50km/h, 1.0, 1.0
1.5sec 15m 0.75sec
第4章 4.3.節 攻撃的 130km/h
0.1
3.0m/s
2
-6.0m/s2
5.0m/s2
50km/h, 1.5, 1.5
1.0sec 20m 1.0sec 第3章 3.3.節
110km/h 0.1
3.0m/s
2
-4.0m/s2
20m/s250km/h, 1.0/1.0
2.4.4. モーターサイクルのためのライダーモデル (13)(15)
ライダーモデルは
IPGDriver とは使い勝⼿が異なる.IPGDriver が,⾞両の
運動特性を認識した上で,前⽅⼆次予測モデルを基本として,規制されたコース
内での⾛⾏速度と⾛⾏軌跡を⾃律的に選択して⾛⾏するのに対し,BikeSim の ライダーモデルでは,与えられた⾞速で与えられた⽬標軌跡を辿る.回避可能な 最⾼速度を求めるためには,⾞速を徐変しながら,繰り返し試⾏する.
2.5. 第 2 章のまとめ
第 2 章では,PMV のパッケージとその特徴的な機構について述べた上で,第 3 章以降で⽤いるためのモデル構築について述べた.
2.2.節においては,筆者が考案したパッシブな内傾機構を有する PMV の⾃⽴
機能についてもごく簡単に紹介したが,本著ではこれ以上の詳細を割愛する.
第 2 章では,モデル構築の全体像を把握するために,本著全体に概観できる